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コロナ渦中の話題を中心に、亡くなる直前まで綴られた氏のコラム集。フェミニズムや断酒など、後天的に、意識的に感得されるに至る過程とか、赤裸々に語られていて興味深し。
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良くも悪くも筆者の作品との距離は変わらないが、激動の時代が続く中で今後の筆致がどうなっていたかは惜しまれる。
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著者のことは元々、内田樹さん繋がりで知ったのだが、『「踊り場」日本論』出版イベント(2014年)で直接お会いしてからはweb連載は勿論、著作も遡り夢中になって読んだ事を思い出す。
小田嶋隆さんが亡くなったのは2022年6月24日。
本書のタイトルは6月20日に御自宅で決めたものだとか。最後の最後まで本当にお見事。
見事だけれど、さびしい。今もつい「こんな時小田嶋さんならなんと言うかな」と考えてしまう。
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毎週金曜に、日経ビジネス電子版で小田嶋さんのコラム「ア・ピース・オブ・警句」が配信されるのが楽しみでした。
朝5時に配信されるのが待ち遠しく、パソコンに噛り付いて待っていたほど。
それほど、小田嶋さんのコラムは自分にとって魅力的でした。
単に世相を切るだけではありません。
その高度な文章技術、卓抜なユーモア、鮮やかなオチ。
これはもう単なるコラムではありません、ほとんど至高の芸といった域に達していました。
ぼくはコラムが好きで、これまでもたくさんのコラムニストの文章を読んできました。
ぼくも日常的に文章を書く仕事をしているので、誤解を恐れずに言えば、数多いるプロのコラムニストには、「頑張れば勝てる」「今でも勝っている」という印象を持ってきました。
でも、小田嶋さんには逆立ちしたって敵いっこない。
ぼくがもう一度、赤子から人生をやり直して、そうですね3歳くらいから将来、プロのコラムニストになるべく修行を徹底的に積んだとしますか。
それでも、小田嶋さんには絶対に敵わなかっただろうと断言できます。
それほど圧倒的な存在でした。
嘘だと思うなら、本作から1編だけ拾い読みしてみてほしい。
何度も笑った上で、最後は唸るはずです。
そして、「小田嶋さんこそ、最高のコラムニストだ」と思うでしょう。
だから、今年6月に小田嶋さんの訃報に接した時は、ショックのあまりしばし呆然としました。
65歳。
何と若くして亡くなったことでしょう。
あまりにも惜しい、寂しい。
本作は、小田嶋さんが過去に書いた傑作コラムをまとめたもの。
何度も読み返したいと思います。
小田嶋さん、これまで楽しませてくれて本当にありがとうございました。
安らかにお眠りください。
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これで小田嶋さん納め。
本当に残念である。この筆致、文体は誰にも出来ない。
日経BPで横書きで既に読んでいるのはずだが、やはり書籍としての縦書きがしっくりくる。
縦書きだとさらに筆者のすごさが伝わってくる気さえする。
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もっと早く知っていれば、この人のコラムを追っかけて溜飲を下げていたのになと思う。
これが遺作となるとは。
内田樹との共著で名前を連ねていたので、時々読んでいたが(今「読ませてもらった」と思わず書きそうになった!小田嶋さんに叱られる)
フェミニズムに関する率直なエンパシー。あー、この人は賢い。2021年4月2日付の新聞で読みたかった!
女性として、わかってくれてありがとう、書いてくれてありがとうとと言いたい。
そうなのだ、まさしく「ユーモア」の呪縛なのだ。
そんなのは本当のユーモアじゃない、ただのイジワルで、揶揄で、狭い視野の笑いに過ぎないのだけど。
その自称ユーモアに、女性は、さらされてきたのです。わかってくれてありがとう小田嶋さん。
足が太い、嫁に行き遅れる、器量が悪いと小突き回され、「山の神」は口うるさい、ケチだ、太ったと、笑われて、言い返すと「ユーモア」がわからないと罵倒される。
書いてくれてありがとうございました。
亡くなるの早過ぎです。
もっと読みたかった。
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「書くことがない」という書き出しの伝説コラム、親友へ捧げる詩、「晩年は誰のものでもない」、自らの病について、など人間オダジマがあふれる作品から、フェミニズム、嫌酒権、ウクライナへの思い…生前最後の一本を含む社会派コラムまで、コロナ下に書かれた18本を厳選。
著者の本を久しぶりに読んだ。最後の某映画監督の謝罪になっていない謝罪文については、同意見である。
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気軽に読めて好きだけど、逆にあえて手にすることが少ないコラム本。2022年6月に亡くなられた著者の遺稿集。もうこれ以上読めないのだからお別れをかねて読みたい
#小田嶋隆のコラムの向こう側
#小田嶋隆
22/8/31出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3X93an8
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《目次》
・ まえがき
◇第1章 コロナと孤独コラムニスト
・ Zoomに心を許さない理由
・ 君、最近休みをとったのはいつだね?
・ 一億総祖父母時代に、大坂なおみ選手をたたえる
◇第2章 コラムの逆回転
・「改革は待ってくれない」というのはウソ
・ 昭和の笑いはおおらかだったのか
・「一人メシ推奨国民運動」はなぜ嫌われる
◇第3章 さらば、酒と友と
・ 酒飲みを甘やかす文化は永遠なのだな
・ いつか「嫌酒権」が叫ばれる日
・ 夏の雲が立ち上がるのを見上げていたぼくは十六歳だった
◇第4章 晩年は誰のものでもない
・ 自然の猛威で片付けるのはもったいない
・ 晩年は誰のものでもない
・ ジョンとヨーコとフェミニズム
・ 虫とタイガー・ウッズの父に学ぶ、遠くを見ない処世術
◇第5章 コラムの向こう側
・ 殺意は容易に暴走する
・ 戦争を宣伝ツールに使う残念な人たち
・ 思い上がりがもたらす自縄自縛
・ カジュアルさにひそむ責任回避
・ ○○界に残る「ホモソーシャル」