紙の本
時間が経つほどジワジワと素晴らしい内容だと思う本
2022/10/03 20:06
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投稿者:ミント - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後モヤモヤした気持ちであふれるのに素晴らしいと思う本、のNo. 1だと思いました。なぜなら、嘘でつながっているなんて認めたくないけど、確かにこの本の書いてある通りだという感想が、時間が経つにつれてわいてくるからです。哲学書や宗教書をたくさん読んでる人には超オススメです。
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「嘘」とは何か。
私たちはどのように現実を体験しているか。
体験を言葉に置き換えるとき、どんなことが起きているか。
「嘘」について、こんなにまとまった量の文章を読んだのは初めてでした。人の認知の仕組みや、人と人とのつながりについても考えが広がっていく内容で、とてもよい学びになりました。
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全体の何割が嘘なのか、読んでいるうちにわからなくなるが、読めば読むほどそんなことどうでもよくなる。
浅生鴨氏が(草河文世氏が?)言うように、事実が事実のまま表現することが不可能である以上、事実を伝えるために嘘は必要不可欠なのだ。
嘘というと人を騙しているようだが、それは嘘に対する狭い解釈のさらに一部でしかない。
どうせ嘘しかないのだから、私たちはもっと気楽に他者や世界と繋がっていいのではないか。
この本文の結びがコロコロと変わる(常体、敬体、べらんめえ)ように、その場その場でコロコロ変わりながらいけばいいのだ。
という感想を、本当にこの本を読んで得たのかどうか、嘘か誠か、もうよくわからない。
そもそも、草河文世って…
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頭の中の事を人に伝えようとした瞬間にそれは嘘になる。それはそうなんでしょうけど相手に伝わりやすくしようと情報の簡略化を行う事=嘘をついていると言う事と言うのは今ひとつ首肯出来かねるかなと。
まーそう言うことも含めて全ては虚構の上に成り立っているのだと思えば腹も立たないでしょ?と言うお話かなと思います。
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嘘の扱い方がわかれば、誰かの嘘に振り回されることもない。嘘というものを分解し深掘りしている本です。騙しやすい嘘のつき方など、ありとあらゆる方向から嘘を解説しています。
途中飽きてきましたが、嘘にまつわるちょっとした豆知識もありました。興味深いところをつまみながら最後まで読んでみてください。嘘をつかない男女が織りなす群像劇風の小説に著者がいちいち突っ込んでいるところは、思わず笑ってしまいました。
ごっこ遊びなどの空想や記憶などなんでも嘘というくくりにしているせいか、途中混乱や違和感を感じます。「嘘」というのは意図的に悪意を持って行うものだという認識が自分の中でこびりついているからなのかな。
著者はNHKでTV番組の中に虚の情報が紛れ込んでいないかチェックする仕事をしていた人です。何重ものチェック体制があるにもかかわらず、混じりっ気なしの真実だけで番組を作るのは難しいもの。その一つの理由として、人は事実をそのまま受け入れることができないから。
こういう問題を日常で持っていたからこそ、著者は嘘について深く考えるようになったのでしょうね。
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元NHKディレクターであり、フィクションと現実の世界を行き来しながら仕事をしてきた筆者による「嘘」とは何なのかを解説する本。
われわれは普段、「嘘」という言葉をよく使いながらも、それを特に意識して定義することがない。若しくは非常に表面的に「嘘」を使っている。
本著はそんな「嘘」の解像度を高めるために有用な一冊だと言える。
「嘘」の第一義は、「本当ではないこと」「真実ではないこと」。ただそれだけである。
では、「本当」「真実」とは何だろうか。ひとりとしてまったく同じ知識・経験・価値観を備えた人は自分以外にいないし、そうであるならばすべてのものの受け取り方は異なってくる。
無論、「事実」はある。実際に起こっている事象だ。しかし事実を捉えて自分の中に落とし込むプロセスを経て、事実は事実ではなくなってしまう。
極めて「真実」に近いこともある。
例えば、「空は青い」という事象はほとんどの人が納得するだろう。
しかし、先天的に盲目の人からすればそれは真実ではないし、アマゾンの奥地で澄んだ空を見続けてきた人がいきなり東京の空を見たら「灰色」だと表現するかもしれない。
この文脈では「空は青い」はすべからく「真実」だとは言えない。われわれは「多くの人が真実と認めている仮説」を「真実」だと言い換えているに過ぎない。
つまり、あらゆる「事実」は「真実」と「嘘」の間のどこかに位置する。程度の問題なのだ。
上記が筆者の主張の要約である。
さらに、「嘘」は「悪意の有無」「対象」「損益」「程度」という様々な切り口から分類することができる。「嘘」はこれらが複雑に絡み合って形成されている。
このあたりは非常に新鮮に読めた。
必ずしも、「嘘」=「悪」とは言えない。
むしろ「嘘」は真実なき世界で、人間が生存戦略として磨いてきた社会を安定させて円滑に回すための優れた道具なのだ。
内容的には、西洋哲学における「経験論」の入り口のようだが、とても読みやすかった。中盤でだれる部分もあるが、概ね良い本だと思う。
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「嘘=事実ではないこと」と定義すると、人間は外界の事実情報の100%を自分の中に取り込むことができないので全ての記憶や認識は嘘になる。そして取り込む際に100%のうちそぎ落とされる情報は人によって全くと言っていいほど異なる。そのため人の数だけ嘘があり、その嘘から認識しているその人にとっての真実もまた異なる。というところから本書の論は始まる。
そして私たちがつく嘘は、個々人が持っている異なる世界観の共通認識同士を繋ぐための変換ツールである。と、僕は解釈しました。
少し脳科学っぽい要素もありながら全体的に哲学チックな内容でしたが、文章が面白くて非常にとっつきやすく読みやすかったです。後半になると同じことの繰り返しで少しダレてきた感はありましたが、いい本でした。
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真実を知らないほうが幸せ、ってことは世の中にはある。「信じたい嘘」の共有で幸せな人間関係を築く方法、とはいったいどのような方法なのかを知るために読みたい
#ぼくらは嘘でつながっている。
#浅生鴨
22/9/14出版
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