紙の本
最初が少しとっつきにくいけど、一つ目を読み終える頃には引き込まれている
2022/04/03 15:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「この世の理に背く願いを叶える」魔女に願いを叶えてもらう代わりに対価を支払った者たちの短編連作集。
これを本格ミステリというのかは個人的には疑問だけど、面白かった。
それぞれの話に繋がっている三人の登場人物、フェイとカルマ、ワジはそれぞれが特異で魅力的。
まるで絵本や童話のような話を読んでる気分だったから、最後二編が急に恋愛要素を盛り上げてきてテンション上がってしまった。
アネシカちゃん良い子すぎて、素直にこの子の幸せを願ってしまうわ。
でも私がワジならアネシカを唆して契約するよね。だって一番フェイが苦しむからね。
投稿元:
レビューを見る
8年ぶりに因縁のある旅人と再会した料理人
飢饉に苦しむ国を奇策で救った商人
不思議なナイフで自らの〝影〞を切り離した男
どんな賭けにも負けない力を得た少女
あらゆる傷を跡形なく消し去る名医
宿に泊まったカップルに起きた異変
ふらりと現れる「この世の理に背く力」を持つワジに人生を狂わされるお話したち。
それが最後に一つの物語となって。
アラビアンナイト?宝石の館?どこかで出逢ったような不思議な物語たちが、最後にフッと収束。
パズルの最後のピースがパチリとハマった音がした気が。
ただフェイとカルマと印象が似ていて途中混乱。
狙ったのかな。
投稿元:
レビューを見る
【収録作品】商人(あきんど)の空誓文(からせいもん)/あれは子どものための歌/対岸の火事/ふたたび、初めての恋/諸刃の剣
魔女との契約で、不思議な力を得た者たちをめぐって起こる事件に、「行商人」フェイが人間の知性と平和を愛する心で立ち向かう。
フェイはいいキャラだが、最終話はちょっとうまくいきすぎな気はする。もう一人の主人公・カルマのほうが人間的か。
投稿元:
レビューを見る
8年ぶりにある旅人と再会した料理人。二人は過去の飢饉に苦しむ国を救った商人の思い出話をし、また不思議なナイフで自らの影を切り落とした男の話をする…少し不思議なちょっと奇妙な味のする一話目の「商人の空誓文」。ストーリーは時を経て、人物を少しずつ重ねて連作短編の形で進む。一つ一つの話をきちんと落としながら、5つ目の「諸刃の剣」ですべての話が伏線として緻密に組み上げられたことに気づき、読後大きく息をついた。さあ、この世の理に背こうとしたものたちの結末は。一番印象深いのは、ミステリとしての美しさに感嘆した表題作。
投稿元:
レビューを見る
非常に上質な5つの不思議な物語が紡がれた連作短編集。この世の理に背く願いを叶えるワジという怪しい女性に翻弄される人々の物語でもあるし、それに抗おうとする旅人のフェイの物語でもあるし、影男の物語でもあり、5つの恋物語でもある。しかし、その背後では一つの国の命運を左右する企みも進行していく。この本が作者の単行本デビューであるというから驚嘆する。次作にも期待するよ!
投稿元:
レビューを見る
世界観はとても好みなのでそこは良かった。
だけど、後半になるにつれ登場人物も多くなり話も複雑になっていき追い付けない自分がいました(^^;
投稿元:
レビューを見る
魔女の契約で不思議な力を得た人々の物語
「子供のための歌」美声と引替えに"どんな賭けにも勝つ力"を得た少女。最強能力だが不幸に陥る。旅人が仕組んだ声を取戻す駆引きが秀逸。
最終話,影男カルマが人間になれば問題解決。でも魔女は意地悪。
投稿元:
レビューを見る
1話目は、まさか影の分離なんて現象がマジでありうる世界とは思わなくて、寓話として読んでいたものだから、ラストの収束についていけずに置いてきぼりを食わされてしまった。
そういうサプライズなんだろうけど感心より困惑が勝ってしまって……。
2話目以降はそういうものとわかった上で読めたけど、うーんなんだろう。メインキャラや世界観には魅力を感じられなくて、いまいちハマれなかったです。
描写がサラッとしててあんまり生活感を感じなくて「よくある中世風ファンタジー」の範囲を脱してなかった。
ただ表題作の出来は頭抜けていたと思う。
ワジとの契約解除のロジックが面白かったし、声を失っても歌を忘れなかったエミリアの行為が残酷な形で過去を呼び起こす展開が悲劇的で実にイイ。
タイトルのダブルミーニングが決まってた。
3話目は「メイドインアビス読んだのかな?」って思ったし、5話目は侵略中止の流れがあっさりしすぎててこんなにうまくいくか? と物足りなかった。