電子書籍
平田オリザ入門
2024/03/08 16:17
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投稿者:酔生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、平田オリザによる日本近代文学の名著入門であると同時に、本人による平田オリザ入門にもなっていて、一冊で二通りの効用があります。
平田オリザ氏が、どんな人で、どんなことを考えているのかが、読み進むとともに分かってきて、何ともお得な本です。
紙の本
日本の深い所の痛みも。
2023/04/14 06:45
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投稿者:ももじろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者平田オリザさんの本は初めて手にしましたが、とても勉強になりました。(フェア期間中に見つけました)
いくつか読んだ本がありましたが、実際、聞いた事はあっても読んだ事は無いのがほとんど。
そして著者の説明から、その人となりや、日本という国の背景、歴史が垣間見えた気がします。
日本は過去の凄惨な歴史の上に有るのだ、と確信します。
当時の背景を知ると、本当に悲しくなります。
全てがそうでは無いだろうけれど。
これからゆっくりと時代を遡ってみようと思います。
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<目次>
第1章 日本近代文学の黎明
第2章 「文学」の誕生
第3章 先駆者たち、それぞれの苦悩
第4章 大正文学の爛熟
第5章 戦争と向き合う文学者たち
第6章 花開く戦後文学
第7章 文学は続く
<内容>
朝日新聞の読書欄に連載した「古典百名山」を加筆修正したもの。高校日本史の授業で、近代文学史を教えるにあたって、作品の概要のみを簡単に話すしかなかった(もともと作品はほとんど読んでいなかった…)のだが、これを読むと、近代文学の歴史的経緯や各作家の苦悩がわかりやすく伝わり、近代文学を持ち込んだ坪内逍遥からして、「何を書けばいいかわからない」状態だったことがわかり、面白かった。それが夏目漱石あたりから、わかるようになり、大正期には「日本近代文学」が花開いたのだとも。もちろん漏れた作家も多数いるが(室生犀星や武者小路実篤など)、ネタとしては十分な分量である。
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Na図書館本
文学とは、その時代の流行の文章があったりして、それをかっこよく使う若者がいたり、
その文章にキュンとなる人たちがいて、、、
なんて想像してしまった。
一葉のたけくらべや、鴎外の舞姫など、本当に読みにくい。ただ風景を描く独歩の武蔵野や、藤村の若菜集。夏目の坊ちゃんや与謝野のみだれ髪と、どんどん読みやすくなる。
そしてやはり私は、日本文学爛熟期であるところの大正文学が好きみたいだ。芥川、川端、谷崎。
そしてその後、戦争時代の高村乱歩、井伏も良き。戦後文学である、太宰や安吾、織田作も割と好みだ。安吾は読んで堕落しそうになり、以降怖くて読めてない。
まだまだ読んだことのない方々もあり、別役実の不条理とか、石牟礼さんは読んだけど再読とか、
なんだか刺激をたくさん受けた。
これはいくらあっても時間が足りそうにない。
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これまで何気なく手に取り、理解出来たりできなかったりした日本の小説(文学)について、その系譜というか流れについてわかりやすく解説してある。こういう解説を探していたが、ようやく見つかった。
ここで取り上げられている本のうち、ざっと半分くらいは読んだことあるが、作家間の関係性とか、そういう作品が生まれる時代背景を知ることができた。読書意欲を改めて掻き立てられる、私にとって素敵な一冊となった。
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入門書としてよりは、懇意にしている作者について、平田オリザ氏はどういう文学的付き合いをしてきたかを覗くという意味で一定の収穫はあった。
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近代文学の概観に触れた気になった!
小説なぞすでにある日本語を使って作者の物語を書いているように思いがちだけど、何が文学であるべきかということについて大きな流れがあるんだ。
あとから振り返って批評すると「評価が固まった」とか、日本語の使われ方の歴史の中の位置付けとかもあるんだなー
元が新聞のコラムなので一つの本に対する文章量はかなり少ない。