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  3. 伊藤克さんのレビュー一覧

伊藤克さんのレビュー一覧

投稿者:伊藤克

45 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本砂の女

2000/08/15 22:10

非日常的世界をリアルに描いた小説

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

阿部公房の作品にしては、比較的読みやすい内容である。
(阿部公房には難しい作品が多い)
今まで知らなかったのであるが、この作品は阿部公房の処女作であるらしい。
この作品(砂の女)は、海岸沿いの”砂の町”に昆虫取りにきた主人公が、逆に“砂の町”に捕獲(この言葉が一番ふさわしいと私は思う)され、逃げ出す事ができなくなってしまう様を描いた小説である。
現実にはあり得ない出来事の中に、あり得るかも知れない人の心を埋め込むのは阿部公房の得意とするところであろう。
登場人物、人は限定されているのが彼の作風であるが、その中に、凝縮された人間模様が織り込まれている。
昨日までの現実に執着しようとする主人公、全体主義を守る為に(という名目で)個人を切り捨てる事のできる村人、非日常の中での男女関係。
(作者の、砂に対する執着がどこからくるのかは、この小説を読んだだけでは理解できなかった)
この物語の主人公(の一人)である“砂の女”が、そのひとときを、幸せと思ったか、不幸と思ったかは、作者を含めた第三者の預かり知らない事である。
現在、あたりまえの様にいわれている”勝ち組/負け組み”という安っぽい価値観では測れない、名状しがたい人の感情について、是非この作品を読んで考えてもらいたい。

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スターリン時代の獄寒の収容所

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 タイトル通り、主人公、シューホフ(イワンデニーソヴィチ)の、旧ソビエト連邦時代の(シベリア)収容所での一日を描いた小説である。
「朝5時、いつもの様に起床の鐘が鳴った。」
で始まり、
「一日がすぎた。暗い影のちっともない、さいわいといっていい一日だった。」
で終わるこの小説は、主人公シューホフの3653日に及ぶ収容所生活を、単行本200ページの中にたった一日の出来事として凝縮して書かれたものである(勿論小説である)。
 かつて鉄のカーテン(の中)と言われた旧ソビエト連邦国内の様子が、まるで格子の隙間からかいま見る様に、断片敵に描かれている。旧ソビエト連邦を構成している様々な人種、かっての軍隊将校、でっち上げられたスパイ(一般人)。それらの人達が、一般社会とは異なる収容所独特のルールと、マイナス27度の獄寒の中で作業を行う(マイナス40度以下になって初めて作業免除となる)。
 この作品の中には、細かい収容所内のエピソードが展開されていくが、それらが手につかむことができそうなほど身近に感じるのは、作者自身が収容所体験者であるからなのかも知れない(1970年にノーベル文学賞を受賞したソルジェニーツィンには、7年間の収容所経験がある)。
 旧ソビエト連邦時代に発禁となったこの本は、スターリン体制が完全に過去のものとなった(ソビエト連邦自体が崩壊した)現代にあっても、間違いなく、世界の名作である。

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破滅と実験的集団と希望

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ある日、主人公が病院で目を覚ますと、医者、看護婦を含めた病院中の全ての人が盲目となっていた。このとき、世界中の人々の殆どが盲目になっていたのである。
やがて、油を抽出する為に栽培していたトリフィドが盲目の人々を襲い始める。トリフィド時代の幕開けである。
3本足で歩き、人を捕食する植物のトリフィドが地上に繁殖し、人類の生活エリアを異常な早さで侵食されていく。
人々は小さな集団に分割され、外部との接触をたたれたまま小集団で生き延びるすべを模索する。
その中で様々な考えの集団が発生していく。小さな集団による特異な営みを展開してみせる事で、理想的な社会、他人との関わりについて作者が読者に問いかけているようでもある。
この本の初版は1963年であるのに、今読み返しても新鮮に感じる。
破滅の過程ににテクノロジーは存在しない。
また、この本は(他の破滅型SF小説に見られる)敵対生物(トリフィド)の謎解きも、根絶させる特効薬もでてこない。読者は主人公の生き様をとおして、ともに生き方・集団のあり方、希望について疑似体験してゆく。いつまでたっても新鮮さを失わないのはテクノロジーに関わらない筋立てのせいかも知れない。

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貧しき人びと 改版

2000/08/15 23:15

ロシア帝国終末の貧しき官吏を描いた作品

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ドストエフスキーの作品に罪と罰、カラマーゾフの兄弟など、大作が多い中で、単行本でわずか250ページの小説(処女作)である。
中庭を挟んで向いあわせに住む、低級官吏と女性の手紙のやりとりで物語は進行していく。
二人は慕情から形の無い愛へと変わっていくが、報われず、この小説は終わりを告げる。
この小説は暗い。(とにかく暗い)
どんな人でも読み終える頃には、すっかり(心が)ブルーになるに違いない。
また、この時代が、帝政ロシアの終わりに近い時代である事を匂わせてもいる。

作品中に、唐突にゴーゴリの“駅長”、プーシキンの“外套”について、主人公に語らせていたり、主人公の書く手紙の文章力について(主人公を通して)自虐的になっているのも興味深い。
この作品には、貧民が多く登場するが、同じ作者の作品“虐げられたひとびと”にも同じ様な境遇の人達が(脇役として)数多く登場する。
いままでドフトエフスキーを読んだ事のない人は、是非この小説を入門作(といってもこの作品を軽んじている訳ではない、これも別の意味での大作である)として、大作へとチャレンジしてもらいたい。

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紙の本戦国幻想曲

2004/09/10 10:08

上杉謙信没後〜徳川家康没までの戦国記

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戦国武将渡辺勘兵衛の生涯を描きつつ、織田信長の覇権から豊臣家の家の滅亡、徳川家康の死までの戦国時代を一気に書き綴っている。たった一冊の中に繰り広げられる覇者の興亡、戦国武将達の生き様は幻想の世界での出来事にも思えてくる。
主人公の渡辺勘兵衛は16歳で親を亡くした後、妹らと別れ、戦に参加する。以後、鑓の勘兵衛と恐れられながら、理想の主(あるじ)を求めて戦場を駆けめぐる。

後半に、若気の至りで一夜の妻とした小たまを孫娘と共に登場させたり、勘兵衛が死の間際に別れた妹たちに思いをはせるなど、相変わらず池波正太郎は女性の登場人物に優しい気配りを見せる。

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フラッド

2000/09/26 22:45

バークとすてきな仲間達

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ニュ−ヨークダウンタウンに住む私立探偵バークの元に1人の女性(フラッド)が訪問し、ウイルソンという男を捜すよう依頼するところから物語は始まる。
彼は、人脈、仲間を駆使して敵を探しだし、戦う。

捕らわれた、鑑札を持たない犬を裁判で救う話、
動物園での親子の会話、「熊はもともとここにいたわけじゃじゃない、ここは生まれ故郷じゃないもの」
性倒錯について、「おとこの体の中にとらわれた女性」
と表現する等この小説は、弱者に対する優しさで包まれている。
また、言葉の外に会話の本当の意味がある事も教えてくれる。
作者が言うように、我々が望んだ通りの環境で生きていく事はできない。
配られた手札で勝負せざるを得ないとしたら、わずかなチャンスも逃さないよう、日々努力する必要がある。
また、1人で生きていくことができないなら、少しでも周りの人に優しくするべきである。
その方がきっといい人生を送れるに違いない。
探偵小説のはずのこの本を読むとなぜか心が和む。

私立探偵バークが、なぜビアフラ共和国亡命政府とつながりがあるのか、なぜプエルトリコ人のテロ集団とつながりがあるのかは、『赤毛のストレーガ』『ブル・ーベル』などの続編で徐々に明らかになる。

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紙の本女検死官ジェシカ・コラン

2000/09/07 19:52

止められない狂気

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この物語は、検死官であるジェシカ・コランの活躍を描いた物語である。
米国ウイスコンシン州ウイコーシャ警察の保安官が、血を抜かれた逆さつりの死体を発見する所から物語は始まる。
一滴の血も落ちていない殺害現場、しかし、死体には一滴の血ものこっていない。
目的はなにか、犯人だれか。
ジェシカ・コランは現場と死体を調査し推理する。
ある殺害現場に落ちていたたった一つの(犯人の)遺留品から、さらに犯人像を絞っていく。
増え続ける犠牲者。
そして彼女の身にもまた…。

狂気はだれもがもっている。
誰もがその狂気とつき合いながら生きている。
本を読むことで発散される狂気もある。

シリーズ2作目の『第六級暴力殺人』も圧巻である。

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パーフェクト・キル

2000/09/03 14:12

イギリス版ハードボイルド

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 飛行機事故の遺体安置所に一人の男がやってくる。娘の遺体を確認しに。彼がこの物語の主人公、クリーシィである。復讐を決意したクリーシィは、協力者を得、かっての傭兵仲間をつのり、飛行機を墜落させた組織に立ち向かっていく。
 アメリカ型スーパーヒーローと違い、クリーシィはいたる局面で苦悩する。イギリスのハードボイルド物の特徴ではないかと私は思っている。
 解説によるとこの物語は、実話にヒントを得てかかれたものだという。それは、1988年12月にスコットランドのロッカビー村上空で起きた飛行機爆破事件だそうだ。当時の社会的背景を思い描きながら読むのも一興かと思う。
 前作の『イローナの4人の父親』も一人の少女を囲む、4人の父親と称する男性達の物語であったが、『パーフェクト・キル』を初めとするクリーシィシリーズでも物語の中心は少女である。

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紙の本レベル7

2000/08/11 18:57

レベル7

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この物語は二人の子供の会話から始まる。
“それでさ、ここがコツなんだ。レベル7までいったら…”

以降、この言葉“レベル7までいったら…”が読者の頭から離れなくなる。
この物語のタイトルである“レベル7”の意味を語る事はできない。
作者の意図、この物語の秘密の全てを暴いてしまう事になるからである。
この物語は、全編サスペンスであり、最後まで読者を引きつけてはなさない事だけは間違いない。
この本が書かれたのは、平成2年であるが、今読み返しても古さを感じないのは、
この本の中で起こっている出来事が、現在の日本で起きている出来事(実話)を
思い起こさせるリアリティを持っているからである。
今の若い人達にも是非読んで貰いたい一冊である。
そして、
人を信じる事、愛する事のすばらしさを思い起こしてもらいたいと思う。

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紙の本乳房

2000/08/11 15:00

鬼平をめぐる女達の生き様

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 この本は、閨房(秘め事)を扱った本ではない。題名とは裏腹に、乳房という文字は、後半にたった数行2回でてくるだけである。

 池波正太郎の代表作に鬼平犯科帳というシリーズがあるが、この本は、鬼平こと、長谷川平蔵が火付け盗賊改め方に着任する6年前にさかのぼって、鬼平とその取り巻き達と綾をなしながら生きる”お松”という女の半生を人情味豊かに描いた作品である。

 子供の頃に、酒飲みの父親に鰺包丁で切られた傷を顔に持つ彼女が、どのような半生を送るのかは是非、実際に読んで味わって貰いたい。また、池波正太郎がなぜ”乳房”というタイトルを付けたかは、物語を最後までじっくり読めば理解できると思う。

 この本を読むまできは気がつかなかったが、池波正太郎は、鬼平を通して、様々な女達の生き様も描こうとしていたのではないかと思う。

 同シリーズの中で様々な悪人、善人達が登場し、消えてゆく。女達も例外ではなく、救われたり、慈悲のかけらもなくけ落とされたりしている。作者はどのような倫理観、価値観を持って救われる人、救われない人を分けているのだろうか。聞いてみたい気もするが、池波正太郎はすでにこの世の人ではない。

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グローリー・シーズン

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この本は、架空世界ストラスト(惑星)の中に生きる双子の姉妹が、グローリーシーズン(栄光の時)を求めて旅をする姿をおった本である。
遙かなる過去に、地球から宇宙船に乗ってこの星(ストラスト)に降り立った人達がいた。
彼らは、その後の平和が永久に続くことを願って様々なしかけをおこなった。
その中の一つが、本編の隠れたテーマである人間のクローン化(生殖機能への介在)である。

幾世代か後にこの世界に生まれた双子の姉妹が、栄光への道を模索していく中で成長し、自立していく様を描きつつ、人類のクローン化という重たいテーマを、前半はファンタジー&サスペンスの中に、後半は、サスペンス&アクションの中にさりげなく盛り込んでいる。
(クローン化のメカニズムについては一切触れていない)

架空世界ストラストの女性達は、子供を産むのに、男性の生殖細胞を必要としない。
(物語の中では、男性は女性のクローン化のきっかけとして必要であるとしている)
女性の染色体のみで、子供を産む事ができる、いわゆるクローン繁殖である。
男性は、発情期が夏に設定されており、その季節には自然のいとなみが可能と設定されている。
そのようにして生まれる子供達は、変異子として忌み嫌われる。

どんなに繁栄した(している)一族であっても、元は一人の変異子からスタートする。
変異子の中で、この世界に大きく貢献したもの、大きな資産を勝ち得たもののみがクローン繁殖する権利を勝ち得るのである。
この掟により、より優勢な遺伝子を持つ一族が繁栄し、この世界で生きる上で特徴のない遺伝子を持つ人々は1世代で消えて行く事になる。
しかし、一族全員が全く同じ遺伝子を持つために、たった一つの病原菌で、一族が一度に死滅する危機もはらんでいる。

男性の真の役割は、この小説の後半になって初めてあかされる。
(この説明はこの小説全体の秘密を暴く事になる)
グローリーシーズン上巻、下巻を通じて、作者(訳者)の人に対する愛情で満ちている。
今の若い人達にも是非読んでもらいたい。

この本の内容とは関係ないが、最近のニュースで、ヒトゲノムが解明された、全ての遺伝子が解明された等のニュースが飛び交っている。
様々な病気も、この遺伝子の研究で、解明が進むといわれている。
不良因子を持つ遺伝子を妨げる事で、人類の寿命は延びるとも言われている。
しかし、遺伝子の役割、成り立ちのほとんどを知らない現代の我々が、ごく小数のひとが持っている不良因子と判断されている遺伝子部分を、本当に不要なもの、害をなすものと判断できるのだろうか。

このグローリーシーズンと言う本の中にでてくる様に、画一化された遺伝子群は、同一の環境変化、細菌等の外部要因で一気に絶滅する危険をはらんでいるのではないだろうか。

あるSF小説(題名を忘れてしまったので恐縮だが)の中では、
”現在の遺伝子の多様化は、たった一つの完成された人類遺伝子が何らかの事情で分離・崩壊したものである”
というのがあった。
ならば、最初に完成された(あるいは最後に完成する)姿を知らずに、現存する遺伝子の一部を抹殺する事はできない事になる。
また、幾世代もかけて変化してきた課程では、現在不要と考えられる因子であっても一時期必要であった、またはより良い方向への進化を促す手助けとなった時期があったとは考えられないだろうか。

本の内容から脱線するが、人間の優劣を人間自身が判断する事は誤りである、と私は言いたい。

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政次、奔る

2004/09/12 21:41

田沼意知暗殺に秘められた謎とは

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政次、しほ、彦四郎、亮吉の幼なじみ四人組が活躍する捕り物控え第2弾。
正月早々いきなり浪人に襲われた呉服屋主人松六を、手代の政次が六尺棒1本で救う。しかし重傷を負った松六は呆けてしまう。政次も何故かその詳細を金座裏の宗五郎親分以外には誰にも語ろうとしない。
呆けてしまった主人のそばを片時も離れようとしない政次、そんな政次を心配するしほ達。
事件の陰に田沼意知暗殺の秘密がかいま見える。
そんな事情とは関係なく起こる殺し・誘拐等の難事件を宗五郎一派は次々と解決していく。
下町の長屋生活の人情、風景がリアリティを持って目の前に展開していくのは、作者が『五つの鐘が潮騒に混じって品川宿に響いた』の様に、情景描写を立体的に表現しているからなのだろう。
今回も政次の、町人には不要な天撫の(剣)才で主人松六が救われたが、他の面々からは、手代がついていながら主人に大けがをさせたとして冷たい目で見られてしまう。密かに手代政次に心を向けるしほの恋心が初々しい。
そんな政次としほを応援しつつ第三巻を買いに走ってしまった。

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新艦長着任! 上

2001/04/01 14:32

六本足のモリネコを肩に、颯爽と登場するオナー・ハリントンの宇宙戦争物語。

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 紅の勇者、オナー・ハリントンシリーズの幕開けである。太陽系から遠く離れたマンティコア王国の星間宇宙軍の巡洋艦フィアレスの艦長オナーハリントンは、6本足のモリネコのニミッツを肩にのせ、颯爽と登場する。しかし、その登場直後に、なじまない部下達を引き連れた、僻地バシリスク星系での過酷な任務。ヘヴィン商人との軋轢。そして敵対するヘイヴン人民共和国との熾烈な戦い。やがて部下達の信頼を得、過酷な戦いに勝利し、凱旋するまでを描いた作品である。
 一作目で登場するヘィヴン人民共和国と王国軍の先任艦長であるヤング艦長にはシリーズを通して苦しめられる。

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紙の本闇の掟

2001/03/29 00:14

京都を舞台とした事件帳

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 公事宿事件書留帳シリーズの一冊めである。江戸時代の探偵物(捕り物)にしては珍しく、京都を舞台とした小説である。
 公事宿(くじやど)とは、幕府が認可した制度で、公事訴訟人が、所司代や町奉行へ出かける時に使う宿のことである。その宿の人間は“公事訴訟人の介添えをする、弁護士の様な立場だった”と第一話めで紹介している。
 公事宿事件書留帳は、公事宿“鯉屋”に居候する、京都東町奉行所同心組頭の異母兄田村菊太郎を中心に展開する京都事件帳である。他の捕り物系の様なはでな立ち回りは少ないが、謎解きの妙と、女性作家にしては珍しく色恋を押さえた話のテンポの良さに好感が持てるる。
 私は、この一冊に書かれた7編の短編を一気に読んでしまった。四冊目“奈落の水”が楽しみだ。

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紙の本ブランカ 1

2000/09/26 23:41

ブランカの約束

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米国生まれの犬、ブランカがロシアで遺伝子操作を受け、超犬となる。
彼(ブランカ)は元の飼い主リャブコワ教授の命(遺言)を受け、娘パトリシアの元へとひた走る。
物語の最初の設定に、極北のハンターに似ているところがあるが、この物語の主題は犬の忠誠心と、関わる人達の心にある。
極北のハンターでは、種族の滅亡が最後であるのに対し、この本では、未来の進展を暗示して終わる。
良い意味での全く単純(ストレート)なストーリーである。
かつて犬を飼っていたことのある私には堪えられない一冊である。

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