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先月(2017年5月)

ともひろさんのレビュー一覧

投稿者:ともひろ

1 件中 1 件~ 1 件を表示

「もしドラ」の次に来るのはこれだ!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「マーケティング」というと、顧客の好みを調査して、「どうやったら、より売れるか」を考える学問だと思っていた。

しかし、私の理解は間違っていた。決してそうではないのだ。


日本でも、「企業の社会的責任」(CSR)という言葉は、それなりに広く知られるようになってはいる。

しかし、これまではどうしても、「社会的責任をそれなりに果たしていないと(あるいは、果たしているように見えないと)、消費者から嫌われるから、渋々やっている」という消極的なイメージがつきまとっていた。


この本で紹介されている「ソーシャルマーケティング」は、顧客・従業員・投資家、そして経営者自身が心からの「感動」を共有できる
 
 「社会にとって良いこと」

を目標に設定し、企業活動を通じてその「良いこと」の実現を目指すことが、究極的には企業の利益に繋がってゆく、という考え方である。


本書が優れているのは、こういったマーケティング手法を、単なる「理想論」ではなく、現実に適用可能な「合理的な戦略」であることを、実際の成功実例という最強のエビデンス(根拠)をあげて、説明している点である。

さすが、かの

「統計学が最強の学問である」

の著者だけあって、読者は、このような戦略が合理的なものであるとする主張には、十分に根拠があるといやがおうにも思わされるのである。


とはいっても、本書は、私のようにマーケティングには全く関心のなかった初心者にとっても、とても読みやすい工夫がこらされていて、「もしドラ」と同様、「物語」を通じてコトラー理論を説明するというスタイルになっている。


【物語の内容】

舞台は、売上至上主義に走って原料産地偽装や消費期限偽装など、ブラックなことに手を染め、結局それが露呈して消費者の信頼を失ってしまった、という倒産寸前の老舗化粧品会社である。

主人公は、社長も専務も逃げ出したその会社に、事実上ただ一人残されて顧客からのクレーム対応や返品対応にあたる羽目になってしまった女性社員。

信頼していた同僚社員は

「社長のセクハラもそうだけど、ガラクタを押し売りするだけの人生にもう耐えられなかったの」

と言い残して会社を去り、主人公は絶望のあまり、自殺すら考える。

ところがそこへ現れたのが、大学でマーケティングを学んでいるという1人の女子大生。

主人公が絶望したその日から、インターン生として会社にやって来ていた彼女の本当の目的が、明らかになってゆく。

それまでの「ブラック企業」ぶりがマーケティングとしてもいかに間違ったものであったか。

本当に行うべき「マーケティング」とは、どのようなものであるか。

主人公は、自分よりずっと年下の女子大生やその友人らの力を借りて、コトラー理論に基づいた「正しいマーケティング」を行い、最後にはとうとう会社を見事に立ち直らせるのである。


「もしドラ」の次に来るのは、絶対にこの本である。
というか、ぜったいに「来て」欲しい本だ。

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