紙の本
面白かったです
2021/09/20 13:43
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投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
複雑怪奇でひとを煙に巻くようなはなしでした。「熱帯」という物語を境界として現実と非現実を繰り返し行ったり来たり。そしてどんどんとその境界が不明瞭になり、自分がどちらにいるのかよく分からなくなってしまう。とにかく不思議な読後感が残りました。
紙の本
最後は私が好きな展開へ
2022/01/20 22:07
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品には「千夜一夜物語」が深くかかわっている、しかし、残念ながら、私は「シンドバッド」「アラジン」「アリババ」といった誰でも知っている話しか読んだことだない、シャフリヤールというペルシャの王に、シャハラザードという女性が毎夜聞かせる物語がベースなのだが、その物語の登場人物も物語を語りだす、そしてその物語の登場人物も語りだす、これは「熱帯」も同じ、いろんな人が物語を語りだす。そして、私が大好きな作品、「夜行」がそうであったように、この作品でもパラレルワールドに私は迷い込んでしまう
紙の本
本についての本はたいてい当たり
2021/10/10 02:51
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投稿者:しゅんじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはすごい。直木賞候補になったときから面白そうだと思ってたけど、文庫化したので読了。幻の本というテーマはいつも面白い(『薔薇の名前』とか『アラビアの夜の種族』とか。『鉄鼠の檻』もそうか)けど。物語の登場人物が語る物語の登場人物が語る物語の、という構造が延々続き、何層になっているのかもう分からない。若い頃ならメモ取って数えたんだろうけどなあ。重ねていっても、最後は最初に戻るというクラインの壺構造も、予想してても面白い。なぜ受賞を逃したのか分からん。
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物語の中で物語が語られ幾重にも物語が重なっていく.東京,真冬の京都,熱帯の孤島,不可視群島,節分祭,終戦前後の満州,砂に埋もれた宮殿,舞台も時代もチャンネルを変えるように切り替わり,語り手も目まぐるしく代わっていくが,いつの間にか「熱帯」の作者である佐山が語っていることに気づかされる
序盤は「四畳半」や「乙女」のような軽いノリの感じなんだけど,終わりに近づくにつれて,森見登美彦先生らしい独特の雰囲気の幻想さを帯びてくる(特に最終章の「後記」).最後の沈黙読書会で白石さんが紹介する「熱帯」は表紙も作者もこの文庫本の通り.うん,いいね.
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【10代読者熱狂! 耽美にして豪快な冒険譚】どうしても「読み終えられない本」がある。結末を求めて悶えるメンバーは東奔西走。世紀の謎はついに…。第6回高校生直木賞受賞作。
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半分くらいまでは楽しく読めたのだが、それからやや失速…。マトリョーシカのように開けても開けてもまた物語が、という展開に途中から着いていけなくなってしまった。
森見さんの世界観が好きだと思う。
『夜行』はやや作風が違うなぁと感じながらも、とても楽しく読めた。
が、この『熱帯』の後半は読み直す必要がありそう。
モリミンは人間よりムーミンに近い、笑いつつ確かに!と頷いてしまった。モリミンの創る森見ワールドから目が離せない。
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単行本版の「熱帯」を読んだのは、2020年の3月阪急梅田駅である。その時思った感想と今2022年の1月に読み終わった感想と変わらない。
複雑な入れ子構造な感じだ、正直よくわからない部分もある。
だけれど、引き込まれていく感覚がこの本にはある。アリ地獄に吸い込まれていくような感覚だ。
池内氏が黒いノートに読んだ本の事等、さまざまな事を書いている習慣があるのは素敵だなと思った。
達磨君が好きです。
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物語が物語を呼んで重層的。まだ流れを整理できていないので読み直したい。
誰も結末を知らない「熱帯」という本の結末と、行方のわからない「佐山」を探しに、語り手達の情報と「熱帯」の記憶をもとに謎に迫る。
第5章からは一転、これまで追い求めてきた謎の小説「熱帯」の物語がスタートし、夢のようで幻想的な世界が始まる。
物語は最後、自分が手にしている森見登美彦の『熱帯』へと戻ってくる。
『熱帯』最後のページまで読んだけれどもまだ物語は終わっていない、これから新しい物語が始まるような、不思議な本だった。
2021年9月5日
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まず一言。読み終えた瞬間不思議な余韻がずっとあって、何とも言えない感じになりました。森見ワールドと言うのか、独特の感性をお持ちだなと感じました。「熱帯」という謎の作品を巡る冒険譚なのですが、ちょっと最後はすいませんけど、あまり腑に落ちない感じでした。わたしにとっては。ですので他の作品をぜひ読んでみたいです。第六回高校生直木賞受賞作。
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高校生直木賞なんてあるんだ~と帯を読んで知りました。この前に読んだ夜行と言い、なんとなく現実と幻想世界の敷居が曖昧というか、並行世界感というか、百閒先生みたいな感じの日常の延長にあるもう一つの幻想世界、みたいな作品を書かれることが増えたのかなぁなんて思いました。前に専業作家になられたとか書いてらした記憶があるので、それもあるのかなぁ。
という訳で話している人が変わっていくうちに、段々誰が難の話をしているのだっけ?という感じでグルグルするようなお話。結局森見さんは沈黙読書会(だったかな)から抜け出せたのだろうか。どこかで狸にバカされて、気が付いたら朝神社の境内に寝てた、なんてオチでも面白そうだけど。
読んだ人によって内容が変わるとか、話し合っていくうちに物語が紡ぎあげられていく感じは面白いなぁって思いました。個人的には白川さんだったかな?が、実際美術館で彼と話すのが出てくるのかなぁと思ったらなかったなぁと。ま、その時の彼が誰なのかは謎ですが。
自分はどんなに荒唐無稽でおかしなことが起きても、夢を見ている最中は自分が夢を見ていると気づかないので(起きてから常識的に考えてあるわけないじゃん、と思うタイプ)、なんだか夢の世界のようなお話だなと思いました。重苦しい空気感とか、時間や空間の密度や速度が相対的でない辺りとかも。
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森見登美彦さん、初トライ。
何という摩訶不思議な作品に
早々ギブアップして、
1年以上積読となっていたが
思い切って再読。
その不思議なストーリーにみるみる惹きつけられ読了。
但し、一体何を読んでいるのか全く分からずその謎解きの為に本を読む日々。(笑)
まだ内容理解が出来ませんが
森見登美彦さんの別の作品に
チャレンジしてみたくなる様な
天才的作家なんでしょうね。
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森見登美彦作品を読み直すブーム。
これは初読。ずっと読んでみたかった作品。
作中作にぐるぐると入っていくような感じ。延々と続いていく入れ子細工のような。めっちゃ楽しいけど、感想がうまく出てこない。もう一回読み直してまた考えます。
千一夜物語を合わせて読みたくなるね。
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最初からぐいぐい引き込まれて、現実に少しホラーがかった気持ちの良いドキドキが続き、中盤で最高潮になったところでいつもの森見節にもどりめちゃくちゃに、これはこれで面白いと思い最後まで一気に読んだのに、オチが、、、自分の読解力の無さを呪うが、それでも中盤までの展開は新しい小説を読んでいる感覚でとてもワクワクした。
物語を語る、ということは世界に魔法をかけ支配してしまうこと、そしてその魔法にかかりたくて明日も小説を読んでしまうのだろう。そんな気持ちになれる素敵な作品だった。
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❇︎
『熱帯』一冊の奇妙な本から始まる物語。
『千一夜物語』を基軸にして、
物語が命を繋ぎ、命が物語をつなぐ。
どなたかが感想として記していた、
マトリョーシカや入れ子構造は正にその通りで、
物語の中で、別の物語が語られ、
それらの物語が時間や空間を超えて
また別の場所で繋がり語られる。
迷路の中に継ぐ迷路、謎に継ぐ謎。
どこまでも面々と続き、語り語られる
不思議な物語という印象です。
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この手の物語は初めてだった。半分あたりまではページをめくる手が止まらず先が気になったが、その後は少し飽きてきた感じがした。しかし最後の方は結末が気になり読み進めることができた。結局分かったような分からないような気がして解説を求めてしまった。それでも全体としては謎解きが気になるというミステリーを読んでいるような感覚になりおもしろかった。