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レビューアーランキング
先月(2017年6月)

四郎さんのレビュー一覧

投稿者:四郎

6 件中 1 件~ 6 件を表示

超のび太症候群

2001/06/09 15:07

少年問題に光を当てる画期的書物

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 凶悪的な少年犯罪が頻発する現代で、いったい少年たちの(あるいは彼らを取り巻く環境の)何が一番問題なのか。この本は、その疑問にあざやかに答えてくれている。著者は、少年たちがテレビやゲームなどに深く接し、逆に人間同士のコミュニケーションが不足することによって、幼児期の誇大な自己が壊されずに温存されている状況を指摘し、これを「超のび太症候群」と名づける。この考えを元にして、具体的な少年事件や、ストーカー、さらに文学作品まで論じていく。
 このような少年たちの状況に対して、具体的な対応策は述べられていないものの、現状の認識において類書をしのぐ本である。「少年たちはゲームと現実の区別がつかなくなっているのだ」などといまだに思っているような人は、ぜひ一読を。

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本と装幀

2001/06/09 16:43

本の外観

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 本というものは媒体であって、装幀それ自体に本の価値があるわけではないのは明白である。とは言っても、本に物質的な外形がある以上、やはり装幀の美しい書物に魅力を感じてしまうというのも真実であろう。
 この本は、そんな人情にしたがってか、ひたすら本の外身についての知識を提供してくれる。やや専門的ではあるが、身近にあった書物がどのように製本され、装幀されるのかを知ることができ、読書生活にまた別の楽しみを与えてくれる。
 著者の好きな装幀家の紹介などもあるが、書影がまったく無いのが残念。それでも名前を覚えて置いて、書店でその人が装幀した本を探したりするのもまた一興かもしれない。

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紙の本孤独 新訳

2001/06/09 15:08

孤独の効用

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 内向的な少年たちの「暴走」によって、近年特に危険視されている「孤独」だが、その「弧独」を再評価しようというのがこの本。カフカやカントなど、孤独が文学や学門において功を奏した例を多くあげ、また孤独でいることを楽しんだ人を紹介する。また心理学、哲学などを引用し、孤独が人間の人格的な発達にとって必要であることを説く。
 現代はむしろ表層的な付き合いを休み無く強いられることが多い。たまには部屋に引きこもって、こんな本を読んでみるのもいいかもしれない。

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プラトニックラヴの時代

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 明治時代、言文一致が騒がれ、同時に西欧の思考が輸入されてきた明治に、日本人が「プラトニックラヴ」をどのように受け止めていたのかを、当時の文学作品を紹介することによって示した本。「浮雲」「金色夜叉」などの定番から、あまり知られていないようなものまで、明治の小説における恋愛のあり方を一望することができる。今から見ると荒唐無稽なものが多いが、一途に恋愛を信じようとしたものから、ついに信じきれなかったものまで、文学者たちの内面の葛藤が見えてくるようでなかなか楽しめる。

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「みだら」の構造

2001/06/09 15:06

日本の性文化

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 海外での滞在生活の長い著者が、日本文化をセクシャルな視点から見直した文化論とも言うべき本。アメリカなどに比べ、日本の性の文化がいかに趣深いものであるかを説き、そしてその文化が失われつつある現状を嘆いている。西洋的なプラトニックラブへの批判ともなっているが、はないちもんめとカーニバルを比べたり、SMの比較検討をしたりなど、なるほどと思わされるところも多い。ただ本文中に伏字を使いまくるのが著者の言う趣深い「みだら」にかなっているのかどうかは少し疑問である。

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書物の達人

2001/06/09 16:43

本についての本についての本

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 いうまでもなく、世の中には数多くの本があり、その中には当然、「本について書いた本」というものが含まれる。しかしそのような「本についての本」も数多くあるわけで、これは「本についての本」を総括した、「本についての本についての本」というわけである。
 書物についての随想集などの紹介のほか、著名な読書家の書斎がイラストで紹介されたりなど、読書人にとっては楽しみの多い書物だろう。ただ、紹介文自体がやや面白味に欠けるのと、国外の本が少ないのが難といえば難か。

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