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先月(2017年6月)

早坂千尋さんのレビュー一覧

投稿者:早坂千尋

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本魂の駆動体

2001/02/08 21:26

人と機械の関係

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 自動車がまさに「自ら動く車」として交通システムに組み込まれた近未来、個人が車を所有することは不可能とは言わないまでも、現実的ではなくなった時代。主人公の老人は、林檎畑で見た一台の廃車と、旧車のレストアを趣味としていた父親の思い出とから、「自分の車」の設計を始める。
 そして車どころか人間は滅び去った遠未来、世界は翼を持った鳥人の世界となっていた。そしてある時、人間の遺跡から「作られなかった車の設計図」が発掘される…

 神林長平には、人間と機械との関わり合いを描いた作品として『戦闘妖精・雪風』という傑作がある。しかし、機械と人間の異質さ、すれ違いを軸とした『戦闘妖精・雪風』と違い、この『魂の駆動体』は人間と機械の相互作用、そしてそこから生まれ出るものを描いている。
 『戦闘妖精・雪風』の機械は電子頭脳を中心とした人工知性体に近いもの、『魂の駆動体」の機械はオイルにワイヤーにボルトといったメカニックという違いはある。
 これは自動機械としての機械と、人間の体の延長に存在する機械の違いだ。

 『戦闘妖精・雪風』は巨大な電子機械への盲目の信頼と離別、そして『魂の駆動体』は人が徹底的に歩み寄ってやらなければその能力を発揮してくれない機械との付き合いと、人と機械がまさに共鳴した時のハーモニー、人の魂を駆動してゆく存在としての機械を、それぞれ描いている。
 どちらがというわけではない。この二つは同じことの二面性でしかない。
 そして、この二つは『グッドラック 戦闘妖精・雪風』において、一つの作品に昇華される。

 この作品は、自動車を運転することに喜びを感じる人に読んでもらいたいと思う。

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青春の日の幻影

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 ある日、日本は内戦に突入した。
 しかし、諸外国はこれ幸いにと傍観し、日本人は自分たちがいかに世界から嫌われていたのかを知った。
 結局日本は、東京中心とした解放区をかかえる分断国家となった。
 しかし、静岡の某高校に通うオレにとっては、細かい事情はどうでもよかった。これで退屈極まる日常が少しでも変化すれば、という淡い期待は、繰り返される頑強なる日常に覆された。
 ある日、オレは解放区へと越境した。

 これは主人公の「オレ」の物語である。
 彼は解放区で独立愚連隊的な戦車回収小隊で「カントク」と呼ばれる中年の隊長達とスクラップ拾いを続ける生活から、突如やってきた革命党直属の美人指揮官に率いられて特殊任務につくことになる。
 革命の理想に燃える美人指揮官と、一筋縄では通用しないカントク、「オレ」は、米軍や自衛隊が乱入する特殊任務の中で、この二人の対立に巻き込まれてゆく。

 これは遅れてきた者の、後始末の物語でもある。
 華々しい内戦とは無関係で、その結果生じた状況の中で動くことしかできない「オレ」。この姿に、学生運動の奔流に乗り遅れ、その復讐戦を繰り返す、原作者・押井守氏の姿を見ることができる。
 物語の最後、「オレ」は二転三転する状況の中で、最後に自分自身の選択を行い、その結果失ったものの幻影に涙する。
 ここまでストレート(に見える)青春ものに仕上がったのは、作画のおおのやすゆき氏の手腕によるところも大きいだろう。

 すこしひねくれた、しかし直球の青春ものを求める人にお勧めする。

 ああ、もちろん犬の話でもありますよ。なにせ押井守氏ですから。

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