電子書籍走れメロス
2015/05/03 19:29
メロス
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作者は、人間の一連の行動のうち、目を引く部分や、よい結果にのみ心を奪われることで、その行動全体を、さらにはその背後にある、より根本的な問題を見失ってしまうことの危険性を、示唆したのではないだろうか。
この物語が発表された昭和15年という時期 ― 国際社会の中で行き詰まった日本が、その打開のために、客観的に見て勝算に乏しい戦争に猪突猛進しようとしていた時期 ― に照らしても、そんなことを感じる。