サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 水上さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年6月)

水上さんのレビュー一覧

投稿者:水上

1 件中 1 件~ 1 件を表示

多くの日本人、韓国・朝鮮の人々に読んでもらいたい本

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

読後すぐに「この本はより多くの日本人、韓国・朝鮮の人々に読んでもらわなければならない」という思いがわき上がってきました。
 従軍慰安婦や強制連行に関する韓国の日本に対する謝罪要求や竹島をめぐる一方的な主張などは、日本人として悲しく辛いものがあります。
 そこまで、日本人は統治下の朝鮮の人々に対して非人道的な行いをしてきたのかという疑問が消えません。
 そうした、日本人の切歯扼腕する思いは、近年少しずつ澱み変質してきて、逆に嫌韓という現象となって表れてきました。書店に並ぶ数多くの韓国否定本やヘイトスピーチなどがその表れです。これらは日本人にとって溜飲を下げる側面もありますが、恨みが恨みを呼ぶという情けない状況にあるといってよいでしょう。
 さて、そんな日本と韓国との複雑な情勢の中、『木槿の国の学校』は、一小学校教師の回想録という形式で日本の朝鮮統治の有様が客観的に生き生きと描かれています。語り手である上野さんが関わった一人一人の言葉や、残された物から当時の様子が映像を見るかのように浮かんできます。そこには、イデオロギー的な偏りはなく、事実のみがもつ重さをもって私たちに強く訴えてくるのです。
 日韓両国にとって必要なことは、事実を知ることに他なりません。最初に主張ありきで偏ったデータだけに頼った嫌韓本や日本叩き本ではなく、当時の日本人や朝鮮人がどのようなことを考えどのような行動をしていたかという事実を書いた書物に触れることがとても大切だと思います。『木槿の国の学校』は正にそのような本です。生死を賭けた戦場や、権謀術数渦巻く政治の話ではなく、無垢な子どもたちを教育する学校が舞台であることが、イデオロギーから解放される大きな要素でもあると思います。
 最も大切なことは、日本の統治下に於いて、日本人と朝鮮人が強い差別意識なく互いに仲良く協力し合っていたという事実、これこそが多くの人々に知って欲しい事実です。76ページあたりから書かれている学校の様子には、「日本人が朝鮮人に対していばりちらしていた」という認識を覆す事実が生き生きと書かれています。
 「教頭は朝鮮人だった」「朝鮮人と日本人は冗談を言い合うほど関係は良好だった」「朝鮮の南先生からは書籍を借りて女性の生き方を学んだ」「朝鮮語は禁じられておらず私も努めて朝鮮語を理解しようとした」など、その一方で「朝鮮人はお風呂にも入らないと朝鮮人を差別する考えを持つ日本人がいた」「朝鮮人である教頭は日本人を侮蔑する発言をし、この先生の前では発言に気をつけた」「朝鮮語は下品な言葉だから使わないようにと朝鮮の先生から釘を刺された」など、偏った考え方を覆すような新しい事実が次々に語られています。本当に、驚かされることばかりです。
 日本国内にも、日本が悪かったという考えに固執する人々、逆に日本は全く悪くはなく正しいことだけを行ったにすぎないという両極端の考えの人が存在します。しかし、こうした考え方を自由に述べることができることが、日本の良さといってよいでしょう。多くの日本人が基本的には、事実を正しく認識し相互のよさを見出していければよいと考えていると思います。最初に述べたように多くの日本人にこの本をよんでもらい事実を知って欲しいと思いました。
 そして、できるならば、韓国の方々にもこの本を読んでもらい、事実を知って欲しいと願うところですがおそらくそれは無理な話だと思います。そうした意味では、韓国にも、自分たちが一方的に正しいと主張するだけでなく、異論を受け入れる、国としてのゆとりをもってもらいたいと切に望みます。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示