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米大統領選挙とリーマンショック

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アメリカの大学街のダイナー（ファミリーレストラン）で、女子大学生が集って、まさか老人の男性に投票するとは思わなかったと言っている場面が、テレビのドキュメンタリー番組にあった。民主党で、クリントン氏とよい勝負をしているサンダース議員のことである。
今回のアメリカ大統領選予備選挙は、共和党も民主党も、従来なら泡沫候補になったであろう候補が最有力候補になったり、接戦を演じたりしている。ここに、1970年代から変化を重ね、とうとう社会を二つに分裂させたアメリカの、また世界の姿が現れている。リーマンショック以後は、その傾向がもはや誰の目にも隠せなくなった。
著者は、その経済的、政治的な過程を丁寧に、そして明快に解き明かしている。アメリカの大統領選挙だけではなく、世界のいくつもの大問題にアプローチする手掛かりがこの本から得ることができる。