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正月に息子と街中の大型書店に面白そうな本を探しに行って購入した本。
序盤はグッと惹き込まれたが中盤の難解な場面が多すぎて気持ちが切れてしまう。
エンディングは予想通りだが多少はスッキリした。
序盤のネタフリがちゃんと回収出来ているのか僕の頭では良く解らない。
作品としてはとても興味深く面白かったが個々のパーツが気持ちよくちゃんと嵌らなかった印象。
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神様との法廷バトル!
神は自らの存在を懸けて検察官と裁判官に挑む?
河川敷で女性の腕が発見されて警察が捜査を開始する、時同じくして近くのパン屋で女性の腕を模したバゲットが販売される?
そして、とある大学教授が突然、自分の事を『神の上の存在』と名乗りを挙げる?
物語の進むべき道筋とゴールが見えない物語!
帯に作者本人が『自身の最高傑作』と書いてあったので購入!
個人的には『旅のラゴス』こそ最高傑作かと思います。
→自分は旅と砂漠の物語が好きなので偏った意見かもしれませんが・・・
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中学高校の頃筒井康隆をすごくたくさん読んでいたけれど、それ以降あまり読まなくなってしまい、すごく久しぶりに新しめの作品を読みました。
解説で池澤夏樹さんが書かれていたことに尽きるけれど、小説の読者は読後感をいつまでも持ち続けることができる。それは本当に祝福なのだと思う。GODは決して祝福はしないけれども、最後に勝利するのはぼくたち読者である。
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高校生の時に読んで以来の再読。当時は筒井康隆についてあまり知らない状態で読んだから、単なる哲学的なSFとして読んでしまっていたけれど、彼の他の作品をいくつか読んでから改めて触れると、壮大な実験小説なのだということがわかった。解説で池澤夏樹が書いているが、物語で神様を出すというのは、展開がなんでもありになってしまうから御法度なのだが、筒井康隆はこれをうまい具合に処理していて、破綻もなく(展開の後半でわかることだが、むしろ破綻を前提にして)小説を書いているようだった。同じく池澤は、このGOD以上の存在として、作者である筒井康隆を挙げていたが、結局GODはこの話が小説だということも知っていたわけで、完全に筒井康隆が優位というわけではなさそうに思える。だから個人的に、フィクションの枠を超えて、本当に神様を降ろしてしまったのではないかと思ってしまった。
確かに、こんな壮大なメタ/パラフィクションをやってしまったら、もう長編を書く気はないだろうし、書くこともできないだろうと思う。なんなら、過去の筒井康隆作品で扱われてきた不条理な世界観は、もしかするとこのGODが黒幕なのではないかと思ったり。
とにかく久々に読めて、とても良い読書体験となれた。
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ミステリー仕立ての哲学小説。
単子論を交えた哲学思想をつぶさに書くことへの著者の熱意は感じたものの、理解には及ばず、、
特に、法廷やTV番組での哲学問答は難解で、大枠を掴むことしかできなかった。
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筒井康隆、最後の長編と帯にあるモナドの領域。モナドという言葉がタイトルに含まれていることからも伺えるように、ライプニッツのモナド論を敷衍して我々はモナドから外には出られないという前提で話が進む。そしてモナドの外に在るのは神だけである。
トマス・アクィナス、ライプニッツ、カント、ハイデガー、カントール等の哲学者や数学者が言及されるのは筒井康隆ならではといったところか。読んでいて思い出したのは、同じく神に言及していたチェスタトン。
小説の中で神を扱う場合、神を超越する存在として作者や読者が存在してしまうわけで、当然そのことにも作者は自覚的ではある。
エピローグの文章は神は登場しないのだけれど、まるで神が遍在するかのようで美しい。
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む、難しい。
ミステリーかと思ってたら後半哲学的な所は読み進むの苦労した。
この部分はただ読んだだけで理解できなかったー!
これが筒井康隆ワールドなのかな。
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哲学を学んでいないので、理解できない部分も多かったけど、それでも、こんな感じなのかな?と想像して読み進めるのが楽しかった。
最初に登場する「女性の腕」について、「川端康成は好きじゃなさそうな腕、谷崎潤一郎が好きそうな腕」というくだりが妙に腑に落ちて、読む間ずっと私の頭の中に腕のイメージが存在していたけど、最後にサラッと回収されていってまたまた納得。
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読み始めは単なるサスペンス作なんだろうと踏んでいたが、進めるうちに全知全能を司る神的存在が出現して話題の領域が聖書や神話や哲学、宇宙論まで達していて、理解力に欠けました。
著者をGODに投影していて、時事問題にも回答したりと色々作品中での訴えが垣間見えらました。
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殺人事件からスタートしたのでミステリかと思いきや全っ然違うストーリーだった。めちゃくちゃ難しいのに、なぜかテンポよく読めてしまった。どれだけ理解できたかわからないけど、先を読みたいと思う小説だった。こういうタイプは初めて読んだ。
バラバラ死体の腕だけで、なぜ女性と断言できたのかがずっと不思議。
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書き出しからミステリー調の話かと思ったが、中盤はほぼ哲学・神学問答に占められていた。終盤でその二つをSF的に絡めて綺麗に着地させるのは見事
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それらしい事を言ってネタバレするのはイヤなので詳しくは書かない。
とにかく面白かった。やはり筒井先生は最高だって事かな(笑)
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いつどこで買ったか全く記憶にないけど、たぶん御書印もらうときにテキトーに買った本のひとつだろうな。
筒井康隆作品を読むのはめちゃめちゃ久しぶりなので感覚を忘れていて、最初にバラバラ死体が出てきて、パン屋で発見された部位と同じ形のバゲットが流行るという謎めいた展開になり、さあ誰が犯人なんだろう…とドキドキしながらページをめくっていたところ、パン屋の常連だった教授が突然全知全能の神に憑依されるという展開で、あっ、そういえば筒井康隆作品だったわ、と気づいたと言うか思い出したというか。
その後はもうずっと筒井康隆感。人々がとにかくGODに翻弄され、そして全てはGODの予定、いわゆる「モナド」の通り。
モナドというとどうしてもゼノブレイドを思い出してしまう。意味合いも同じだった気がするけどあっちは武器名か。
メタ要素も出てきて、平行世界の説明にかこつけてこの世界は小説だとネタばらしするわ、時をかける少女の展開と同じだとか言い始めるわ、キャラクターがもう出番がないことを悟ったり、とても良い。
関わった人たちの記憶を全て消してGODも消えるが、なぜかダイヤモンドだけ分裂しているという、また別世界と融合してしまったということかな…
最近普通の小説ばかり読んでたから、逆に新鮮で一気に読み終わってしまった。
しかし帯にも「おそらくは最後の長編」と書いてあるが、筒井康隆さんも1934年生まれ、もう89歳か… 本当に最後の長編になりかねんな…
同様にいつ買ったか覚えてない短編集もあるから続けて読んでみるかな。
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腕だけの死体が見つかる場面でミステリーを求めたがやはり筒井康隆、sf作家ですな。
GODが裁判で語るシーンの長さがすごい。
ミステリーとしての帰結はなく、sfとして帰結した。
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ミステリーかと思ったら、SFミステリーになり最後はSF?で完結したように感じました。
知識が不足しており、私には中々理解が難しかったです。
「わしは科学の方法で鑑識をやっておるくせに、すべて科学で解決しようとすることが不思議を不思議と思いたくない最近の人間の悪い癖だとも思っている。」
「また『ウンコの力』か。やめんかい」