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レビューアーランキング
先月(2017年8月)

北の本読みさんのレビュー一覧

投稿者:北の本読み

11 件中 1 件~ 11 件を表示

紙の本図書館の魔女 烏の伝言

2015/08/20 16:34

二人が登場しなくても

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「図書館の魔女」の待望の続編。
前作からやや時は過ぎ、ニザマ政変後の、混乱の極みの街に閉じ込められた姫と護衛の兵士たち、その案内役の剛力、鼠と呼ばれる子供たちが描かれる。
メインの登場人物が、キリヒトとマツリカではないことに落胆したのはほんの僅かな時間だけだった。伏線がすべて回収されるさまは鮮やか。期待を裏切らない、さらに続刊を待望させる内容だった。

他人の全てを奪い尽し踏みにじっても少しも恥じぬ者たちと、自分の命以外の、殆ど全てを奪われても人としての矜持を棄てない者たちの対比が鮮やか。約束を守ること、弱いものを優先すること。些細なことに思えるが、常にそう行動できるだろうか。だが、最も虐げられた存在の鼠と、山賤と軽んじられる剛力はそれを果たすのだ。

題名にあるとおり、カラスが重要な役割を担うのだが、読了後は彼らを熱心に観察するようになるのではないだろうか。衣食足りて、彼らは遊びを知る。

終盤に登場する「図書館の魔女」が、混乱を収束させるためではなく、知的欲求を満たすために行動したのは、実に彼女らしいと納得する。彼女の言葉は正論なのだが、それは、いつも他人を慰めたり納得させたりするわけではない。情こそが共感を呼ぶこともある。

自分の心を汚さぬよう、正しく生きるにはどうすればいいのか、背筋が伸びる思いがする。

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紙の本図書館の魔女 上

2015/08/20 16:48

少年は少女と出会う。世界は動き出す

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ファンタジー小説だが、魔法は使われない。だが、声を持たぬ少女マツリカの言葉は、魔法以上の力を及ぼす。世の理を指し示すが故に。
少年キリヒトと少女マツリカは、その才能のために唯一無二の存在だが、彼らもその年頃特有の苦悩や、淡い恋情を体験する。自分の欠けたものを相手の中に見る、その眼差しの深さ、静かさ。

軍師キリンの語る、戦争は費用対効果が重要、戦場で流れる血は、「兵士」の、ではなく、名前を持つ「誰かの大切な者」であるという現実に気付く。外交こそが、道理に適う道である。
戦いとは武器を持って立ち上がることだけではない。
相手を深く知り、時には譲歩、良案を示すことで、自分も相手も守れる道を探る手間を惜しまない、それもまた戦いである。

戦争や暗殺などの重いテーマを扱いながらも、暗い気持ちにならないのは、ハルカゼが笑い上戸な為だけではないだろう。確かに人は死ぬ、だが不必要な死が見当たらないのだ。

最後に、マツリカが出立するキリヒトに送る詩は胸を打つ。誰にでも、自分の心に灯りを点してくれた人がいるだろう。それはとても大切なことだ。

登場人物の一人一人、世界観の隅々にまで目が配られ、それにふさわしい言葉で綴られた文章を読むのは、正に至福のひとときだった。言語学者でもある作者は、その才を如何なく発揮している。

全てのピースが、あるべき処におさまったという爽快感とともに読み終えられる。
この本を読まなかった自分を想像したくない作品だ。

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紙の本図書館の魔女 下

2015/08/20 16:46

魔法より言葉を

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ファンタジー小説だが、魔法は使われない。だが、声を持たぬ少女マツリカの言葉は、魔法以上の力を及ぼす。世の理を指し示すが故に。
少年キリヒトと少女マツリカは、その才能のために唯一無二の存在だが、彼らもその年頃特有の苦悩や、淡い恋情を体験する。自分の欠けたものを相手の中に見る、その眼差しの深さ、静けさ。

軍師キリンの語る、戦争は費用対効果が重要、戦場で流れる血は、「兵士」の、ではなく、名前を持つ「誰かの大切な者」であるという現実に気付く。外交こそが、道理に適う道である。
戦いとは武器を持って立ち上がることだけではない。
相手を深く知り、時には譲歩、良案を示すことで、自分も相手も守れる道を探る手間を惜しまない、それもまた戦いである。

戦争や暗殺などの重いテーマを扱いながらも、暗い気持ちにならないのは、ハルカゼが笑い上戸な為だけではないだろう。確かに人は死ぬ、だが不必要な死が見当たらないのだ。

最後に、マツリカが出立するキリヒトに送る詩は胸を打つ。誰にでも、自分の心に灯りを点してくれた人がいるだろう。それはとても大切なことだ。

登場人物の一人一人、世界観の隅々にまで目が配られ、それにふさわしい言葉で綴られた文章を読むのは、正に至福のひとときだった。言語学者でもある作者は、その才を如何なく発揮している。

全てのピースが、あるべき処におさまったという爽快感とともに読み終えられる。
この本を読まなかった自分を想像したくない作品だ。

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業田義家は期待を裏切らない

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

4コマ大河マンガ「自虐の詩」の作者は「ヨシイエ童話」や「ゴーダ哲学堂」を経て、ロボットとの関わりの中から、人間の存在を問う。笑いを追求したものは、悲しみや苦しみもまた深く知るようだ。

愛玩用の少女型ロボットが、飽きたという理由で存在を否定される一話目は涙が止まらなかった。彼女には心に残る人間の母がいる。無許可で母を訪ねた彼女は、しかし回収され、メモリ消去の処理をされてしまう。再び中古品として販売される彼女を引き取りに来たその母は、店員に告げるのだった。彼女が何も覚えていないとしても、「私が全てを覚えています」この子のことは全部、と。

心を持ったとしてもロボットは機械に過ぎず、私たちは平気な顔で使い捨てにしてよいのだろうか。それがほかの生物や自然だったらどうなのか。対象に心がないと判断したなら、冷淡に扱っていいのか。だが、その冷淡さは自分以外の人間にも及ぶのではないのか。やがて自分をも傷つけるのではないか。

シンプルな絵柄と、決して多くないページ数の作品群だが、一話一話が深い。
愛や想いは消費するものではなく、湧き出でて注がれるものなのだ。そう深く感じさせられる短編集である。

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興味をお持ちなら、是非

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ガザニカの本を3冊読了した後に、脳科学最前線のこの本を読んだ。タイムリーだった。
母校の高校の後輩への特別講義をまとめてもので、非常に平易に書かれている。

脳が全てをコントロールするという単純な図式ではなく、脳と身体各部位はフィードバックシステムで運営されている。身体の情報がなければ、脳は無明無音の箱の中の虜囚である。
心が痛むときには。実際に脳が痛みを感じている、生命のただ一つの定義はまだない、脳は合理的な物語を作りたがる等々、興味深い。どうも私たちは何も感じず、考えずいることが苦手らしいのだ。
各人の生命観を否定しない懐の深さにも感銘する。

海外の研究者やサイエンスライターと比べると、日本の研究者は、高度な内容を平易な文章で、ユーモアをもって書くことが不得手だと感じていたが、気鋭の研究者が、一般人にも分かり易く語ってくれることは嬉しい驚きだった(だが、ジレンマは強くあるらしい)。

身構えずとも最新の知見に触れられる、とても良い本だと思う。

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安定した面白さ

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剃髪(トンスラ)のない修道士、ファルコの下で起きる様々な騒動を描く第5冊。
今回も各登場人物が、それぞれいい動き、いい仕事をしいて期待を裏切らない。
傷付いた若者たちが安易な和解ではなく、苦悩とともに生きようとする決意する姿がいい。

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紙の本ウォーターハウス夢幻絵画館

2015/08/20 16:37

美女は微笑まない

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美術展で「ヒュラニスとニンフ」を見て以来、作者のウォーターハウスは気になっていた。
2006年の大型本は高価で手を出せなかったので、この本を知った時は本当に嬉しかった。
掲載作品の多くの絵は初見だったが、丁寧な解説もあり理解も深まる。
美しいが微笑みすら浮かべない、悲劇のヒロインたちを堪能できる一冊。

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紙の本土漠の花

2015/08/21 14:28

面白いけど、宣伝文ほどではなかった

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

活劇小説と思って読めば、派手な銃撃戦や追跡劇が続き、手に汗握る展開で楽しめます。
部隊にソマリアを選んだところがミソなのでしょう、大国に翻弄される部族の怒りや怒りはもっともだと思いました。
しかし、重みや深さがない。
大藪晴彦や平井和正、笠井潔のSF小説を思い出してしまいました。

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紙の本鹿の王 上 生き残った者

2015/08/21 14:16

娯楽小説

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

作者の本は初めて読みましたが、この作品も、作者も評価が高いのは分かりました。
世界観や登場人物の設定・情動も分かり易く、物語に引き込まれ一気に読みました。
面白い、確かにとても面白い。だが、それだけ。深く心に刻まれることはなかった。
多分、一人一人が好人物過ぎて、凄みやいやらしさが感じられなかったせいだろう。どこかで読んだ話をつなぎ合わせて、別の面白い話に仕立てたような印象。
読みながら、「風の谷のナウシカ(コミック版)」が懐かしくなりました

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紙の本鹿の王 下 還って行く者

2015/08/21 14:18

バランスが悪い

2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ノンフィクションを多く読むせいか、感染症や免疫に関する件は「何を今更」と思いながら半ば飛ばし読み。作者が一番語りたかったであろうこの部分が楽しめるかは、読者の情報量に大きく左右されるのでしょうね。説明に終始したようで、非常にバランスが悪く感じられました。
現実世界でも通用する常識が書かれる一方で、この世界でしか起きないこともあり、何か納得がいかない。魂が飛ぶとか、命の糸が見えるようになるとか、リーダーのように群れをコントロールできるだろうとか、ちょっとご都合主義に過ぎる気が。これもバランスの悪さを感じる一因だろう。
真の黒幕の動機も、標的も、ここまでのストーリー展開から見て、「えっ、そこなの?」と肩透かしを食らった気分です。
多分この作者の本はもう読まないだろうな

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一冊にまとめたのは失敗

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

このジャンルでは、かなりハイレベルな作品を書く作家だが、今回は明らかに失敗したとしか思えない。

先の竜4部作と比べるのは間違いかもしれないが、世界観、竜の能力、ヒロインの魅力に至るまで、すべて物足りない。特に、ヒロインには凛とした強さが感じられず、最後まで感情移入できなかった。

多分、構想全てを表現するには、圧倒的にページ数が足りなかったのだろう。カットしたシーンは大勢にはそう影響がないと、作者はあとがきで述べていたが、そうだろうか。
最終盤にいきなり出てきた真の黒幕をどう説明するのか。唐突すぎて、あいた口が塞がらなかったのだが。
また、異口同音のセリフを「「 」」で、表現するのはあまりにも安直な感じがする。しっかりした文章を書けるのだから、言葉で表現出来るだろうに。

ページ数に合わせるは作家の手腕とも思えるが、編集者もどう思ったのか。作者久々のファンタジー小説がこれでは、あまりにも残念だ。

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