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nnk200さんのレビュー一覧

投稿者:nnk200

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紙の本夜の国のクーパー

2015/08/25 00:14

猫とクーパー【ネタバレ】

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この話のキモは“国の秘密”にあると思う。
そしてそれを解き明かすカギになっているのは実は猫たちではないだろうか。
核心に迫る“ルール”は人間たちの会話から読み取るしかないのだが、それを語るのは常に猫のトム君である。
これは言ってしまえば第三者の目線であり、これがなかなかにうまいこと話として機能している。
第三者目線といえば、いわゆる天の声や神様、幽霊、精霊なんてものも語り部としてでてくるがこれらは実態がなく、また超常の存在でありミステリをのこすこの話には不向きである。
また猫であるがゆえにできた“鼠たちとの会話”は実に面白く、これは人間たちの国のルールを示唆していると同時に、本の外側にいる私たち読者に対するメッセージ性も帯びている。こういったところはいつも伊坂幸太郎といったところ。

語り部に猫を起用し、その存在を最大限に近い形で活用する手腕は見事。
今回は作者の今までの作品よりもファンタジー色は強く、これを理由に読まず嫌いしている人も多いのではないだろうか。
私自身も読むまでは不安だった、箱を開ければ舞台が変わっただけの“いつもの伊坂幸太郎らしさ”は存分に出ている。
ファンであればぜひ読んで欲しい。

しかし、これを“伊坂節”が嫌いな人が読めばどうなんだろう?と考えた時、微妙かもしれない。
物語の面白さは終盤の“クーパーの兵士が透明になって国を守る”というあのシーンに集約されおり、それまではただただ支配されている国を猫と、あとあとになって活躍する“公務員の彼”の目線で語っていくだけ。しかも“公務員の彼”の方はほぼファンタジーの世界ではなく、読者である我々と同じ目線で状況を語るための相槌をいれる程度の存在でしかない。
最後の逆転もご都合主義というか強引すぎる気がしないでもない。
これは伊坂節にファンタジーをいれて解決手段をとるとどうなるか?
という試験的な香りもするが、いくら伏線や布石を張ってもこのオチは力技感はぬぐえない。
作者のファンである私は十分楽しめたが、万人受けするかは微妙。
個人的には85点。読書をしない人には70点くらいだよ。といってすすめるくらいの作品だった、思う。


個人的に伊坂幸太郎×ファンタジーは開拓していってもらいたいところ。
SFをかませた作品も出しているので、こちらもぜひ検討願いたい。
長々と失礼しました。

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