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ヨウスケのパパさんのレビュー一覧

投稿者:ヨウスケのパパ

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紙の本証券化と債権譲渡ファイナンス

2016/01/08 15:30

証券化とその上位概念の「債権譲渡ファイナンス」 概説書兼研究書兼歴史書

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「証券化」と著者が創造した証券化の上位概念としての「債権譲渡ファイナンス」について、多面的な考察を加えている。本格的な概説書であり著者のこれまでの研究成果の集大成ともいえる研究書である。必ずしも時系列順に記述されている訳ではないが、日米の証券化取引の発祥からリーマンショック後の規制強化やごく最近までの市場環境の変化について、重要な事象や事件が網羅的に記述されており、証券化の歴史書でもある。
証券化を題材にとりあげる書籍は少なくはないが、その大半が、証券化という事象あるいは金融取引形態のひとつの側面だけをとりあげ、または、ひとつの専門分野における視点からのみ論じたものになっている。アメリカにおける証券化事例の紹介であったり、リスク評価・価格評価手法であったり、法制度面での考察に終始したりといった具合である。一般的な概論書の類も多い。本書はこうした事例とは一線を画している。ひとりの著者による著作物でありながら、様々なアプローチを用いて多面的に証券化と債権譲渡ファイナンスについて深く論じている。本書がカバーする専門分野としては少なくとも制度論、法、経済学、会計・税務にまたがる。法的な側面について論じる際にも、民法、倒産法、金融商品取引法等の金融取引規制と多面的な視点から、具体的な事件や判例に言及しつつ考察を加えている。
本書について特筆するべきことは、金融システムについて語るときも、証券化に密接に関連する様々な事象や事件について言及する際にも、著者は広い視野を保ちつつ、日本から視点を決してそらしていないということである。もっとも、日本国内だけに目を向けている訳でもなく、アメリカにおける証券化の発祥と発展過程や、サブプライム問題を契機に発生した欧米の金融危機についても言及している。
著者のいう狭義の証券化(流動化を含む)と、その上位概念として著者が創造した「債権譲渡ファイナンス」は、実に知的好奇心をくすぐる。取引組成の場面でも、投資判断の場面でも、民法や倒産法との関係はきちんと理解しておく必要があるし、裏付資産に内包される各種のリスクも把握し評価する必要がある。実務には、会計上の問題、税務上の問題、金融取引規制や金融機関規制の問題は避けて通れない。証券化で実務経験を積んだプロフェッショナルの経験とノウハウを活用するためにも、債権譲渡をベースとした金融のフロンティアの拡大を望みたい。
本書は2015年11月下旬に発売されたが、その直前の2015年夏頃までの事象を漏れなく言及している。著者による厳選を経た参考文献リストも充実している。現在の日本の流動化・証券化取引は、過去の積み重ねの上に成立している。そうした経緯を学ぶためにも本書は有用である。実務者にとっては座右に備え置くべき必須の参考書である。

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