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しみしみさんのレビュー一覧

投稿者:しみしみ

27 件中 1 件~ 15 件を表示

公教育に携わる方は必読

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

書名がずばりと本書の内容を表しています。万人にとってのよい教育が存在するわけではなく、一人ひとりにとっての「よい」教育を考え続けなければといけないということです。ただし、公教育の存在意義として外せない点もあり、著者はキーワードとして「自由の相互承認」を挙げています。著書から引用すると“要するに教育は、「個」のためであると同時に、「社会」のためのものなのである。私たちは教育の本質を考える時、それが個人にとって持つ本質的な意味と、社会にとって持つ本質的意味を同時に洞察する必要がある。つまり、私たちが〈自由〉になりたいのであれば、私たちは〈自由の相互承認〉を原理とする「社会」を必要とするのであり、そしてそのような社会をより充実したものとするために、各人の〈自由〉と社会における〈自由の相互承認〉の、双方を実質化するための教育を必要とするのである。”とのことです。「自由の相互承認」の大切さを説くために著者はデューイ、フッサール、ハイデガー、ヘーゲル、ルソー、ポルノーなどの論を引いていますので、古今の哲学者の論を参照しながら「よい」教育を内省し、問い合ってみてはいかがでしょう。
 また、この本を読んで、自分自身がいかに「二項対立」にとらわれているかを実感することができました。“あちらとこちら、どちらが正しいか、と問われると、人は思わず、どちらかが正しいのではないかと思ってしまう。”と二項対立で考えることの弊害を著者は本書でくり返し述べています。問いの立て方、答えの見出し方も、この本から学んでほしいことの一つです。
 著者は1980年生まれ、新進気鋭の教育学者です。how to本ではないので、明日すぐに教室で使える内容ではありませんが、公教育に携わる者として、夏季休暇などの時間のある時にじっくり正対してほしい書籍です。哲学なんて難しそう…と思うかもしれませんが、教職に就き、何年かを過ごした経験が哲学を身近なものにしてくれるはずです。

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紙の本理科授業づくり入門

2015/06/22 10:14

入門書と侮るなかれ

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全ページがカラー印刷の教育書『理科実験の教科書』(おそらく日本初の試みで、こちらも必読。)の著者、宮内主斗先生による授業づくりの入門書です。理科の授業を充実させるための本ですが、特別支援教育の視点やすべての授業で当てはまるポイントなども記されており、低学年担任の先生にも学びの多い一冊だと思います。
 理科授業の難しさとして、宮内先生は「実験で思い描く結果が出ない」を挙げています。そして、「私は、生まれてこの方、予備実験をろくにせずに理科の授業をしたことはありません。そんなことをする恐ろしさを知っているからです。」と述べ、予備実験の大切さを紹介しています。宮内流の予備実験は実験を成功させるためだけでなく、授業の段取りを知るため、子どもへの支援の場を事前に知っておくためなどの明確な目的があります。「教育活動は、意図的・計画的なものです。」と述べる宮内先生の教材研究法をぜひ身に付けてほしいと思います。実際の授業については第9章に1時間の授業展開が宮内先生の省察解説つきで紹介されています。
 この本は明治図書のTHE教師力ハンドブックシリーズの一冊です。題名には「入門」とありますが、「一つの実験は次の実験への布石である」と述べ、科学の体系の素晴らしさを伝えているあたりは、ある程度の経験を積まないとなかなか到らない境地なのではないでしょうか。入門書と敬遠せずに、自らの実践をふり返るために中堅・ベテランの教員も手に取ることをおすすめします。 若い方には第6章「1時間の基本パターンを持つ」、第11章「当たり前のことを大切に」などが役に立つと思います。理科主任には第12章「理科室のこれだけは整備したい」を参考にしてほしいです。コラム欄も充実していますし、参考文献も詳しく紹介されています。日々の理科授業の「成功の鍵」として、自らの教師力を高め、子ども達の「理科離れ」を防ぐための一冊として、読んでみてはいかがでしょうか。

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レッスン1から始めていこう!

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長い名前のタイトルですが、教師の力量が高まっていく過程をよく表していると思います。何かをきっかけにある日突然、力量が高まる。そんな奇跡を待ち望むのではなく、日々の授業を充実させていくことで、ある日、周囲から「あれっ」と思われるのが教員の力量形成の正しいあり方なのでしょう。この本は、日々の実践の中で力量を高めていく5つのレッスンを紹介しています。1つのレッスンには8つの項目があり、その8つを1か月は意識して取り組むことを瀧澤先生は薦めています。
 レッスン1のタイトルは「すぐに効果を実感できる!子供との関係づくり」です。授業者として大切にして欲しい心得と基礎的な実践が紹介されています。レッスン2は「授業がますます活気づく!学習意欲を高める技術」、レッスン3は「これができればまず安心!授業を1段階深める技術」、レッスン4は「これであなたも授業上手!授業展開の達人の技術」、レッスン5は「何をやっても子どもを乗せる!授業名人の技術」とレッスンを重ねるごとに内容は高度になっていきます。最終段階のレッスン5までの内容を完璧にマスターすれば地域の先生方に模範授業を公開できるレベルとのことなので、ゆっくり時間をかけながらレッスンの内容をマスターしていくことがおすすめです。
 レッスンの詳細は実際の書籍で確認してほしいので、レッスン5の最終項目のみを紹介します。レッスン5の最終項目は「1時間に1回は笑わせよう」です。「名人と言われる教師の授業には、張り詰めたなかにも笑いがあります。それも上品な笑いです。自然体で、ゆとりをもって授業ができてこその雰囲気と言えます。」とのワンポイントアドバイスもありました。これこそが私たちの目指す理想の姿だと思います。実際にレッスンに取り組んだ先生の感想や実践者からのQ&Aも紹介されているので参照し、まわりの先生から「あれっ、授業うまくなったね」と言われる日をイメージしつつ、日々の実践を積み重ねてください。

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セリグマンの犬をつくらないために

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26の論考と3つの講演記録が収められた全398ページの書籍です。これだけの大著の内容を簡単にまとめることはできないので、佐伯先生の教育界への苦言と理想の教師像を紹介しておきます。
 この本の中で佐伯先生は“日本の教育は一言でいって、常に「かくあるべし」という大人の要求と期待を、大声でガンガンと子どもの耳に怒鳴り込んでいるようなものではないだろうか。”と評し、“「セリグマンの犬」はどの教室にもいる。”と述べています。「セリグマンの犬」とは実験の結果、無気力になることを学習してしまった犬のことで、教師と一部の「できる子どもたち」が主導権を握る教育により、学ぶ意欲を失った子どもの存在を「セリグマンの犬」と譬えています。教室から「セリグマンの犬」をなくすためには、教師が腕を磨き、「すぐれた教師」になること、学ぶ側から授業を考えていくことが必要になります。佐伯先生の考える「すぐれた教師」とは、「子どもと文化との出会いを助けるよきパートナー」です。そのためには教師が真摯に学ぶことが大切となります。佐伯先生の言葉を引用すると“子どもに「すばらしい教師」と思われること以上に、知識のすばらしさ、世界のすばらしさ、人間という存在のすばらしさ、そして子ども自身の「自分」のすばらしさを知ってもらうようにするのが教師という仕事ではないのか。”“まず、「知る」ということの、「もう一度知り直す」ということの、本当の喜び、楽しみを味わってほしい。わかっていると思うことをもう一度、原点から問い直し、わかり直すことのおもしろさを知ってほしい。いつも「新しい発見」に驚き、興奮し、感動してほしい。そうしたら、「これをだれかに伝えないでおられるか」という気持ちがわきおこってくる。とりわけ、最愛の「パートナー」と感激をわかちあいたくなる。授業はそこからはじめるべきだ。”となります。
 この本の副題は「授業改革の原点」です。佐伯先生のこれまでの研究成果から学び、「授業改革の原点」を見出してほしいと思います。

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紙の本授業を磨く

2015/06/01 11:58

時代はアクティブ・ラーニング!

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「キー・コンピテンシー」「ファシリテーター」等はよく耳にするようになりましたが、「インタラクション」「モデレーション」「チャイルド・センター」はいかがでしょうか。すぐに答えられる方はかなり勉強熱心と思います。何しろ「文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官」であり、「国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官」でもある田村学先生が述べているので、これらは今後の教育を語る上で欠かせないキー・ワードとなりそうです。そして、田村学先生が「学習指導要領改訂の最大のキー・ワード」としているのが「アクティブ・ラーニング」です。「アクティブ・ラーニング」とは「能動的学習(課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習)」のことで、「高次なアクティブ・ラーニング」の実現に向けての手立てがわかりやすく紹介されています。
 この本は、3章から構成されていますが、1章では「21世紀型学力を育成する授業」として、これからの時代に必要な学力観が提示されています。2章では「教師力を磨く -イメージ力のすすめ-」として、教師が意識改革することの大切さが説かれています。未来の学校像をイメージし、絶えず専門性を磨こうと学び続けることが21世紀の教師の資質と言えるでしょう。3章は「授業を磨く -アクティブ・ラーニングのすすめ-」として、授業の質的転換をどのように図るかが説かれています。この章では、たくさんの事例が紹介されており、実際の授業をどのように「アクティブ・ラーニング」化していくかがよくわかります。具体的な提案として「思考ツールを使った学習活動」の例も8つ示されているので、教室での子ども達の姿を思い描きながら読んでほしいと思います。
 「21世紀型学力」と聞くと、身構えてしまうかもしれませんが、田村先生は“アクティブ・ラーニングは、決して新しいものではなく、これまでの優れた教育実践こそがアクティブ・ラーニング”とも述べています。この本と過去の優れた教育実践から学び、各々の授業を磨いていきましょう。

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アイドルが表紙を飾る教育専門書

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AKB48の村山彩希さんが微笑む表紙を見るとアイドル写真集と間違えるかも知れませんが、れっきとした教育の専門書です。藤川大祐先生は「導入、展開、まとめ」で考える授業論は「甘い!」と述べ、授業を「予告、ライブ、余韻」で考えることを提案しています。(ちなみに「導入、展開、まとめ」は全て「ライブ」に含まれるそうです。)人を惹きつけるエンタテインメントの世界から厳選された教育現場に生かすことのできる手法を15の冒険として紹介している本です。冒険8「マニュアルいらずのわかりやすい教材」や冒険9「授業にもカンペを」など一見軽そうな章立ても、冒険8はアフォーダンス理論、冒険9は認知リソース節約の大切さなど教育方法学の理論としっかり関連づけられているのも本書の特長です。
 冒険14「他人任せにせずに問題を解決する」で取り上げられた市川市のいじめ防止の取り組みには事業立ち上げの関係者として関わらせていただきました。詳細は本書で確認いただきたいのですが、藤川大祐先生の指導の下、児童生徒にいじめの問題について主体的に考えてほしい学校、各学校にいじめ防止の有効な対策を進めてほしい教育委員会、自分の力を役立て社会貢献がしたい地域の支援者の思いが一つになったすばらしい事業だと思います。「いじめ防止対策推進法」が成立した時期に始まった事業だったこともあり、読売新聞の教育ルネサンス等の様々なメディアに取り上げられたのも懐かしい思い出です。
 そんな個人的な思い出を抜きにしても先生方にぜひおすすめしたい一冊です。藤川大祐先生が大学の研究室でのキーワードにしている「学びこむ授業(子どもたちが学習に没頭し、教師が止めてもなかなかやめないような授業)」を実現するためのヒントが随所に散りばめられています。そして何より授業づくりがエンタテインメントになることで日々の仕事が楽しみになります。「教師の多忙問題に立ち向かうヒントは、エンタテインメントにある」とする主張も大賛成です

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紙の本「知」のソフトウェア

2015/05/18 22:40

「知」の巨人から学ぶ

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情報を的確に「インプット&アウトプット」するための本です。1984年に発刊されたため、「聞き取り取材」に「インタビュー」とルビをふるなど時代の流れを感ずる箇所もありますが、本質をしっかり突いた名著です。あとがきで立花氏は“本書の内容を一言で要約すれば、「自分で自分の方法論を早く発見しなさい」ということである。”と記しています。how to本ではありません。自分の方法論をまだ発見していない方は、立花氏からスキルではなく、心構えを学んでほしいと思います。
 インプットに関しては、いつの時代でも新聞・雑誌・書籍からの情報収集が基本だと思います。「本を読もうとするときに、それが自分が死ぬまでに読める残り何冊かの一冊たるに値する本であるかどうかを頭の中で吟味してから読むべきである。」「人にものを問うということを、あまり安易に考えてはいけない。人にものを問うときには、必ず、そのことにおいて自分も問われているのである。」に魅かれました。
 アウトプットに関しては、どれだけ良質の情報がインプットされているかに尽きると思います。立花氏は「いい文章が書けるようになりたければ、できるだけいい文章を、できるだけたくさん読むことである。それ以外に王道はない。」「知的作業には、いつでもその人の全存在がかけられている。その人がそれまでに蓄積してきたすべてのものが材料となるのだ。」と記しています。

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目には見えない教育力

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「ヒドゥンカリキュラム」とは「潜在的教育効果」のことで。著者の多賀一郎氏が述べる「目に見えている以外の教育力」と理解するとわかりやすいと思います。「ヒドゥンカリキュラム」には「プラス」と「マイナス」があり、若手の教員は「マイナスのヒドゥンカリキュラム」を子どもに伝えてしまうことが多いそうです。もちろんベテラン教員も「マイナスのヒドゥンカリキュラム」を伝えてしまうこともあり、若手も中堅もベテランも優れた実践家の「ヒドゥンカリキュラム」に学ぼうというのが、この本の主旨となります。
 「学級経営」「個別対応」「授業づくり」「保護者対応」「学級崩壊(の防止)」「子ども理解」「教師力アップ」に役立つ「ヒドゥンカリキュラム」が実例とともに紹介されています。いくつか例を挙げると、誤って花瓶を割ってしまった子への第一声が叱責であれば、子どもより花瓶の方が大切というメッセージが伝わってしまうので、最初の言葉は「ケガしなかった?」とする。叱られた子どもの不安を解消するために「(あなたを)大切に思うから、叱ったんだよ。大切じゃなければ、放っておくよ。」と一言添えるなどです。いずれもちょっとしたことなのですが、これらの行動が意識しなくても実行できるのが優れた実践家なのだと思います。
 「プラスのヒドゥンカリキュラム」が無意識に実行できるようになるためには、習慣化するまで意識的に取り組む必要がありそうです。笑顔一つにしても、日々の体調管理や充実した生活、教師としての高いプロ意識(どんなに体調が悪くても、家庭でつらいことがあったとしても、笑顔で子どもたちに微笑みかけるのだというプロとしての意識)に裏付けられていなければなりません。一方で、多賀一郎氏は「この本に書かれたことをすべてしようと思ってはいけません。」とも記しています。あまり構えず、「今、できていること」や「自分が気づいていなかったこと」を確認するつもりで読んでみてください。

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これならできそう

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阿部利彦氏は、“学校というのはどうしても、新しいものを取り入れることに根強い抵抗があります”“先生方には「その子にとって、今この時に、たった一人の担任である」という存在の重要性を再確認いただきたい”と述べています。その主張に納得できるか、反論したくなるかが「分かれ道」です。担任する一人一人との「別れ道」にならないよう熟読すべき本だと思います。
 「いいところ」応援計画とは、子どもと学級のアセスメントに始まり、プランゼロ(学級の安定)、プランA(学級内での支援)、プランA+(学級で人をつけた支援)、プランB(個別の別室支援)、ブランC(専門機関による支援)の組み合わせと説明されています。阿部氏は、朝9時に学校から電話があったら10時にはもう学校に出向いている職場で働いているだけあって紹介されている事例が豊富で対応も具体的です。読者が自身をふり返る「チャレンジコーナー」もあり、理解を深めることに役立ちます。2006年に発行された本なので、今の現場では当たり前のように実践されていることもありますが、周囲が見方を変え、適切なタイミングで的確な支援を行うことの大切さを学んでほしいと思います。
 冒頭に学校批判めいた文を引用しましたが、阿部氏は“まだまだ多くのカウンセラーが「母子関係」にこだわっています“保護者の皆さんには「今の先生方には、我々の時代とは桁違いに子どもと向き合う時間的余裕がない」ということを理解していただきたい”とも述べ、すべての大人が変わらなければならないことを力説しています。昨今は、インクルーシブ教育の一環として、教育のユニバーサルデザイン化が注目されています。この本も「家庭」「学校」「地域(行政や関係機関を含む)」がチームとなって、すべての子を支えていく世の中を実現するための一助となると思います。大切なのは“システムよりもスピリット”。私たちの“教育に対する誠実な姿勢”に“専門的な知識”を添えることですね。

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スクールバスで出発!

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教育の現場に積極的に足を運び、「学校文化」に注目してきた志水宏吉氏が「この本は、学校を対象に私自身が行ってきた教育社会学研究の、ひとつのまとめとして書かれている。」と述べた本。研究者としての歩みとこれまでの研究成果がコンパクトにまとめられています。
 まず、注目したいのが「学力の樹」です。目に見えやすい「知識」や「技能」を「葉」、点数化しにくい「個性」や「その子らしさ」を「根」、「思考力」「判断力」「表現力」などを「葉」と「根」をつなぐ「幹」とする「学力の樹」のイメージは、様々な学力観の中で最も納得できるものでした。
 次に注目したいのは、「力のある学校」論です。欧米で盛んに研究されている「効果のある学校」(子どもの力を伸ばした学校。)の知見から見出した「ビジョンと目的の共有」「学習を促進する環境」「学び続ける組織」などの11の要因と「しんどい子に学力をつける七つの法則」は、すべての教職員が熟読すべき内容だと思います。「効果のある学校」研究はマイノリティな児童生徒に視点が当たることが多いため、すべての子どもをエンパワーすることを目指す「力のある学校」研究へとコンセプトを変更したのも大いに納得できました。
 そして、この本のキモと言えるのが「スクールバス・モデル」です。「力のある学校」に共通する8つの要素がスクールバスの中に見事に盛り込まれています。外観は「学校文化」、内装は「学校環境」、前輪を「生徒指導」と「学習指導」、後輪を「地域との連携」と「家庭との連携」とし、エンジンは「気持ちのそろった教職員集団」、ハンドル(アクセル)は「戦略的で柔軟な学校運営」にたとえる「スクールバス・モデル」を初めて知った時は、これこそ理想的な学校の姿と感動しました。大阪の同和教育・人権教育をベースとして生み出された「スクールバス・モデル」ですが、インクルーシブ教育を進める公立学校すべてに適用可能なモデルだと思います。
 これからの教育のあり方を考える一冊として、オススメいたしました。

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これからの時代のスタンダード

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あと10年もすれば「特別支援教育」の「特別」という言葉に違和感を感ずる時代となるでしょう。この本に書かれている内容は、間違いなく、これからの教育のスタンダードとなります。小学校用チェックリスト78項目、中学校用チェックリストの71項目と自身の現状を照らし合わせ、定期的に自己チェックを重ねることが大切と思います。
 小学校用チェックリストにあって、中学校用チェックリストにない項目に「場の構造化」があります。担任する学年にもよると思いますが、「教室内の物については、一つ一つ置く位置が決まっていますか」「教材の場所や置き方などが一目で分かるように整理されていますか」「座席の位置は個々の特徴に合わせたものになっていますか」など学級環境を整えることが、小学校教職員が意識すべきポイントとなりそうです。各々のチェック項目に「関連するキーワード」「特別支援教育の視点」「ユニバーサルデザインの観点」などの詳細な解説と豊富な事例が挙げられているのも本書の特色です。実際の教室での様子が写真で掲載されているため、イメージもしやすいと思います。
 この本の著者は「東京都日野市公立小中学校全教師・教育委員会with小貫悟」となっており、終始、教育現場を意識した構成となっています。「実際に教育を実践している方たちは、多忙を窮めていると思います。」「誠実な学級担任であればあるほど悩みは深くなります。」などの記述、58あるコラムが全て「現場からの実感」「現場での出会い」「現場での工夫」「現場への応援」と統一されていることなど、これだけ現場にこだわった本は少ないのではないでしょうか。1994年の「サラマンカ声明」、2006年に国連で採択された「障害者権利条約」など、時代は確実に「インクルーシブ教育」の方向に向かっています。視力の低い子が眼鏡をかけ、教室の前に座るように、通常学級での支援を要する子どもが当たり前のように支援を受けられる教室を皆でつくっていきましょう。

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教師にも必要なマネジメント

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編著者の一人,長瀬拓也先生は,あとがきで「学校教育現場は今後もっと厳しくなると考えています」と書いています。同じく編著者の山田将由先生は「マネジメントとは単なる組織の管理ではなく,本質を考え,人を生き生きとさせ,そして成果を上げることです」と書いています。目に見える成果を求められがちな教育の現場においてマネジメントの考え方は今後ますます重要になってくると思います。
 この本は「学級経営」「生徒指導」「授業」「豊かな教師生活」「教師の成長」に必要なマネジメントを10名の先生が分担執筆しています。「3月の終業式の子どもの姿を想像する」「初日に1年間の思いを込めて指導する」「教師は子どもにとって一番の環境」「保護者と共に子どもたちを育てていく」などの若い教員に大切にしてほしいマネジメントから「卒業式などの儀式のポイントは会場図」「人間関係が円滑になると,他のクラスに目が向くようになる」「発信することで教師は成長する」などの中堅教員に必要なマネジメントまでが書かれています。どの項目も見開き2ページにまとめられており,見出しに添えられた一言も的確で「マネジメントの基本は,一つ一つのことに意味をもたせること」「1日のスタートを演出する」「時間は特異な資源である」など,そこだけを拾い読みするだけでも明日の実践のヒントになりそうです。
 我々にとっての成果は「平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身共に健康な国民の育成(教育基本法)」「学校内外における社会的活動を促進し,自主,自律及び協同の精神,規範意識,公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し,その発展に寄与する態度を養うこと(学校教育法」)です。「プロデュースの視点」「システム・ルールの視点」「ファシリテーションの視点」を持ち,社会に貢献する人を育てていきましょう。何より大切なのは自分自身をしっかりとマネジメントしていくことです。

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子どもを正しく見立てるために

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各々の手がかりに対して、その理由と、望ましい関わり方が紹介されています。7つの手がかりの具体的な内容は直接読んでもらうこととして「見立てを誤ってしまうと支援の方向性が変わり、適切な関わりが難しくなることもあり得ます。」との主張は大いに納得です。「まず先生自身のメンタルヘルスに配慮してください。」との指摘も現場の教員には有難いと思います。

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人権について考える本として

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書名に「ホームレス」とあるので,購入をとどまった読者が多いと思うが,著者は自尊感情について子どもたちに語り,「いじめ」や「人権」について考える授業となっている。指導案や実際の授業で用いられる資料も豊富に掲載されているので,学校の教員は手に取り,内容に目を通してほしい本。著者の一人である北村年子さんの中学生への熱い語りに感銘を受けた。

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6つの技術と10のアクティビティ

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私は教員なので、ついつい教室で役立つかの視点で本を評価してしまいますが、「インストラクション」「アセスメント」などの6つの技術、「ペア・コミュニケーション」「KP法」などの10のアクティビティ、すべてが教室で有効だなと思いました。ファシリテーター10か条、チェックリストが記載されており、写真で実際の雰囲気もわかるので、実践に役立つ一冊だと思います。

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