紙の本
今まで知らなかった中国史
2023/07/11 18:40
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで読んできた中国の歴史の本がすべて中原視点だったことに気づかせてくれる本。台湾と華南の繋がりも近くて深い。おもしろかった。
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「越境」には地理的な意味と文化的な意味を持たせたらしい。
人口爆発と均等相続、中央集権的政治圧力を背景に辺境を侵食する漢人とそれに対応・対抗する原住民。
現代のアフリカやウィグルで起こっていることが、共産党以前の中国の歴史の延長線上にあることがよくわかる。
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華南がどのように中国の版図に入っていったか、王朝の政策を超えた、貧しさから抜け出そうとする漢人の向上心が領土を広げ、今もその勢いが続いていることを思い知らされる。
中ほどは飛ばし飛ばしで読んだが、参考になる本だった
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日本人にとって馴染みのある中国はだいたい北部で華南には馴染みがない、と言われてまずなるほどと思った。華南が中華世界に組み込まれたのは遅く、歴史の表舞台に立っていたのはいつも華北であった。本書はそんな華南が辿った歴史を解説している。華南には福建人、閩南人、潮州人、広東人のような漢民族のサブグループの他にイ族やチワン族などが入り乱れている。彼らはみなそれぞれに貧しく、18世紀の人口爆発に押されて移動を余儀なくされる。華南の歴史は彼らの闘争の歴史であり、ひたすらに暗い歴史が綴られる。彼らの生き方は「ワンセック」と呼ばれる、食べるために様々な事業に手を出すという、華北の儒教的価値観とは齟齬のあるものだった。だからこそ太平天国や辛亥革命のような近代中国の革命の風は南から吹いたのではないか、と筆者は語っている。