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貧困と格差、親による虐待、不登校、いじめ……。子供が直面する困難の正体を見極め、マイナスをプラスに変える処方箋を提案する。
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石井氏が子ども向けに書いた本。
当然大人が読んでも理解し易く核心の部分が頭に残って良書たと思う。
いじめとその隠蔽体質に関してはかなりショック。
保身のために子どもを切り捨てる大人か一定数いるんだね。
しかも社会的に立場が上の人達が・・・。
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子供に呼びかけるような文体。大人が読んでも十分に参考になる。ヤングケアラー、児童虐待、不登校...。その背景と構造をわかりやすく解説してくれる。・・・一人では弱いはずのヒトが他の生き物に打ち勝ち頂点に立てたのは、群れることができたから。共同で知恵を出し合い過酷な自然に立ち向かう。そこには秩序が必要となる。団結の乱れを排除するのは自己防衛のため。いじめは生存本能が生み出すこと。食欲・性欲・睡眠欲。欲求を理性で制御することで文明は成り立ってきた。咎めるのは唯一の方法ではない。いじめもきっと撲滅できると信じたい
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図書館新刊より。
不登校を後押ししてくれる本は結構ある。
読んでみて「一度クラスから離れて考えてみることも必要なのかな」とも思う。
ただ、そのあとの人生については、不安が残る。
不登校だったけど大人になってからは生活していけているという人は、とてもラッキーだったのではと思う。
「たまたま受け入れ態勢が整っている地域にいた」とか。
人口数千~数万の自治体に、受け皿はあるのだろうか。
あったとしても、そのような情報は、公平に家族のもとに入ってくるのだろうか。
ホームページやSNSの情報発信程度だと、探すのが上手じゃないと見つけられない。
親が情報を得られない・都会に引っ越せないというのも、自己責任の世の中なのだろうか。
片田舎でこのような本を読むと、パラレルワールドの話みたいに感じる。
ただ、「当事者の経験というパワー」は納得。
使い道は限定的だけど。
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日本の子供が感じている幸福度は、先進国38カ国のうち37位。身体的健康が1位であるにもかかわらず。本著はこの課題認識から始まる。そして、数値を列挙する。子供の7人に1人が貧困、15人に1人がヤングケアラー、児童虐待の相談件数は年間20万件、小中学生の不登校は約24万人以上、ネット依存の子供が1百万人を突破。
日本は先進国において、幸福度の低い民族である。これは、日本人の自己肯定感が低い事と関係する。この元凶が、偏差値教育にあると指摘したのは茂木健一郎だ。日本特有の高校受験の制度に問題がある。高校受験は多くの学生に対し、生涯に渡る劣等感を与え、偏差値制度は自分が行きたい学部ではなくて偏差値の高低で学部を選ぶ、本末転倒な現象を引き起こす。自らの適性や希望より偏差値によって人生を選択させられている。
本著の石井光太は更に、貧困の連鎖を指摘する。偏差値教育以前の問題。虐待や親の世話、そもそも環境が不遇な子供たちについて。社会構造がこうした弱者を生み出しているから、苦しいのだと指摘する。過去と現代を比べて、こうした弱者への住みやすさに優劣をつけるのは容易ではない。セクハラを見逃していた時代より、きちんと向き合う今の時代の方が報告件数は上がる。しかし、だからといって女性へのセクハラが増えたとは言えない。可視化し、検挙率が上がったという意味で、こうした点は現代の方が余程良い。
社会的弱者とは社会構造が作り出した存在だと言える。弱者の定義は社会コンセンサスだからだ。従い、自らが弱者だと思っても、当てはまらないケースもある。低学歴は、とある価値観に晒せば弱者だが、それを自己責任論で片付ける事も可能だし、学歴不要論的な価値観なら全く弱者にならない。こうした線引きこそ、民主主義の要諦であり、社会学の真髄になるはずだ、と思う。
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本書は、子供の生き辛さを中心として社会のグローバル化、格差、多様性が語られている。
具体的には社会のグローバル化が、旧来の社会システムを根本から変え、格差社会に伴う貧困が不貧困を再生産し、社会から脱落した子供が不登校になる。旧来の社会システムは、弱者や社会ののセーフティーネットにもなりえていたが、旧来型システムが破壊され、受け皿になりえなくなったことなどが書かれている。これらは今までに語られていることであり、特段新しい話や目から鱗の知識は得られなかった。
しかし不良が減って不登校が増えたなど、部分的に知っていた知識や肌感覚で分かっていたことが、統計やロジックを用いて具体的に説明されており可視化され、エビデンスを持って理解できた。
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起きている事象の根本原因まで掘り下げている点と、苦しみの只中にある当事者たちの目線で物事を捉えている点が非常に良かった。
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★★★★
今月3冊目。
素晴らしい本でした。先進国38カ国で日本の子供の幸福度は37位らしい。
そこから貧困、虐待、いじめ、マイノリティなどの視点から子供が受けるストレスなどを考察。
中高生に向けて書いてある視点だが、親が読め