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先月(2017年6月)

tohokoさんのレビュー一覧

投稿者:tohoko

648 件中 1 件~ 15 件を表示

電子書籍理系伯爵は女心が理解できない

2016/06/01 14:22

今年一番の期待の新人様かも。

24人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本編と、番外編が2本。
ワーテルローの戦いで婚約者オーブリーを亡くしたトレイシーは、嫌がる彼の弟トマスと無理矢理結婚し、形だけの夫婦のまま3年が過ぎた。
実は、トレイシーが幼い頃から好きだったのは、幼なじみのトマス。
トマスは、彼女がオーブリーをずっと愛していると思っていたから、そこからすれ違っていた。
伯爵位を叔父に譲りたいトマスは、叔父が結婚する条件として「トレイシー相手にDTを捨てろ」と持ち出してきたため、彼女にハネムーンのやり直しを提案。
女心のわからないトマスと、ちょっぴり妄想癖のあるトレイシーの思惑のすれ違いが読んでいてとても楽しく、くすくすふふふと読み進むうちに、いつの間にか切ないすれ違いへと上手い具合にすり替えられていき、きゅんきゅんと切なくなっていました。

ムーンライトノベルズ出身の方のようですが、とにかく文章運びが上手い。
フランス第一帝政からウィーン体制の時期の英国が舞台のお話なのですが、舞台背景をくどくどど説明せず、きちんと話の端々に織り入れ、それが分かる人には分かるように、分からない人にもちゃんとお話の世界を破綻なく読ませてくれます。
分かる人にだけ分かる時代の空気感とか、蘊蓄めいたことも、そう思わせないようにさらりと織り込んで、上手い先生の歴史の講義をちょっと覗いた気分を味わった瞬間もありました。
だって本筋は、エロ&ロマンスですから、そんな説明文を長々読んでげんなりしたいわけではないですから。
でも、その部分があるだけで、時代の空気感が入って来て、ぐっとお話に深みが出ています。
文体は軽くてコメディタッチでもありますが、啼かせるシーンも泣かせるシーンもぐぐっと心に迫ってきて、何度うるうる来たことかしれません。
えろしーんもその勢いのある独特の描写力が、さらりとかわしながらも具体的に想像させる力を持っていて、知的なんだけど肉感的なエロスを感じさせて、良いです。
延々描写をなぞるタイプのエロにうんざりする方には、おススメです。
所々感じる違和感は、Webに上げたものを大筋を変えずに出版されたからだろうな、と思います。
最初から一冊にするつもりであれば、その箇所は、世に出る前に修正されていたのではないでしょうか。

これからもご活躍されることがとっても期待されます。
余計なお世話と言われそうなのですが、ペンネームはハンドルネームとしてはともかく、作家さんのお名前としては、ギャグやコメディの作者の印象が強くて、損をしている気がします。
でも、「あ、理系伯爵の人の次回作だな」と分かるようにしてもらわないといけないし、難しいのかもしれませんね。
いずれにしろ、私的に、今のところ今年一番の期待の新人様。

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好きすぎてレビューが難しい

31人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

みなさんおっしゃっているように、これは1巻です。
読後は、続きが読みたくて溜まらなくなることでしょう。
ぜひ、早く続きを出してください。
(Webで読めますが、若干違ってますので)

TL小説としては、久々にハマって、何度も何度も読み返しました。
男性(ヴァン)の心理描写が素晴らしく楽しく、35の男らしく、我慢もきくし、大人だし、そのはずなのに、でも我慢できないし、みたいな葛藤がまた楽しく、ヒロイン(ローゼ)もけなげで可愛く、一生懸命で、これはもう、おいしすぎてたまりません。
脇役を固めるキャラもみんな素敵で、それぞれにサイドストーリーを書けてしまうほど。
これ1冊で、2次小説を山ほど考えてしまえるほど、キャラがしっかり立っていて、想像と妄想を掻き立てられました。
楽しいだけではなく、生きてきた年齢なりに、それぞれに過去も抱えていたりして、ストーリーも、ラブラブのみには終わらず、一筋縄ではいきません。

自分的に、2015年度、出会えて良かったベスト10の1冊に、間違いなく入ります。

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凄い新人様。

25人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ムーンライトノベルズ侮り難し。
凄い新人様ですね!

彼女を溺愛していた父侯爵の突然の死で、ロザンナは継母に修道院へと追いやられた。
そこで下働きとして働かされ、行儀見習いの令嬢達には虐めを受けて、屈辱に堪えながら1年が経った頃、花嫁候補を探しに来たロレンツィ公爵の使いが、ロザンナを花嫁として修道院から連れ出した。
小太りの中年だと聞かされていたロレンツィ公爵アルフォンソは、端整で優雅な美丈夫だった。
綺麗なお人形を妻として欲していたのだと告げるアルフォンソ。
魅力的で尊大な公爵としてふるまいながらも不思議な陰を見せる彼に、惹かれるロザンナだったが、彼は、持てる全てをやるつもりだが、愛だけは与えられないと言う。
愛が欲しければ、自分で探せと。

大人向きです。
過激、という意味ではありません。
とても端正なロマンスで、エロはおしなべて甘くて切ないのですが、このなんとも言えない良さを味わうのは、多分お子様では無理だと思います。
さあ泣け! と、情感を込めて切々と書くのではなく、読者からも登場人物からも、少し距離を持ったドライで端正な文体。
部分的にぐぐっと読者の感情を動かすのではなく、緩やかな大きな波のような感情のうねりを感じて、じんわりとした感動を呼び起こしています。
遠くから全貌を眺めるような、ちょっと距離のある文体は、翻訳文学のような味わいもありました。
南ヨーロッパあたりの19世紀頃の貴族社会がモデルの舞台と思われますが、よどみなく語られるヒストリカル世界の魅力も満載。
格調高い大人向けのラブロマンスで、エロの二文字を冠するのをためらうほどです。
辛い境遇を経て、中身が空っぽの少女から、大人の女性へと変貌していくロザンナと、そのひたむきな愛し方は、切なさと清々しさを感じてきゅんと来ましたし、アルフォンソの全ての言動が謎となってラストへ読み進ませる力も絶大でした。
謎がとけて、めでたしめでたしで終わらないところも良かった。
今年は新人様の当たり年だと思いました。
どこに隠れていたのでしょう、こんな作者さん。
もうびっくりですね。

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すっごく良い。とっても好みです。

17人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

すっごく良いです。とっても好みです。
語り出しからの、余計なことを何一つ語らないのに、全てを物語っているような語り口からして、ぐぐんと引き込まれ、序盤だけで、まずひとつの物語が始まって終わりました。
すごいな、と思いました。
そして期待を膨らませておいて、紡がれる第二章が、二人の本当の物語。

8歳にして皇帝になったアルフレートの皇妃として、大公クラウスに望まれたのは、辺境伯爵の娘、15歳のシュザンナ。
皇帝が将来、自由に伴侶を選べない運命であることに憤りを覚えたシュザンナは、自分を皇妃として雇用契約を結んで欲しいとクラウスに望む。
女性としての幸せと、愛されない皇妃として一生を過ごす自分の自尊心を、お金で買って欲しいと。
雇用契約を結び、皇妃となるシュザンナ。
慕い慕われ、姉と弟のように心を触れあわせながら過ごすアルフレートとシュザンナだったが、隣国第二アバディーノとの条約締結のための人質として、シュザンナはカッシーラを離れることとなる。
9年の月日が過ぎ、彼女が戻って来た時には、シュザンナ25歳、アルフレート18歳になっていた。

自分が非力であったために、大切な人を守れなかったとの思いを強く胸に成長したアルフレートは、初恋のシュザンナをずっと思い続け、手元に戻って来てからも、大切に大切に甘やかします。
大人になったアルフレートに戸惑い、愛されると思ってもいなかったシュザンナは、不安に揺れ続けながら、少しずつアルフレートの愛を受け入れていきます。
利権を巡って権謀術数渦巻く宮廷で、様々な人々の思惑の中で、愛を育んでいく二人の様子を、ゆっくりと緩やかに、確かな筆力を持って描いていきます。
緻密に作られた世界だからこそ、極端にデフォルメされた事件が起こらなくても、きちんとそこにある、日常の陰謀の姿を認識できる。
そんな日々を描き出す微妙な筆の上げ下げで、大げさな描写もないのに、人の心を鮮やかに描き出してしまう。
とても魅力的な文章です。
どの人物もしっかりと矛盾なく描かれていて、人間ドラマとしてすごく魅力的でした。

シュザンナはぶれないヒロイン。
自分の使命を理解し、自分をしっかりと持っている彼女だけれど、愛されることには不器用。
戸惑いながら、愛し愛される喜びを受け入れていく様子は初々しくも瑞々しくて、ときめきました。
シュザンナには甘くて優しく、しかし生まれながらに皇帝のアルフレートは、甘く優しくもしっかりと皇帝で、二面性すらバランスがとれた魅力的な人物。
大公クラウスも、彼の奥方様も素敵です。
脇役の面々もいい感じだし、敵として現れるザビーネも賢く可愛いです。

全編にわたってちりばめられたちょっとエロも、すごくいいんです。
こんな感じなのは、初めてかもしれない。
1つ1つは、長くはないんです。
甘くて情感あふれるシーンは、せいぜいが1シーンにつき2~3ページってところ。
でも、それが二人の物語の流れにそって、随所にちりばめられて、少しずつ少しずつ、二人の関係の変化、結びつけられていく絆の高まりを描き出す。
全然飽きないし、トキメキっぱなしできゅんときました。

芦原モカさんのイラストも雰囲気もぴったり。
この作者さんも、やっぱり、「なろう」から引いて来た方ですね。
最近のフェアリーキス、見る目がありすぎて怖い。
でもこれでレーベルの方向性がすっかり決まって来たっぽい気がします。
当面、欠かさず買いで決まった感じ。

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三顧の礼でお迎えしたい。

11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

舞台は小国が乱立し、群雄割拠するアテリア半島。
兄エルコレと関係を持っていると醜聞を流されて自由を奪われ、政治の道具として扱われる、ヴィシュリアの人形姫レナータの三度目の結婚の相手は、リグリアの傭兵公アレッシオ。
幸せになっては兄に全てを壊されると、心を殺して嫁いで行くが、アレッシオは彼女を受け入れ、情熱的に求めてくる。
リグリアの美しい自然と、温かい人々、情熱的な夫に溶かされ、人形の殻を脱ぎ捨てていくレナ-タ。
しかし、兄の呪詛は常に彼女を脅かし、幸せに影を落としていく。

作品世界のモデルは、明かにルネッサンス期のイタリア半島。
アテリア半島という名になっていて、腕の形に変わってるのがうふふ。
ヒロインが嫁ぐリグリアは、文字通り今のリグーリアあたりだろうし、兄エルコレのヴィシュリエ侯爵家は、ボルジアとエステ家あたりをミックスした感じかなぁと想像。
ヒロインレナータと、兄エルコレの噂から、チェーザレとルクレツィアのエピソードも連想されてしまったりして、モデルや背景をいろいろ想像するのも楽しかった。
とにかく、架空の世界を打ち立て、自由に空想を羽ばたかせてるんだけれども、ルネッサンス期のイタリア世界の雰囲気と魅力をほどよく伝えていて、そのあたりが好きな、懐深い方にもお勧め。

兄に自由を奪われたレナ-タが、愛する喜びを知り、でも人質としての己を顧みる度、また溶けかけた心を凍らせて…と、さざ波のように寄せては返すレナータの心情が全編を通してよく描けていて、切ないトキメキに溢れていました。
ヒーローアレッシオも、ストレートな情熱家、でも魅力的な策略家で、とても素敵。
アンチヒーローであるレナータの兄エルコレも、その腹心の女騎士リヴィアも、魅力的に描いていて、物語に厚みが出ていました。

だけど、一番素晴らしいなと思ったのは、情事のシーンの情感あふれる表現力。
美しい、けれども肉感的で淫猥で、ヒロインの情感を掻き立てながらも、その情景がはっきりと浮かんでくる文章。
情緒を大事にするあまり、一体この二人どういう体勢になってるのかさっぱりわからん、という作品に出会うことがありますが、この作品は情緒を大切にしながらも、きちんと生々しく絡み合う行為も描きだし、思わず生唾を飲むほどのエロティックさ。
けれども決して下品にならず、その行為のひとつひとつに愛し合う二人の心が表れていて、心揺さぶられます。
ドキドキうっとりで、本当に素晴らしかったです。

華藤りえさん、軽い現代物は、もう1作挟まれていると思いますが、多分これがヒストリカルの3作目。
3作目というのは、しっかり作品と向き合い、磨き続けている作家さんにとっては、どうやら特別な数字らしい。
デビュー作でキラリと光り、2作目で花開き、3作目で本領発揮、という作家さんによく遭遇します。
まだ電子でしか作品を発表されていないと思うのですが、この方の活字の本を手にしたいと思いました。
私が大手レーベルの担当者なら、三顧の礼でお迎えするのにな。

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電子書籍ヴァンパイア伯爵とリラの乙女

2015/10/17 23:49

大人の鑑賞に堪える作品でした。

12人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

このレーベルは、前に2作読んでハズレだったので購入前に悩みましたが、買って良かったです。

体から強くリラの香る体質のリリィは、その香りのせいで、母親から疎まれ、折檻され、子爵家の娘なのに社交界デビューもさせてもらえず、使用人と同じように扱われていました。
そんなリリィも18歳になり、ドラクル伯爵エドガーから婚姻の申し入れが。
良い縁談に、母親は妹のアンを代わりに嫁がせようとし、リリィに暴力をふるいますが、エドガーは、断固としてリリィと婚約し、自分の屋敷に連れ帰ります。
実はエドガーは、ヴァンパイアの王。
リリィの香る血は、彼らにとっては極上のワインのようなものだったのでした。

エドガーの与える血の口づけ、強烈な官能に蕩かされていくリリィ。
エドガーにとって自分は食料で、家畜と同じだと知り、切ない思いをかみしめながらも、大事にされていると感じ、求められていることに喜びを覚えていきます。
一方、エドガーも、リリィの香る血と体に溺れ、ひたむきな愛をむけてくるリリィに、捕食対象とは別の感情を持つようになります。

ストーリーは、シンデレラに吸血鬼を融合させたような感じ。
リリィの母親が、彼女を憎むあまりに引き起こす様々な事件を絡ませながら、リリィとエドガーの情事を軸にして物語は描かれます。

濃密なエロティシズムを持つ、強烈にエロティックな、濃厚な一冊でした。
濡れ場はものすごく多いですが、それが既にストーリーの核となっています。
ほの暗いストーリーなので、残虐な場面も多いですが、性的に痛い描写はありません。
大人の鑑賞に堪える、立派な官能小説です。
ただ、挿絵がいただけません。
興ざめです。

続編が予定されていると、作者後書きにあったので、楽しみに待ちたいと思います。

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電子書籍初夜~王女の政略結婚~

2015/10/18 20:41

瞬時に異世界にトリップです

16人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

古代エジプトもの。
政略結婚で思わぬ身分の低い夫をあてがわれた、次期王の座を戴く王女、17歳のネフェルアセト。
ですが、彼女を優しく気遣う夫アフレムに、不覚にも惹かれ、恋に落ちてしまいます。
気位が高く、素直になれない17歳のツンデレ王女様。
王の謀略により、城から去ってしまったアフレムを追って、砂漠へと向かうネフェルアセト。
上下エジプトを巡る国同士の思惑に巻き込まれ、彼女の人生も動いていきます。

17歳で世間知らずなツンデレ王女様が、後先も考えず、恋した男を追っかけて行ってトラブルに巻き込まれる話なのですが、そう言ってしまえば身も蓋もないのです。

ゆったりした時間の流れと空気の熱を感じさせる情景描写、寡黙だけれど精緻な文体、ヒロインネフェルアセトの傲岸な言葉遣いなど、様々な要素を絡み会わせ、見事に作品世界を確立しています。
瞬時に作品世界の中にトリップしてしまえるほど。
そんな中に展開する濃密なエロシーンは、息を潜めて読みふけってしまうほど、ねっとりと官能的。
何度身のうちから、熱いものが沸き上がって来たことか。

ヒロインを形成した環境、生い立ちもストーリーの中にしっかり息づいており、ネフェルアセトという存在を、しっかり形作っています。
ヒーローアフレムは、ネフェルアセト視点で描かれるので、いつも欲情した目線で見ているか、見られているかなので、そこだけかよ、と思ってしまいますが、ホントはもっと良いところがいっぱいありそうです。
ネフェルアセトがいない、孤軍奮闘しているアフレムの姿も、ちょこちょこ織り込んでもらえると、恋する男以外の彼の魅力も見られて良かっただろうに、と思いました。

とはいえ、これが投稿作と言う新人様!
次回作が楽しみです。
イラストは、周防佑未さんで、エロくて濃厚。
クセがあるので好き嫌いあると思いますが、この作品には合っていると思いました。

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参りました!

11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ボーイズラブ界の重鎮(なのかな、ジャンル読まない私でもお名前を知っているくらいなんだから)池戸裕子さんのTLもの。
なんとなくのらりくらりと避けていた感がありましたが、避けていた日々を痛烈に後悔しました。

自分より優れた男性の妻になると公言していた、国一番の美貌で才女と言われるセシリア。
突然、結婚を賭けて剣での勝負を挑まれて、受け入れ、当然負けてしまう。
相手は、自由を愛する型破りな将軍王子、リオン。
彼こそ自分の求めていた人かもしれないと、胸を高鳴らせますが、自分を戦利品のように言われ、モノ扱いされたとの思いに深く傷ついてしまいます。
それでもリオンと過ごすうちに、彼を知るほど、その器の大きさと人としての魅力に惹かれて行くセシリア。
出会いの時の賭けから、お互いに自分から愛していると言い出せない二人。
国の混乱を避けるために、リオンが狭量な弟王子に次期王座を譲ろうとしていることを知り、愛されていなくてもいいから、彼を王座につけるための協力者になろうと心に決めて、セシリアは彼の側で歩き出します。

もう、とにかくヒロインもヒーローも、めちゃくちゃ魅力的でした。
自由闊達で、男らしく、強引なんだけど、ヒロインを大切に求めていくヒーロー。
ヒロインは賢く美しく、気が強いんだけどけなげで可愛い。
そんなつもりはないのに、恥じらって素直になれないセシリアを、駆け引きしてくる賢い女だと思いこんじゃうリオンとか、愛されてるのに、戦利品の自分は、飽きたらポイされちゃうだろうと思い込んでるセシリアとか。
お互い理解しあいながらも、そのへんはすれ違っていて、ジレジレしながらもロマンスを堪能できます。
情感あふれる筆遣いで語られる濡れ場も、お互いを求める気持ちが絡み合っていて、あればあるほどストーリーも深まっていきます。
不必要なエロはひとつもありません。

ほんと、大満足です。
ホントにTLジャンルは玉石混淆で困る。
この作品と同じ金額で売られている低レベルな作品を思って、ため息が出てしまいました。

あ、一個だけ、不満がありました!
めっちゃ良いシーンのさなか、ヒロインの名前の誤植が!
サラって誰? って思っちゃいました。
地の文でしたので、リオンの台詞中でなくて良かった・・・またセシリアに殴られるところでしたね、彼(苦笑)

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電子書籍王女と奴隷【イラスト付】

2015/08/25 22:15

王道かつ、秀逸です。

13人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これぞ王道という要素がぎっしり詰め込まれています。
「王道」設定をただのご都合主義に振り回す作品が数ある中、この作品は、「王道」展開で読者を楽しませながら、しっかりと物語を紡ぎ、心揺さぶる作品に仕上がっています。

みにくいあひるの子的なヒロイン、エヴェリーナ。
かつては赤ネズミといわれる貧相な子どもだったのに、美しく(巨乳に)育っている。
ある日突然彼女の前に、美丈夫が現れて、「会いたかった」と、迫ってくる。
無理矢理純潔を奪われそうになるが、間一髪で、植物の助けを得て逃げ出すエヴェリーナ。
彼女は植物と話しをすることができ、自在に操ることができるのだ。

と、冒頭の部分だけで王道展開がいくつ入っていたでしょう。
俺様王様美形ヒーロー(ラレンツォ)はもちろんのこと、妹であるヒロインを溺愛する病弱なお兄様や、美味しい部下たち、ファンタジックなエピソードなど、いろんな要素を盛り込んで、ちゃんと生かし、責任をとってます。
美味しい要素を盛り込むだけ盛り込んで、ほったらかしにするTL作品が多い中、ほんとうにきちんと、その要素で物語を作り上げ、落とすところをきちんと落としています。
こうした細やかなストーリー運びが、物語に説得力を与えています。
物語の舞台になる世界も、しっかり作り込まれていて、いくつかの国を股に掛けて進行するストーリーですが、世界の版図、文化、風習など、文中に、説明口調ではなく、きちんと織り込んであります。

気が強くて賢いだけではなく、純粋で、愛する人を思い行動するエヴェリーナ。
本当に魅力的なヒロインです。
彼女だからこそ、生きるエロシーン。
ラレンツォがエヴェリーナをどれほど欲しているかが痛いほど伝わってきて、ドキドキきゅんきゅんします。

エロも、全て物語りの進行、ヒロインの心の動きに絡ませて描かれており、不必要にエロだけ盛り込んでいるものはありません。
ラレンツォが彼女を想い続けた理由も、しっかりと彼の背景を描くことで、納得できるものとして描かれています。

久々に、秀逸な作品に出会えました。
とっても満足です。

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がつがつしない大人の男

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

TL分野でただ一人、私を泣かせる火崎勇さん。
一人称が繰り出す切々とした女心がぐぐっと心をえぐります。
細やかな心理描写。
事件で傷つき、孤立させられても、前を向いて生きるヒロインの姿もとてもいじらしくて、勇気づけられます。
エロをお求めの方には物足りないかもしれませんが、ガツガツしない大人の男性がとても素敵。
二人が愛を育んでいく過程も、とても自然で、飽きずにストーリーを負っていくのも楽しかった。

読後幸せになれる一冊。

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電子書籍闇ノトリコ

2016/09/06 08:21

本格派。

9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ヴァニラ文庫うふのカラーがわかんない。
今までのラインナップから、さっくり軽く読める新感覚エロ&ラブなのかと思いきや、これはまた、時代考証とかしっかりした、ヴィクトリアン風ハーレクインタッチの本格派。
ヒロインは自分の欲望に素直で、彼女が感じ取る男性の色気をしっかりと描いている。
そのあたり、本格派だけれども、日本のTLのカラーとは、少し離れています。
そのへんが新感覚なのかな~。
新感覚というか、私の感覚としては、古典的なんだけどな?
とりあえず電子限定ってことがメインポリシー?
ともあれ、この作品は★5つの堂々の風格。
文体、文章、ストーリー、登場人物の魅力、エロス、どれをとっても文句無し。
ちょっと最後のハッピーエンド加減が、歪みを求めるお若い読者さまには物足りないかもしれないけれど、ストーリーとしては秀逸です。

亡くなった姉ローズの夫、子爵ライアンと結婚することになったマーガレット。
27歳になって行き遅れになっても、恋に恋する文学少女のマーガレットは、電撃結婚となった夫に、1年間は、お友だち関係で愛を育んで欲しいと条件を付ける。
条件を飲むとは言わないけれど、なんとなく彼女の意思を尊重する形になってしまうライアン。
亡くなったローズの代わりとして求めただけの妻。
けれども全く触れないことも耐えがたく、最後まで奪わないように、マーガレットの官能を高めていくうちに、マーガレットの魅力に次第に惹かれてのめり込んでいく。

姉ローズの死を巡る、謎解きミステリ風味の展開。
小説家志望のマーガレットの視点の面白さと、閨でもしゃべりまくる好奇心旺盛な彼女の魅力。
それに翻弄されるようでいて、実は彼女を手の平でコロコロ転がしているようなライアン。
全ての謎を知るライアンだけれど、それを読者にネタバレさせないように、上手に彼自身の心の動きも描いていて、ラストにはあっと言わされました。

「なろう」出身の方のようですが、現在この作品は掲載されていない模様。
ちょっとだけ、みんないい人過ぎる気がするのですけどね、悪役も最終的に。
でも、そこはロマンスなので、大丈夫です。
あと、マーガレットの作品、「闇の虜」のストーリーの一部を披露しつつ、作品に絡めてくれたら完璧。
そこまでやったら、娯楽作品の枠を超えちゃうかな。
でもきっと、この作者様なら、できると思います。

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電子書籍公爵様の噛み痕【イラスト付】

2016/02/09 09:23

これは公爵様、ほんとにたまりませんね。

10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

大地主のフィッツベル家の娘イリーナは、早くに母を亡くして、父と弟の世話をしてきたしっかり者。
舞踏会でイリーナが従兄弟のオーランドに言い寄られているのを助けた紳士は、名乗らず去ってしまう。
実は彼はマクシミリアン・ノーフォーク公爵。
その冷徹さからドラキュラ公爵と怖れられている彼は、国内での武器の密売を調査するうちに、フィッツベル家に行き当たる。
そこで思い出したのが、舞踏会の夜に助けたイリーナ。
友人のフェアファクスに焚きつけられた感を持ちながらも、彼女と結婚しようと思い立つ。
助けてくれた紳士とマクシミリアンが結びつかないイリーナは、なぜ自分がと不審に思う。
実は恐がりの彼女は、自分は吸血鬼だというマクシミリアンの冗談を真に受けてしまい、彼は若い女性の血が必要だと思い込むのだった。

実は恐がりで可愛いイリーナに骨抜きにされていく公爵様。
冷徹で容赦のない彼も、一回り以上違う若くて可愛い奥様にメロメロ。
だけど最初っからがっついているわけではなく、優しく大人な対応をしている彼ですが、イリーナの愛らしさに止まらなくなります。
大人で良識のある男性が、理性の歯止めが利かなくなっていくのには、たまらなくドキドキしました。

エロシーンも、独特のエロティシズムを感じます。
濃厚でエロティックで、でもがつがつしていなくて、真綿にくるまれたような、どこか柔らかな雰囲気。
素敵できゅんきゅんしました。
挿絵も綺麗です。
女性の身体が柔らかそうで、エロティックで、私は好きだな。
最中のイリーナが本当に可愛いです。
これは公爵様、ほんとたまりませんね。
野獣でオッケーです。

ストーリーもしっかりと面白くて、二人のすれ違いのシーンでは、イリーナの気持ちにもうるっときます。
フェアファクスも素敵な脇役でした。
彼と奥方さまの馴れ初めとか、悪友3人組のもうひとり、国王様の恋の話とか、スピンオフで読みたいです。

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電子書籍元帥皇帝に捧げられた花嫁

2015/07/23 12:37

見事な手腕です。

12人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

純真で可憐、がんばりやさんでいじらしいヒロイン。
強くて男らしく、堅物のヒーロー。

どうがんばっても普通はエロエロにならないだろうこの二人で、のっけから濃厚なエロシーンを展開させるなんて。
作者の見事な手腕に脱帽です。
登場人物は、脇役も含めて魅力的に描かれていて、ストーリーにも矛盾を感じるようなことはありませんでした。

エロは多め、濃厚め。
必然で、愛に向かって行く。
ちょっと鬼畜めエロシーンも、その必然性に納得しつつ、楽しめます。

私に、「芹名りせ」という作家さんのお名前を、心に刻ませた作品です。
お金を払う価値あり。

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もう絶対に外さない。

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もう絶対に外さない如月さん。
ヒストリカルとしての舞台づくり、ストーリー性、ロマンス、エロス、登場人物の魅力、全部安心感があってバランスが取れた作家さんは? と聞かれたら迷わずこの方。

リシャール辺境伯爵の娘マリエッタは、義母と義姉エライザと共に馬車で山道を行く途中、行き倒れの少年を見つける。
危険だから殺せと、護衛のカイルに命じる義姉を押しとどめ、少年の命を助けるマリエッタ。
屋敷に連れ帰った少年は、和睦調印に向かう所を襲われた、隣国の元帥の息子、アルベールだった。
義母は、エライザとアルベールを結婚させようと猛烈に売り込むが、元気になって、リシャールを去って行くアルベール。
ずっと看病していた彼の健康を祈って、ローズマリーを彼の薬指に結ぶマリエッタに、お返しに、彼女の薬指に軍服の金モールを結んでくれた。
5年後、17歳になったマリエッタは、義姉の婚約のための通訳として、義母とエライザに伴われ、アルベールの元を訪れる。
直前で病に倒れた父伯爵の看病のため、一刻も早く帰りたいと望むマリエッタだったが、その場でアルベールが、花嫁にと求婚したのは、エライザではなく…

二人の出会い、気づかぬうちに育まれた淡い恋心。
忍耐強く待ち、想いを育て続けたアルベール。
それぞれを繋ぐエピソードが巧みにちりばめられ、マリエッタが自分の恋心を自覚する瞬間は、ピュアで美しいトキメキに溢れていました。
それに続くエロは、甘きゅんでドキドキです。
愛されながらも、彼の愛の焦点をどこかずらして捉えてしまっているマリエッタ。
なぜ自分が愛されているか、いまひとつ理解することができず、不安に揺れます。

賢く可愛く背筋の伸びたマリエッタ。
TLにありがちなできすぎちゃんのヒロインではなく、義姉からの言われのないいじめに対しては、「小面憎い」面もちゃんと持ち合わせていて、好感度の高いヒロイン。
アルベールをそっと支えるその行動も、彼女らしさが見えていて、将来の良妻賢母っぷりがうかがえて、アルベール、いい嫁を捕まえたね、5年も待ったかいがあったね、幸せだね! と思ってしまいました。
アルベールも忍耐強い、とっても素敵なヒーローです。
彼ががんばったエピソードもいっぱい織り込まれていて、いっぱいご褒美もらえて良かったね、と思いました。

ラストに添えられたエピソードも、とても素敵。
きちんと描かれた人間関係の上に、きちんと張られた伏線を使い、最後にちゃんと、心温まるものを残してくれました。
5つ目の★が足されたのはこのエピソードで。
ビバ、如月さん。

アルベールの友人ブリュノと、エライザのロマンスも、読んで見たいと思います。
根性の悪いアンチヒロインを、ちゃんと共感持てるヒロインとして描くことも、如月さんの腕ならば可能なはず。
作者様の食指が動くならば、と言ったところでしょうか。

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電子書籍堅物騎士は恋に落ちる

2017/04/08 14:54

ニコニコソーニャ。

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「押しかけ騎士は我慢しない」のディートハルトのツァイラー家次男のゲープハルトのお話。
前作では、少ない登場回数なのに、妙に存在感を放っていたゲープハルトでしたが、ああこういう人だったのね、と思いました。

結婚したくないクリスタは、父公爵に結婚するよう最後通告を言い渡され、ある計画を立てる。
それは、素晴らしい男性に熱烈に恋をして振られ、失恋の痛手に立ち直れず、領地で引きこもって暮らす…という筋書き。
久々の王都、社交の場で見つけた理想の相手、近衛隊のゲープハルトをターゲットに決めて、熱烈に恋して振られる計画を果たすべく、実行に移していく。
一方、美しいが奇妙な行動をするクリスタに熱烈に言い寄られ、戸惑いを隠せないゲープハルト。
クリスタの計画は、なぜかうまくいかず、二人は結婚することになるのだが…

久々に楽しくて、夜寝なくちゃいけないのに止められなかったです。
賢いのだけれど、世間知らずで突き抜けちゃった感じのあるクリスタと、堅物で穏やかなのだけれど、実はSっ気の塊のようなゲープハルト。
奇妙だけれどきゅんとときめくラブストーリーは、どちらの側からも心情が描かれて、すれ違いにもニマニマきゅんとしました。
秋野真珠さん、男性視点のエロがすごく良いといっつも思います。
大人な男性の良さを再認識するほど、ゲープハルトが素敵でした。

ニコニコソーニャという感じで、コメディが前面に押し出され、ソーニャ感は薄めです。

ディートとアデリナも、幸せそうで良かったです。
しかしツァイラー家、美味しそうな人達が満載です。
次は双子か?双子なのか?と思ながらも、双子は難しいだろなー、さんぴってのもなー、と思いつつ読了しました。
国原さんの絵、最近あまりないバタ臭い(表現が古くさいですね)感じの絵柄ですが、重厚で肉感的で好きです。

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