紙の本
入退去の際には不動産屋を通さず
2023/02/01 13:35
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
住人同士で引き継ぐというお約束の、かたばみ荘がノスタルジックです。それぞれドラマや秘密を抱えつつ、いつかは旅立つのは宿命なのでしょう。
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ノスタルジックな気持ちにさせる、暖かくて微笑ましい作品でした。「かたばみ荘」の歴代の住人たちが、紡ぐリレー方式のドラマ。著者の作品はこの作品が初めてだったのですが、文字がびっちりでも、文体が語り口調で、出会ったことのないライトな純文学で読みやすかったです。映像化しても面白いかなって、個人的に感じました。
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高架線から見た無数の家。沿線にあるカタバミ荘の住人と関係者の記憶。語り形式だか、話が脱線しすぎ。しかしそれが後からじわじわくる。カタバミは、古くから仏具や真鍮の鏡を磨くために用いられてきたことから、別名「鏡草」とも呼ばれる。このことから「輝く心」という花言葉がつけられたそうな。登場人物は、語ることで気持ちが浄化されたのだろう。面白かった。
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2022年11月
ゆったりした気持ちで、小説の語りに流されてみるか〜と読んでいたら、わりと想定外のところに流れ着いたって感じの読後感。面白かった。
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宮部みゆき『理由』を思い出した。リレーするように語り手が代わっていくのが面白い。失踪した人物と関係の深い人、ちょっと距離がある人…と主観客観が入り混じって、濃淡が生まれている。『蒲田行進曲』を重ね、かたばみ荘の最後にされる種明かし。気持ちのいい読書だった。『死んでいない者』も読まないと。
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滝口悠生さんの本はこれで3冊目。やっぱり私、この人の本は、他の作家さんと比べても特別な感じで好きみたいだ、と思う。今まで好きな作家は誰か?と聞かれてもモゴモゴしてきたが、この人は自分の好きな作家だと言えそうな気がする。好きな作家がいてもいなくてもいいとは思うんですが。
全体的に、なんかやさしい。登場人物ひとりひとりに敬意があって、頭の中で考えていることを愛おしく考えているようだ。人生って、本当にそういう一瞬でも思ったりしたことの積み重ねでできてるわけで、アウトラインだけたどっていると、見落としてしまうことがある気がする。
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最初は今住んでる彼がなぜ行方不明になったのか
その彼に関わりのある人に取材してるのかな
ミステリーぽい?と思ったらそんなことはなく
穏やか物語が続いていく。
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かたばみ荘というおんぼろアパートのせいなのか、何なのか、とってもノスタルジックな気分になるお話。
出てくる人々のささいなエピソードや、性格、語りも個性的で、気付くとその世界観に引き込まれてた感じ。
もう1度ゆっくり読み直したい。
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穏やかに進んでいくお話なので、夜寝る前に読むおすすめ本と紹介されていて読んでみた。
築50年以上のおんぼろアパート、かたばみ荘を取り巻く人たちの物語。
何か非現実的なことや大きなことが起こるわけではなく、ゆっくり変わる変わる語り手が自らの視点からの日々を語っていく。
ここから何か起こるか?まだか?と少し身構えながら読んでしまったのもあり、起承転結があまりないのでこれで終わりか、という感じで終わってしまいました..
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語りの口調がとても良い読み心地でした。
滝口先生の大学ゼミを受けたことがありますが、どこまでも語りにこだわった授業だった事を思い出しました。
またふとした時に読み返したい。
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ボロい賃貸に住む住人の語りで進むという仕掛けで読ませた。中盤でドラマがあって、そこは本人でなく周囲の人間の語りで進んでいくのも良く出来てると思う。
「水平線」で感銘を受けて、同じ著者の作品で読んだ3作で唯一まともに読了。1人称の語りは水平線と共通で得意としているのかも。私は読者としては冗長すぎる語りは駄目なタイプだな。そこに意味を感じられるかの感受性の問題なのかな。
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暮らしの中の小さなドラマ。蒲田行進曲も絡んできたりして、面白かった。最後になって、いろんなことがわかってすっきりした。
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から二つ目の駅にある家賃3万円、木造二階建ての古アパート「かたばみ荘」。
出ていく時は次の入居者を探して引き継ぐというシステムのこのアパートの住人たちのつながる人間関係。
独特の語り口とどうつながっていくかわからないストーリーがちょっと苦手な感じで最初は入り込めなかったのですが‥。
順番に語り手が変わり視点が変わるのと読んでいくうちに癖のある登場人物や文章のテンポにハマり、結末の収まりが良くておもしろかったです。