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栗太郎さんのレビュー一覧

投稿者:栗太郎

8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本少年の名はジルベール

2016/02/03 15:00

際立つ個性

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

竹宮恵子と萩尾望都、お二方の作品とも好きです。少女漫画界の生ける伝説(もちろん現役)とも言えるお二方ですが、天才タイプである萩尾望都に対し竹宮恵子は執念と努力の人と言う感じがします。作品を読んでそう思っていましたが、本書を読んでさらに強くそう思いました。
 
  本書の読みどころは三つあります。まずは表題が示すように、7年間拒まれた編集者の壁を乗り越えて名作『風と木の詩』を世に問うまでの闘いというか創作秘話ですが、同じほど大きな読みどころとして、若き竹宮恵子が萩尾望都に抱き続けた「ジェラシーと憧れがないまぜになった気持ち(p168)」があげられます。
 もの凄く意識してグルグルしています。週刊連載作家として半年先まで仕事が埋まっていることを自負していた竹宮が、編集者の「何ページであろうと、萩尾には自由に描かせる。ページ数が少なかろうが、多かろうが、とにかく毎月、萩尾だけは載せる(p103)」という方針にショックを受けるくだりなど、特に。
 
 二人が共同生活をしていたアパートには多数の漫画家が集まった(通称大泉サロン)のですが、みなの話に耳を傾けるけれど、きっちり自分の時間を作って毎夜同じくらいの時間に自室に引き取って行く萩尾と、「もうそんな時間か」と気づきながら、仲間と明け方まで話に興じる竹宮。自分の絵があまり好きではなかった竹宮と、嫌いになったことはない萩尾。なんというかいちいち対照的で、面白かったです。

 そして三つ目の読みどころが、増山法恵さんの存在です。私は竹宮の『変奏曲』シリーズのファンなので、原作者として増山さんの名を知っていましたが、彼女が竹宮恵子という漫画家に対して、ここまで絶大な影響力を持っていたことを、はじめて知りました。まさにプロディーサー的存在です。(それで『変奏曲』シリーズの続編は、いつ出るんでしょうね?)

 いや、面白かったです。
 最終章で、『風と木の詩』掲載以後のことを詳しく書けば別の本が一冊できてしまうと、竹宮恵子は言っていますが、ぜひ!

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紙の本モンテ・クリスト伯爵

2016/01/02 22:48

素晴らしいじゃありませんか

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私、モンテ・クリスト伯には、かなり煩いですよ。完訳版はもちろん、アニメのノベライズも、子ども向け抄訳本も、現代日本で入手可能なものは、ほぼ網羅しているでしょう。その中でも、本書は素晴らしい出来栄えです。
 何が素晴らしいって、文庫本で7冊にもなる大河小説を漫画1冊にまとめていながら、外してはいけないポイントを絶対外していないのです。

 伯爵の運命の女であるエデがヒロインなのはともかく、マクシミリアンやヴァランティーヌ、エドゥワールと言った、原作での出番が多いとは言えない彼らを本書はしっかりと描きます。

 モンテ・クリスト伯の面白さの大半は、復讐に燃える傲岸不遜な男が、物語の終盤で己の行為に迷いを抱き葛藤するくだりだと思うのです。マクシミリアンには「己が傲慢」を気づかされ、ヴァランティーヌに「許すこと」を教えられ、エドゥワールに「罪」を突きつけられた。

 悪魔に魂を売った伯爵を、人に戻してくれたエデ。
 原作根底に流れるテーマ「待て、しかして希望せよ」を見事に表す傑作でした。

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紙の本夜市

2015/11/29 20:30

哀しくて、少し怖くて、優しい物語

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

角川ホラー文庫ですが、ホラーというよりファンタジー。
 日本でファンタジーと言うと、ライトノベルの剣と魔法とツンデレ少女系か、児童文学の壮大な異世界書いてみました系が二大流派で、日常から一歩を踏み出してしまった異世界、現実と幻想の狭間を描いた作品は発表の場がありません。
 ファンタジーの書き手はもっと沢山いる筈なのに、相応しい場に巡りあえずにいて、半ば無理やり「児童文学」か「SF」に自らを押し込んでいるのでしょう。
 そんな中、本書の作者が選んだ土俵はホラーでした。目から鱗が落ちました。そうか、迷えるファンタジー作家はホラー界に行けばいいのか。

 本作品は狭義のホラーではありません。ホラー要素を求めて読む方は期待外れに終わるでしょう。でも、これは素晴らしい作品です。哀しくて、少し怖くて、優しい。
 息をするほど自然に、読者は幻想の世界に誘い込まれます。

 作者のデビューは10年近く前になるのに、初読でした。今まで手に取らなかったことを後悔するけれど、これから待たずに何冊も読めるので今、浮き立つような気分です。

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超えることのできない偉大な作品

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

結局、SFは「漂流教室」に還って行くように思います。あ、「デビルマン」も捨てがたいですが。
 現在、未来の作家たちが描こうとしていることを全て、この作品は描き切っちゃったのではないでしょうか。凄い作品ですね。今ならきっと「教育的配慮」とやらで連載中止に追い込まれそうですが、小学生がまさに人間の本質を見せつけてくれます。
 醜さと美しさ、絶望と希望。この大河ドラマを文庫版で6巻に纏め上げたところが、また素晴らしい。同じ作者の「14歳」より完成度は高いと思います。
 ちょっとグロテスクな場面もありますが、もの書く人々にとって、ある種バイブル的な作品なのではないでしょうか。

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紙の本天の梯

2015/11/21 13:20

予言に縛られることなかれ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

主人公の澪と親友の野枝は幼い頃、高名な易者に、それぞれ「雲外蒼天」「旭日昇天」の相を持つと予言された。澪は「苦労の多い人生だが、その苦労に耐えて精進すれば、必ず青空が拝める」人生であり、野枝は「天下取りの強運」の持ち主であると。
 易者の言葉は二人を支え、時に縛る。読み手である私もまた、そこから完全に離れることができなかった。
 澪を例にとれば、彼女の幸せは、料理人として店を構え、あの人と結婚することだと、誰もが思うだろう。でも、それは「普通」の幸せなのだ。次々と澪に降りかかる艱難辛苦を見るにつけ、その果てに見あげる青空と言うほど大仰な幸せか? と思ってしまう。 
 一方で、吉原一の太夫となった野枝にとっての「旭日昇天」とは何だろう? 商売の世界で天下を取るか、やんごとなき方に見初められるか、よもや、天に召されてしまうような事態が起こるのか、やきもきしてならなかった。

 二人の娘の運命や、いかに?
 
 結論を言えば、これ以上ないほどの大団円。
 澪の幸せは、予想通りであったけれど「なーんだ、普通じゃないか」とは思わなかった。野枝を、ああいう形で取り戻せたことが、澪の空を曇りなく輝かせたのだ。野枝が大門を出るくだりでは思わず涙が出た。旦那衆、格好良すぎるでしょう。澪の想いや、何より野枝の人柄があってこそ、周囲の人も尽力してくれたのだと思う。ああ、又次の死だけが悔やまれる。
 最終巻は、二人だけでなく、シリーズ登場人物の総出演となり、あの人もこの人も顔を見せてくれて大満足。最後の一冊において、急に流れが速くなり、何もかも上手く行きすぎの感も、少しだけあるが、本当に少しだけ。これからも、澪をはじめ登場人物みんなの人生に、幸あれ。

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紙の本宇宙兄弟 27

2015/11/24 12:28

むむ、納得いかないぞ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

せりかさん受難の巻。彼女を心配し、憤るわけですが、なんだか納得いかないのは…・・・せりかさんって、そんなに人望なかったっけ? と言うことです。

 一緒に働く仲間が信頼するのは当たり前ですが、地元商店街の人たちの手のひら返しが不思議でした。お母さんも、ちょっと揺らいでいましたね。せりかさんは子どもの頃から、変り者、ちょっと問題ある子と見做されていたようですが、ご近所の絆ってそんなに脆いものかしら?   
 だって六太が同様の事件に巻き込まれたと想像してみると、家族はビクともしないだろうし、ご町内の人たちも六太を信じると思うんですよ。 

 せりかさんは優等生で、仕事や研究に熱心になるあまり、人との絆を若干軽視してきたツケなのかな。良くも悪くも「私は私」「他人にどう思われても良い」という彼女の生き方が今回はちょっと裏目に出たのでしょう。
 ただ、それならそれで、せりかさんがネットの悪意にあそこまでショックを受けるのも、ちょっとおかしいような気がしました。「凡人」「賢人」「暇人」の喩で言えば、「暇人」の言うことなんて聞き流せばいいのに。

 そのあたりちょっと納得いかなかったけれど、実験に成功の兆しが見えて良かったです。

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むしろ絶望の書

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

将来に不安を抱えるハケンちゃん(30代半ば)が、マネー・プロフェッサーに出会い、60歳までに2000万円作る方法を教えてもらい、前向きに生きようとする本です。貧困層に希望を与えたかったのかもしれませんが、無理です。
 むしろ読めば絶望が待っているでしょう。

 時給1000円のハケンちゃんが「ちょっときついかもしれないけど」毎月3万円を投資に回して、それを年利5%で回し続ければ60歳までに2000万円になるという、絵に描いた餅はともかくとして・・・・・・彼女はその為に、お金がかかる人生のイベントを全て無視するか、諦めるしかないのです。

 人生に幾ら必要か試算するページがあるのですが、
 同じく派遣のAさんに見積もられている結婚費用や出産費用、住宅購入資金、子どもの教育費が、ハケンちゃんには見積もられていません。だって、無理だから。
 正社員Cさんに見積もられている、海外旅行や住宅のリフォーム、親の介護費用なども、ハケンちゃんには見積もられていません。だって、無理だから。

 人生の楽しいイベントも、リスクも全てから目をそらし、ただ老後資金2000万円だけを作り出す人生。生きている意味、ありますか?
 友人が、30代半ばで時給1000円で働いていたら、死に物狂いで転職しろとアドバイスしますけどね。「お金にもお金を稼いでもらう」なんて言っている場合じゃない!

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作文アレルギーは治るかもしれませんが

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書を読むと、作文アレルギーは治ると思います。今まで書くことに苦手意識を持っていた方も、40分で何かしらの文章は書けるようになるでしょう。そういう意味で、役立つ一冊です。ただ、決して40分で「小説」が書ける本ではありません。
 
  講座で生まれた実際の作品例が載っているのですが、料理に例えると
 
 野菜や肉を切って、とりあえず火を通しました。食べてもお腹は壊しません。素材の良さと、食べる人の状態(腹ペコとか)によっては美味しいかも。

 という段階です。
 これで「ショートショートが書けました!」と言うことは、業界を盛り上げるどころか、かえってショートショートに対する評価を下げるのではないかと危惧します。
 それではいかんと思ったのか、後半には又吉直樹さんとの競作ショートショートも載っていて、こちらはもちろん、人様にお出しするキチンとした一品になっています。

 とりあえずお腹は壊さない食べ物から、家族が喜ぶ美味しい家庭料理、金を取って人に食べさせることができる料理、特別の日のディナーに選ばれる料理と、料理にも段階は色々ありますが、本書を手にする人は、少なくとも家族に好評で、お裾分けしても恥ずかしくないレベルの料理が作れるようになると期待したのではないでしょうか?
 でも蓋を開けたら、包丁を持って野菜を切ってみましょう。ちょっと肩透かしでした。

 また、40分のワークにも疑問が残りました。講座で使用されるメソッドは、確かに誰でも出来る(むしろコンピュータが得意そう)便利なものですが、ガチャガチャポン方式で作り出した作文に、何の意味があるのでしょう。
 帯に「小学生からシニアまで、自分の隠れた才能に驚いた!」という言葉があるのですが、私はその人たちに聞きたいです。

 40分で誰でも書ける物を量産して、それであなたは満足ですか?
 小説を書くと言うことは、単なる作文から一歩も二歩も進んで、自分にしか出来ない何かを表現することではないですか?

 色々書きましたが、作文アレルギーのお子様には、良い一冊だと思います。

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