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  3. ソレイケさんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年8月)

ソレイケさんのレビュー一覧

投稿者:ソレイケ

16 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本勝手にふるえてろ

2013/02/23 21:32

綿矢らしい

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

主人公は男性経験一切ナシという26歳のOL。彼女には二人の「彼氏」がいる。一人は、中学校時代の初恋の想いが年月を経て妄想化した脳内彼氏ともいうべき「イチ」。もう一人は、どこが気に入ったのか、主人公に言い寄ってきた同じ会社の営業マン「ニ」。主人公は元アニオタらしく、脳内彼氏のイメージを肥大化させ過ぎて、この「ニ」のことは愛することが出来ない。この妄想への偏愛ぶりはちょっと怖いぐらいだが、執拗に迫る「ニ」を好きになれないでいる理由もなんとなく理解できる。というわけで、一見(ちょっと変わってはいるが)恋愛小説とカテゴライズしてもよさそうだが、どうも恋愛そのものよりも、それを通した主人公の成長物語という方が正解かもしれない。成熟しきれないオタク気質全開の主人公が、「恋愛」を手にするまでの物語である。綿矢が好きな人は是非どうぞ。

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紙の本廃墟建築士

2013/02/26 21:05

アイディア一発

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

建築物にまつわる短篇が四つ。
 三崎の小説はどれもそうだが、現実の読者の世界には無いもの、ありえないものが自明のものとして存在する世界を描いている。この「ありえないもの」は、例えばよくあるSFの未来世界とは違って、我々の科学技術や通常の想像力の延長線上にあるものではなく、どっかとんでもないところから発想されたもので、そこが三崎の小説の面白さになっている。そして、これまた三崎の小説に頻出する「喪失」というモティフがこの短篇たちにも現れてくる。寂寥というか、少し切ない味わい。非常にアレゴリカルな印象を受けるが、変に寓意など読み取らないほうが良いかもしれない。四篇ともよかったが、とりわけ最後の「蔵守」は印象的である。SFとしても面白いと思った。

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紙の本日輪の翼

2013/02/26 21:00

聖愚者たち

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

生まれ育った「路地」(被差別部落であろう)を再開発による立ち退きで追いたてられた老婆7人を、若者4人が、改造した冷凍トレーラーに乗せて日本中を旅するというロードノベル。その旅は老婆たちにとっては伊勢、諏訪、出羽、恐山などを経て、皇居へ到る巡礼の旅であるが、若者は若者で各地で勝手に女を捕まえたりして面白可笑しく旅を続ける。そして一方でこの旅は「帰る」ということを初めから想定していない、終わることのない放浪、漂流でもあり、その点がその出自と併せて、登場人物たちの奔放さに一抹の哀愁を与えている。若者らもそうだが、特に老婆たちはこの上なく無学であり、愚かであり、世知というものも持ち合わせておらず、その分(陳腐な表現だが)純真であって、一種の「聖愚者」として描かれているように思われる。

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紙の本かめくん

2013/02/23 23:00

大きな物語の一部

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人間とともに生活する、作中「かめくん」と呼ばれるカメ型アンドロイドの日常を描くという物語だが、その「日常」背後に何やら巨大な物語の存在が透けて見える。しかし、結局それが何なのかははっきりとは示されないまま幕が下ろされてしまう。複数のエピソードを重ねながら、その「巨大な物語」をほのめかせる手法が絶妙。いかにもSFでございますというような科学用語の陳列などはせず、どちらかと言えば「ドラえもん」的ですらある「かめくん」だが、きっと北野の中には広大かつ緻密な世界がきちんと構築されているのだろう。その一部を切り取って見せているかのような小説で、あれこれそのバックグラウンドを想像するのも楽しい。

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田舎教師 改版

2013/12/09 21:33

中二病の肖像

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

田山花袋『田舎教師』(新潮文庫)読了。
 いやあ、時間かかった。まあそもそも「読んだ」と言うために読んでいたのだが、まあ物語としてはダイナミズムに欠けるというか、今一つ盛り上がらないというか、解説の福田恆存の言葉を借りれば「たいくつ」なので、どうしても時間がかかってしまうのだ。福田はその「たいくつ」の原因を主人公の人物造形にあると考えているようだが、ワタシの感想は微妙に違う。問題は語り手の「やさしさ」にある気がする。
 物語の概要は以下のとおりである。
 中学(無論旧制)を卒業したものの、家の貧しさから進学を諦め、田舎の小学校の教師となった青年。彼には一つの病気があって、それが即ち「中二病」。この男、自分はいずれ「何者か」になるとどういうわけか信じており、芸術家(主に文学方面)に徒に憧れを抱き(志すわけではない)、同じ中二病仲間と地方文芸誌的なものの発行に携わったりもしていたが、結局他の仲間は進学やら何やらでそれどころではなくなり、というか大人になり、主人公一人が病癒えぬまま、「こんなはずじゃない」的な悶々とした気持ちを抱えつつ教師生活を送ることになる。周囲の友人の進学やら恋愛を羨み妬みつつ、自らの不遇を泣くほど憐れむ姿が情けない。で、途中詩を書こうとしたり、絵を書いたり、音楽をやってみたりするものの全て中途半端に終わり、大して努力するわけでもなく、ただただ自分の不運を嘆きながら田舎暮らしを送る。娼婦に入れ挙げた揚句あっさり裏切られたのをきっかけに、ようやく中二病が治癒したのもつかの間、今度は本当の病気(結核)を患って、あれよあれよという間に死んでしまう。そんな話である。
 確かにしょうもない主人公だが、ワタシはこの男に強い共感を覚える。だって、みんなそうじゃん。少なくともワタシはそうだった。だから、この物語は、そうした「しょうもなさ」を冷酷に抉りだして見せればよかったのに、語り手というかもうはっきり田山はどうもこの男に優しく、どちらかと言えば同情的な感じさえする扱いで、その辺りに不満が残るのだった。

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紙の本あの子の考えることは変

2013/12/09 21:32

切ないドタバタ

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本谷有希子『あの子の考えることは変』(講談社文庫)読了。
 本谷は好き。どっか異常な女性が出てきて、ドタバタを繰り広げるというような内容が多い気がするのだが、この小説もそんな感じ。小説で笑わせるのってなかなか難しいと思うんだけれども、本谷はその辺りのセンスに長けているような気がする。実際、何度も笑ってしまった。
 突如自分の感情がコントロールできなくなる癖のある「わたし」(巡谷)と、思い込みの激しい超天然系コミュ障不思議ちゃん「日田」の同居生活を描く。基本的に二人とも冴えない女の子なのだが、タイプが異なっており、所謂「キャラ立ち」がよい感じ。しかし、安易なキャラクター小説ではない。そこは本谷である。不器用な二人の生きんがための足掻きは、傍から見ると滑稽極まりなく笑ってしまうが、しかし彼女らは真剣で、健気だ。その「ケナゲ」さ故に、スラップスティックもどこか切ないといった哀調を帯びる。この匙加減が絶妙。本当に上手い。
 お薦め。特に女性に。

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紙の本カオスの娘

2013/02/26 21:02

島田エンタメ・モード

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島田と言うと、「シニシズム」「ニヒリズム」というイメージを勝手に持っていたのだが、ほんのデビュー当時の印象をそのまま引きずっていただけで、実は至極真っ当、真っ直ぐに「魂」の問題を扱おうとしている作家だということにやっとこ気がついた。『子どもを救え!』にしても、『君が壊れてしまう前に』にしても、この人は随分とっくにシニカルなポーズを取ることをやめていたのに、ワタシはそのことに気づかないで、ある意味「色眼鏡」をかけて彼の小説を読んでいたような気がする。
 北方民族のシャーマンの血を受け継いだ少年「ナルヒコ」が、魂の修行の末にシャーマンの力を覚醒させ、父を殺された挙句に誘拐、監禁され「飼育」されていた少女の魂を救うまでの物語。少女は自らを監禁していた「魔王子」と名乗る男を刺し殺したのを手始めに、自分を食い物にした、あるいはしようとした男たちを次々と殺害しながら、心底では救済を求め続ける。この物語はその少女の「救済」の物語であると同時に、その少女が何故監禁されたのか、少女の父は何故殺されたのかという「真相」探しの物語でもある。著者本人は「スピリチュアル・ミステリー」と、随分安いネーミングをしていたが、これこそ彼のシニシズムの名残なのかもしれない。芸術選奨。

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紙の本この俳句がスゴい!

2013/02/26 21:01

小説家的鑑賞

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小林は、まず小説家として好き。あまり繰り返し読まないワタシとしては珍しく、『ゼウスガーデン衰亡史』は何度も読んだ超傑作である。
 でもって、この人は俳句にも造詣が深く、鑑賞も面白いので、(今はなき)「俳句研究誌」に連載されていた「恭二歳時記」なんかは楽しみに(立ち)読んでいたものだ。書籍化されないかなあ~と思っていたら、このたびようやくこの本が出た。虚子、山頭火、放哉、万太郎、三鬼、楸邨、波郷、澄雄、兜太、龍太の句について鑑賞を加えている。しすぎるほど深読みしていて、どうなんだ?と思わせるが、その読みを成立させるための理屈が述べられているので、なんとなく納得してしまう。読みに、生身の作者の境遇であったり、時代状況なども躊躇せずに取り入れているから、「そんなのダメじゃん」と言う人もいるだろうけど、僅か十七音の文芸を鑑賞しようと思えば、誰がやったって大なり小なり「深読み」はせざるを得ないし、何より面白いからいいんじゃないの、と思う。

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紙の本終の住処

2013/02/26 21:01

フィルター越しの現実

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一組の夫婦の物語だが、所謂分かりやすい「リアリティ」は希薄である。だが、完全な不条理劇ともワタシには思えなかった。「夫婦」という、基本的でありながら極めて社会制度的な関係が普遍的に持つ「何か」が非常に生々しく描かれているという印象を持った。最大公約数的に認知される「現実」を、ごく個人的な認識のフィルタを通して見えたものを正直に表現するとこうなるのかもしれない。「私にはこう見える」というわけだ。従って、形態的にはアレゴリカルなものとならざるを得ない。一篇が丸ごとそのまま世界の暗喩であるというような形の小説ではないだろうか。

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ひかりごけ以外

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昭和24年から38年にかけて発表された短編のうち、「異色」なものを集めたものらしい。武田と言えば『ひかりごけ』ぐらいしか読んだことがなかったが、高校生ぐらいの時に読んだそれは強烈な印象を残したものだ。
 本書に収録されている七編も、バラエティに富みながらそれぞれに印象深い。どれもこれも可笑しいんだか、怖いんだか、何だか不思議な読後感を残すものばかりだが、とりわけ「『ゴジラ』の来る夜」「白昼の通り魔」「空間の犯罪」表題作「ニセ札つかいの手記」が気に入った。

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紙の本老人賭博

2013/02/26 20:59

ビタースイート

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『宗教が往く』のカオスっぷりが強烈に印象に残っている松尾だが、この小説はずっと素直で軽快なドタバタ・コメディである。九州のとあるシャッター通りを舞台にした映画の撮影中、芸歴は長いが初主演の老俳優をネタに賭博に興じる共演者やスタッフの話。映画と、映画周りの人々が面白く描かれていて、渋滞無く読めます。かなり不真面目かつ不謹慎、それでもというかそれ故に起こる笑いは、奥に苦味を潜ませながらも明るいので、疲れている人にお薦め。芥川賞候補作。

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臍の緒は妙薬

2013/02/24 07:42

奇妙な好奇心

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表題作含む短篇が四編。「星辰」「魔」「臍の緒は妙薬」は、いずれも異様な好奇心にとらわれてしまった女性の物語。「既に亡き夫の人生を占ってもらったらどんな結果が出るのか」「もし夫との間に子供がいたら、どんな顔をしているのか」「臍の緒を煎じて飲めば大病も治るというのは本当か」どれもこれもちょっとした好奇心だが、主人公たちは、この疑問を、普通はそこまでしないだろというような行動力と、執念をもって解決しようとする。その異様さがこれらの小説の読みどころか。しかし、一番印象に残ったのは、集中では異色の印象を受ける「月光の曲」である。舞台は太平洋戦争開戦直前の尋常小学校。この小学校の日常を、これ以上ないというぐらいにごく淡々と綴ってゆく。近づく戦争の影響を受けて、子どもたちの日常に些細な変化が少しずつ起きてゆくさまが、文章がドライなだけに逆に怖い。やっぱりこの作家はスゴイなー。推薦。

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紙の本カデナ

2013/02/23 23:00

あまりにおいません

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久しぶりに池澤を読む。タイトルの「カデナ」は、無論沖縄の嘉手納基地のこと。
 時は1968年、ベトナム戦争の最中で、沖縄の米軍基地は重要な役割を担っていた頃である。四人の人物が、「スパイ」として米軍の爆撃目標の情報を北ベトナムに流し、B-52による爆弾攻撃を無力化するために活動するというのが、ストーリーの骨子だが、この四人は職業的なスパイでもなんでもなく、ロックバンドをやっている若者だったり、模型屋の親父だったりする。米空軍の女性秘書官もいるけど、それとて「スパイ」としての訓練を受けているわけでもなんでもなく、いわば素人の集団である。そのうちの三人が代わる代わる語り手となって、その本の一時期だけの「冒険」を回想すると言うスタイルで語られてゆく。なかなかにスリリングな物語で、エンタテインメントとしても面白いが、そこに横たわっている問題は深く重い。「戦争」だとか「正義」だとかについて、読み手は否応なく考えさせられてしまう。例によって池澤的「正しさ」の匂いがないではないが、比較的薄いと思うので、池澤ちょっとなーという方にもお薦めです。

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紙の本獣の樹

2013/02/23 21:36

意匠と本質

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他の作家でもそうなんだろうけど、特にこの人の場合は、脳のどこかにある「舞城を読むスイッチ」を入れないといけない。非常に独特なのである。このスイッチを入れないで読むと、「支離滅裂な、ムチャクチャな話」になってしまうのだ。およそ理屈と言うものの通用しない(というか、物語独自の理屈しかない)世界なので、それに抵抗せずに素直に受容するというモードにならないと読めないのだ。
 主人公は三度登場、背中に鬣のある、めちゃくちゃ(物理の法則を無視できるほど)脚の速い少年「成雄」である。が、この「成雄」という人物は外見上の特徴は共通しているものの、全くの別人同士なので、前作を読んでいる必要はそれほどない。で、この成雄が、14歳ぐらいの少年の姿で馬から生まれるところから話が始まる。ここで、「え?」と言ってはいけない。「なるほど」と受容しないとこの後ついていけない。この少年は、後に大蛇の中に入って移動する「楡」という少女に恋をする。当然、素直に受容。この「恋」を縦糸、自らが何ものであるのかという成雄の問題を横糸に物語は進む。つまり、意匠は相当変わってはいるが、その本質は正統的な「青春小説」なのだ。変なものを読みたい人はどうぞ。

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紙の本ドリーマーズ

2013/02/23 21:34

カンサイジンの恋愛

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表題作ほか全6編の短篇は、「夢」というのを共通項として持っている。
 夢を夢と思わずに見て、眼が覚めた後夢だと気づくけれど、どこかその夢に現実が干渉されている感じ、とでも言おうか。いずれにしても柴崎らしく、何がどうということもなく、まあほぼ何事も起こらぬままに物語は終わるというパターンである。日常の微細な心の揺れのようなものを掬うというスタイルがこの人の持ち味だと思うのだが、本書でもそれは変わらないというところ。
 柴崎の小説の登場人物たちは、柴崎自信が大阪出身ということもあってか、ほとんどの場合関西弁を話す。ワタシはずっと箱根よりこっち(東)で生活してきたので、関西の方というのは、どこか異邦人というか、はっきり言えば「カンサイジン」という別の生き物のように感じているところがあって、いや、まあ頭ではそう変わらないということは分かっているのだが、とにかくこういう小説を読むと、「へ~、『カンサイジン』も恋愛とかするんだ~」と失敬極まりない感懐を抱いてしまったりすると正直に告白しておこう。

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