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先月(2017年6月)

寅さんさんのレビュー一覧

投稿者:寅さん

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数理経済学の源流と展開

2015/09/07 12:15

本格的研究を志す経済学徒必携の論文集

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「経済」という現象は、われわれにとって極めて身近なものであるにもかかわらず、それを厳密に語ることは極めて難しい。本書は、経済学に「妥協の余地のない厳密な論理を貫き通す」数理経済学について13名の気鋭の研究者のすぐれた論稿からなる論文集である。
 数理経済学は、経済学のなかでも数式のオンパレードな分野で、なかなか経済学徒にとってすら近寄りがたい分野だと言えるであろう。本書も確かに数式に幻惑されてしまったり、数理経済学と聞くや否や敬遠したくなってしまうこともある(だろう)。確かに、そう難しくないことをわざと難しい数学を使って説明するような、たちの悪い数理経済学の本もある。しかし本書は、いたずらに数式を使わなくてもわかってしまう内容を、仰々しく数式を使って語ってみるような、へんてこな数理経済学の書物では決してない、本格の研究書である。まずは、クールノー以降の数理経済学の歴史的な歩みや、効用理論の学説史に触れながら、均衡理論や経済動学についての最先端のトピックにも触れた良書となっている。論文集と言えば、玉石混交な論文を寄せ集めたものとなってしまっている書物も少なくないが、本書に収められたどの論文も内容のしっかりしたものとなっている。経済学の研究を志す者ばかりではなく、「経済」について語るものは、本書にしっかりと腰を落ちつけて取り組み、じっくり読み込むべきで、それに値する良書である。

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