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移動力と接続性 文明3.0の地政学 上 みんなのレビュー
- パラグ・カンナ (著), 尼丁 千津子 (訳)
- 税込価格:2,420円(22pt)
- 出版社:原書房
- 発売日:2022/01/26
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紙の本
21世紀の新たな地図を描くということ
2022/08/07 17:04
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投稿者:かばおじさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
元来、人は自然環境にその生活を左右され、移動を繰り返してきた。14世紀のペストや17世紀の寒冷化など、その時々において猛威を振るう自然(とパンデミック)に対しても、人は移動し(多大な犠牲を払いながら)なんとか対応してきた。
そして、知識や技術を蓄積・発展させる中で、いつからか自然をコントロールする術を身につけ、移動せずとも十分な生活水準を維持・向上させた。
その意味では人間の歴史は移動の歴史である一方、自然に対する支配の歴史と言えるかもしれない。
しかし現在、環境・政治・経済の問題が複雑に絡み合い、気候問題や少子高齢化、南北問題などの世界規模の課題がお互いに悪い影響を与え合う、いわば負のスパイラルに陥っており、自然をコントロールしきれず人の暮らしや生命が再び自然環境に左右される事態にある。
著者はこれに対処し、現代と未来の世代に最大限の幸福と繁栄をもらたすため、新たな文明の地政学として地理を能動的に描くこと、具体的には人間の再定住戦略を述べている。
著者は世界人口の移住や移住先での他文化・他人種との同化をぶち上げているが、現時点では全く現実的ではないし、圧倒的なデータ量やファクトで読者をその気にさせるいつもの著者らしくない、論拠の弱いあるいはほとんど言いっ放しであって、理想はそうだけど、実現はまだまだ先(あるいは実現不可能)だよね、と言うアイデアレベルであった。
とはいえ、夏の気温上昇と豪雨は気候問題の深刻さを感じずにはいられない。まだ人が自然に対する支配の手綱を完全に手放す前に、根本的な対策を施す必要があるだろう。
著者の言う通り、移住先を正しく利用できなければもう他に移れる場所は残されていないのだから。
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