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先月(2017年1月)

梨生菜さんのレビュー一覧

投稿者:梨生菜

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紙の本ミトコンドリアが進化を決めた

2015/10/30 04:46

ミトコンドリアを主軸にしたワクワクする進化生物学の一冊

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実のところ、「ミトコンドリアが進化を決めた」っていうタイトル見たとき、一体全体ミトコンドリアが進化を決めるって何じゃろな、なんかトンデモがかった新奇な進化学説でも開陳されるのじゃなかろか、という一抹の不安が脳裏に浮かびました。ところがどっこい、読んでみると、なかなかどうして極めてまっとうな進化生物学の本じゃありませんか。
細菌は生体エネルギーの生成(ATP合成)を細胞膜面で行うしかないから、比較的小さなサイズで、また小さなゲノムをすばやく複製し、分裂して個体数を増殖するほうが有利である。こうした選択圧がかかるため、細菌は大型化できないし、比較的小さなゲノムをもつ単純な生物以上には進化できない。こうした進化の壁を破って、千変万化な真核生物へと進化するためには、古細菌のメタン菌が好気性の真正細菌の共生し、さらに細胞内共生によってミトコンドリアという好気呼吸器官を獲得するという珍事(特異事象)がなければならなかったというのが、この本の一番の主張なのだろうと思います。これによって、真核生物はミトコンドリアというエネルギー生成エンジンを内部に多数抱えエネルギー効率を高めて大型化し、細胞壁を脱ぎ捨て活動的になりました。また大きなゲノムを蓄積できるようになり、多様化し更には多細胞生物への道を切り開くことができたのです。「ミトコンドリアが進化を決めた」という邦題は、このことを表しているのだと思えば、合点がいきます。
この本はさらに、細胞の自死ともいうべきアポトーシスがどのように獲得されたか、ミトコンドリアにとどまっている遺伝子があるのはなぜか、非対称な雌雄という二つの性があるのはなぜか、哺乳類や鳥類の内温性はどのように生じたか、老化という現象がおこるのはなぜか、そうした話題をミトコンドリアを軸に説得力のあるやりかたで解き明かします。
凄腕のシェフが鮮やかな手さばきで調理して出されたコース料理のような、ワクワク感のある説得力のある本でした。
ただ、この本は一応ポピュラー・サイエンスというジャンルに属すると思いますが、なかなか手強い本で、生化学や細胞生物学の基礎知識(たぶん高校の生物学くらいの)はあったほうが楽しめます。

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