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レビューアーランキング
先月(2017年8月)

シエルさんのレビュー一覧

投稿者:シエル

73 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本現代思想史入門

2016/05/08 18:43

今年のお勧めベストに入れたい本

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本を読む際に気になる個所などは自分は書き込みをしない、本に書き込んだりするのは邪道だと思っているので(尤も書き込む本と飾る本を分けて買える経済力があれば別だが、そんな経済力は本を本格的に読むようになった中学生以来有り得ないことでもある)付箋を貼って置く。

後から読み返したり、こうやって読後感想を書いたりする際に引用するのにも便利だからそうしていて、本を読むときにはカバーにその付箋を貼って置くのだが毎日足らなくなるほど貼った。
合計にして数十枚は大袈裟だが十数枚では効かない感じで本の上部から付箋が沢山、はみ出ている。

帯にある言葉を引用すれば−現代は、現象学やマルクス主義や精神分析のような、ひとつの思想、ひとりの哲学者の真理でつくされるような状況にはもはやない……ただちにわが国伝統の思想にたち還ればすむというような状況でもない。本書が採用するのは、地層学になぞらえた思想の流れと、それに断層を見いだしていく仕方である。
とあるように、現代思想と言うだけで色々なカテゴリーに分類されるだろうが、およそ150年前からに書かれた『進化論』以来と捉え、その間の思想を生命・精神・歴史・情報・暴力の各章ごとに追っていく形を取っている。
そして、その前に序章があるので計6章からなる膨大なる現代の思想を一冊に凝縮したような本と言える。
この為、本が付箋だらけの「要チェック!」項目が多くなってしまった次第。

読み物としてもボリュームがあるし、百科事典的にも使える感じがする。
そして、その場その場で著者が適切な比喩や引用を出してくれるので理解し易い。
個人的にはお勧め度☆5つと言った感じで今年のお勧めベストに入れたい一冊だった。
読み応えはあるがその分、吸収できるものもあるし、それに何より思想を総括してまとめた本は少ないだけにデスクの傍、辞書の類や何課と一緒に置いて使いたい気がする本だった。

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紙の本哲学はなぜ役に立つのか?

2016/01/18 18:26

非常に分り易い哲学の本

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは先ず、今年のベストに数えられる本だろうと思う。
一昨年辺りから哲学・経済・政治に社会情勢・教育・社会保障と読み出すと各方面に手をつけて自分なりに限られた時間と予算とスペースで赦される範囲の本を選んでいるつもりだが本書はアタリである。

そもそも各専門書はその道の専門家が書くから専門的すぎて、語彙なども日常使いもしないどころか聞きもしない、見たことさえ無いような言葉の羅列である。
その言葉の選び方は筆者の好みなどもあるようだが概して、ワケの分らない言葉で誤魔化して煙に巻こうとしているのではないかと思えるほど、無学な者には判じ難い。
その点で本書は非常に分り易く、時事を哲学的に考察してると思う。
ここで「哲学的に「などと書くとこれまた「自分には読んでも分らないんだろう」と言う気になるが読むには中学生程度の国語レベルで充分だと思う。

日本人は「哲学する」などとヒト前で言い出すと変人度を上げるだけで世間的にはマイナスイメージが多いが本来、哲学すると言うのは本書のようなレベルでの話である。
だから死刑制度についての問題や外交、それになぜ近親相姦はイケないのかと言う凡そ日常考えもしないことに筆者が解を与えてくれていると思う。

そして、その解の与え方が決して専門的でも無く正に中学生が倫理か小学生が道徳の授業辺りで(今ではそんな授業があるのか知らないが旧い人間なもので)学ぶような、クラスで話し合うと言う程度に考えて読める。
決して、分り難い話にはなって行かない。
これは筆力の問題もあろうとは思うけれど、それを以ってしても先ずお勧めの一冊である。

そして、一講(章のような感じ)に一冊づつ副読本を紹介しているので合計で20冊の本が紹介される。
それがまた本文の内容と相俟ってそちらの副読本(古典が多いが最近のものもある)にも手を出したくなると言う、好循環で組み立てられている。
その分、読みたい読まねばならぬ本が増えると言うことは嬉しいような、財布が悲鳴のような気もするが20冊の内、幾つかは既に手元にあるから再読しようかなと思わせてくれる。

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紙の本左翼も右翼もウソばかり

2015/11/29 20:46

中立性と言うことを考えさせられる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

裏表紙にある著者の写真を見る限り、パンクのロッカーかと思うような風貌だ。
ヒトは見掛けによらないと言うけれど正にそんな感じかも。
そう言えば、どこかテレビ媒体で見掛けたことがあるかもしれないと思い出したが何を言っていたのかは全く覚えていない。

タイトルが軽そうに感じるけれどかなりマジメに世相を捉えていると思う。
日本の大がつくマスコミ連中だけでなく、自分のような街で誰に訴えるともなく書いている文章でも必ずそこには自分の見方と言う歪んだものの見方があるし、これが偏見を生み差別を助長しているのは言うまでもない。

新聞でも雑誌でも、テレビでもネットでも報道に携わる者は「中立性」を常に問われるんだが純然とした中立性を確保された文章は逆に言うと面白くもおかしくもない。
何を言いたいのか分らない文章になってしまうから必ず、そこには書いた人なり、編集部なり、社としての、或いは政党や何らかの立場からの見解=ものの見方が加わる。

こう言う本を読んだ後には非常に書き難いが若いのに充分に下調べが出来ているし、そこに偏見という曲解は無さそうに思える。
実際、読んだ限りでは筆者の立場は右でも左でもないしどこかに与する立場にもないだろうと思うが、読む人によっては非常にケシカラン、或いはウソ八百などと論難するに違いと思うが鋭い指摘だなと思う。

例えば、「最近の若者は」と言う時代を示す言い方・見方・斬り方はお決まりであるけれど何十年経っても「今時の若者は」と言われる。
自分が若者どころからガキの頃からそう聞いていたし、青年になれば自分たちの世代を指すんだろうと意識があったが50歳を過ぎてしまって、自分のことだとは誰も思わない。と言うより、思うようだと相当にズレてる。

これは「若者の草食化」と言われ始めてから一体、何年あるいは何世代の間に亘って続いているのか。
草食化と言う言葉が使われ始めたのは10年前か、20年前か!?
それを未だに使い古さずに使い続けている。
その時に相当するであろう、若者も今や中高年の域だろう。
そうすると未だに、何年か何十年かズット草食化は続いているんだろう。
であるならば、安倍首相が訴える2050年も1億人と言う目標と出生率の目標はナンセンス以前になる。

こう言う、レトリックをマスコミはいつまでも使い続ける。
他にも<戦後世代>とかよく出て来るが今年で戦後70年を迎えたのを念頭に置いているのかと、常に疑問に思っていた。
自分は完全に戦後世代だろうが昭和1ケタの親が子供を作る歳になる頃には戦後15年も20年も経っていたのを踏まえれば戦前・戦中生まれでも充分に戦後世代のような…

ものを書く、言う立場にある人はよくよく日々様々に接する数字の意味をもっとキチンと理解していないとイカンなと思わずにはいられない。
萎縮するつもりはないけれどかなり軽率なもの言いをする方だから自戒を込めてそう思った。

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『言ってはいけない』

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一気に読み終えたが非常に面白いと言うか、興味深いと言うか、感心させられる内容だった。
かなり偏見に満ちた内容のように受け取られる可能性もあるだろうが、それらを打ち消す為に多くの引用・傍証などで構成されている。

1努力は遺伝に勝てないのか
では遺伝にまつわる偏見に近い、或いは誰しも判断を誤りそうな内容についてじつは科学的なデータが裏付けられているものだと言うことを示す。
1.遺伝に関するタブー 2.知能に関するタブー 3.知識社会で勝ち抜く人、最貧困層に堕ちる人4.進化がもたらす、残酷なレイプは防げるのかにそして 5.反社会的人間がどのように生まれるのか
について個々に論じながら豊富な例を挙げて説明されるので納得し難いものも受け入れざるを得ないと言った所か。

2あまりに残酷な「美貌格差」
6.「見た目」で人生は決まる−容貌のタブー 7.あまりに残酷な「美貌格差」 8.男女平等における残酷な現実 9.結婚相手選びとセックスにおける残酷な現実 10.女性はなぜエクシタシーで叫ぶのか?

3子育てや教育は子どもの成長に関係ない
11.わたしはどのように「わたし」になるのか 12.親子の語られざる真実 13.「遺伝子と環境」が引き起こす残酷な真実

以上の13章にわたって展開される。
我々が如何に誤解と偏見、誤謬に基づいた社会や見方で生きているかがよ〜く分かる。
中々、読んで複雑な思いにさせられた。

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男の禅語

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

はじめにに、禅の教えに男性も女性もありません。
あえて「男の禅語」としたのは、特に男性として、また父親、夫として、禅語は「生き方の軸」を考えさせられるからです。
とある。

禅語としてよく紹介される「知足」「不識」「無心」「無事」「主人公」「莫妄想」なども含まれるているが初めて目にした言葉も多かった。
解説を写すと長くなるから省くが「体露金風」とか「和敬静寂」「直心是道場」「時時勤払拭」「独座大雄峰」「大連透長安」に「不風流処也風流」からもっと長い「神通並妙用運水也搬柴」「水流元入海月落不離天」「心随万境転転処実能幽」に最後の「坐水月道場」まで全50語を紹介している。

見慣れない言葉も多かったので一度ではとても頭に入らないから再読、再々読とすると思う。
こういう本を読む時は落ち着いて読まないと頭に入らないし、心沁みて来ないので200ぺーじほどの本に3日も掛かった。

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紙の本恐慌論

2016/05/31 18:40

『恐慌論』

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007年に浮上したアメリカ発のサブプライム金融危機は記憶に新しい所だ。
世界恐慌と呼ばれる最初のものは1857年に起こったものと言われるらしい。
本書は1953年(昭和28年)の発行で戦後まもなくと言われる時期の刊行であるが著者の先見がいかに高かったかを示すし、マルクス自身も『資本論』の中で恐慌について触れている。

資本主義社会においてはこの経済膨張=バブルと破綻=恐慌が繰り返されるようにマルクスも書いているようだがその理論をしっかり読み込んで宇野経済学は発展したのだろう。
同時に『資本論』では資本主義経済のその先を予見するような文章もあるようだがまだ『資本論』自体に手を出していないので分からない。

それにしても、こういった理論・理屈が以前から示されているにも拘らず人類はと言うか、資本主義はバブルとその後の破綻を繰り返す。
そうなるであろうことを予想できるのにヒトは少しでも多く稼いでおきたい動物であるようだ。

本書中、214頁にあるが「いうまでもなく資本主義の発生の過程も、その成長の過程も、さらにまた崩壊の過程も、個々の国々にとってはそれぞれ特殊の過程としてあらわれる。一般的には先に資本主義の発展を見た国々の経験した過程は、後に資本主義化する国々にとって基本的には同一の過程を繰り返すものといえるのであるが、そしてそれは原理が歴史的過程を通して貫徹していることを示すものともいえるのであるが、それもその資本主義化の時期によって種々異なった様相を示すのである。崩壊の過程にしても同様である。」
とある。

結構、文調が独特なのもあるが慣れると読み易いと思う。
更にその内容が殊の外理解し易いので大いに助かる感じがしている。
本書でも具体的な数字を挙げながら恐慌が発生するシステムについて詳述されているのだがそれでもまた繰り返す人類は相当アホなんだろうか?と、思わずにいられない。

こうなると資本主義のその先はどうなるのか大いに気になるけれどそれまで生きている可能性が低い。
それでも生きている間中は色々な本や著作を通じて勉強して行きたいもんだ、と思った次第。

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いまだに人気の衰えない英国政治家

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

誰しもチャーチルの名前ぐらいは知っているだろう。
終戦時に行われたポツダム宣言の受諾やその前のヤルタ会談にも参加したイギリスの首相である。
筆者は自分と同い年のジャーナリストでその翌年1965年にチャーチル90歳で物故した。

実に長い間、政治家としてその才を揮った政治家で日本でも教科書に出てくるような政治家であり、シェークスピアとディケンズを足しても足らないほどの文章を遺した人でもあるらしい。
絵画もよくし世界を正しく股にかけて辣腕を振るったらしい。

その人物の伝記である。
その生誕から亡くなるまでの彼の歴史、そのものを忠実に辿っている感じの読み応え十分な本だった。
500頁ぐらいの本になると流石に2日や3日では読み切れず、かなり時間を費やした。
著者の方は相当に時間を費やして、あちらこちらを訪ねたり調べたり、聞き取ったりしたようだ。

著名な政治家であるが相当に癖があると言うか、偏屈と言うか、彼なりの哲学がバックボーンにあるようだが父も政治家であり、公爵でもあったらしい。
血筋は好いようだが付き合うには大変そうな人物のようであるし、その風貌から想像できる通り唯の好々爺では済まないものを感じる。

歴史的な場面に何度も立ち合い、世界中を旅したようでもある。
驚いたのは現在の中東情勢の元になるものをチャーチルが作り上げたと言っても良いほどに関係していることや「中東」と言う言葉自体が彼の発明と言うか、造語であったらしい。

現在のイギリスだけでなく、世界の政治のアチコチに彼は首を突っ込んでいる。
やはり、本書中のクライマックスはヤルタ会談前から対ドイツへの宣戦布告など実に興味深い。
当時でもかなり小さいと言われる170cmほどの身長しかないながら決して引けを取ることなく、あらゆる政敵や対外交渉にも我を通すような一面で変節ぶりも面白い。

イギリスが大英帝国だった時代の政治家で世界に足跡を残し、現代でも「世界の経営者が最も尊敬するリーダーランキング」でスティーブ・ジョブスを抑えて堂々の1位に輝く人物である。

小心者にはとても真似さえできぬような人物だが興味のある方にはお勧めな本だと思う。
但し、この分厚さはやはり相当なもんだが訳も悪くないと思うし、チャーチルだけでなく第二次大戦前後の歴史に興味のある方にもお勧めだと思える。

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紙の本さらば、資本主義

2015/10/30 01:51

皆に読んで欲しい本

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筆者は奈良県出身、社会思想家。京大の名誉教授でもある。
本書は月刊誌「新潮45」に「反・幸福論」と題し連載されているもの。
既に新潮新書だけで5冊目、他にも文庫で経済学を論じた本なんかを読んでいる。

構成上、一章が各20頁ほどだから非常に読み易い。
全10章は10か月分の連載をまとめたものである。
第二章の冒頭にあるようにその立ち位置としては「政治・経済を中心にした現代社会の思想的検討」と書いている。
また西欧に誕生した「保守主義」なる思想を手がかりにして、現代の様々な問題を私なりに考える、と書いている。
ここまで保守派の論客で政権後追い的な連中の一人と、思われ易いが決してそうではない。

簡単に章立ての内容を列記すれば
第一章 今こそ、脱原発の意味を問う
第二章 朝日新聞のなかの戦後日本
第三章 失われた故郷をもとめて
第四章 ニヒリズムへ落ち込む世界
第五章 「グローバル競争と成長追求」と言う虚実
第六章 福沢諭吉から考える「独立と文明」の思想
第七章 トマ・ピケティ「21世紀の資本」を読む
第八章 アメリカ経済学の傲慢
第九章 資本主義の行き着く先
第十章 「がまん」出来ない社会が人間を破壊する
と、イマドキの話題に沿った論が進む。

当然、安保問題のことなどにも触れているが政治討論で分れる保守派・革新派、或いは右派・左派と言う別け方は馴染まないと思う。
決して政権や自民党に阿る訳ではなく、寧ろ忽然と非を訴えるのはかなり説得力がある。
学者と言う立場上もあるのだろうが、どこかに与する必要もないのだろうしある意味原理主義者のように「解釈を間違えている」と一刀両断にすることが多い。

本書の帯には書名の下に「不幸の根源は経済成長と民主主義である。」とも書かれているがご自身の立場を弁えた上で「間違ってる」「解釈が違う」など、小気味よく現代を斬る。
日本と言う国の中にいると外国の様子が今ではネットから幾らでも入って来ると思いがちだがこの国の民主主義は歪んだものだし、それは政権にも反映されている。
韓国の大統領、中国の主席は戦時日本の過ちを未だに追求する手を緩めないのに、どうして日本の歴代首相はアメリカに原爆投下の責任や補償を求めないのかと、言われて初めてそう言えばと気付くだろう。

それが日本ではスタンダードで違和感なく国民に伝わっているのに妙な話だし、国民からそのような突き上げが1つも起きないのも不思議な現象だ。
寧ろ、戦後の日本はアメリカ式の民主主義を積極的に取り入れて、追随しご主人様の言うことを決して裏切らず、噛みつかない忠実な犬になり下がってしまった、と。

こう言う本を保守派も革新派も右派も左派もキチンと読んで日本式民主主義の矛盾に気が付くべきだろうと思う。

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紙の本世界史の構造

2015/10/30 01:42

世界史の構造

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

こう言う小難しいことを良くも考え出して大著にするもんだと感心する。
自分などがこうやって日々、時間潰しにダラダラ書いているのと違って一冊の本を仕上げる為に読込んだ参考文献、引用だけでも多分本書の数倍とか10倍になるんじゃないかと思う。

英語版以外にも韓国、中国、台湾での版もあるようだし本書に触れる諸問題について、アメリカ合衆国、カナダ、イギリス、中国、クロアチア、スロベニア、トルコ、メキシコなどで講演したともあとがきにある。
それだけ多くの国に訳されているのだろう。

内容は有史以前からの人類の歴史を「資本=ネーション=国家」が世界を覆い尽くしている。
それらの総合的な世界史を踏まえて、世界史を交換様式の観点から根本的に捉え直し、人類社会の未来を展望する、そんな感じの本だろうか。

従って、内容は四大文明以前から始まってギリシャ・ローマ帝国にアジアでは中国にオスマントルコ、モンゴルなども含めて細かく書かれている。
或いはホッブスのリバイアサンやスピノザからデカルト、ヘーゲルにマルクスに至るまで膨大な著作が引用されている。

多分、問題はこの新しい交換様式を提示したことで次の世界を見通そうと言うことなのだと思うが、そこには本書にある通り各交換様式にそれらをミックスした形の文化が拡がるのではないかと読める。
歴史論とか文化論、思想・価値観などに興味がある人には興味深く読めるのではないかと思う。

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紙の本障害者の経済学 増補改訂版

2012/10/28 17:57

障害者として

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障害者になって1年余り。
未だに社会復帰が出来ない中で模索しているが、身体の調子が安定しないどころか次々具合の悪い個所が出て来て加療・通院中の身。
障害が抱える様々問題、ハードルの高さに気付かされて新米の障害者としては一念発起したい所なのだが。
これから社会復帰するに際して押さえておくべきこと、また障害者として出来る事の可能性に挑戦し続けたい。
そして、あわよくば障害者の方々に何か一助をと思わずにいられない本だった。
これから時折、読み返すことになるだろう。

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『グローバリズム以後』

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いつもながら鋭い指摘の数々だと思う。
同時に預言者ではなく、歴史家・人口学者が彼の正しい肩書だ。

今までに予言してそれが的中したのは1つや2つではない。
ソ連崩壊、アメリカの金融危機(リーマンショック)、アラブの春、英国のEU離脱、そしてトランプ大統領の誕生も予言した。

彼の分析の仕方は家族制度や識字率、出生率に基づいて現代政治や社会を分析していくもので他の追随を許さない圧倒的な的中率である。

本書では今までのインタビューを豊富に掲載しながらこれからの世界情勢について氏の見識を確認する一書。

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『失敗の本質』 日本軍の組織論的研究

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本書では失敗の本質を副題にある日本軍の組織論的研究に基づいて論じたものである。
一言も感情的な言葉は入っていないのは感心する。
正しく外国人が分析するように日本人が日本軍の敗北の因子を6つ挙げて一つ一つを検証し、分析してその「敗因の本質」を探るものだ。

6つの作戦は市場名高いものばかりで
1.ノモンハン事件-失敗の序曲
2.ミッドウェー作戦-海戦のターニング・ポイント
3.ガタルカナル作戦-陸戦のターニング・ポイント
4.インパール作戦-賭の失敗
5.レイテ海戦-自己認識の失敗
6.沖縄戦-終局段階での失敗
ミッドウェー海戦は勝利だろうと反論があるかもしれないがそれが正しく、陥穽でこの勝利に酔ってしまって日本軍は次々と奇襲戦を挑むようになる。

アメリカを筆頭にした連合軍はその圧倒的な物流で余裕綽々に無理をせずに陣を進めるが日本軍の作戦は局面を一気に打開しようとか、奇襲を掛ければ逃げ出すはずなどと言う、ビジネスでもそうだが「はず」とか「つもり」みたいな不安定な要素を多く含む。
日本軍は常にこの奇襲戦と精神論、これに尽きて合理性に欠けること夥しい。

自分の経営者としての失敗もそうだが負け戦を予め予想しておいて、その上でその先にどういう手立てを講じて局面を打開しこちらにチャンスを持ってくるようにするか?が常に問われる。

「たぶん」「だろう」に「はず」のような不安定な根拠が精神論だけみたいなだけで勝てるほど古来、いくさと言うのは簡単なものではない。
大学にいてもそうだろう、大学院に上がれば誰もが教授になるための講師や准教授と言ったポストが用意されている訳でもない。

先にノーベル賞受賞が決まった大隈氏の話からも分かる通り、日本では結果が直ぐに出るような研究には予算がつき易いが基礎研究には予算がないためにまず以って、なり手が圧倒的に不足している状況だ。

ビジネスも然り、戦争も然りと言うこと-この王道のような道が広く安全でなければどこの国でも安定して成長を続けるのは難しい時代になったのは昨日今日の話ではないことが本書を読んで良く分かる。

極めて良書。
二度と読まないかもしれないが一読で充分、学ぶことが出来たので762円+60円ほどの消費税は安いもんだと思える。
なんでモット早くに読まなかったのかとは思うがそれが運命って奴かな。

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『人類の慟哭』

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副題に-思想、宗教、精神文化からみる人類社会の展望 とある。
島薗進は宗教学の第一人者で幅広い知見と学識を踏まえ、宗教の原理的な問題から時事的なトピックまで、縦横にさばく論客。
橋爪大三郎は社会学者。グローバル世界に関心を寄せ、宗教に注目してきた。
この対談は雑誌『サイゾー』の企画によって、実現したものでグローバル化の波にもまれる日本が、宗教についてどのような歴史的背景を背負っているかに、焦点をあてている。
日本人は意識しなくても、神道や仏教や儒教の、チリやほこりを吸いこんでいる。そして近代化も、政府が下書きをこしらえた特異なストーリーに従って進められた。自分の生きる社会の骨格を取り出してみることが、本書のねらいのひとつだと前書きに橋爪は書いている。

宗教を基点にした話から様々な世界への話題と発展しながら対談は進み読んでいても非常に分かり易く、現代社会が抱える問題を浮き彫りにしていきながら解の見えない世界が広がっているかを解き明かしていく。

ヨーロッパ・キリスト文明は、それ以外の文明を排斥してしまう。その価値と存在理由を理解することが出来ないからだ。自分と異なる生き方や考え方を、理解できずに排斥するなら、それは普遍的だろうか。ただの偏狭な思い込みではないのか。そういう疑問と反撥がそれ以外の文明から、とりわけイスラム文明からもちあがる。
とも書かれている。

非常に興味深く読めて好い本だった。
また再読したい。

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紙の本大転換 脱成長社会へ

2016/11/04 10:12

『大転換』

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副題は-脱成長社会へ、とある。
新刊で出た時から目についていて“文庫化待ちだな” と、思いながら数年で文庫化されると思ったんだが当てが外れて7年越しで文庫になった。

『大転換』と言えば、経済文明史家カール・ポランニーの『大転換』が本家本元で戦前の本だが同じように1929年に勃発した世界的大不況を転機とした経済社会の「大転換」について論じた本だ。
読んだことはないんだが書名ぐらいは頭の隅にあった。

本書もまた凡そ80年後のアメリカ発の金融崩壊をきっかけにして書かれている。
それは-あとがきにある通りだ。
時代は移ろいだが「文明の破綻としての経済危機」という点で同じであり、歴史は繰り返すの文言通り世界中を巻き込んで大変な危機から脱しようとしている。

我が国では3.11の東日本大震災によって壊滅的な被害を受けた原発の被害さえ収束どころか実態がまだ分からない。
にも拘らず、今度はオリンピック開催が決定してお祭りムードが一変し、昨年からケチがつけ続いてロゴ問題から今度は市場の移転に環状2号線の延伸が危ぶまれている。

リーマンショックから随分と経つのに立ち直るのが余りに遅い。
政権が変わって今の首相は経済政策で効果を強調したいようだが、さてさてどんなもんだか非常に怪しい。

本書が刊行されてから相応の時間は経たが成果はまだまだだと自分は思う。
大企業中心にかなり数字は良くなっているが庶民の苦しさは相変わらずで、別にバブルの再来は希望しないが貧富の差は拡がる一方に感じている。

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紙の本憲法という希望

2016/11/04 10:10

『憲法という希望』

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日々、様々な報道に接する中で必ず法律論と言うか法律を扱う情報に接する。
否応なしで報道されるんだがロクに法律を学んだこともなければ大学で法律の授業を選べるまで在籍しなかった。
確か、中学で憲法を学んだような気がするがその授業を講じる先生はどの程度、法律のことを知っていたのかさえかなり怪しいもんがある。

然し、何となく知らないままに既に50歳を過ぎ学ぶより忘れる方が得意になってきている。
“今更、憲法!?”というなら笑えば好いと思う。
でも、余りに無頓着過ぎる。

憲法が話題に上るのは5月3日と決まってる。
そして、8月15日の終戦記念日だが日本だけが、日本人だけが8月15日に戦争が終わったと思っているようだが、国際的にはなんでもない普通の日だ。

本書では日本国憲法と立憲主義、人権条項、「地方自治」に各章を設けて説明している。
有体に言えば、“憲法って何?”という問いから始まって統治機構までに及ぶ一章。

二章では婚外子の問題から家族と憲法論である。
家族の問題で法廷に行きこそしなかったが2回も被告になっているので身近な問題であり、個々人に降り掛かる恐れの最も高い法律だ。

第三章は「辺野古問題」から地方自治を考える。
沖縄の問題は日本の端っこで起きている、自分と関係の遠い問題に思われているが自分の住む町に「基地」があれば他人事ではない。
非常に重要で大事な問題だと思う。

第四章は国谷裕子氏との対談で明らかにする「憲法論」で分かり易く説明してくれていると思う。
話者と対談がウマク噛合っていて、非常に分かり易いと思う。

最後に付録として日本国憲法全文を紹介して、参議院予算委員会のやり取りと憲法について学ぶ文献リストが載っている。

非常に分かり易いんだが読むとその深さが分かる。
それが書名の『憲法という希望』として現れていると思う。
憲法に興味が湧いたら是非一読して損はないと思う。
そんな一冊だったと思う。

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