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osozakisugakushaさんのレビュー一覧

投稿者:osozakisugakusha

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本ゲームの理論と経済行動 1

2016/05/31 23:21

von Neumannの知性を感じられる

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(第一章から第三章の始めの部分まで読んだので、とりあえずこの時点までの感想を記しておく。)
本書は、優れた数学者であり、物理学にも多大な貢献をしてきたvon Neumannが、戦略ゲームの数学理論を経済学に応用することを志して、モルゲンステルンとともに研究を行った成果がまとめられた書である。

本書の最初の方に断り書きがあるように、解析学や代数学などの高級な感じのする数学はほとんど出て来ないが、それでも優れた数学者が関与した著作であることは感じられる。その理由の一つは、随所で数学の理論や文献言及もしくは引用されていることにある。それらの理論や文献は、代数学や幾何学、集合論や数学基礎論に関するものである。評者には、von Neumannがこれらの高度な数学と同じくらい、ゲーム理論・数学理論に取り組んでいた証であるように思える。

当時は、経済学には数学はあまり有効ではないと思う学者もあったようであるが、本書の第一章では、物理学において数学の有効性が明らかにされてきた歴史を振り返り、経済学にも有効な数学をつくることができ得るはずだという希望を述べている。第一章ではまた、はっきりと定式化されるまでの段階で経済学を考察するための数学に要求されるべき構造を予想しており、新たな数学がまさに誕生しようとしている時の息吹を感じる。
このような定式化・公理化以前の考察は、ゲーム理論の一般的な公理化を行う第二章においてもなされている。随分と先の段階まで見据えた上で、しかも少し抽象的な理論の構築の話を展開しているので、理解に困難を感じた部分もある。このような理論を迷いなく展開できるのだから、著者らの知性が圧倒的なものであることは疑いの余地もない。特に第二章の最後の方で、ゲームのプレーヤの持つ"情報"というのが出て来るが、このあたりから苦しくなった。現在第三章にはいって、少しだけ話が具体性を持ってきた(といっても具体的な数学的対象、ここでは最適化、が出てきたという程の意味であるが)こともあり、第二章の後半部分と合わせて理解に努めたい。第三章では、最大化・最小化演算子、MaxとMinが出てきて、両者が可換であるのはどんなときかという議論が出て来る。von Neumannは量子力学や作用素環論において演算子(数学では作用素ともいう)の可換性について議論した人であるが、ここでも可換性の話が出てくるわけである。量子力学や作用素環論とゲーム理論には理論的なつながりは特にないが、von Neumannらが発想に至る過程の中で、何らかのつながりがあったとしたら面白いと思うがどうだろうか?

(本書を更に読み進めたら、また感想を更新したい。)

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紙の本フーリエ解析の話

2015/08/30 20:48

数学の立場からのフーリエ解析

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理工系の分野では数値計算のツールとして応用されるフーリエ解析であるが、数学者によって書かれた本書では、その純粋数学的な側面に焦点が当てられている。フーリエが主張したのは、あらゆる関数は(今日でいうところの)フーリエ級数の形に書ける、ということであった。このことに対して、多くの数学者が疑問を持ち、あるいは厳密な形で議論しようと挑戦した。この命題やその類似は、"フーリエ反転公式"と象徴的に呼称され、本書を貫くテーマとなっている。
本書の最初の部分では、そのことに関連して、フーリエ級数の収束と関数fの満たす条件(連続性・微分可能性等)との関係が述べられる。条件収束する級数の取り扱いの方法であるセサロ総和の話がでてくるなど、いわゆる教科書の体裁をとっていないわりに内容が豊富である。
フーリエ級数だけでなく、フーリエ変換の話も述べられ、そこではヒルベルト空間論にも触れられている。応用にしかフーリエ解析を用いて来なかった方には新鮮に映るかもしれない。
その後、フーリエ反転公式を一般化し、"擬微分作用素"の理論について説明される。関連し、量子力学の話題、さらに最後の方では数学基礎論の話も登場する。このあたりでは著者の、宇宙とは何か、といったことへの飽くなき知的探究心が垣間見られるような気がする。

本書と一緒に読むのにおすすめなのは、志賀浩二氏の「数学という学問2」である。そこでもフーリエ解析の話が登場する。志賀氏の本は、セサロ総和の話はないが、関連する"フェイエールの定理"が言及される。

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電子書籍若き数学者のアメリカ

2015/03/21 13:36

「ネタバレ」 アメリカでの研究・教育生活が、情緒的に書かれている

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本書は、著者が若いころに、ミシガンの大学に招聘されて飛行機でアメリカに向かうシーンに始まり、精神的な葛藤を含む様々な経験が情緒的に語られている。アメリカへの対抗意識や、アメリカ人が日本人である自分に敵意を持っているあるいは馬鹿にしているのではという被妄想的な心情によって精神を病んでいく苦しみが、フロリダへ行ったことで解消されてから、コロラドへ移り、教員として授業や教授会で様々な場面に遭遇する様子が、著者の日常生活とともに情緒的に描写されている。
アメリカで暮らす日本人としての著者なりのアイデンティティを確立し、より良くアメリカを(好意的に)理解するようになってから日本へ帰国する際の心情を綴った情景描写は、圧巻である。

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