サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. オオバロニアさんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年2月)

オオバロニアさんのレビュー一覧

投稿者:オオバロニア

312 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本火花

2015/08/03 23:18

賛否両論あるようですが、

78人中、74人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

個人的にはとても魅力的な作品でした。

話の構成は単純で、基本的には先輩芸人の神谷と、神谷に心酔する徳永の二人が芸人として足掻く様が愚直に描写されてます。たぶんこの作品を批判してる人は「このクオリティで芥川賞はないわ」って言いたいんだと思います。正直自分も、この作品を読む前は話題性のイメージが先行していて、本屋大賞で良くない?って思ってました(笑)

確かにこの作品は技巧派ではありません。描写もメッセージも愚直で粗いと思います。でもこの作品は、芸人やってる人が芸人を使って芸人の目線から、「漫才に人生かけるってこういうことですよ」「凡人が必死になる理由がきちんと舞台上にありますよ」って愚直に訴えかけてくる凄みがあると思います。

「一人語りが陳腐だ」とか「他の作家が書いたらこんなに売れてない」等の批判は勘違い甚だしいです。そんなこと言ったら多くの純文学は淘汰されてしまいます。これはあくまでエンターテイメント小説ではなく、純文学作品なのでこの作風は個人的に大正解だと思います。愚直だろうと誰が書こうと、「私こんなこと考えてます!」って訴えかけてくる「火花」は正統派の純文学だと思うしきちんと面白かったです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本満願

2015/10/18 19:38

米澤ミステリの決定版

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本作は警察官・少女・老婆・弁護士など様々なタイプの主人公の情念を描いた短編集です。特に、表題作の「満願」と「柘榴」は非常に優れた短編です。どちらも女性が主人公で、胸に秘めた満願を果たすための巧妙な仕掛けが楽しめます。私は特に「柘榴」の最後の1行が好きです。ぜひ一読を。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本ウインドアイ

2016/12/05 23:51

不穏に次ぐ不穏

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

エヴンソンの短編集第2弾です。

まとわりつくような不穏さを感じさせる短編集で、不安と恐怖に苛まれる文章の連続が気持ち悪くて癖になりました。認識が崩壊していく「食い違い」、登場人物の誰もが現状を把握できない「トンネル」、自由に呼吸することを制限された「酸素規約」あたりが面白かったです。

しかし一番エヴンソン作品らしさを感じたのは「グロットー」。
謎の存在グロットーから逃れられない主人公の苦しみから目が離せなくなります。暗くて、血なまぐさくて、孤独で、不条理な環境から逃げられない。まさにエヴンソン作品の真骨頂といった印象を受けました。

前作に続いて、充実した短編集でした。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本傷だらけのカミーユ

2016/10/15 11:44

壮大な伏線回収

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

部下に裏切られ、妻を殺されたカミーユ警部事件簿最終巻です。

今作では強盗犯を目撃した恋人が命をしつこく狙われます。「その女アレックス」に比べると展開にキレがないですが、それでもどんでん返しと細かなカミーユの心理描写は健在でした。事件当日を含めてわずか3日間しか描かれませんが、警察の動き・常に裏をかいた犯人の行動・カミーユの焦りと苛立ちが入れ代わり立ち代わり描写され、息つく暇がありません。そして何より主人公と女性の絡め方が巧くて、伏線回収もかなり大規模。今年読んだミステリ小説の中では一番良かったです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本よるのふくらみ

2016/10/01 11:32

衝動とそれに対する許しが詰まっています。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

幼馴染みのみひろと圭祐のうまくいかない夫婦生活を軸にして、衝動と情と家族のかたちをストレートに描いた恋愛小説です。

圭祐の弟裕太の優しさ、みひろの衝動と自己嫌悪、圭祐の真面目さゆえの不器用さ、全部がもどかしくて心に刺さる作品でした。各章ごとに視点が入れ替わり、女性目線に偏ることもなく、フラットな目線でぐいぐい引き込まれるように読み終えました。

解説文に寄せた尾崎世界観さんの、

"窪さんの作品を読むと、誰かと繋がっていたくなるから困る。諦めていた本当のことに向き合ってしまいそうで苦しくなる。
そして、そのことに安心する。"

という表現になるほどと思わされました。窪さんの、心の中の汚い部分を許してくれる感覚をうまく表してると思います。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本わたしの小さな古本屋

2016/09/19 10:46

古本屋を営む喜びが詰まった一冊

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

倉敷の古書店「蟲文庫」を営む店主のエッセイ。創業当時の思い出、動植物との縁(特に苔に対する愛情)、本と人をつなぐ縁について飾らない文章が綴られていてとても良かったです。買い取った本だけを店頭だけで売るスタイルを貫く静かな信念も滲み出ていてかっこよさすら感じました。

一人で古本屋を営んで、限られた場所と資金の中でライブをやったり本以外の物を売るスタイルを見るとガケ書房と蟲文庫は似ています。信念を持って好きなことを続けることの苦しみが「ガケ書房の頃(夏葉社)」に、喜びが「わたしの小さな古本屋」に詰まっているので両方読み比べると面白いと思います。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本悲しみのイレーヌ

2016/01/17 00:13

良さを説明するのが難しい作品です。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本作はカミーユ警部シリーズ1作目(先に日本に上陸した「その女アレックス」は2作目)です。「アレックス」同様に、カミーユ・ルイ・アルマンの刑事トリオが事件捜査の中でそれぞれ個性を発揮していて、二転三転する事件の展開についていくのがすごく楽しいです。

事件が終盤に近付くと、悲惨すぎる結末がなんとなく想像できる(実は伏線は中盤にちゃんと仕掛けてある)から、そこから先は本当にページをめくるのが辛くなります。「アレックス」は終盤に大技を仕掛けて読者を驚かせる作品ですが、「イレーヌ」は残酷すぎる結末へとじわじわ読者を追い込んでいく作品という印象です。

ネタバレになるから、いかに綺麗に伏線が張られているのかは説明できないのがもどかしい…w しかし伏線の張り方・際立ったキャラクター・日本の小説にはないおしゃれな表現のどれをとっても、恐ろしく良くできた海外小説だと思うのでぜひ読んでみてください。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本カールの降誕祭

2016/01/08 02:36

短編+版画のコラボ作品

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本作はシーラッハのブラックな3つの短編と、タダ・ジュンの不穏な雰囲気の版画のコラボ本です。前作「犯罪」同様に、普通の人々が犯罪者に変貌する様が淡々と描かれる短編集で、本作品の中ではパン屋の主人・退職した老裁判官・歪んだ貴族の息子が、それぞれの心の闇に身を投じていく様がドライに描かれています。特に表題作の最後の一行に込められた重みは、人間の業の深さを感じさせられて思わず苦笑いしてしまいました。

版画と物語のブラックで温かみのある雰囲気がマッチしていて、短編集というよりは一つのアート作品として楽しめるという利点があります。表紙も渋いゴールドと黒の装丁で飾り映えする仕様になっています。
また、3つの短編のそれぞれに裏話があり、訳者あとがきに記されています。例えば、2つ目の短編「ザイボルト」は元々「罪悪」に収録されるはずだった…等々。シーラッハのファンが楽しめるあとがきになっています。

万人受けするタイプの本ではありませんが、電子書籍の波が押し寄せている今だからこそ、こういう紙ならではの魅力がある本を大切に読みたいです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本東京百景

2015/03/17 00:22

一番好きなエッセイです。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

現在、「火花」で有名な又吉直樹さんのエッセイ集です。

名前の通り、東京の風景100個になぞらえたエッセイ・創作・詩が100個収録されています。芸人さんらしさを感じる笑える文章だけでなく、長年人情ものを書いてきた作家さんのような味わい深い文章もあり、個人的に一番好きなエッセイです。

100作品の中の共感と笑いを探しながら文章をたどってみてください。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

理系大学生は一読の価値ありです。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ダーウィン進化論と共生進化論の進歩をまとめつつ、進化の推進力に関する独自解釈を展開してる本です。ウイルス・遺伝病・異種交配・エピジェネティクスの4つの柱で論理が展開されていて、とにかく知識量がゴツいです。

個人的にはウイルスと異種交配に関する研究の紹介がとにかく面白かったです。また、この本は割と理論派なので実践派の「パンデミック新時代」も併せて読んだらウイルスに関する考え方が大分変わると思います。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

透明感のある世界観が癖になります

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

表紙の淡白さに惹かれてなんとなく購入しました。

漫画の枠にとらわれない自由で透明感のある作品集です。人間の動きや感情の描き方が淡白な分、海の青さや、空の吸い込まれる深さや、植物の静かな動きがとても印象的です。1ページずつ噛みしめる様に読むと時間を忘れられる独特な魅力があります。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本僕が愛したすべての君へ

2016/07/18 21:54

先に「君を」から読みましょう

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は乙野四方字さんの同時刊行された2冊の並行世界SF作品のうちの1冊です。先日、もう片方の本についてレビューを書いた際に、どちらから読んでも良いみたいなことを書いてしまいましたが訂正します。

先に「君を愛したひとりの僕へ」から読んでください。

本書の終わりの方で「君を」の内容を読んでいないと分かりにくい内容が入ってます。もちろん本書から読んでも十分楽しめますが、終盤のやりとりの意味をしっかり理解できるとこの本の魅力が格段に上がります。

並行世界+恋愛+青春モノというとありきたりな作品だと思われるかもしれませんが、「目の前の恋人を”可能性”ごと愛せるか」というテーマはなかなか考えさせられます。とても良い作品でした。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本歩道橋の魔術師

2016/07/02 23:35

懐かしさが立ち上る短編集

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

台北に実在した中華商場で暮らす人々を題材にした連作短編集です。

中華商場では、貧しくも健気に生きる子供達・兵役で離別する恋人達・職人気質のぶっきらぼうで温かい大人達が商場で息づいています。著者の人々・文化の描き方が温かくて、そこに現実味のない歩道橋の魔術師の存在を絡めると、温かくて切ない二度と戻れない懐かしさ(マジックリアリズム?)が感じられます。

「Always 三丁目の夕日」を彷彿とさせる、不便で雑多でそれでも明るく楽しかった時代を思い起こさせるような描き方がグッときました。見たことも経験したこともない世代ですらそう感じる作品だと思います。ジャンルとしては小さいですが、恐るべし台湾文学という印象でした。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

表題作が秀逸

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

前作と違って、海や宇宙がモチーフになった作品が収録されています。大きめのコマ割りで一見大味に見えて、実はかなり細かい楽しみがちりばめられています。何回も読み返したくなりました。

特に表題作「25時のバカンス」は簡単に人間と非人間の境界をなくす世界観と、最後まで人間らしい兄弟愛のアンバランスさがとても良かったです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本バベル九朔

2016/04/30 00:21

万城目作品史上最難解

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

脱サラして、雑居ビルの管理人をしながら、作家デビューを目指す男の幻想青春文学。
と書くと、まるで森見登美彦さんの作品のようですが、毛色が全然違います。デビュー当時と違って、近年はこういう「苦さ」や哀愁のある作品にシフトしてきたなーと感じます。

本作は「自伝的青春小説」との触れ込み通り、夢を見るにはそこそこ年を取った男の焦りや不安や閉塞感が滲み出ていて、現在就職活動をしている私は息が詰まる思いで読みました。結末の捉え方は人それぞれでしょうが、この作品の魅力は主人公が「夢」を追い、もがき苦しむ途上の描写に尽きると思います。自分が見ている方向は本当に正しいのか、この先に終わりはあるのか、自分の苦労は報われるのか。そんな誰もが一度は辿った思考経路を万城目節で愚直になぞっています。

登場人物は少なく、舞台はシンプルに、状況はカオスに。という万城目イズムはしっかり受け継がれています。将来が見えなくてモヤモヤしている人に読んで欲しいです。解決はされませんが、少し気持ちは楽になりますよ(笑)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

312 件中 1 件~ 15 件を表示