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けいちゃんさんのレビュー一覧

投稿者:けいちゃん

133 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本人新世の「資本論」

2020/10/25 18:51

現実的でない部分はあるにしろ、理想論としては今の社会に必要

29人中、27人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

マルクスの思想から、人新世における気候危機、格差社会、資本主義経済への根本的対処を考えるのが本書の営みである。
個人的には以前から、資本主義の仕組みは既に限界で、脱成長経済が必要であると考えている。そこで出会った本書の考え方は、大いに示唆を与えてくれたものの、あまり現実的ではなく、理想論に過ぎない部分がまだ多いように思えた。

富の考え方として、「私富」や「国富」に現れてこない「公富」=コモンズがあり、コモンズを軸にしたコミュニズムによって、希少性により価値を生み出す資本主義に対抗するというのは面白い。
コロナ禍での各国における危機に際しても、コモンズが豊かな方がレジリエンスは高まるだろう。

ただ、個人的に感じたのは、崇高な理念から始まったワーカーズ・コープ等の活動も、そのままでは資本主義に飲み込まれていってしまうのではないかという危惧である。
本書で出てくる、本当に必要な仕事であるエッセンシャル・ワークの例として、ケア労働が挙げられている。確かに、ケアワークは社会に必要な仕事であるし、その仕事自体に価値がある。だが、ケア労働に付帯する作業の一切合切がすべて不要なものとして切り捨てることができるのか、疑問が生じる。
確かに、経営者や管理職などで、不要な労働に付加価値を付けている例は枚挙にいとまがないだろう。しかし、人が集まり、組織ができてくると、組織として必要な管理業務が発生する。
組織を形成せずに、すべてのエッセンシャル・ワークを個々人が行うことを想定しているのだろうか。だとすれば、それは現実不可能な理想論になってくる。

本書に「石油メジャー、大銀行、そしてGAFAのようなデジタル・インフラの社会所有こそが必要」とある。確かに、デジタル・インフラもコモンズとして皆が使いたいときに平等に使うことができれば、それは理想的な社会だろう。
だが、そのデジタル・インフラの運用は誰が行うのだろうか。それもエッセンシャル・ワークとして社会に必要な仕事になるだろうが、それこそ一人の個人でできるような作業ではない。幾人もの人間たちがチームを組んで事に当たる必要がある。そうなれば、本書で切り捨てられているコンサルティングのような仕事も必要になってくる。

本書の最後の方にあるように、3.5%の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が変わるというのには、勇気付けられる。
しかし、具体的な行動を実践できる人が果たしてどれだけいるだろうか。

私のような、総論賛成、各論反対の個人たちをどう動かすか。
無限の経済成長という虚妄との決別、持続可能で公正な社会に向けた跳躍というのは、理想論としては素晴らしいが、どうやって実現していくか。どうやって人間たちに一歩を踏み出させるか。
ただ、理想がないと人間は動かないのも真理である。
現実的なところは今後の議論が必要にしろ、理想論としては非常によく、今の社会に必要な一冊。

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電子書籍悪役令嬢転生おじさん(1)

2020/12/30 16:58

ありそうでなかった、誰も不幸にしない漫画

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

異世界転生、悪役令嬢、おじさんという、それぞれのキーワードものの漫画や小説は多くありますが、それらをすべてごった煮にした漫画は、ありそうでなかったものです。
すでに確立されたジャンルの良いとこどりで、とてもよい漫画になっています。
連載前にtwitterに上げられていた版をたまたま読んでいましたが、そこから更にレベルが上がって面白くなっていると思います。
誰も不幸にしない漫画です。

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紙の本椿井文書 日本最大級の偽文書

2020/08/31 22:22

良質のドキュメンタリー

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は、椿井政隆が近世(江戸時代後期頃)に著作した偽文書である「椿井文書」を巡り、その偽文書が書かれた時代背景や、それが現代に至るまでどのように流布し、一部の自治体などにおいて公的な資料として受け入れられてきて、歴史研究や社会にどのような影響を与えたかについて切り込んでいる。
事実を積み上げていき、謎を解いていくさまが、ドキュメンタリーのようであり、推理小説のようでもあり、とても惹き込まれる。

本書でも触れられている「東日流外三郡誌」や「竹内文献」は、その荒唐無稽な内容から研究者からは相手にされていないものの、一般の人(特にオカルト好きな層)には一定の支持がある。研究者が、わざわざそれを否定するための研究を行わないために、一般に流布された内容が打ち消されることがないという指摘は面白かった。
また、歴史研究では古代・中世・近世・近現代といった時代ごとや、文献史学と美術史学などの学術ジャンルなどで研究が蛸壺化し、ある研究者たちでの偽書に対する共通認識が、他の研究者たちには共有されていないという指摘も興味深い。
偽文書の活用として、偽史が出てきたこと自体に対しての歴史研究や、大衆文化史への影響研究などに触れられていたので、これからは各分野を横断的・総合的に見ていく研究学問も面白そうである。

今の時代は、インターネットに非常に多くの情報が流れているが、その情報は玉石混交であり、「偽史」や「偽書」というべきような情報も多い。
インターネットだけではなく、本や雑誌、テレビなどが発信している情報であっても、「真実」かどうかは受け取り手が判断をしなければならない。この傾向は、昨今の新型コロナ禍を巡る騒動で顕著になった。

「偽史」や「偽書」を作成する目的が、自分自身の利益など利己的な動機であれば分かりやすいが、世の中には、そのような理由からではなく、良心から「嘘の情報」を広めてしまい、それがデマや流言となることがある。
椿井政隆がどのような動機で「椿井文書」を作成したのか、正確な動機は分からないが、一人の人間が生んだ「偽文書」が、様々な人々のそれぞれの動機から広まり、利活用され、その影響が広がっていく過程はとても好奇心を揺さぶられた。
日本の歴史研究に一石を投じる衝撃的な一冊。

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まさに王道

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

さすが、一大ブームを巻き起こしただけあり、ジャンプ漫画としては王道なラストバトル、そして終わり方も王道ですね。
最後のエピローグもよかったです。
だらだらと引き延ばさずに、ここで終わらせたことは英断だと思います。

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NFTの包括的なガイドブック

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最近耳にするようになった「NFT」ですが、それが何なのかいまいち分からず、本書を読んでみました。
本書はオムニバス形式で、様々な専門家が自身の専門分野からのNFTを語っており、勉強になります。
ただ、そういう形式なので、一本筋の通った「教科書」というより、自分の気になるテーマからつまんで読める「ガイドブック」的な本です。
共同編集代表の増田氏は、ブロックチェーンが大きな話題になる2017年以前から関わっており、ブロックチェーンやNFTの日本における第一人者といってよい方でしょう。
ページ数300以上の密度の濃い本ですが、NFTについて包括的に勉強できる一冊です。

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ありそうでなかった観点の本

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ITコンサルやエンジニア向けのシステム開発プロジェクトの指南書は多くあるが、ユーザー部門向けにシステム開発をさせる側としての解説書は、ありそうでなかったと思う。
本書でも触れられているが、システム開発をIT部門やITコンサル、ベンダーだけでやろうとすると、高確率で失敗する。経営層や業務部門の協力が必須であるし、もっと言えば関係者がOne Teamにならなければいけない。
本書に記載されている具体的なプロセスは、必ずしもこのとおりやる必要はないと思うが、最初の方に記載されている「ゴール(Why)」を明らかにする」ことは、どのようなプロジェクトでも必須であり、ゴールをステークホルダーで共有できるかどうかが、プロジェクトの成否を決めるように思う。
DXがバズワードになって久しく、ユーザーが置いてけぼりになったプロジェクトの失敗例が巷にあふれている今こそ、すべてのユーザーにおすすめの一冊。

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ネコやトラでも組織で生きられる時代に

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自分自身のキャリアを考えたときに漠然とですが、組織のイヌやライオンには向いていないと思っていたので、組織のネコやトラとしての働き方は目から鱗でした。
「組織のネコ度チェックリスト」は満点でした。これからは組織のトラになれるようがんばります。
「組織のトラの共通特性」という具体的な目標ができたので、今は組織のネコの人でもがんばれるという意味でとてもよい本です。
あとは、「ネコ・トラが生息しやすい環境のつくり方」にあるようなことを、組織側ができるかどうか。
これから組織のあり方も変わっていく時代にあたって、個人のキャリアや組織のあり方を考えるために、重要な一冊です。

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知っておくべきデジタル政府の失敗の歴史

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

個人的に昔、SEABISやGIMA、人給など府省共通システムに断片的に関わったことがあったので、興味深く読みました。
日経コンピュータや日経クロステックの過去記事からの収録が多いですが、それが「デジタル政府の失敗」というひとつのテーマでまとまっていることに本書の価値があります。

e-Japan戦略から始まる政府のデジタル政策の大きな流れや、その過程で起きた特許庁、年金、人給といった失敗事例がよく分かります。
直近で起こったHER-SYS、COCOA、G-MIS等についても問題の経緯を詳細に記載しており、とても分かりやすかったです。

失敗事例だけではなく、政府CIOによる立て直しの記録やBPMの導入、農水省によるSlackを用いた自治体や農業従事者とのコミュニケーション事例など、成功事例についてもいくつか触れられていたので、示唆的な内容もありよかったです。

自治体の失敗事例として、京都市の事例が詳細に載っているのもよいです。まだ民事調停も続いているところですが、判例として旭川医大とNTT東の発注者側責任を問う判決事例と並んで後々に残りそうなものなので、最新の状況も踏まえて経緯が記載されており、読みごたえがありました。

本書の記載内容に関しては中央省庁や自治体の情報なので、失敗事例についても契約情報など基本的にはすべて公開されている情報であり、本書独自の情報としては、いくつかあるインタビュー記事の内容くらいかなと思います。
ただ、公開情報であっても、それが時系列的に網羅的にまとまっているので、本書には資料的な価値が十分にあると思いました。

これから政府も自治体もデジタル化が大きく進んでいく中で、それに関わる人たちは、本書に記載されている内容は知っておき、過去の失敗を繰り返さないようにする必要があると思います。

特に地方自治体は基幹系システム17業務の標準化を「25年度末までに統一」という話が降って湧いてきたところで、「標準化」の中身が明らかでない中でもBPRを進めなければならず、国の「業務・システム最適化計画」の失敗を繰り返さないように早急に検討を進めなければなりません。

発注者側のガバナンス、BPRを含めた仕様の作成、ステークホルダーの協力体制など、当たり前のことですが、プロジェクト現場に入り込むとなかなか問題が見えにくくなってしまうことがあります。
その時に、過去の失敗事例を知っていれば、「ヤバい」という勘所は掴めるようになると思います。そうすれば、何が「ヤバい」のか落とし込んでいき、足りないリソースは外部コンサルでも使って埋めていくことができます。「ヤバい」ことの具体的な原因は組織やプロジェクトによっても異なりますし、まずは「ヤバい」ことに気付けることが大事かと思います。

今年の9月にデジタル庁ができることで、国や自治体だけではなく、民間企業への影響も多かれ少なかれ色々な形で出てくるのではないかと思います。
「DX」がバズワードになって久しいですが、民間企業も政府の失敗事例から学ぶところは大きいと思います。
政府だけではなく、自治体でも民間企業でも、デジタルに関わる人は読んで知っておく価値のある内容の一冊です。

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「北海道開拓銀行を買収するわ」

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

帯の「北海道開拓銀行を買収するわ」というセリフに惹かれて衝動的に購入しましたが、面白かったです。
金融経済や政治など、平成史がとてもよく分かります。
もしもこんな悪役令嬢がいれば、今の日本はどうなっていたのだろうか。
主人公の桂華院瑠奈をはじめ、キャラクター達も魅力的でストーリーも面白いです。
次巻では政治の大きな動きに巻き込まれていくようで、続きが気になります。

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紙の本熊楠と幽霊

2021/02/28 23:44

等身大の人間である熊楠の生きざまと、不思議体験の考察の両方ともが面白い

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

博物学、民俗学の分野で多大な功績を残した地の巨人である南方熊楠。
本書にもあるように、私自身も含めた多くの人は、水木しげるの「猫楠」での超人的なイメージが強いかもしれません。
「猫楠」でも息子の熊弥との関係は描かれていましたが、本書では父親である弥兵衛との関係や、熊楠が自身を親不孝者と思っていた節があること、自身の精神状態への不安など、等身大の人間としての熊楠が描かれています。
熊楠が生きた時代はアメリカやイギリスで神秘主義が流行っていましたが、熊楠は「オッカルチズムごとき腐ったもの」としてオカルトや、宗教を装ったインチキを激しく糾弾していました。その一方で、英国不思議研究会(心霊現象研究協会)には興味を持ち、自身の幽体離脱体験などの不思議体験に対しては分析考察を試みています。
現代においてはコロナ禍における社会的不安もあり、似非科学や陰謀論が蔓延し、一部ではカリスマ的な人が詐欺まがいのビジネスを行うなど、熊楠が生きた時代と空気感が似ている気がします。スペイン風邪やペスト、コレラなどの流行り病があったことも現代と似ています。
「オッカルチズムごとき腐ったもの」が流行っている中で、流行に流されずに、冷静に自分に起こっていることを分析する熊楠の態度は、現代社会を生き抜くうえで参考になる部分があるように感じました。
熊楠は決して超人ではなく、家族との関係や、自分自身の健康や精神状態に不安を持つ、等身大の人間です。本書ではそんな一人の人間の生きざまについて知ることができる、読みごたえのあるとても面白い一冊です。
そして、ろくろ首や河童、幽霊や心霊現象などに対する熊楠の考察も知ることができて二度おいしい一冊でした。

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電子書籍妖怪ハンター 1 地の巻

2020/11/14 16:57

日本の民俗、考古学への憧憬

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

考古学者・稗田礼二郎の民俗学や宗教学などの知識を駆使した、不思議で異様な題材の研究ストーリー。
45年以上前の漫画ですが、2020年の今読んでも面白いです。
フィクションとノンフィクションがよい塩梅で混ざっているのが、とても興味深く読まされます。

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自分が悲劇の元凶となる時にどう動くか

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

異世界転生ものも悪役令嬢ものも多くなりましたが、本作は主人公が「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王」ということで、他の作品とは少し違います。
自分が悲劇の元凶となる時に、自分自身だけではなく周りを救うためにどう動くか、という視点が面白いです。
キャラやストーリー、絵もよく、読ませます。

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電子書籍裏バイト:逃亡禁止 1

2020/08/31 22:19

期待のホラー漫画

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

単純なホラーではなく、不条理、不可思議、ギャグなど様々な要素が入り組んでおり、面白い。
現実にあり得なさそうだけど、もしかしたらと考えてしまう。
主人公二人のキャラもよい感じ。

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カタリナ様のキャラが素敵すぎ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

前巻の展開から続き、この世界の秘密に振れます。そして、物語はクライマックスの最終イベント「卒業式」へ。
皆から好かれるカタリナ様のキャラが素敵すぎます。
幸せな悪役令嬢です。

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カタリナ様が、とてもよいキャラ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

悪役令嬢の転生ものです。
主人公のカタリナ様が、とてもよいキャラです。
1巻はまだ序章ですが、主要キャラとの出会いと、それぞれとの勘違いが見ていて楽しいです。
読んでいてほっこりします。

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