紙の本
社会派ミステリー
2021/09/01 13:30
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学生が路上で撲殺された。凶器に指紋が残っており、また前科があったため容疑者は特定され事件は解決したかと思われた。しかし犯人は黙秘を続けていた。刑事の香山は被害者の頭部の傷に違和感を覚え、捜査を続行する。容疑者・被害者の周辺を調べるうちに様々な事件や出来事が複雑に絡み合っていた。しかし、真実の解明まであと一歩というところで警察上層部から横槍が・・・。
内容もしっかりしていて面白かった。過去の作品も同様です。話の展開がわかりやすく、中だるみもなく、スムーズに読める作品でした。
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場面展開がとても早いことと、登場人物が次々に出てくるので理解するのが難しかったです。
ストーリー自体はおもしろいのですが、登場人物を絞ったり、誰が何をしているか整理しながら読める方には楽しめる本だと思います。
最後には黙秘の理由が分かり、すっきり。その理由が切なく、涙がこぼれそうになりました。
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『冤罪犯』の巻末で、冒頭部分が綴られたのがこの小説。
前作の刑事たちが登場するが、続編というわけではない。本書単独でも十分楽しめる。
取調室での描写から、この小説は始まる。
目撃証言、凶器に残された指紋、その凶器と被害者の致命傷の一致。これだけ揃っていながら、容疑者は黙秘を貫く。
読者としては、小説上沈黙には理由があり、彼は犯人ではないだろうと推量しながら、ページを捲ることになる。
過去の傷害事件、不審死、婦女暴行事件、一見繋がりがないかと思えるこれらの事象が、刑事たちの地道な捜査活動により、ひとつの真実へと集約される。
著者は、自分の幸せを拒否する一人の男の生き様を、容姿に恵まれ豊かな生活を享受する大学生を対局に据えることにより、より鮮やかに浮かび上がらせる。
エピソードが、この小説の魅力を倍加させ、心地よい読後感となっている。
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「冤罪犯」が面白かったので、続編も購入。
こちらも面白かった。
ただ懲りすぎたかな。人物相関図が必要(笑)
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船橋市で発生した大学生撲殺事件。
目撃者の証言や凶器の指紋から、前科のある板前・倉田 忠彦が逮捕される。
しかし、彼は事件について一切口をつぐむ黙秘を貫いていた。なぜ彼は黙秘を続けるのか?
香山刑事たちは、事件の真相を探るべく、捜査を続けていた。そして、次第に明らかとなる真実。
頑なに黙秘を続ける、彼の悲しい過去とは?
エピローグで、彼の秘めた想いに触れ、ウルウルです。
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某サイトの評価が高かったので、読んでみました。
黙秘犯がなぜ黙秘するのか、過去に何があったからこのような男になったのかは丁寧な描写で分かりました。
ただ、それ以外の人のキャラは薄く、刑事に至っては男性だったか女性だったか迷うくらい、「刑事の中のひとり」な感じでした。
私はもっとヘンテコだったりポンコツだったりする人がバンバン事件を解決する、みたいなドラマになりやすい話しが好きなのでちょっと嗜好と合いませんでしたが、いい作家さんだと思いました。
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前作「冤罪犯」に続き、船橋署の香山刑事らが活躍するシリーズ第2弾。
今回はタイトルの通り、逮捕された後もひたすら黙秘を続ける犯人の真意に迫るミステリー。単純な構図に見えるものが、意外と複雑な線が絡み合っていて大きな事態に発展してしまうことは時々起きる。本作でもそんな展開で次から次へと様々な点が繋がっていって面白い。それに加えて、黙秘を続ける犯人の過去にも迫るという伏線もあり、個人的には前作よりも面白かったように思う。
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初読作家さん。
この事件とこの出来事がどう繋がるのか?と、いうピースがいくつか出てきて、その謎解きは読んでいて楽しかったけれど、性的な犯罪に腹が立つ。描写が詳細でないところが助かる。
なかなかの偶然が多すぎるし、
睡眠導入剤はドラッグストアでは買えないし、それと、「吝嗇」って言葉を会話で使うかなぁ、等、気になるところがありすぎて、興醒めしてしまったけれど、捜査をしている刑事さんたちがよくて一気読みしてしまった。
「あなたの勇気を、私たちは絶対に無駄にはする気はありません」
本当のことを辛くても語ってくれた人に対して、香山が言うセリフが印象的で、よかった。
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初の翔田作品。
期待して読みました。
悪くはないけれど、ミステリーとしては全体的に弱い印象が否めません。
登場人物、動機、真相解明のワクワク感、どれもいまひとつ。
パンチがないってこういうことかな。
途中からはっきりする犯人を落とす決め手が何なのかが気になって一気に読みましたが、その決め手も後出しジャンケン的な印象が否めないし、犯人があらゆる意味で薄っぺらし、事件は解決したのに読み手のこちらはスッキリしないというか。
2020年43冊目。