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鴨さんの文章のすごさをあえて野球の投手で言うなら「球速はとくに早くないけど、ボールのコントロール精度が尋常じゃない」ということのような感じがします。
本作は1つ1つの話は数分で読める程度の長さしかないですが、どれも必ずと言っていいほど「ちょうどいい」という印象を与えられます。長すぎたり短すぎたり、という感じもなく、テンポも、読み物としての展開も、全てにおいて。
短い話がいくつも連なっているからこそ、それが偶然などではなく「完璧にコントロールされている」ということがよくわかるのです。
飄々とした文体で、いかにもすごいぞという感じに見えないのにいつの間にか引き込まれている、というところは武術の達人っぽくもありますね。なんとも形容し難いすごさです。
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手に取った時のしっくりした愛しさよ。
味のある表紙のあざらしが可愛い♡
「いるいる!そういう人!」の連続。
改めて人それぞれの面白さを感じる。
理解し難い他者の行動に対して
想像力を働かせて柔軟に考えること
寄り添い受け入れることの優しさ。
そういった実はとっても大切なことを
ゆるく楽しみながら得られる素敵な本です。
他者を知ることで自ずと見えてくる自分に
ちょっぴり身の引き締まる思いもありつつ
装画のあざらしを眺めてるうちに
肩の力も丁度良く抜けて
軽やかで心地良い読後感。好きです。
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○○の人というテーマで、自分に当てはめながら読んでいくのが楽しかった。こんな人になりたいな、逆にこんな人にはなりたくないなという感じで。また、時間が経ったあとに読み返してみると、また面白いかもしれない。
浅生鴨さんの文章は、ユーモアの大切さを教えてくれるから好き。