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フナさんのレビュー一覧

投稿者:フナ

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ヒカルの碁 17

2002/06/05 20:28

少年たちの、友情の物語

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

連載第148局でとりあえず一区切りつくことになった『ヒカルの碁』。もう、これ以上ない・これ以外あり得ないと言っていいくらい、素晴らしい区切り方だったと思う。延命を要求する声もあっただろう。だけど、『ヒカルの碁』を『ヒカルの碁』のままであり続けさせるために、今回の第148局を見事に描き切った作者とジャンプ編集部には溢れる涙を拭いながら心からの拍手を送りたい。

『ヒカルの碁』は単なる「碁マンガ」ではなく、実は少年たちの「友情」こそが核心のテーマである物語だった。今回、ヒカルと佐為の友情、は勿論のことだが、何よりヒカルと塔矢の友情の描き方が素晴らしいと思った。物語中盤、一時期の塔矢はただひたすら碁の道を極めんと邁進し、がしかしヒカル(佐為)の幻影を振り払い切れずにその人相はとても中学生とは思えない深み・暗みと迫力に満ちていた。ヒカルも、塔矢の目を佐為ではなく自分に向けたいがため、塔矢と同じプロの土俵への執念を燃やした。

この間、ふたりはほとんど会話らしい会話・接触らしい接触をしていない。それがどうだ、ついに念願かねって対局が実現、碁を通してお互いがお互いを完全に理解し合い、一気に霧が晴れていったふたりの表情を見よ。これからふたりは何百・何千という対局を重ねていくのだろう。最高のライバルと認め合い、ふたりにしか分からない絆を深めていくのだろう。これは例えば『ドラゴンボール』における孫悟空とベジータ、『スラムダンク』における桜木花道と流川楓には決してあり得なかった関係性の描写である。そりゃそうだ、『ヒカルの碁』は中学生になったばかりの少年たちが主役なんだから。これほどまでに純度の高く・かつ深い友情はこの世代にしかあり得ないことを僕らはみんな知っている。だけど、きっと同じく中学生マンガ『テニスの王子様』にはこんな関係性の描写は今後もあり得ないだろう。

数回の読み切りシリーズを経て、この春に『ヒカルの碁』は連載を再開した。それはそれで、期待している。だけど今言いたいのは——佐為、ありがとう。そして、さようなら。

井戸掘りより転載

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