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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

土塩さんのレビュー一覧

投稿者:土塩

3 件中 1 件~ 3 件を表示

沖縄への応答

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

歴史認識論争を担った哲学者が、在沖縄米軍基地問題を真正面から見据えて沖縄の声に応えんとする一冊。
 「『本土』の人間が安全保障を求めるなら、また平和や『安保廃棄』を求めるなら、基地を引き取りつつ自分たちの責任でそれを求めるべきであり、いつまでも沖縄を犠牲にしたままでいることは許されない」と帯にあるように、著者は在沖縄米軍基地の県外移設論に立つ。
 著者は、在日米軍基地の74パーセントが沖縄に集中している現状を歴史的に分析するが、特に「本土」基地の沖縄移転についての日本人(ヤマトゥンチュ)の態度や、米軍実弾演習場の本土移転についての沖縄人(ウチナーンチュ)の意外な主張(意外さは本書を読んでのお楽しみ)、日本政府の政策などの具体的な検討を通して、自らの主張の根拠を理路整然と展開する。著者の論理に感情的な反発はできても論理的に反駁することは難しいだろうと思う。
 また、米軍基地県外移設論に対する安保容認論及び安保廃棄論からの反論について、著者は哲学者らしい明晰さをもって応答してゆく。
 「沖縄の基地問題は『本土』(日本人)の問題」とするこの本は、「本土」(日本人)の「しらんふり」を告発する。著者の真摯な姿勢にわたしたちは応答できるか。

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定説を超える多元的古代説

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『「邪馬台国」はなかった』の著者による講演集。1993年に原書房から出版された同書の再出版。
 講演集とはいえ、写真や図も用いて分かりやすくしようとの配慮がある。この本を検索される方は古田史学(多元的古代説)についての基礎的な理解があることと思うが、従来の定説しか知らない方には論理の流れが分かりにくいであろう。
 念のために、理解の前提となる多元的古代説の要点を述べれば、魏志倭人伝に記された女王国は邪馬台国ではなく邪馬一国であること(本当です。わたしは倭人伝原文の影印判で確認しました)、魏朝時代の一里は760m程であり、倭人伝は女王国への道のりを正確に記載しており、それは博多湾岸にあったこと、663年の白村江の戦いに敗れたのは女王国の後裔の九州王朝(倭国)であり、唐による倭国首都(筑紫大宰府)占領を経て、8世紀初頭、大和王朝に併合されたこと(旧唐書は、「日本国はもと小国。倭国の地を併せたり」と記しています)など。著者はいままでの著作でこれらを実証的に論証しているが、アカデミズムの主流からは無視されている。
 さて、本書は、(1)四国「足摺の巨石文明」、(2)九州筑紫の「宮殿群跡の発見と邪馬一国」、(3)「祝詞が語る九州王朝」、(4)「「縄文以前」の神事」、(5)「立法を行っていた「筑紫の君」磐井」、(6)「「十七条の憲法」を作ったのはだれか」、(7)「もうひとつの万葉集」の解明である。これらは改めて著者の九州王朝説を論証するものとなっており、定説では説明できない古代史の謎への挑戦となっている。
 (1)では足摺の巨石遺跡が文字を持った一大文明であった可能性を示唆し、倭人伝の黒歯国、裸国について説く。
 (2)では吉武高木遺跡(福岡市)が、日本神話で天孫降臨した「ニニギノミコトの墓の可能性が高い」と結論する。
 (3)では日本書紀において、天武天皇が大嘗祭に参加した記録はあっても施行した記録がない、という矛盾を九州王朝説から解明。
 (4)では熱田神社の酔笑人神事を縄文以前の神事ではないかとの説を提起。
 (5)では九州王朝が立法・裁判を行っていた根拠を挙げ、王朝の天子であった磐井の姿を明らかにする。
 (6)では、かつて家永三郎氏と聖徳太子論争を繰り広げた著者が、17条の憲法の作成者は隋書にみえる倭国王多利思北孤であることを明らかにする。
 (7)では、万葉集が雑歌からはじまること、九州、瀬戸内に詠み人がいないこと、7世紀の防人歌がないことの奇妙さを解く。
 以上のように書いてしまうとトンデモ本に思えるが、著者の実証・論証は歴史科学の方法論を踏まえており、説の根拠は確かに思える。多元的古代説は戦後史学の限界(神話に隠された史実の排除や大和朝廷一元主義)を越える。
 本書の理解のためには『「邪馬台国」はなかった』『失われた九州王朝』『盗まれた神話』を読んでおいたほうがよい。せめて入門書的な『奪われた国歌 君が代』を読んでおくことをお勧めする。
 なお、本書には京都大学国際高等教育院の非常勤講師である張莉氏の論文「「倭」「倭人」について」が所収されている。

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迫り来る強欲資本主義の恐怖

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者の堤未果は『ルポ貧困大国アメリカ』などのアメリカレポートを発表してきた気鋭のジャーナリスト。
 これまでの著者のルポは、経済・社会保障分野にかかわる大国アメリカの下層の人びとの苦悩を描き、なかなか報道されることのない陰の部分に光をあてたという点でわたしは深く感動させられたのであるが、本書ではこれまでの著作にない気概のようなものを感じさせられた。それは日本国民にとって優れた医療制度である国民皆保険制度を守りたいというものであるのだが、そうであるからこそ、本書が、日本とアメリカの医療分野の関係を新自由主義政策(著者は「強欲資本主義」と形容する)とのかかわりにおいて捉え、TPP協定を日本医療制度(=国民皆保険)の変質をもたらすものとして警鐘を鳴らすものとなっているのは、病によって帰らぬ人となった父君への鎮魂歌とも感じられるのである(この点、「あとがき」が興味深い)。
 本書には、保健・治療に尽力する日米の様々な医師たちの証言がつづられている。それらの証言はときに保険会社を告発し、ときに製薬会社を告発する。そして、なによりも政治が告発の対象となる。また、熱心に患者に応対するそれらの医師は過酷な労働に疲弊している。それは医療の疲弊でもあるのだ。
 公的保険制度のないアメリカでは、骨折しただけで自己破産することがある、とかつて聞いたことがある。公的保険制度を目指したオバマケアの導入を好意的にわたしは受け止めていたが、それがとんでもない制度であることを本書は告発する。
 そして、迫り来るTPP。本書は外資の導入によって医療のアメリカ化がより進行し、公的保険制度が崩されかねないことを警告する。
 報道されつつあるTPP協定の内容からみると、日本が薬価を安く抑えようとするとアメリカ製薬会社によって日本政府が損害賠償を請求されることにもなりかねないし、これによって健康保険にかかる国・自治体の予算は膨大なものにもなりかねないだろう。著者の洞察は怖いまでに的中している、と思わずにはいられない。
 最後に著者は取材した日本人医師たちが指し示す医療のあるべき道を、日本医療への希望として提示するが、先進的な医療制度を持つキューバ共和国を学ぶべきものとして引き合いに出しつつ、投資の自由化を前提としたアメリカとの国交回復によってその医療制度が崩されないかと心配する。著者の目線は、日本国民に注がれるそれと同様に、他国に対しても弱者への優しい眼差しとして注がれるのである。

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