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H2Aさんのレビュー一覧

投稿者:H2A

26 件中 1 件~ 15 件を表示

鹿島茂最高傑作

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怪帝とは誰か。2月革命の果実を奪い第2帝政を引いたナポレオンの甥、ナポレオン三世。時代遅れの帝政でさぞや不便な時代かと思いたくなるが、実際にはフランスの産業界、経済界が勃興しはじめた時代だった。パリ大改造を成し遂げ、国内の鉄道網を整備し、後のベルエポックを準備した男。サンシモン主義者でユートピアを夢見た最後の皇帝。その最盛期はプロイセンのビスマルクの術中にはまって始めてしまった普仏戦争によりあっけなく終わる。この人の生涯を辿ると「なぜ?」という言葉を連発したくなる。掴みがたいが、凡庸な人物とは程遠い人物である。この本は鹿島茂の最高傑作だと思っている。

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紙の本フランス組曲

2017/07/25 23:45

幻の作家

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ネミロフスキーは最近とみに話題に上がる作家。この大作ではドイツに占領されるパリから市民たちの混乱と様々な逃避行を描く。そして第2部ではそれから少し時間が経って被占領民としてドイツ兵を受け入れるフランス人と、占領者であるドイツ兵との交流。特にリュシルと、ドイツ兵との微妙な恋愛が描かれる。おそらくフランス人が忌避したい記憶を触発する内容を、突き放しながらもかなり細密に描いているので、もっと近い時期にこの未完の大作が出ていても受け入れられなかったかもしれない。この作品が書かれた伝記的な事実も興味深いが、何といってもこれだけの物語が読めたのは満足だし、未完であったことはやはり残念。

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紙の本三四郎

2017/07/23 17:41

文豪の名作

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一般的に名作と称されるものには粗さがしをしてしまうのだが、この『三四郎』は心から名作だと思える。ファムファタルの典型の美禰子のわけのわからなさ、思わせぶりな言葉、仕草を投げては三四郎を翻弄するが、ある種の哀しさが滲み出す。うぶな三四郎の目に映る世界に対する戸惑いが全編を覆う。その周囲の人物も魅力があり(与次郎が飄々とした悪友ぶりが素晴らしい)、優れた青春群像劇に仕立てられている。別れの場面で「我は我が咎を知る。わが罪は常に我が前にあり」と美禰子がつぶやく場面は当然のようによく覚えている。それから新版は和装のようになっていて品があって良く買いなおした。

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『鳥』他を収録

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『さんしょうっ子』『きつねの窓』、それに何といっても『鳥』を収録。『鳥』は中学校の教科書に載っていて、作者名も作品名も忘れてしまいネットで偶然発見したものだったので、とてもうれしい買い物だった。海辺で繰り広げられる少年少女の恋愛物語で、中学生には強い印象を与えた。カーテンが風になびく擬態語が「しゃらっと」だったり感覚が瑞々しく大人が読むと身につまされる。ほかの短編も日本古来の素朴な文化に乗っていて、どれも良い内容で、作者のエッセイも収録された本格的な本づくりで評価できる。

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記念碑的大作

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共和主義、民主主義の代弁者を自負するフランスの、もうひとつの「失われたエコール」、つまり通称コラボラトゥール(対独協力者)の系譜をテーマにした記念碑的評論。取り上げたのは先駆者としてゴビノー、バレス、ナチスムの時代に遭遇したモーラス、ドリュ・ラ・ロシェル、ブラジヤック、ルバテ、そして遅れてきたニミエ。その後でこのテーマをこれだけに規模で追求したものはない。呪われた作家たちに異常に没頭しながら、彼らが強いられもせずに、なぜファシズムに心酔し、対独協力したかを福田はおそらく自らに重ねて語り紡いでいく。ここ数年で最高の読書だったことは間違いない。福田氏が20代の全てをそそいだ最高の仕事だと思う。

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題名以上に興味深い

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危機感を煽る題名とは正反対で冷静かつ論理的な書きぶりで、作者の予測、敵国の指導者の立場を想定して日本のどこに落とすのがより的確か(と考えるのか)を述べている。先制攻撃の場合には第一目標は横須賀の米軍基地で、2番目は・・・と続く。全面戦争の場合には日本には数発程度、おそらく東京に3発の地表爆発と明解。ご安心くださいとまで言うのは、日本の国土は山脈で区切られているので被害は極限されるという。核兵器の軍事技術的な記述にも事欠かないが、兵器好きの物言いとばかりは言い切れない。北朝鮮の核攻撃については政治的なフェイクで、最も危険なのは中国と考える。弾道ミサイル迎撃システムはICBMの撃墜はまず無理。相互確証破壊の概念を説明するくだりにいまさら納得。そして電磁パルス攻撃には触れられないのが不満な点。分け知り顔に敵との「対話」の有効性ばかり叫ぶ政治学系の評論家にこそ読んでもらいたい。

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名のみ高い女帝の伝記

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マリア・テレジアというとハプスブルグ帝国の頂点を築いた女帝として高名な存在。しかし伝わるのはこの表紙と違って晩年の風格ある肖像で、政治にのみ生きマリー・アントワネットを不幸な政治結婚の犠牲にしたということぐらいではないだろうか。ここで描かれるマリア・テレジアは全く異なる。即位したごく若い時から、フリードリヒ大王などの列強に抗すべく国内の支持を取り付けるのに奔走し、伴侶を得てからは家庭に生きて子を多くなし、その仕草は優美でハンガリーでは支持を取り付けるために子を抱いて訴えたという女性らしいもの。「女帝」という風格を身につけるのは、女王という資格だけでなく家庭でも政治でも大変な労苦なくして得られない難事だったのだ。なぜか取り上げられることの少ない偉人の稀少な伝記。

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ゼロポイント

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仏教とその思想に出てくる悟りとは何か、また悟った後で釈迦はなぜあえて生きて布教に従事したのか、この当たり前の問いに回答するのが本書の内容。それでその答えが端的にわかりやすく書かれているかというと、かなりうまく端的に述べていると思う。著者はブッダの教えはわかりやすいというが、それでもその理解が簡単だったとは言えない。大乗仏教に偏る向きが多い中、この著者はあえて上座部(小乗、テーラワーダ?)仏教の視点から本を書いている。使用する用語に漢字をアルファベットを併記しているのも自分には好ましく初心者にもわかりやすくなるよう、索引も付いていて説明している。自分程度の初心者には良い本ではないかと思う。

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紙の本日本の愛国心 序説的考察

2017/07/31 03:19

愛国心

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佐伯啓思の本は何冊か読んできたが、この本の題名は日本の愛国心、そう愛国心を論じている。戦前の思想界の状態から戦後の統制され抑圧された自虐的な自国への感情を綴っている。とりわけ保田輿重郎や江藤淳という文藝評論家の業績を丹念に追いかけて、結局萬葉集に現れたますらをの思想にたどり着く。言いたくないのだが、そこには日本の持たざる哀しさがあるのだと著者は述べる。陰謀史観すれすれのところを行くが著者の言わんとするとこをはわかるように思う。

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日本の仏教思想史

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日本の仏教思想史で新潮文庫に入っている。慣れない読書で、入門とは言っても結構難しい。普通は聖徳太子ぐらいから鎌倉時代ぐらいで終わってしまうのだがこの本はもっと遠く近代までをカバーしている。ハンディだが本格的な内容。

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アメリカに戦争責任はあるか

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ストレートな問いに、石原莞爾がトルーマンが戦争犯罪者だとアメリカ人記者に語ったというところから始まる。ここから時系列を追ってアメリカの政府内やトルーマンや当時の国務長官の発言、記録を丹念に追い、日本政府内の終戦に向けた動きをたどる。原爆は落とす必然はなかったと言う。また原爆投下を受けてポツダム宣言を受諾したのではなく、むしろソ連参戦の方が日本の指導部に与えた影響は大きかったと見ている。アメリカはなぜあえて原爆を投下したのか。それ自体が目的であったと判断を下す。そこに人種的な偏見があったことも冷静に認めている。アメリカは占領期に入って言論統制と思想の埋め込みを図って、それは日本自身の手で今も遂行されて、この本のような問いが公にされることは少ない。ことさら右でも左でもなく丹念に終戦への過程を追っていて面白い。

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紙の本デパートを発明した夫婦

2017/07/31 01:03

オボヌールデダム

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ゾラが「オボヌールデダム百貨店」を書く際に参考にした世界初の百貨店の物語。第2帝政時代の勃興しつつある資本の力を描かせると、著者の筆は冴える。ボンマルシェ百貨店の経営方針が、現在の「CSR」なんかを遥に先取りしていたことに驚くし、読み物としても一流のおもしろさ。

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紙の本第一次世界大戦

2017/07/25 23:30

忘れられた大戦

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ヨーロッパで大戦といえば、第一次世界大戦を指す。それほどヨーロッパではこの最初の世界大戦が近代史を画する大きなインパクトを持つ事件だった。大戦の起こりから、拡大していった様子をつまびらかにしながら、この類の書にありがちな(銃後の世界など些末事で重要でないと言う政治学者のように)戦場の様子を切り捨てずきちんとページを割いている。この国力を挙げた総力戦の結果はそれまで数世紀もヨーロッパ史に居座り続けたいくつもの帝国を終焉させた。おもしろい。

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紙の本少将滋幹の母

2017/07/23 17:52

名人芸

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谷崎というと変態的な趣味が色濃く表れて好き嫌いが分かれるのが、ある意味当然。この後期の作でも、作者ならではのその嗜好が出ている。幼い頃に奪われた母を求める繁幹から見た、哀れな父の姿と宮廷の色恋沙汰と駆け引き。ふんだんに使われる挿画が雅な世界を現出される。それに対比するように滑稽だがおぞましい挿話が挟まれた後で母との再会で大団円になる。あんな場面は有り得ないのだけど、画として強引に成立させているようで、不本意にも感動してしまう。

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創作童話

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『花豆の煮えるまで』は珍しく連作で、山村に暮らす少女小夜の日常を描いている。『エプロンをかけためんどり』は、残酷な結末がショッキング。同じ言葉を繰り返すめんどりの話し方が遷ってしまうが、この話はよく覚えている。作者は50歳で亡くなったというが、純粋に残念だと思う。

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