電子書籍
タイトルがね
2022/08/19 09:22
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、精読する、分析する、書く、という三つのやり方に批評を分けて、批評のやり方を、詳しく説明してあります。ただ、気になったのは、このタイトル。蝶のように舞い、蜂のように刺す、からとっているのでしょうけど……
投稿元:
レビューを見る
さえぼう先生の読者をかなり意識した話しかけるような文体が、読み進める上で軽快なリズムをもたらしていると思いました。
投稿元:
レビューを見る
本や映画、舞台などを見るにあたり、効果的に読む方法はきっとそれをどうインプットするか、アウトプットするかを知るのが必要だなと思って買った本。
批評の初学者向けと書いてあったとおり、批評の手順について丁寧に書いてありました。
とはいえ、当たり前の話ですが、批評についてきちんと論じてある内容なので、
大学の講義を聞いてるかのような、少し懐かしい気持ちになりました。
新書を読むのはあまり得意ではなく、作者の専門性と知識量にとにかくついていけなくて置いてきぼりになりがちで、
この本においても読んでいない本や観ていない映画が題字に出てきて少し気後れしましたが、
何故かその後の内容がよく分かって、どんどん読み進めることが出来ました。
これからに生かせることはそう多くないかもしれませんが、
とてもいい本だと思いました。
投稿元:
レビューを見る
面白かった〜一気に読んでしまった。
私は割と何見ても好意的に書いてしまう癖があるけれども面白くなかったらなぜ面白くなかったかを分析することでその作品を楽しめたりするというくだりや「批評はコミュニケーション」という言葉に勇気付けられる。
何か書いてみたくなる一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
批評をどのように行うのか、「感想文」から発展させてこれから批評文を書いてみたいと思っている自分のような人物に最適な入門書だと思った。
本文内で批評の材料となっている映画は最新のものが多く、若い人にもとっつきやすく、かつ、批評論で重要な文献を都度都度あげてくれているのでより詳細を知りたいと思う人への橋渡しもスムーズだなと感じた。
映画に対する評論は、いわゆる洋画に偏っているので、そこまで普段洋画を見ない人にはピンとこないのかな、という気もした。例に挙げられている映画が最新のものであるが故に、10年後の読者が読んですごく分かりやすいか?と言われるとやはりピンとこないかもしれない。
本文ではシェイクスピアなど、古典劇や作品についても分析しており、最新の作品たちとこれらの作品の比較によって、翻って時代や国を超えて批評論の題材や作品として人々に影響を与えている古典のすごさを実感したりもした。
投稿元:
レビューを見る
この本は2021/9/9に出版された。ちくま新書の1600番目というキリ番にあたるため、帯がカラーになっている。出版からわずか四日後の13日に「大重版決定」となり、Amazonでもベストセラー一位であり、好評を博している。
この本は、プロローグによれば、「批評方法の入門書」であり、「批評のやり方を一から解説するもの」である。著者の軽妙な語りによる批評案内により、読者は批評に対する気後れをなくすことができるだろう。
しかし一方で、著者は釘を刺すことを忘れてはいない。良い批評をする上で、まずは巨人の肩に乗るべき、具体的に言えば、例えば批評理論を抑えるべきであると主張する。そしてまたテキストの精読やそのテキストが作られた歴史的背景を疎かにしてはいけないと力説する。
ところが、「自分の分析を明確に文章にするような批評」をできるようになりたいと思う読者に向けて批評方法の解説をするという筆者の目論見には二つの困難がある。
一つ目は、批評理論の説明が足りないことである。批評をするためには型を身につけなければならないと指摘するのであれば、個々の批評理論について詳細な解説が必要であろう。確かに、筆者はそのポップな語りでフェミニスト批評や伝記的批評などをしてみせる。しかし、それで読者に伝わるのは〇〇批評っぽさであり、この本を読んだだけでフェミニスト批評の特徴は然々なのか、と理解することはできない。批評理論の解説本は巻末の読書案内に示されているが、「批評のやり方を一から解説するもの」は、批評のやり方を一か十まで解説するものであって、一だけを解説するものではない。更に言えば、ポストコロニアル批評やフェミニスト批評、それにクイア批評が、一見簡単そうに見えてそうではないと言うならば、読者はどうやってその理論を習得すれば良いのだろうか。その習得過程が示されていないのである。このことは二つ目にも関わる。
二つ目は、「巨人の肩に乗れるくらいの訓練」をどうやって積めば良いのか、型にはまるにはどうしたら良いのかに関して言及がないことである。筆者はブログやSNSで読者が批評をすることを想定しているようであるが、まさか筆者はそこでのフィードバックによって良い批評ができるようになると信じているのだろうか。筆者が言うように、批評と人格攻撃との違いがわからない人たちによる攻撃を受けるのではないだろうか。
そもそも、精読と歴史的背景を抑えるという両輪の入手や、批評理論の習得は、専門家との指導ー被指導の関係を取り結ぶことなしには不可能であろう。筆者は、良い批評ができるようになるためにはどのようなコミュニティに入れば良いのか\作れば良いのか、明示する必要がある。なぜなら、筆者は良い批評を作りたいと考えている一般読者に向けて、批評方法の入門書を書くと宣言しているからである。
投稿元:
レビューを見る
批評にあたっての実践的な技法や姿勢のレクチャーを冒頭にジャブとして配し、 随所に近年の動画配信サービス等によりアプローチが容易な映画や音楽へのコメンタリー(終盤のラッシュ)も配し入門書を求める読者へのフックとして機能している。また、実際の映画批評とそれへのコメントの実例や本書自体への再帰的な批評なども仕掛けとして折り込みながら、批評という営みの愉悦へと誘惑するテクニカルで企みに満ちた良書。
投稿元:
レビューを見る
小学生の頃、「読書感想文」を書くのが大嫌いだった。何を書いたらいいかわからないし、書いても特に何のフィードバックもないから次に活かせることもない。あの頃、この本にあることを教えてもらえていれば、もっと上手に書けただろうし、授業も楽しかっただろうし、本を読むのも好きになっただろうなぁ…。
投稿元:
レビューを見る
前半の「精読する」「分析する」の章は個別の作品のどこがどうなってるかを端的に書いてあってさすが批評家だな〜という感じだけど、後半の批評の書き方実践編みたいなとこは全然ピンとこない。実際の批評にコメントし合う試みも、単なる文言整理にとどまっている指摘が多くて何それ?って感じだった。
投稿元:
レビューを見る
批評とは何なのか、単なる感想とは何が違うのか、そのポイントがよく理解できました。本格的な批評を書く機会はなかなか少ないと思いますが、本書の内容を知ることで、ただ漫然とコンテンツを消費するのではなく、より深く味わうことができるようになるのではないかと思いました。
投稿元:
レビューを見る
批評の入門書として、そして作品を楽しむために、すごくわかりやすく丁寧に、しかも書き方まで示されており、批評を書いてみたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
「精読する・分析する・書く」この3つをキーポイントにした、批評についての入門書。
チョウのように軽いフットワークで理解し、ハチのように鋭い視点で読み解く。文字制限はありますが、ブグログやTwitterでのレビューなども大きな意味での批評になるのでしょうか?レビューをし、コメントをもらうことにより、新たな気づきを得たりしていくものなのかもしれません。結構、他の方のレビューを拝見して「ああ、こう言う考え方や捉え方もあるんだ」と勉強になったりもしています。
投稿元:
レビューを見る
批評・レビューの書き方について解説、批評入門書。
この著者の考え方とかは結構好きなんだが、映画や小説、音楽の作品の好みが全く合わず、本作に登場する作品の中で私が実際に見たり読んだりしたことがあるのは、『華麗なるギャッツビー』だけであった……。
非常に興味深かったのは、「作者の考え」「作者が伝えたいこと」は批評の対象から外す、ということ。
「やたらと作者が何を伝えたかったのかを問おうとする学生がけっこういます。作者が作品をコントロールしているという幻想は広く存在しているのですが、冷静に考えるとそうではないことがわかります。」(P.59)
これは、特に中学までの国語のテストで、「この作品で作者は何を伝えたかったのか、以下の選択肢から選べ」「この作品で作者が伝えたいことが書かれている一文を抜き出して書け」みたいな問題が多いためだと思う。
日本の国語教育の根本を否定しているwと思って笑ってしまう一方で目から鱗であった。
野坂昭如が娘から『火垂るの墓』を書いた時の気持ちを聞かれて、娘が国語のテストでその通り書いたら×をもらった、という逸話もあるし……(野坂氏の娘によると事実無根らしいが)。
確かに本書にある通り、作者自身も当時の社会情勢や周りの家族・友人の言動から影響を受けるし、編集者の助言もあるし、脚本ならキャストの意見も反映されたりする。
古典文学の場合、作者が複数人の共作であることが後世になって判明することもある。
冷静に考えれば「作者が伝えたいこと」を問うのは愚問である。
終盤にある、著者と著者の教え子が同じ作品をそれぞれ批評し、それについて対談するというのも面白かった。
同じ作品でもここまで着眼点が違うものなのか。
投稿元:
レビューを見る
せっかく時間を費やして読んだり観たりしたものについて、自分が何を感じたか、何を得たのかを、時間が経った後でも思い出せるようにしたい。そのよすがとしてのメモを残しておきたい、そういうときに、何を記述しておくか、のヒントを提示してくれる易しいガイド。
投稿元:
レビューを見る
いつもながら優秀な人だとは思うけど、「自分に邪な性欲があることを自覚しよう」のあたりでつらくなってあきらめ。学生様に読んでもらおう。「邪な性欲」はふつうの意味で邪悪なのではなく、批評や知的な鑑賞を難しくしていしまう(限定的に性的なというより、ルックスや恋愛などと関係のある)好みのことらしいけど、わざわざそういう見出しをつける感覚がどうもつらい。まあ批評は芸術であるということである。
(うえのやつ、「邪な性欲」を「邪悪な性欲」と一時的に記憶してしまってた)
いろんな作品が大量に参照されるんだけど、これ学生様とかにはほとんど通じないのではないかという気がする。ギャツビーならギャツビーにしぼってほしかった。