投稿元:
レビューを見る
第1部 生まれたときからドン底
生まれたときからドン底
バンと魚
第2部 カリフォルニア
ヘピの巣穴
アイランド
グリフィス・パーク
希望のシャワー
第3部 ネバダ‐アリゾナ
アメリカに食料を
フラッグスタッフのパラノイア
コロラド高原
第4部 デンバー
愛の苦悩
BLM
第5部 ミートタウン
クリート
素晴らしき哉、人生!
第6部 ヤングスタウン
僕は沈んでいる
第7部 もしも二〇二〇年代が一九三〇年代だったら
第8部 ニューヨーク・シティ
再びアメリカンドリームを
投稿元:
レビューを見る
著者は貧しい労働者の家庭に生まれたが、アメリカンドリームよろしくスタンフォード大学の学者となり、現在は講義を受け持つジャーナリスト。
2020年、トランプの誤った対応と熱狂的な支持者によって、コロナへの考え方一つとっても国民は益々隔たりを大きくすることになる。
原著のタイトルは『Fucked at Birth』。著者が廃墟と化したガソリンスタンドの窓を覆うベニヤ板に書かれた言葉で、本文中では「生まれたときからドン底」と訳されている。そして分断の背景に眼を向け、一般の人々の声を聞くため、カリフォルニアからニューヨークまで旅を続けた内容と思いを綴った書。
1930年代との比較では、当時ニューディール政策で政府が救済に乗り出した時よりも、現政府の救済策の弱さを指摘するとともに、自己責任論が増えていることなどが描かれている。
自身はリベラル派だと思うが、BLM運動への肯定的、ヘイトと共和党や一部の会社トップの姿勢には批判的な立場に立って論じている。
白人だけではなく、差別を受ける有色人種が支援のためのフードサービスを行っている等、アメリカの人々の懐の深さも感じた。
旅でわかったこと、アメリカンドリームを構築し直して、誰もが平等に参加できるようにすること。貧困にあえぐ人々を理解し、彼らを健全な経済と言う概念に組み込むこと。そして2024年の中間選挙では、決して共和党にすりよるのではなく、大胆な政策を打ち出すこと。
ロシアの一方的なウクライナ侵攻で、バイデン大統領は難しい舵取りを余儀なくされているが、トランプ復帰による更に混沌とした世界にさせないためにも、ここはなんとか頑張って欲しいものだ。
投稿元:
レビューを見る
人種の視点が多いともっとわかりやすかったかな。困ってるのは黒人なのか、ヒスパニックなのか、白人労働者なのか。黒人ってアメリカの1割しかいないの?もう少しいたような忘れた。
投稿元:
レビューを見る
今回の本は、「繁栄から取り残された人々の物語」がテーマだ。
カリフォルニア、ネバダ、アリゾナ、デンバー、ネブラスカ、オハイオ、ニューヨーク・シティと様々な所に行き、苦しい生活を送っている人々の話に耳を傾けている。
アメリカも貧富の格差はマリアナ海溝レベルだ。
コロナ禍で、ワクチン接種、マスク着用を巡って政治問題化している。民主党と共和党の支持者では、ハッキリ主張が割れている。
コロナ禍が収束してもどうなるか。希望や望みがあるのだろうか。IT企業にはありそうだが、今回の本で取り上げた人々の先行きは厳しいだろうなあ。
投稿元:
レビューを見る
「生まれたときからドン底」という落書きを取っ掛かりにして、コロナ禍に苦しむ貧困層へのインタビューやこれまでの著者のインタビューをもとにアメリカの問題を考察した本。分断、貧困、人種差別、地域の衰退などアメリカが解決できなかった(解決してこなかった)問題であり目を反らしてきた問題が、問題として存在し続けているということ、パンデミックがそうした問題の継続を改めて明確にしたということを、著者は伝えたかったのかなと思った。