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今世紀に入ってからWeb上やSNSが発信元あるいは話題になった怪異や妖怪を100収録。
大半が巨大掲示板「2ちゃんねる」のオカルト板が出典のようで、他所でも目にするものが少なくない。1つ1つの事例について見開き2ページで概要や類例、ネタ元と思わしき過去の伝承等を含めて解説しており、それぞれのネタも面白いのだが、この20年の間に超巨大なものとなったWebを舞台に、怪異や妖怪が(創作であれ実話であれ)生まれ、姿を変え、息を吹き返していく様を通覧するようで興味深い。
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怪異妖怪愛好家 朝里樹が、デジタル社会となった現代に、ネットを通じて拡散される怪異や妖怪を紹介したもの。「コトリバコ」、「きさらぎ駅」、「くねくね」、「八尺様」、「アマビエ」など小説やアニメ、ゲームなどで取り上げられる有名な話からネット掲示板を好きで読んでいないと知らないようなマイナーな話まで100種類紹介されています。ネットの話を転載するだけでなく、似たような話や過去にあった怪談話との繋がりなども解説されてて面白かったです。アニメ化もされた宮澤伊織の「裏世界ピクニック」の副読本としておすすめです。
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紹介文にもある通り、基本的にはネットで広まっている怪異話の要約集。100話あって読みごたえがある。
一部考察も掲載されているのだけれど、できれば別にもうちょい突っ込んで続けてほしかった。
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怪異妖怪研究家の朝里樹さんが、21世紀を舞台に語られた怪異・妖怪を100集め、解説した怪異ガイド本。
少し都市伝説が好きなら聞いたことのある有名な怪異からマイナーな怪異まで100種類。大半はオカルト掲示板に書き込まれた話が出典元となっているようで、デジタル機器やSNSを介して出現するこの時代に新しく生まれたようなものもあれば、昔から語り継がれている怪異が現代を舞台に新生したものまでバリエーション豊かです。
類似した話や、怪異の名称・正体の考察などが載っているものもあり、純粋に怖い話集として楽しむのもアリだし、軽い民俗学的な読み物として読むのもアリだと思います。
ちなみに、怖いなと思う話だけではなく「ヒップホップババア」や「寺生まれのTさん」など、くすりと笑える話もいくつか収録されています。禍々しい怪異が多い中の清涼剤。
そして最後100個目の話は「アマビエ」です。まさに今の時代にぴったりでシメにふさわしい妖怪。
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日本現代怪異辞典で有名な、朝里樹先生の著書。
内容としては日本現代怪異辞典の極小版と言った感じだが、一つ一つにイラストが着いており、歴史的な背景や考察なども書かれていることからも、単なる新書と侮ることは出来ない良書です。
日本の妖怪文化を触れるにあたって避けられない大家として、水木しげる先生による妖怪辞典シリーズがあります。あれらの膨大な資料は間違いなく日本の妖怪文化、および民俗学を支え、発展させたことは間違いないありません。もちろんそれらは圧倒的な量の資料という面からも称えられるべきですが、それ以上に水木しげるは「イラストとして残した」事が偉大だと思います。
妖怪とは、基本的にそのビジュアルが恐怖の要素のひとつでありつつも、非存在性を兼ね備えることから伝えることが出来ないものであり、そのままであれば自然に死ぬ(消える)運命な訳ですが、それらに説明とともに姿を与えることで延命を図ることが可能です。
今でこそ誰もが絵を描き発表できるし、そもそも与えた姿が間違っていれば誤って伝わることに変わりは無いのですが、それでもある程度の資料的側面を持つもので、その時代のイメージを絵にすることは、その後の民俗学として、また妖怪学として必須の行動でしょう。
この本は、2chの洒落怖や都市伝説といった、まだ(公式には)姿が与えられていない怪異たちをひとつ残らずイラスト化しています。変にポップにすることはなく、恐怖をそそる絵柄で書かれているのも、怪異の恐怖という本質を残していてとても嬉しいです!
一つ一つに着いている考察もバカにできません。
特定地方の方言から海外の妖怪との関連など、ネットにある情報のまとめと言えばそれまでだが、まとめ直してすぐに読めるというのは資料として大変助かります。
また、コラムとして乗っている話も面白く、オカルト研究をライフワークとしている人だからこそ書ける内容であり、現代怪異や都市伝説に興味を持つものは必読です。
怪異の選択も読む側の視点に立ったものであり、100も集めているのにどの話も似通ったものとなっておらず、有名どころはもちろんマイナーな良い怪異もしっかりと載せています。
かなりのオカルト好きでも、全部既読だったなどということはないでしょう。
読みやすく、持ち歩きやすく、怖く、知的な好奇心も満たされる。
オカルト趣味であれば何度も読みたい本でした。