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ナミさんのレビュー一覧

投稿者:ナミ

398 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本パラダイス・ロスト

2016/12/07 10:34

期待を裏切らない面白さでした。注目したいのは、3話「追跡」である。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

期待を裏切らない面白さでした。短編であるので要点が明確だし、読んでいても集中力の続く内に完結するのも良い。さて、シリーズ3として注目したいのは、3話「追跡」である。イギリスの新聞記者であるスパイが、D機関の“魔王”こと結城中佐の実体に迫るのだが、逆に結城中佐の罠に嵌ってスパイとしての自分の身分を暴かれてしまい、もっとというより最悪の事態として、これまで日本国内で作り上げてきたスパイ網(アセット=資産)情報まで奪われてしまう。多分、結城中佐の側では、彼が周囲を嗅ぎまわり始めた瞬間から彼を無力化すると同時にアセットの“乗っ取り”を画策したという筋書きと推測した。彼は、限り無く結城中佐の実体に肉迫したと思うのだが、それに目を奪われてもっと大きなゲームに敗れたと言ったところか。あのジョン・ル・カレが膨大な紙面を使って描き出す世界を短編で楽しませてくれるのだから堪らない。
 更にもう1作は4・5話「暗号名ケルベロス 前・後編」である。まず、珍しく120ページだから中編と言うべきことと、その内容である。要は、アメリカから日本へ向かう客船の中で、ドイツのエニグマ暗号の秘密を解き明かすため日本へ向かう英国情報部員とD機関の戦いが主題なのだが、そこへエニグマを盗むために忙殺された船員の妻が敵である英国情報部員を殺害するという横槍が入ると筋書きである。結局、D機関員の鋭い推理で犯人は捕まるのだが、その際、自決を覚悟した妻から“幼女”と“愛犬”を託されてしまう。存在しない存在であることを旨とするD機関員にとって、現実の存在である“幼女”と“愛犬”を託されるということは大変なことである。今後の展開が気になる。なお、本編では、欧州での第二次世界大戦が熾烈さを増しつつも、日米開戦はまだでアメリカも参戦していないという微妙な状況下で、大西洋航路と参戦国間の交流が途絶えている中で唯一残った交流路である太平洋航路の微妙な状況が描かれている点が興味深い。
 さて、この『ジョーカー・ゲーム』(2011)でスタートした短編集は、『ダブル・ジョーカー』(2014)で終わったと思っていたのだが、どうも好評につき [ジョーカーゲームシリーズ]として継続されるようである。既に4作目である『ラスト・ワルツ』(2015年1月、角川書店)が発刊されている。なお、ウィキペディアでは、本シリーズを「D機関シリーズ」と称しているので私もそれに倣うことにする。

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紙の本絶叫

2017/05/24 08:52

壮絶の一言。

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

壮絶の一言。保険金連続殺人事件だが、そこに至る家庭の不幸、一度捕えられたら抜け出せない闇の社会の描写に圧倒される。主人公:鈴木陽子は憎むべき存在の筈なのに、何故か憎めない。陽子は、結局、完全犯罪を達成して別人として生まれ変わる。逃れられない宿命に囚われた一人の人間が社会の闇から抜け出して再生する、成功物語として読める為だろうか。犯罪は悪いことだと思いつつ、つい陽子に拍手したくなる結末でした。

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紙の本復活の日

2016/12/11 00:12

今読んでも古いどころか斬新かつ真実味をもって迫ってくる発想の先進性に敬服するのみである。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

流石、小松左京の目の付け所は違いますね。この本の初出は1964年なので私が15歳であり、日本がやっと戦後復興期を乗り越えて高度成長に浮かれ始めた頃では。こんな時期に今読んでも古いどころか斬新かつ真実味をもって迫ってくる発想の先進性に敬服するのみである。

 プロローグにおいて、1973年3月、原子力潜水艦の不思議な調査航海を通じて徐々に南極大陸に閉じ込められた僅か1万人たらずを除いて人類は絶滅したことが明かされる。
 物語は196X年2月に遡り、生物兵器の秘密取引中の事故で、恐るべき微生物が外界に放たれる。しかも、その微生物の恐ろしさ、事故で消滅することなく生存・拡散を始めたことを誰も知らないのである。本書の約8割を占める第一部「災厄の年」では、その事故から微生物による人類絶滅・生物絶滅への過程が描かれていく。
 さて、この微生物・MM-88(P-35)とは、1963年から64年にかけて人工衛星によって地上300kmから500kmの宇宙空間から採集された微生物(RU308)を原種として開発された種なのである。(P-140)そして、その真の恐ろしさは、生物学的説明は私には少々難しくて良く理解できないが、「核酸」だけで生存して他のウイルスなどの微生物類に取り付いて劇的な変異をもたらし、場合によっては劇的な生物阻害能力を発揮することである。その取り付く微生物類はウイルスであれ細菌であれ何でもありらしいのだから処置なしである。極端に言えば、ありとあらゆる微生物に毒性を持たせて様々な症状で生物を殺傷するということである。また、その繁殖力は想像を絶するほど早く、強力と来ている。こうした優れた特質?に目をつけた新種細菌兵器として「核酸兵器」(P-174)という言葉が登場し、この微生物拡散によってもたらされる人類滅亡の過程を描きつつ、その恐ろしさが順次解説されていく。
 さて、こんな強力で拡散の早い未知の微生物なのだから、人類が滅亡するのはあっというまである。ほんの数カ月で絶滅してしまうのだが、この微生物の唯一の弱点は低温では不活性なことである。よって、南極観測隊や潜航し続けていた2隻の原子力潜水艦だけが生き延びるのである。
 本書の約2割にしかない第二部「復活の日」は短いが良く練られたどんでん返しの展開が見事である。かろうじて生存を維持し微生物の脅威が消失するのを待つ南極生存者たちであったが、ある調査の結果から北米大陸近傍で巨大地震の発生が予測される。この地震が起きると自動的に想定敵国に向けて核ミサイルが発射される米ソの全自動報復装置(ARS)が作動するであろうと考えられ、ソ連のそれは南極大陸まで標的にしているというのである。そうなると当然かろうじて生き延びている南極大陸の人類も絶滅してしまうことになる。そこで、2隻の原子力潜水艦に決死隊を乗せて、米ソのARSを停止する計画を立てる。普通ならこれが成功してメデタシメデタシなのだが、何と地震の方が早く起きてしまい、核ミサイルは予定通り発射されてしまうのである。エーーー、どうするのと思っていると、何とこの時期の核爆弾は破壊よりも人間の殺傷を重視したためその殆どが「中性子爆弾」であり、更に運良く(都合よく?)ソ連の標的に南極大陸は入っていなかったというオチである。そしてもっと驚いたのが、この謎の微生物の唯一の弱点が「中性子」で死滅するということであった。結局、ARSの核爆弾で放射された中性子線によって謎の微生物は絶滅し、地球は浄化されるという皮肉な結果となったのである。何とも用意周到というか、驚くべき筋書であった。

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紙の本ユダの覚醒 上

2016/11/23 00:59

今回は、ゾンビ・ドラキュラに通じる謎でした。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今回は、ゾンビ・ドラキュラに通じる謎でした。歴史的事実と科学知識の謎とを巧みに融合した期待を裏切らない活劇がますます冴えてきます。シグマフォース側の主役たちが窮地に陥るのは毎回のことではあるが、今回はシグマ隊長グレイ・ピアースの両親までもがギルドの人質にされるという絶体絶命の窮地である。一方、ギルドのスパイが世界各国の主要組織に潜入しており、過去にはシグマとその上位組織であるDARPAの幹部にまで潜入していたことがあるが、今回もバチカン教会内部に潜入しており、加えて今回の事件の切っ掛けがギルドの冷酷な女性工作員であり過去に何度もグレイに痛手を負わせているセイチャンがギルドの同僚工作員に追われて助けを求めて来たところから始まるので、話は実に複雑な様相を呈してくる。さて、今回の楽しみは、『東方見聞録』を残したマルコ・ポーロの探検から派生して、シアノウイルス・ユダの菌株といった異常に高い致死率の伝染病の謎・治療法・発生源を調べて、マルコ・ポーロの航路を辿っていく謎解きは「天使の文字」と合わせて推理小説好きにはたまらない。今回は、科学的謎の組み合わせよりも、歴史的・考古学的な謎の組み合わせの方が多かったように感じた。事件は解決したが、多くの犠牲者や事後処理の問題が残っている。まず、人食いイカに海底へと引きずり込まれたシグマ隊員モンク・コッカリス(以前の事件で左手首から先を失い現代科学の粋を集めた未来型義手を着けている:キャットの夫)の遺品となった義手が埋葬直前にSOS信号を発していることにグレイが気付くことで生存を期待させる一方、伝染病に感染しながらも抗体を作ることで伝染病のワクチンを提供して人類の危機を防いだ海洋生物学者スーザンはこの奇病の原因であるウイルスの意志?に従ってウイルスの故郷で永い眠りにつくことになる。一方、今回の事件の発端となり、謎めいた行動を続けるセイチャンは、シグマの意図の下で事実上逃亡を容認されるが、逃亡する際にグレイに自分はギルドのトップを暴くためのスパイであると告げる。むーー、これも結末が気になる。しかし、続くシリーズ5『キルトの封印』ではどうもセイチャンの登場は無いようである。
なお、本書では、巻末に「著者あとがき 事実かフィクションか」と題した短文があり、小説中のことがらの「検死解剖」=「事実の部分とフィクションの部分の区別」を行っているが、本作では主な題材ごとに項目立てして解説しているのが初めてのこととして注目される。著者が、「小説の持つ信憑性は、話の中で提示された事実を反映するものである。・・・・・・たとえフィクションであっても、事実を見据えた上で書かれる必要がある。本書に登場する美術品、遺跡、・・・・などは、すべて実在する。・・・・・・・歴史的出来事も、すべて事実である。本書の中心となる科学技術も、すべて最新の研究と発見に基づいている。」(『マギの聖骨 [上]:The Sigma Force Series 1』(竹書房文庫、2012年7月5日、竹書房)より)

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紙の本プラチナタウン

2016/11/08 23:54

言葉通りの「一気読み」の面白さでした。

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言葉通りの「一気読み」の面白さでした。日本を代表する四井商事の部長・山崎鉄郎は、縁故入社が決まっていた会社幹部の親戚を不採用にしてしまったことから、左遷の憂き目に。この出だしからして笑える。そんな時、故郷の町が巨額負債を抱えて財政再建団体に陥る寸前となる。窮した町が考え出したのは、大手商社の部長職にある山崎に町長として活性化策を考えてもらうこと。そして、妙な行き掛かりに酔った勢いもあり、何時の間にか選挙活動もなしに町長になっていたのである。またまた笑えます。しかし、町長になって実際に見た町の状況たるや惨憺たるもの。こんな町、再生できる訳ないだろと思うのだが、そこは小説であり、著者の腕の見せ所と言うことで、何と8000名規模の高齢者専用の町を作り上げてしまうのである。まあ、話しは上手すぎるよねという気がしないでもないが、地域再生の一つの発想として実に面白いし、何よりも左遷されたことに始まる逆転劇が実に爽快である。

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紙の本地底世界 サブテラニアン 上

2016/11/08 11:46

文句なしの冒険活劇でした。

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文句なしの冒険活劇でした。文庫本の帯に書かれた宣伝文句が、実に本書の面白さを的確に伝えていて面白い。上巻の帯、「戦慄の南極洞窟アドベンチャー!(上巻) 息を呑む圧巻のデビュー作(下巻)。怪奇(スリラー)、恐慌(パニック)、怪物(モンスター)、恐怖(ホラー)、冒険(アドベンチャー)、科学(サイエンス)・・・・・・・。この男、いきなり手抜きなしのフルコース!」。
 物語は、南極大陸の地下に巨大(北海道や日本がまるまる入りそうな大きさらしい!)な洞窟が発見され、そこから発見された人類発生以前の遺跡を調査するための調査団が派遣されところから始まる。しかし、この調査団は2回目で、1回目の調査団は何故か行方不明のままなのだ。さて、何が出てくるのかと期待していると、上巻も中ほどでワニの恐竜みたいな“クラッカン”と呼ばれる怪物が出現。あとは期待通りの怪奇(スリラー)、恐慌(パニック)、怪物(モンスター)、恐怖(ホラー)、冒険(アドベンチャー)、科学(サイエンス)のてんこ盛りである。この著者を知ったのは、世界的に有名になった「シグマフォース」シリーズであったが、本書が著者の長編冒険活劇の事実上の第一作だという。日本で出版されている彼の著作の最後に処女作品を読むことに成ろうとは思ってもいなかった。
 さて、南極と見て直ぐに思い出したのが、北極海を漂う氷島(実は60年ほど昔にソ連が運営していたが何故か放置された秘密研究施設)を舞台にした、ジェームズ・ロリンズ『アイス・ハント(上・下)』(扶桑社ミステリー、2013年6月23日、扶桑社)だった。こちらは純粋に科学的技術を巡っての米ソ軍の対決であり、本書と合わせて読んでみると面白い。

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紙の本巨鯨の海

2016/03/20 00:21

ナミ

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和歌山県太地町を舞台とした、江戸末期から明治初頭(最終章が1878年(明治11年)暮れの“大背美流れ”事件である)に至る、捕鯨の町の一大叙事詩ともいえる作品。当時の捕鯨に関わる詳細な記述もさることながら、人々の暮らしや因習、厳しいしきたり等をも描いた力作である。また、生身の人間としての人々の姿も実に鮮明に描かれている点も見逃せない。数々の賞に輝いたのがうなずける作品でした。
 和歌山県太地町を舞台とした、江戸末期から明治初頭(最終章が1878年(明治11年)暮れの“大背美流れ”事件である)に至る、捕鯨の町の一大叙事詩ともいえる作品。当時の捕鯨に関わる詳細な記述もさることながら、人々の暮らしや因習、厳しいしきたり等をも描いた力作である。また、生身の人間としての人々の姿も実に鮮明に描かれている点も見逃せない。数々の賞に輝いたのがうなずける作品でした。


大背美流れ(おおせみながれ) <P-421>
1878年(明治11年)暮れ、アメリカなどの列強による鯨の乱獲などの影響で、漁師は近年にない不漁による経済難から、荒天の中、鯨捕り(古式捕鯨)に出漁して遭難し、一度に100余名(本書の解説では135名と具体的な数字が記載されている)が死亡・行方不明となった惨事。この件により労働力を失った太地は、一気に疲弊、古式捕鯨は事実上壊滅し、後に近代捕鯨へと切り替わるきっかけとなった。

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紙の本冷たい密室と博士たち

2017/09/26 10:20

意外に単純そうに見えた「密室殺人」の謎が、何とも単純すぎる絡繰りだったのには逆に騙されました。

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意外に単純そうに見えた「密室殺人」の謎が、何とも単純すぎる絡繰りだったのには逆に騙されました。ただ、その単純すぎる絡繰りを複雑化する手法は流石です。そして、犯罪手法は判っても、その犯行動機が判らないため、なかなかに正解に結び付かないもどかしさ。ただ、何となく見えてきたのは、この作者の最後の隠し玉の多くが肉親関係に絡むものらしいということ。今回も、犯人2人が実の親子でした。さて、本シリーズ、674:『笑わない数学者[S&Mシリーズ 3]』(1999年)、679:『すべてがFになる[S&Mシリーズ 1]』(1998年)、そして本作と読み進めてきたが、前2作に比較して本作は少々物足りなかった。何故かと考えてみると、密室殺人のトリックが、被害者を加害者が丸め込んだという単純さと、犯行動機が少々私好みでなかったこと。親子関係の他に、ベタベタした男女関係が強く関係する点などかな。実質的には増田を殺した丹羽が殺されるのは良いとして、むしろその時点では被害者である木熊教授と市ノ瀬助手が犯罪人になってしまうのも可愛そう。そして、前2作のように真犯人が生きているのか、死んでしまったのか判らない形の謎めいた終わり方が無かったことである。

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紙の本あきない世傳金と銀 3 奔流篇

2017/09/25 08:15

やっと著者の本領発揮です。幸が生き生きと活躍しだすと読者の私も嬉しくなる。

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やっと著者の本領発揮です。幸が生き生きと活躍しだすと読者の私も嬉しくなる。大阪の呉服商・五鈴屋で現実の商売に下働きから関わり、「商い」とは何かを追求していく展開のなかに様々な人間模様が感動的に投射される。利益追求型の非情な五代目・徳兵衛(惣次)と幸との対比で、五鈴屋の二代目・徳兵衛の信条であった「買うての幸い、売っての幸せ」や、「三方よし」(近江商人が信条とする「売り手よし、買い手よし、世間よし」)といった言葉が実に生きて来てますね。

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紙の本ロボット・イン・ザ・ガーデン

2017/09/25 08:12

ポンコツロボット“タング”と無気力駄目男“ベン”の珍道中から思わぬ結末に発展していく面白さ。

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ポンコツロボット“タング”と無気力駄目男“ベン”の珍道中から思わぬ結末に発展していく面白さ。前半は少々冗長でイライラしたが、後半は一気読みでした。構成は大きく3つに分けられる。ポンコツロボット“タング”の登場で既にきしんでた家庭が崩壊、離婚して珍道中に出た導入部。徐々に、タングの謎が明かされて家族として生きることを決意する中間部。そして、旅を通じて成長したベンが、人生再生の手掛かりを得ていく結末部である。子供の成長と、それに伴う親の成長の物語とも重なって見えて来る。前半部は4点かなと思ったが、読み通して5点とした。

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紙の本太陽の塔

2017/09/25 08:09

言葉に羽根が生え、空中を自由自在に飛び回っているといった文章に感激。

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言葉に羽根が生え、空中を自由自在に飛び回っているといった文章に感激。実は平凡な日常茶飯事が、著者の手にかかると如何にも哲学的真理、宇宙の深遠なる心理を表現しているかのごとき、神々しい文章に変わってしまうのだから驚き。そして、“水尾さん”が乗り回す“叡山電車“など世の中の全てを超越した空想世界。しかし乍ら、その文章を読んでいると、何故か判るし、その世界に一体化している自分に気付くのである。更に、文章から映像が浮かび上がってくる、つまり文章が見えるというか可視化されてくるのである。題名の「太陽の塔」は、1970年に大阪府吹田市で開催された日本万国博覧会(EXPO'70・大阪万博)の会場に、芸術家の岡本太郎が制作した巨大な芸術作品・建造物であり、“水尾さん”が異状に気に入ってる作品である。2017-【111】『夜は短し歩けよ乙女』(c2017:日本/93分/アニメ、監督:湯浅政明、脚本:上田 誠;評価5点)の面白さ参照。【242】『有頂天家族』(幻冬舎文庫、2010年8月5日、幻冬舎)を2012年12月に読んで気になっていた作家でしたが、その後暫し忘れていたが映画2017-【111】『夜は短し歩けよ乙女』を観て思い出した作家でした。
 さて本作品は、670:四畳半神話大系(2008)の前段階の話である。ごく普通の?大学生たちが織り成す、青春ならではの苦悩や妄想が実に紳士的な表現で綴られていく。個性豊かな登場人物も魅力的である。様々なやり取りの後、終盤のP-205で彼らの現況が簡潔に纏められているのだが、「高薮は謎の美女に迫られて都落ちし、井戸は濃密な法界悋気の泥沼であえぎ、飾麿は顎に絆創膏を貼って街をさまよいながら陰謀をめぐらし、湯島は果てしなく自己嫌悪し、水尾さんは叡山電車を乗りまわし、海老塚先輩は輸入食品の店で働き、遠藤は彼岸で高らかに笑い、そして私は宙に浮かぶ四畳半の城で携帯電話片手にむっつりと黙り込んでいる。」といった感じである。何とも微笑ましいというかその馬鹿らしさに呆然である。本作品は、著者が2003年12月に発表したデビュー作で、第15回日本ファンタジーノベル大賞(2003年)の大賞受賞作品である。

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またも一気読みに近い面白さでした。

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またも一気読みに近い面白さでした。真賀田四季博士と西之園萌絵との不思議な緊張した面会場面の後、犀川博士と萌絵との奇妙なコンビのやりとりを経て、一気に不穏な殺人事件へ導入。あとは密室殺人事件を中心に謎解きだが、謎解き過程を科学的・哲学的議論でオブラートに包んで読者の推理する楽しみを最後まで残している。確かに、謎解きのヒントは各所にちりばめられてはいるのだが、決定的なヒントが見つからない。萌絵がかなり良い線までの謎解きを細目に出していくのに対して、主役の犀川博士は最後まで殆ど自分の推理を明かさないやり方はちょっと狡い気もするが、読者の推理する楽しみを最後まで残すという意味では仕方ないのかな。そして、最後で一気に謎が解き明かされるのだが、674:『笑わない数学者[3]』同様、真犯人がどうやら消えてしまうという謎めいた終わり方である。
<以下、蛇足>本作品の初出は1996年というから私がWin95を導入して、インターネットを始めた時期である。よって、PCに対してWS(ワークステーション)という言葉?機械?(笑)が出て来りして時代を感じさせる。その当時、VR(バーチャルリアリティ)は20年位先の技術として考えられていたが、天才科学者にとっては既に基本構想は描かれていたのであろう。本作品では、極めてリアルにVR装置が登場し、活用されているのである。先見の明に感服。

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紙の本雀蜂

2017/09/23 12:21

ワオッ!一気読みでした。

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ワオッ!一気読みでした。冒頭からキイロスズメバチの襲撃で快調なスタート。同時に妻・夢子も失踪しており、外部との連絡手段も全て使用不能とされている。コリャ事件ですよね。そして、キイロスズメバチについでオオスズメバチとの死闘。その描写の凄いこと。しかし、中盤辺りで犯人が妻・夢子とその愛人・三沢ではあまりにも単純すぎるよねという疑問が生じる。とは言え、スズメバチとの死闘の前にはそれも忘れ去られる。そして、どんでん返しの結末へ。ズルイヨと思いつつも、一気読みの面白さでした。負けました。

 冒頭からキイロスズメバチの襲撃で快調なスタート。同時に妻・夢子も失踪しており、外部との連絡手段も全て使用不能とされている。しかも、本人・安斎智也は蜂に対してアナフィラキシー・ショックを抱えている。逃げ場を失い、地下室に行くとそこにはオオスズメバチの巣があり、更なる危機に。追われるように玄関から脱出してガレージに逃げ込むと、エピペン注射器(正式名はエピネフリン(アドレナリン)・オートインジェクター)が落ちているのを見つける。ガレージでスキーウエアをはじめとする諸装備を見つけて反撃開始。キイロスズメバチをオオスズメバチが制圧したのを利用して、窓を開放して室温を下げることで蜂達の活動を抑制する。犯人と思われる、三沢と妻・夢子が結果確認のために戻って来るのを待ち、首尾よく2人を地下室に閉じ込めることに成功。万歳!!と思いきや、キイロスズメバチの死骸の針に触れてアナフィラキシー・ショックを起こし、エピペン注射器を使用するが効かず、エア式のワインオープナーで喉に穴を開けて気道確保して気絶。意識が戻ると、警察が来ており、傍らで夢子が警察に事情説明をしている。それを聞きながら、昨夜からの事態を思い出しながら、唐突に「分身(ダブル)」(P194)という表現が出てくる。ここでやられたと思い知らされる。二重人格者?夢子の話は一方的に続く。そして、それに伴って私の記憶も甦ってくる。
結論。私はドッペルゲンガーの安斉実であり、自分を安斎智也と取り違えて行動していたのである。前夜、偶然外に出てきた安斎智也を刺殺して、安斎智也に入れ替わって入り込む。当然、妻・夢子は異常者として対応。睡眠薬で眠らせて脱出したというのが真相。さて、ハチの仕掛けは偶然か、それとも誰が仕掛けたのか。この点だけはちょっと疑問が残った作品でしたが、何しろ一気読みでした。

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助教授:犀川創平と学生:西之園萌絵の関係と、その心理的やり取りが面白い。

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助教授:犀川創平と学生:西之園萌絵の関係と、その心理的やり取りが面白い。人間関係や数学的問題などで引き付けておいて、中盤で一気に殺人事件という緊迫した展開に。この事件を切っ掛けにして、天王寺-片山家-鈴木家との複雑な人間関係が現れて来る。そして、意外な結末へと収斂していくのだが、天王寺翔蔵・天王寺宗太郎・片山基生・鈴木彰の4人の内、鈴木彰は殺害されたと仮定しても天王寺翔蔵・天王寺宗太郎・片山基生の3人の内現在生きているのが誰なのか(2人は生きてるらしい)、そして鈴木彰が誰の子供なのかに関しては謎のままの終わり方がちょっと物足りなかった。また、75ページで出された問題の答えが無いのも不満でした。気になってイライラする。

 偉大な数学者:天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」のパーティで、庭にある巨大なオリオンの銅像が消えてしまう。前に消して見せたのは12年前で、その翌日に翔蔵博士の長男:天王寺宗太郎が自動車事故で死亡し、天王寺家の使用人:鈴木彰が失踪している。今回は、その夜の内に、宗太郎の妻:天王寺律子と宗太郎の長男:天王寺俊一が相次いで殺害される。これで長男の家系は絶えて、長女:片山亮子が単独相続権者となる。ところで、12年目の事件から4年後に、失踪した鈴木彰から天王寺宗太郎の未発表原稿が届けられ、ベストセラーとなっている。さて、主に鈴木君枝の情報が突破口となって、徐々にこのような状況が明かされ、更に君枝の長男:鈴木昇が彰の子供ではなく、実は天王寺翔蔵の子であるらしいと示唆される。更に、君枝の告白によると、12年前の宗太郎の自動車事故は律子か亮子のいずれかに命令されて、彰がブレーキに細工をした結果であるという。そんな折、鈴木昇が深夜に猟銃で狙撃され、萌絵によって救出されるが、その時偶然白骨遺体を発見する。萩原刑事の調査で、5年前にガンで亡くなった筈の片山基生の死亡届けが出されていないという。数日して何かに気付いた犀川は、当事者全員を「三ツ星館」に集めるよう要請し、その場で「犯人が判明した」と言った途端に、鈴木昇と君枝が行動開始。ちょっとした捕物劇の後、2人共逮捕される。主犯は鈴木昇。さて謎解き。「三ツ星館」のプラネタリウムは、プラネタリウムが回転するのではなく、客席が180度回転する作りとなっている。よって、180度回転した時には、オリオン像は建物の反対側に位置する。このカラクリを巧みに利用して完全犯罪を企画した鈴木昇の緻密さに敬服。
さて、残った問題は鈴木昇の犯行動機であり、天王寺宗太郎・片山基生・鈴木彰の3人はどうなったかと、鈴木昇が誰の子供かである。天王寺翔蔵博士が語り始める。12年前の自動車事故は、天王寺宗太郎と鈴木君枝が共謀して鈴木彰を殺害。その後、宗太郎は首吊り自殺した。遺体は、翔蔵と昇とで庭に遺棄。つまり萌絵によって偶然発見された白骨遺体は宗太郎であった。なお、宗太郎と片山基生とは、翔蔵博士の妹の双子の兄弟だった。そして、片山基生は暫く地下室に居たのち出て行ったという。しかし、証拠は無い。犀川は目の前にいる人物が、翔蔵博士なのか片山基生なのかを問うが答えは無い。また、鈴木昇が誰の子かも謎のままでした。そして、何日か後、とある公園で白髪の老人が少女に、自分の周りに円を描き、線を跨がずに外へ出られるかと問う。このエピソードから推測されるのは、地下室の水死体は片山基生で、公園の老人が翔蔵博士となるが、あくまでも「不定である」。(笑)

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紙の本トルーマン・レター

2017/07/27 10:07

政治的背景や国際情勢がしっかりしており、それに人間関係を巧みに配した構成に魅かれます。

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政治的背景や国際情勢がしっかりしており、それに人間関係を巧みに配した構成に魅かれます。トルーマンの直筆らしい手紙を入手した途端に、怪しげな男たちにあからさまな攻撃を受ける早い展開。手紙の真贋を追求する「私」と、襲いかかる謎のグループとの戦い。様々な人間が手紙を何らかの目的のために奪い合う展開は、その素顔や目的がはっきりrしないため緊迫感を増してくる。そしてその手段も徐々にエスカレートしてと迫真の展開である。ただ、重要な役割を果たしている人物が中盤前で判ってしまうのだが、何故、どういう立場で関与しているのかが判らないため、興味が半減することは無い。緻密な構成の美味しい一品でした。

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