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  3. ERI君さんのレビュー一覧

ERI君さんのレビュー一覧

投稿者:ERI君

38 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本R.P.G.

2001/11/08 14:48

良質の舞台と同じ、再読の効く小品

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 伏線もしっかりしていて、こういった構成がかっちりしている作品は好みだ。よく出来た舞台劇のような作品で、それだけに、ある書評家が有名なミステリ劇のオマージュと指摘していたが、それが納得できる内容だ。でも、残念なことになんの舞台に対するオマージュか、私にはわからないが残念。
 ある書評に、読み終わって、ロール・プレーイング・ゲームというタイトルになじまない内容だとあった。でも、ゲームとしてのR.P.G.を思うとそうかもしれないが、よく営業員研修などで、お客さんと営業員に分かれてR.P.G.をやる。そこまで考えると、このタイトルはいろんな意味が含まれていて、とってもうまく出来ていると思う。(宮引恵利)。

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撃て、そして叫べ

2001/08/03 14:33

読んで爽快になるアクションストーリー

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 迫力あるノンストップのアクションシーンはテンポ良く読め、読んでいてとっても楽しい。そして何より、読後感が爽快で気持ち良い。夏場に読むのにピッタリかもしれない。
 登場人物の関係は結構予想通りだが、そのとおり進んでも全然気にならないほど、うまく出来ている。
 安易と言えば安易、甘いと云えば甘い、このラストシースが好きだ。(宮引恵利)

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紙の本氷の収穫

2001/07/24 14:37

読んでいないなら、今年のクリスマスに読んで欲しい。

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 最近は長い作品が多いせいか、このようにコンパクトにまとまっている作品を贔屓目で見てしまう。それだけではないだろうが、この作品の読後感は、良質のミステリ映画を見終わったような満足感がある。
 クリスマスイブからクリスマスにかけての一晩の話で、目一杯クリスマス・ストーリーになっている。こういう作品は、夏のくそ暑い日ではなく、クリスマスに読みたかった。皮肉な結末も、やはり、クリスマスならではと感じる。
 主人公チャーリーの感情が、表面にあまり出ていないのが良い。本来、三人称一視点というものは、こうなのかもしれない。読者の視点が主人公の背中越しにあり、まるで、例えとしては不適切かもしれないが、車載カメラでレースを見ているような気がする。主人公の表情すら分からない。後半は、この傾向も顕著でないが、すくなくとも主人公が本当はどう思っているかはよく分からない。
 登場人物も、まともな人間は出てこない割には、本当の悪人は出てこず、小悪党の集団と言った感じである。
 内容紹介や、本のカバーにはねた晴らしがあるので、読まないで済ますか、忘れて、チャーリーがいろんなバーをはしごして、なぜか時間をつぶしている、奇妙な行動を愉しんで欲しい。(宮引恵利)

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二つの時代が平行に流れる豪華な本格ミステリ

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 この作品は、現代と第二次世界大戦前の満州の二つの時代の流れが絡み合う構造になっており、モザイクのように、時代の色々な要素がちりばめられている。好みで申し訳ないが、このような色々の分野の情報を組み合わせた雑学に満ちた本格ミステリは、読んでいてどきどきする。
 ストーリーとしては、密室や、死体の紛失など、色々な謎が提示され、解決されるのだが、冒頭で、誰が殺されるかということを明示されているので、それほど、トリックが満ちていることで、読みづらいと感じさせるほどは入り組んではいない。
 また、語り口も、旧仮名遣いの手記を間にはさむ構成を使っている割には、それほど、凝ってはおらず、読みやすい。特に、一人称で話が始まり、それが三人称への転換し話が続くところは、映画で、登場人物の語りから、フェードインし、その話の中のシーンへ移るテクニックを見るようで楽しい。
 個人的には、キャラクターとして、現代的な女性が主人公のパートが面白かったが、ストーリーの面白さは、手記の過去の話の方だろう。
 途中で、これだけの本格ミステリの構成を持った大作なら、探偵役の存在の比重が大きいが、いったい誰が探偵を勤めるのか、少し、心配になった。しかし、それなりの存在感がある探偵が出てきて、一安心した。
 厚さの割には、一気に読め、最近珍しい、読み応えのある本格ミステリの大作と言って良いだろう。(宮引恵利)

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紙の本スタジアム虹の事件簿

2001/05/16 16:10

5色の虹の野球ミステリ

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 野球もミステリも両方好きで、野球ミステリにはすぐ飛びつくが、残念ながらあまり傑作に出会ったことが無い。それは、どうしても、現実のチームを思い浮かべ、実在の選手をモデルにして読んでしまうためだろう。
 この作品はそれが無い。野球場が舞台で、プロ野球がバックに在るのだが、事件そのものは、野球に関係が無いからだろう。
 逆に、架空のチームに変な存在感があって良い。また、映画の『メジャーリーグ』を思い出させる、なんちゃって大阪弁の3人の応援団が魅力的だ。それらに代表される舞台としての野球場、野球の試合が、ちょっとひねった事件を引き立たせている。
 この作品のように、本格の連作短編集はセンスが物を言い、はまると、とても洒落ていて楽しい。古くはクィーンの短編集だし、この前出たホックの短編集もそうだ。最近、殺伐とした話が多いが、こういった、センスのある粋な本格短編が、ミステリの楽しみの王道なのかもしれない。
 本格の連作短編集の魅力に、様式美といった側面がある。それだけに、文庫化を機に、2話足して、是非、7話にして欲しかった。それが無理なら、プロローグとエピローグをつけて7部構成にして欲しかった。なにしろ、チーム名がレインボーズで、虹がテーマなんだから。そこが、少し、残念である。(宮引恵利)

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紙の本黄昏の岸暁の天

2001/05/02 17:01

麒麟が戻る。

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 待ちに待った十二国記の新作である。でも、テーマを聞いた時、それにしては短いと思った。やはり、今回で、この話は終わっていなかった。
 失踪した麒麟と王。その麒麟が国に戻った。王が戻る、後半が楽しみだ。しかし、最初から、行方不明の麒麟が戻る話と聞いていて、これだけ読ませるのだからすごい。すでに、外伝『魔性の子』があり、その裏話(こっちが、本筋とも言える)としても、すごいものだ。それだけに、どうなるか分からない、失踪した王の話が待ち遠しい。
 ただ、この作品から入る人がいるかもしれないが、そういった読者は、さすがにこの世界に入り込むのはきついだろう。そこは、シリーズ作品の欠点でしょうがないとは言え、気にかかる。まあ、他の作品がすぐに手に入れのが救い。でも、『魔性の子』が入手しづらいのが問題かもしれない。
 この後、この作品のX文庫版が出るそうだ。講談社文庫版とどう違うのだろうか。とっても気がかりである。汚い商売ではないよね。(宮引恵利)

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沈黙の代償

2001/04/10 14:06

構成がしっかりしたサスペンス小説の佳作

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 最近、長い作品が多い中、このぐらいの長さで、内容がコンパクトにまとまっているのがうれしい。実は古い作品なのであたりまえといえばあたりまえだ。でも、内容的には古さを感じさせない。
 誘拐事件を背景に進むストーリーは、例えると、できの良いサスペンス物のテレビ映画を見ているようだ。
 私は様式美にこだわる方だからだろうが、起承転結がしっかりしている構成が気に入った。タイトルもこの作品のテーマを暗示していて印象的である。読後感も、カタルシスがあり気持ちよい。
 シリーズ物が好きな私が、シリーズ物でない作品を書く作家が気に入ることはまれだが、久しぶりに、この作家のうまいサスペンス小説はお気に入りになりそうだ。(宮引恵利)

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紙の本ハドリアヌスの長城

2001/02/21 14:25

友の為に刑務所に入った少年の力強い生き方

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 主人公ヘイドリアンの、なぜ、それほどまでに友人につくすのか、という謎を含んだ生き方が、カットバックでみごとに描かれている。
 主人公をはさむ、問題の友人ソニー・ホープ、そして、ヘイドリアンが愛する、ソニーの妻ジルの3人の関係は、いかにもよくある関係なのだが、刑務所の街という背景、現在と過去をうまく組み合わせた構成で、なにか微妙な関係を感じさせる。
 話のあらすじだけを読むと、暗い少年時代、暗い青年時代と続く、とっても暗い話なのだが、読んでいるときは単に暗い話とは感じない筆力を感じる。
 ヘイドリアンは、二度も、ある意味では感情に任せて、殺人を犯しているのに、妙に冷静なキャラクターである。そのうえ、感情を表に出さない視点で描かれているため、迫力ある話の展開になっている。
 そして、ラストはそれまでの暗さを払拭する感動の作品に仕上がっている。(宮引恵利)

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紙の本神曲法廷

2001/02/09 15:37

ヨーロッパの建物を思わせる様式美に満ちた本格ミステリ

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 最近、小難しい、理屈っぽい日本ミステリを続けて読んでいたので、このようなペダンティックな様式美の作品を読み、実に気持ちの良い読後感にひたらせてもらった。確かに、この作品も理屈っぽい。しかし、社会問題を小説の中で、懇切丁寧に説明される理屈っぽさとは質が違う。しかも、提示された謎がラストシーンできれいに収まる心地よさは、こういった作品ならではであろう。
 あまりにも、事件が、解決が現実味が無いと言われる人もいるだろう。しかし、所詮、小説の世界。現実を読もうとして、小説を手にする人はいない。架空の事件をここまで積み上げ、きれいな様式でくみ上げた作品は、テーマがダンテの『神曲』と神宮ドームとい建物だからか、ヨーロッパの建築物を見上げる感じがする。(宮引恵利)

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紙の本犯罪捜査官

2001/01/18 17:28

冷戦下の韓国を舞台にしたハードボイルド

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 冷戦下の韓国はハードボイルドが似合うみたいだ。しかも、季節は冬と言うところが良い。
 この舞台なら、犯罪捜査の世界に、北朝鮮のスパイや、韓国の秘密情報部が動いてもスパイ小説にならず、おかしくない。軍事物資の横流し組織があっても違和感が無いし、軍の犯罪調査官が正義感に駆られて命令違反して捜査を続けても、個人的恨みで暴走しても、彼らの行動に無理は無い。そのような、うまくバランス取れた世界で、迫力あるストーリーが展開する。
 主人公のジョージとアーニーのコンビは、冷静な主人公、直情型の相棒といういかにものパターンである。だが、それが結構うまくはまり、意外と個性を感じ、魅力的である。 作品の構成として、一部に敵方の描写が入り、一視点が崩れ、気にかかるが、そこは、読者としてこだわりすぎなのかもしれない。(宮引恵利)

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死んだふり

2001/01/12 14:05

ハワイを舞台に3人の騙しあいの結末は。

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 テンポの良い語り口で、長さも手ごろで、楽しく一気に読める。一人称で話が進むのだが、その特性を生かした、いろんな話に飛びながら語られる散漫な独白が楽しい。
 主要な登場人物は5人と少なく、舞台劇を思わせる。ハワイの雰囲気と、3人の互いに誰と誰が組んで、誰がそんな役を引き受けるのか、そんな駆け引きが面白い。
 所々に見られる、3人の駆け引きを見ている、語り手の刑事とその女性の同僚とのやり取りが、芝居の幕間のやり取りを思わせ、良い。
 最後には、5人の思惑が全て、一気に収束して、エンディングへと突き進む。うまく、まとめあげたものだ。
 ミステリとしては、正統派の作品では無く、どちらかというと奇を狙った作品なので、こんな話ばかりを読みたいとは思わないが、たまに読むと、こんな楽しい作品があったのかと感激してしまう。
 しかし、あとがきに、続編を書いているとあるが、本当だろうか。個人的には止めた方がと思ってしまう。(宮引恵利)

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紙の本朗読者

2000/12/20 18:05

透明感のある感動を与えてくれる青春小説

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 意外な結末と紹介されているが、それは感じられない。だが、そうだとしても、読後の感動に変わりは無い。その感動は、涙を流すような激しいものではなく、何か、考えさせるような、これで良かったんだよね、と自らを納得させるような、そんな、透明感のある静かなものだ。それは、すべてを回想という形で、現在から過去を見つめている形で描いているところから生まれている。その距離感が、ハンナに対する思いや、彼女の生き方を冷静な眼で、懐かしさに似た感覚を加えた感情で見させて、読んで良かったと思わせてくれる。
 このような、透明感のある、少し、涼しさを感じる感動的な話は私の好みだ。
 背景にあるのは、ナチスのユダヤ人収容所である。ドイツ人は、やはりどうしても、ユダヤ人虐殺に関して複雑な感情があるのだろう。それが、この作品に満ち満ちている。ふと振り返り、日本人が、南京大虐殺や、従軍慰安婦問題を背景に、このように、さらりと青春恋愛小説を書けるだろうか。しかも、一般の人に売れる大ベストセラーになるだろうか。そう考えると、ドイツ人と、日本人のいろんな意味での違いを感じてしまう。(宮引恵利)

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紙の本キル・ミー・アゲイン

2000/12/12 11:57

モデルの映画も魅力的。戦後映画界の時代の空気を感じるミステリ

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 オーソドックスな作りのミステリに、一工夫しただけで、新鮮な作品になることがままある。まさに、この作品は、そんな作品だ。
 その一工夫とは、舞台を戦後直後の映画界にしたところだ。そして、その舞台が良い。第二次世界大戦の後遺症、ファシズム、レッドパージ、この時代を舞台にしてしか描けない。それらが、事件背景とうまく絡み合っている。モデルとなった映画の使い方もうまいし、続編のシナリオも、効果的だ。
 ミステリーのストーリーとしては、サプライズエンディングでもなんでもないが、事件の裏に流れる空気が魅力的だ。
 幸か不幸か、先行して出たこのシリーズの評価の高い2作目をまだ読んでいない。次を読むのが楽しみだ。
(宮引恵利)

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魅力的な、一癖も、二癖もある作品

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 読み終わって一癖も、二癖もある作品と感じた。
 なにしろ、主人公ライオネル・エスログがトゥーレット症候群という病気を持っているため、周囲の人間からは馬鹿にされている。そこが、くせもの。
 主人公たちのボスが殺されれ、犯人探しが始まるが、このボスがやくざで、いいかげんな男。彼らの関係がまたくせものである。
 最後には、実はそうだったのかという説明が入る。しかし、その説明も、伏線がしっかりしているので、あまり気にならない構成になっている。
 主人公が、「自分」いう一人称を使っていて、これが、主人公たちチンピラのグループの雰囲気をうまく出している。これは、翻訳の勝利。
 また、トゥーレット症候群の唐突に出る言葉が、言葉遊びとなって、作品としてのくせもの度をましている。さぞかし、この、言葉遊びの翻訳に苦労したことだろう
 なかなかとっつきにくい作品かもしれないが、中身はミステリとしてバランスがとれていて、捨てがたい魅力がある。
(宮引恵利)

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紙の本リプリー 新装新版

2000/08/30 15:04

やはり、原作はおもしろい

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 映画の「リプリー」を見て、出来が良く気に入ったのと、前作「太陽がいっぱい」より原作に近いとの話を聞き、原作を読んでみた。前々から、ハイスミスは面白いとの評判も聞いていたが、サスペンス物は基本的に苦手だったので、読みそびれていたが、良いきっかけとなった。
 読んで良かった。期待に反しない、良い作品だった。今まで、ハイスミスに手を出さなかったのが惜しまれる。
 この作品は、犯罪小説であると同時に、トム・リプリーというチンピラの成り上がり小説(成長小説)として読める。リプリーが、次第に犯罪者として成長し、風格が出てくるところがおもしろい。殺意は持っていたものの、最初は、感情にまかせて人を殺す。それが、次第に判断力を増し、感情におぼれることなく、我慢できるようになってくる。生活も、ディッキーの真似だったものが、次第に自分の趣味に、その趣味そのものが高級に、高級な生活が、身についたものになっていく。この、変化が良い。
 特に、この趣味の成長が、イタリアと言う古い文化があり、明るい日差しの国を舞台にしているために引き立っている。
 映画では、ディッキーの父親とその父親が雇う探偵に存在感があって、気に入っていたのだが、小説では、彼らとのやり取りが盛り上がりに欠けるのが残念だった。しかし、これも、小説ではリプリーの視点をメインとして、彼の心理が中心となっているのでやむを得ないところであろう。
 今回は、河出文庫版よんだが、角川文庫版を少し本屋で覗いたら、訳の雰囲気がだいぶ違っていたので気になった。私の印象では、河出の方が硬く、角川の方が柔らかく感じた。まじめに比較してみたい。果たして、どちらが、リプリーのこのストーリーにマッチしているのだろうか。
 ラストのイタリア語がとっても印象的だ。リプリーがディッキーになるためにイタリア語を練習するシーンがあるが、そのシーンが伏線となっている。ラストのイタリア語は、原文で読むともっと印象的なのかもしれない。逆に、イタリア語が分からず、意味不明となる可能性もあるが。
 このラストの余韻を感じつつ、シリーズを続けて読みたくなった。シリーズ2作目の「贋作」は入手が難しいのが残念。是非、復刊してもらい。リプリーの今後の犯罪者としての成長を是非、読んでみたい。それと同時に、遅ればせながら、ハイスミスの魅力に接した今、シリーズ以外の彼女の作品にチャレンジしてみようと思っている。
 でも、それよりなにより、原作を読み終わった今、記憶が薄れている「太陽がいっぱい」を見直したい。(宮引恵利)

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