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先月(2017年8月)

もじやんさんのレビュー一覧

投稿者:もじやん

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本ゆれる

2012/08/26 23:18

心の機微を映像と文章で紡ぐ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この作品の登場人物は誰もが感情を押し殺し、心の底に澱を沈め、その澱を誰にも告白できないまま生きている。しかし作品全体が救いようもないほど暗いのかと言うとそうでもなく、田舎の緑が醸し出すような独特の清浄感というか、透明感に包まれているような印象を受けた。

物語は登場人物1人づつに分けて、それぞれの心象風景として描かれていくので、人物の感情の機微や、次第に心の波紋が広がっていく感覚を深いところまで味わうことができる。同じ時、同じ現場に立っていた時に、各人が感じていた心の微妙なすれ違いがこの作品の魅力の1つなのではないか。

あらかじめ劇場版を観ていたので、書店で本書を手にした時は敢えて読むのもどうかと思ったのだが、作品を読み終えてみて充分満足していることに気づいた。映画と小説のそれぞれでしか表現しえない心の機微を、同じ作者の手によって再構築していく感覚は、作者の表現したい世界まで可能な限り近づけるし、今までに得たことのない新しい表現感覚を楽しめた。

エキサイティングな場面は皆無だが、読んだ後で少しづつ波紋が広がっていくような、どこか忘れられない強い印象を読者の心に残す作品。自分は名作だと思う。

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紙の本ひまわり事件

2012/07/17 11:20

抱腹絶倒、時にホロッ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

映画のジャンルでいったら「ドラマ」「コメディ」の分類に入るのかな?
キナ臭いにおいを漂わせた経営者による幼稚園と老人ホーム。経営者の選挙立候補のPRの一貫として「お年寄りと子供たちの交流」と銘打って両者の壁が壊されると、どうしようもない現代のガキどもと、頑固ジジババどもが入り乱れ、スパークして、ギャンブルやら学校闘争やらトンでもない方向に発展していく。
個性豊かな登場人物が生きいきと描かれていて、作者の意図を離れたところでひとり歩きしているようで、抱腹絶倒、時にホロッときながら読むことができた。作者の萩原さんの楽しみながら書いて筆が止まらなくなっている様子が目に浮かぶよう。
前半で得た登場人物の個性にすっかり感情移入したところで、物語の後半からは出来事がどんどんエスカレートしてハチャメチャな展開に昇華する(何が起きるかはネタバレになるので書けないけれど)のがとにかく面白かった!!!

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