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先月(2017年6月)

さぼってんさんのレビュー一覧

投稿者:さぼってん

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本影媛

2015/09/11 23:37

古代の靄靄

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第152回芥川賞候補作品。
太子は、聖徳太子ではありません。『日本書紀』巻16の武烈天皇、もしくは『古事記』下巻の顕宗天皇と言われています。地の文が現代文、会話が古文と使い分けられていて、研究者をもってしても、難解と扱われているようです。

その難解さの靄が全体を古代色に覆っていて、まか不思議な幻想をもたらしています。ちょっとつじつまがぁと思ったのが、太子(ひつぎのみこ)が10歳なのに、志毘(影媛のお相手)が歌垣で太子をやりこめる箇所。押し通したのでしょうか…。

ついつい著者が京大医学部の学生ということが、頭を過ぎります。「これは絶対外科だな」と思わせる描写が鹿の解体の部分。並々ならぬ関心の高さを感じます。

志毘の描写、影姫の描写はなかなか興味深いものがありました。影媛の同母妹(いろも)もかなり個性的でした。で、この同母妹、もっともっと書き込んで欲しかったと思います。

全体的にむずかしい漢字が使われていて、かなり読みにくいのですが、これは編集者の方で何とかして欲しかったです。次回作はどんな分野から?という期待大。

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MとΣ

2015/09/09 23:27

混沌トン

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「2とZ」「パレード」「MとΣ」という掲載順序は、とても妥当だと思う。

「2とZ」、今まさに進行中の移民大移動に通じている。ハンガリー経由のドイツ行き。そしてこの作品は「MとΣ」の前哨戦。
「パレード」、この作品単一だとどこに着地していいのかとても不安になる。ただ最後まで読み通したとき、うっすらと見えてくるものがある。それは「2とZ」・「MとΣ」の入り口。
「MとΣ」、三つの物語が平行して進行する。馬車馬のように働くサラリーマン内村。その着地点は、理不尽な課長を殴る寸前で止めること。マイク・タイソンのパンチは、瞬間移動して、ハヤミにそしてネルソン・マンデラ収監刑務所に飛んだ? そんな一見理不尽な内容を淡々と色づけしながら織り込んでいく。

これらの作品をわけがわからないというのは簡単だ。そしてそれでいいのではないか? かのカフカだってそうだったじゃないか!

次の作品がとても楽しみ!

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紙の本月夜に見参!

2015/09/09 21:34

くのいち小桜

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親子で楽しめる「くのいち」ものです。
教訓的な要素が濃すぎると、物語があまり楽しくなくなります。が、この作品は、ストーリーに全く手抜きをしていないので、大人も子どもも楽しめます。

ちょっと心に残ったのが、2度3度と出てくる、武士と忍びの生き様の違い。命の大切さを知ってもらいたいという、著者から小さな読者へのメッセージがさりげない。

歌舞伎・人形浄瑠璃などをさらっと折り込んであったり、歴史がちょっと垣間見えたり(当然ですが)、読みながら江戸の歴史も把握できます。

美男美女だらけのようですが、秀逸は市川桜花(おうか)。今後の登場が楽しみです。

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