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紙の本
何故、明記しないのか?
2022/03/07 23:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本は幾つかの章を翻訳しなかった抄訳なのに、全訳であるかのように出ているが、文庫本になったからには全訳になっているだろう、と思ったら大間違いだった。翻訳しなかった章の概要なり表題なりを何故、書かないのか?
「大韓帝国の保護と併合」で高宗は旧韓国を私物化した専制君主だとして書いた人が中心となっている。李承晩を崇拝する人達だから、左派の歴史観とは相反するが、産経の「歴史戦」史観とも相対するはずなのに、「敵の敵は味方」と言わんばかりに持ち上げている。
高宗を「王朝を自分の家業と考えた、愚かで欲深い王」で「王朝を日本に売り渡したのは、他ならないこの人」だと酷評していると、臣民から憎悪の対象になりそうなものだが、何故、薨去した時に3・1が起きたのかが説明出来なくなる。崇拝しているはずの李承晩は四捨五入改憲で強引に大統領三選を決めてから、不正選挙で世襲をしようとしたら、デモ隊に警官隊が発砲して死者が出て、4・19となったのは、どういう事か?左派の歴史観を批判しているのはいいが、朴正熙ならまだしも、李承晩のような経済再建や在日韓国人対策などは何もしないで「反共・反日」ばかり主張した「愚かで欲深い」大統領を崇拝するのは、この人達の限界なのだろう。
昭和13年の陸軍特別志願兵制の記述が「常民」が両班が支配した「時代錯誤的な郷村社会の身分差別からの脱出」と書かれている本なのに、「日本語版まえがき」では李承晩博士の反日政策や無策そのものの「経済政策」を同じ社会と対比させて「開明専制君主」であるかのような筆致で正当化しているのは矛盾しないのか?これでは李承晩についての認識が自分達が批判している人達の「反日種族主義」史観と似通って見える。
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