紙の本
消滅一歩手前の秘密
2021/12/05 17:30
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
奇妙な洋館で設計事務所を営む風彦と、そこに下宿している人々のお話。
風彦はお屋敷で「あかずの扉」の貸与をしています。
忘れたくない秘密で、しかしいつか誰かに伝えたい秘密。それを知ることで打ちのめされることになっても、乗り越える力になるかもしれない秘密。だから完全に消し去ることができない秘密をここに収めます。
下宿人の秘密や風彦の過去は、やがて屋敷そのものの秘密へと展開します。
迷子になるほどのアメリカンヴィクトリアン様式のお屋敷で下宿ってちょっと良いなって思いながら読みました。隠し部屋があちこちにあって怖いけど。
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火事で家族を失った大学生の水城朔実は、親代わりに育ててくれた恩人に頼まれて、通称「まぼろし堂」なる設計事務所を訪ねる。主の幻堂に案内された館は、迷路の様に広げられた数々の部屋があり「あかずの間」なる部屋を貸し出すと言う。そして、訳ありな下宿人も受け入れてくれていて…
風変わりな幻堂と真っ直ぐな心根の朔実は良いコンビで、頑なに心の一線を引いていた幻堂の心に入り込んでいった朔実と恋愛的に上手くいくのを期待してましたが、何となく有耶無耶に。仕事の正式なパートナーになれたから、徐々にかな?
続編希望です。
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家事で家族を失った朔実は、幻堂設計事務所、
通称「まぼろし堂」を訪れる。複雑な造りの
その館には、時空を超えて潜めておきたい、
さまざまな「人の歴史」が預けられていて…。
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*
あかずの扉の鍵貸します/谷瑞恵
一章 開けっぱなしの密室
二章 地下室の向こうへ
三章 天の鍵穴
四章 いつかオルゴールが鳴る日
五章 木犀の香に眠る
感想を一言で言うなら、優しいお話でした。
まぼろし堂と言われる、古く錆びれた外観の
洋館には、あかずの扉があり人に貸していた。
あかずの扉の中には、他人に知られたくない
その人だけの大切な秘密が閉じ込められている。
それは本当に人に知られたくないものなのか、
いつか知られる時のために閉ざされた場所で
守られているのか……。
秘密の扉を開ける時、その人の本当の願いが
明らかになる。
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なかなか読むのが進まなかった。
謎めいていて面白そうな雰囲気はあるのだけど、思ってたほど、ミステリー要素はなかった。
謎は全て回収されたと思うのだけど、スッキリはしない。
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今迄には無い小説だった。開かずの扉とは何か?話しは5話に分かれているが登場人物は変わらないので読み易い。最終の5話目で開かずの扉の意味もはっきりしてくると同時に男と女の間にほんのりとした情緒豊かな話として終わるのも良かった。流石女性作家だ❗️
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北鎌倉の古い洋館は、とても不思議な造りになっていてその中にはたくさんの秘密の扉があるという…
久しぶりにファンタジーの世界に足を踏み入れました。
短編5話は「まぼろし堂」に住む下宿人の話が繋がっているので読み易い。
そして「あかずの間」を貸し出しているというミステリアスな要素も含んでいるので少しドキドキ感も加わる。
すべての謎が解るとなぜかみんな穏やかな空気感に包まれたような感じがした。
まるで嫌な呪縛から解き放たれたような…。
第三章の中での印象に残ったことば。
あかずの扉は、はたして開けてはならないものなのだろうか。
いつか開かれることを待って、閉じられた場所もある。
開けてはならないという戒めを破るとき、扉を開ける人にとって、良くも悪くも新しい世界が開けるのかもしれない。
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怪談的な意味じゃなく単に開けないだけだとしても、あかずの扉がたくさんある古い洋館に下宿するってちょっと怖いかも。扉が増えてるらしいし…。
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難解だった。
まぼろし堂そのものがあかずの扉のように、この世とあの世の間に存在するかのよう。
登場人物もどちらの住人なのか、出来事もどちらで起こったものなのか、誰が誰なのか…
何事も投げ出すのが嫌なので読み切ったものの、私には合わなかった。残念。
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「古い洋館を舞台に繰り広げられる心あたたまるファンタジック・ミステリー」と帯に書かれた通りの作品でした。不気味な始まりでしたが連ドラになりそうな安心して読める作品でした。
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図書館本。出だしは面白かったのに、段々訳がわからななくなって。結局、何だったんだろう?と振り返った。
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開かずの扉があるのは、金木犀の香りと鎌倉の廃墟のような洋館で、鎌倉とあるのに日本ではないような感覚で読んでました。
門をくぐるとちょっと異空間に放り込まれる古民家?が関わる不思議なお話。
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なかなか不思議な話でした。
鎌倉にある廃墟のような洋館に設計事務所兼下宿屋さん兼あかずの間があり、あかずの扉は無料で貸出できるとのこと。
開けられないものではなく、開けてはいけないという呪縛からあかずの扉は存在している。
どうしても秘密にしたい事柄を抱え込まず、一度距離を置くことは心の負担の軽減になるのでしょう。
下宿といい鍵といい現代の設定なのに、ノスタルジックな情景です。
徐々にあかずの扉を通じて、明らかにされていく謎。当事者や周囲に全て真実を明らかにするわけでもなく内に秘めて終わることに少しモヤモヤしますが、本来なんでも明らかにすればいいというものでもないのかなぁと優しい気持ちにさせてくれました。
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雰囲気はすごく良かったけど、割と大雑把で、設定とかが頭にはいってこず…解説編(?)を読んでおおよその流れが分かったような?分かってないような?
どうやらシリーズ化されそうだけど、書いていくうちにだんだんと整理されていくのかな…
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設定や登場人物の人柄など、好きな要素はたくさんあるが、なかなか物語に入り込めないまま終わってしまった。
ポイントとなる建物の構造などがイメージしきれなかったからかな…最後の話しも誰が何をしたいのかなかなか理解できなかった。こちらの読解力の問題かもしれないけれど。