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世界で一番格好良い爺さん、ジョン・ウォーターズが2012年に突如行ったアメリカ横断ヒッチハイク旅の顛末+事前に夢想した最高と最悪2パターンのフィクションからなる本。ノンフィクション部分もなかなかに波瀾万丈だし面白いけど、最高と最悪、二つのフィクションが無茶苦茶面白い。特に気にいったのが最高の旅に登場する80年代のシボレーに無数の本を積み込んだバーニスという女性。ポルノや実録犯罪モノなど図書館に収蔵されない出されては廃棄されていく底辺の本を廃棄処分から救い、それらを求める読者へ届ける特殊司書として生計を立てているという人物。
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ジョンウォーターズのことは知りませんでした、題名のアメリカ横断ヒッチハイクに惹かれて購入。フィクションの最高の旅と最悪の旅はとにかく笑えました、ですがジョンの助手と同じで違いはわかりません。本物の旅は私が期待していた内容で、アメリカを旅する感覚を感じることができました。アメリカ本土に行ったことないしこれからもないかもしれないが、行くことがあればホリデイ・インではなくデイズ・インに宿泊します。
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現役リタイア後の楽しみとして、キャンピングカーで日本縦断を
してみたり、在来線を乗り継いで北海道から九州まで旅をしたり
する人はいると思う。
しかし、60歳を超えた父や夫が「ヒッチハイクで日本縦断する
ぞっ!」と言い出したら、「お願いだからやめて」と止める
人がほとんどだろう。日本縦断はいいけど、せめて乗り物を
使って…って。
だが、アメリカにはそれをやってしまったおじいちゃんがいた。
お下劣カルト映画の監督と言ったらこの人、ジョン・ウォーターズ
なのである。
そもそもジョン・ウォーターズおじいちゃんとヒッチハイクが
結びつかいないのだ。彼のスタッフたちもそれは同じ。「なんで
一番嫌いそうなことを?」。彼の答えは明確。
「刺激が欲しいんだっ!」
はいはい、おじいちゃん。分かったからお仕事しましょうね。
とはならなかった。
ボルチモアからサンフランシスコへ。刺激を求めたおじいちゃんの
旅は幕を開けるのであった。
とはいっても、本書は純粋なヒッチハイク・ドキュメンタリー
ではない。前半は「こうだったらいいな」「こうだったら最悪
だな」とおじいちゃんが思い描くヒッチハイクが、妄想満載で
描かれている。
お下劣カルト映画監督に名に恥じない、妄想のヒッチハイクは
文章とは言え、ジョンおじいちゃんの本領発揮というところか。
これはエレガント(?)なお下劣好きではないとついて行くのが
きついかも。
そんな人は、そっとページを閉じちゃうかもな。
そして、後半は実際にジョンおじいちゃんが実行したヒッチハイク
の記録になっている。
こちらは「悲惨」のひとこと。何もかもが思い描いた通りに
行かない。ジョンおじいちゃんの疲労困憊が楽しめる。
本書に描かれているジョンおじいちゃんのヒッチハイクの旅が
行われたのは2012年。当時66歳だったジョン・ウォーターズも
既に77歳だ。
彼には生涯、刺激を求めていて欲しいけどね。それにしても、
アメリカってやっぱり広いよな。