紙の本
ジェンダー学への展開
2023/01/13 09:59
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投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウーマンリブやフェミニズムの歴史をたどる本だと思って読みました。第一波のあたりは、たんたんと歴史的なことが書かれている印象でしたが、それ以降は、やや戦闘モードでsh会の構造の不合理さなんかを指摘するところが強くなってきた感じです。
最後の方では、男性やLGBTQAXのことも含めたジェンダー学の活動や研究のことへの展開まで触れられています。その方面のことも今後さらに取り上げてもらいたいなと思いました。
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ーーとりわけ男性は自分の尺度でフェミニズムを理解しがちです。「男児平等?そうか、キミたちはボクらみたいになりたいんだね。それじゃ、女を捨ててかかってこい!」……これが「機会均等」のルールです。(p.113)
ここを読んで、胸のつかえがスッと取れた気がした。今まで自分が何に足を引っ張られていたのかがよく分かった。
「男勝り」を求める思想は「弱さ嫌悪」とセットで、その根っこは父性原理至上主義的なニッポンの働き方にある。
結局、「働き方改革」とかなんとか言うけど、一番にメスを入れなきゃいけないのはここなんだと思う。
オッサンへの忖度よ、さらば。
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アメリカのフェミニズムとかリブの歴史も踏まえつつ、もっと日本のフェミニズムの歴史に絞ってわかる本が読みたかったのでちょうどよいときに出た。先人たちの闘いがよくわかる。私もバトンを繋がなきゃという気持ちになる。
あと、別に上野さんを攻撃する趣旨では全くないけど、フェミニズムの中での上野さんの位置付けってどうなんだろう?当代で1番著名な女性学の学者だという認識ではあるけど、そりゃ批判や検証されるべき点もあるはずで。(妙に疑う気持ちが出てきちゃうのが、私もアンチフェミに毒されてる証拠かもしれないが…。)
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自分事として分かりやすかった。
歴史の中で、たくさんの女性たちが悔しい思いをしてきて、でもその人たちが闘ってくれたから、いまの少しはマシな日本の女性への姿勢があるんだな。
ただ、過去よりマシなだけで、現在も全っっっ然尊重されてはいない。
同じ女でもセクハラを正当化するような気が狂った人間はまだまだいるし、男もわたしたちを便所として扱う気狂いがまだまだたくさん蔓延ってる。
女だから、で判断されない世界になれ。
弱者が弱者のままでいて、暴力に曝されない世界なれ。
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フェミニズムの進展の歴史と、上野の個人史を重ね合わせ、かつ、コンパクトのまとめた好企画。「弱者が弱者のままで尊重されることを求めて当然」「ちがっていても差別されない権利を求める思想と実践」で結ばれているのは、感動的でさえある。
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上野千鶴子さんの文章はとても好きだなぁと感じます。
淡々とロジカルに、時に皮肉さを込めて
語られるフェミニズムの歩みは
教科書の行間に隠された物語でした。
サラッと読める、とは言わないけれど
著者の冷静な言葉にこもる熱い息遣いを感じられて
本当に良い読書時間だった。
痛みも伴うけれど、知らなきゃいけない。考えなきゃいけない。繋いでいかなきゃいけない。
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フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。
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海外と比較しながら、日本におけるフェミニズムの歴史を丁寧にかつ簡潔に解説してくれる。戦前から一歩前進一歩後退を繰り返し、バックラッシュや保守派の暴力による言論の自由の妨害を受けつつも着実に社会の認識が進んでいることが分かる。作者である上野千鶴子さんももちろんのこと、こうした先人の努力と犠牲があるから今の私がある。そこにはまだ構造的な男女差別も否めないけど、私たちが毅然としていなくちゃいけないですね。
フェミニズムは弱者が弱者のまま受け入れられ、違っていても差別されない権利を求めることの実践である。
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第一波〜四波までのフェミニズム史が、わかりやすく説明されてる。専門的な主義思想が分かりやすく解説されてるので、特に解説を調べることなく楽しんで読めた
著者上野さんも関わっているフェミニズムの総合サイトやその芸術表現を紹介するなど、関心を広げるのにももってこいの書籍
浅草、田原町駅周辺の 「readin’ writin’ 」という本屋で出会った本 また行きたい
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フェミニズムが辿ってきた変遷を、簡潔に学ぶことができる一冊。
具体的には、19世紀末〜20世紀初めの第一波フェミニズムに始まり、第二波、第三波、そして現在の状況が第四波フェミニズムとなるのか、というところまで順を追ってカバーしている。
何も疑問を持たずにいた「男女雇用機会均等法」も、成立の時まで辿れば「女性運動の敗北」だったということには驚き。
フェミニズムについて概要を学びたくて手に取った本書。
短時間でさっと学ぶことができ、ありがたかった。
この出版社の「わかりやすく、簡単に」という縛りがあると思うので仕方ないが、参考文献や注釈がなく、上野先生のみの視点から書かれている記述が多いなと感じた。
セカンドオピニオン的に、別の人が書いた同じテーマの本も読んでみようと思う。
【関連図書】
『「女縁」を生きた女たち』上野千鶴子/著(岩波現代文庫)
『新しい女性の創造』ベティ・フリーダン/著(大和書房)
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フェミニズムの歴史について、とても分かりやすかった。また自分がどこからフェミニズムに関わってきたのかが分かったのも興味深かった。
毎日社会に絶望しがちだけど、先人達の活動は確かに成果をあげているんだと勇気づけられた。
自分が生きているうちには、ほんの少しの変化しかないのかもしれないけど、絶望にめげずに、希望を持って声を上げ続けようと思った。
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流行り廃りの問題でなく、そこにある事実として捉えるべきフェミニズム。その一人者の手になる本書となると、興味を惹かれない訳に行かない。以下に気になった内容を引いておく。
・フェミニズム以前に前景化していた人種差別や階級差別があり、そのせいで、性別による差別に目が向きにくかった歴史。
・輸入品ではないウーマンリブ:新左翼運動で男性に失望した女性活動家から声が上がったもので、欧米のものとは本質を異にする。
・女性学の最大功績は、「問題は女の側にあるのでなく、社会の側にある」とした点。
・弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想。そうでないと、男性を目指すのが正解になってしまう。
男性の身からすると、ともすると勘違いしがちな部分だけに、身体化するまで繰り返し思い起こす作業が必要。
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国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11522086
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フェミニズム入門には読みやすかったです。
当然のことだけど後半に上野千鶴子さんの政治観が入り、具体的な政治家の実名が出ていました。その辺りのリテラシーや考える力がある人が読んで欲しいなぁと思いました。
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kindle unlimited。
上野千鶴子は四冊目。以前に読んだ本をかぶるところがあり、既読だったかと疑ったが初めて読む本だった。
フェミニズムのコンパクトな歴史書、というていだけど、自分語りが多い。これは年齢からくるものかな。