サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. hiroさんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年8月)

hiroさんのレビュー一覧

投稿者:hiro

37 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本ミーナの行進

2009/10/27 07:55

ストレートな、家族と少女の成長物語

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 小川作品にしては珍しい、奇を衒わないストレートな物語だと思う。父親を亡くした少女が経済的な理由から母とも離れて暮らすことを余儀なくされ、親戚に預けられる。芦屋に暮らす裕福な親戚一家には、年下の病弱な少女がいて、二人はやがて親友となる。そのようなストーリーが二人を取り巻く家族、使用人との交流を織り交ぜて描かれている。たった一人の家族である母と離れて暮らさなくてはならない少女を、娘と変わらない愛情を持って受け入れる人達と、その中で自分の役割を見いだし、積極的に家族の一員として暮らしていこうとする少女の姿には、素直に感動できるだろう。裕福ではあるけれどある欠落を抱えた家族が、そんなけなげな少女に癒されていく様子も清々しい。親戚とともに暮らした少女の一年間を、移り変わる季節の描写とともに優しい視点で語られている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本昭和天皇

2010/09/05 22:12

昭和天皇

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 昭和天皇と言えば、幕末維新の時期に即位した明治天皇と同じく、激動の時代を生きた天皇である。封建国家が立憲君主国という近代国家に生まれ変わる時期に、それまでとは違った新たな天皇制を築いた明治天皇と、戦前の軍国主義・国粋主義国家から民主主義の国に生まれ変わる時期に、時代に即した新たな天皇制を模索した昭和天皇。どちらも大きくうねる時代の波にもまれた天皇だったろう。
 本書は昭和天皇の皇太子時代を含めて、そのような歴史の転換にどう向き合ってきたのかということを、主として宮中祭祀への態度を辿ることを中心にして考察している。徹底的な皇国史観に基づいた歴史を学んだ御学問所時代や、生物学を熱中した青年時代以降。神代から続く天皇家の末裔という自覚と生物学という自然科学。相反する思想にどう向き合ってきたかという論考はとても興味深いものだった。また、母である貞明皇后との確執や高松・秩父両宮との関係もなかなか面白い。概して人間昭和天皇の苦悩や矛盾が読み取れ、現代史については素人の私にも興味深く読めた。
 戦後TV等マスコミで語る姿や「独白録」からは、軍部主導の日中戦争拡大を止められなかった後悔や対英米開戦に対する不安等、どちらかと言えば戦争拡大に反対の考えをもちながら、「君臨すれど統治せず」の原則に忠実であればこその容認だったという印象を抱いていた。しかし本書を読むと大東亜共栄圏構想は天皇自身の野望でもあったようで、宮中祭祀はその実現を祈る場でもあったというのは意外だった。
 天皇の戦争責任というのは今でも微妙な問題なのであろうが、本書はなかなか刺激的な一冊だと思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「計算士」という暗号を専門とする特殊な職業の主人公が、「記号士」という対立集団との情報戦争に巻き込まれていく様が描かれる「ハードボイルド・ワンダーランド」のパートと時代も場所もはっきりしない、高い壁に囲まれ閉ざされた世界を描く「世界の終わり」のパートとが、交互に綴られ物語が進んでいく。二つの異なった世界、或いは視点で物語を進める手法は、「僕」と「鼠」の3部作や「1Q84」等村上作品ではよくあるが、いずれも二つの異なった世界が時に重なり時に離れを繰り返し、その重なったときに大きなドラマがあるという点で共通しているように思う。言わばうねりの中に山場を見せるという感じだ。しかしこの「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」は大きく離れた二つの世界としてスタートし、物語の進行と共に少しずつ距離を縮め、クライマックスで一つに重なるというシンプルな構成だけに、村上作品の中でも最もドラマチックな作品ではないかと思う。
 「ハードボイルド~」パートのアクション映画を見るような、テンポ良い冒険活劇が面白いのは言うまでもないが、「世界の終わり」パートの独特の世界観も印象深く、私は断然こちらが好きだ。科学技術や文明といったものから取り残された土地で、人々が争いもなくひっそりと暮らす世界。そこには「金も財産も地位も存在」せず、人々は「年老いることもなく死の予感に怯えることもない。」「誰も憎みあわないし欲望も持たない。」「誰もが満ち足りて平和に暮らす」静かで穏やかな社会が「世界の終わり」だ。そこは人々が与えられた役割を淡々と果たすことで喜びを見出し、変わらない日常が延々と続くことに安心を得ている「完全」な社会でもある。しかしそうした「完全」さが、人々が心をなくすことで維持されているという逆説は、かつてユートピアを謳って個の抹殺に行き着いた共産主義社会を暗示しているようでもある。とにもかくにも、「世界の終わり」を構成している「壁」「図書館」「発電所」といった建造物や、「川」や「中州」、「森」とそこに住む人々等、道具立てがもの哀しく詩的であると思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

銃・病原菌・鉄

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 人類が地球上に誕生してから1万3千年。どのようにして現在のような有り様に至ったのか。その謎を考古学や生物学、遺伝子工学等、最新の研究成果を総動員して解き明かしていく。まさしく目が眩むほど壮大なテーマだ。
 上巻では食料生産の歴史について、多くの紙数が費やされている。小集団を基にした狩猟採集中心の移動生活から、農耕を中心にした定住生活へという良く知られた変遷についてである。そんな極常識的な説にしても、現在の農産物の遺伝子解析により特定される起源種から、どこで農耕が起こりどのように広まっていったかという具体的な筋道が示されると、それは全く新鮮な知識として受け取られるから不思議だ。古代の人々がどのようにして、起源種を改良して栽培に適した品種を作り出していったかの推理についても説得力がある。食料生産に限らず、人類の営みを明瞭に浮かび上がらせているところは、博学な著者ならではの所業だろう。ただ論の根拠となっている様々な研究成果については、専門書ではないだけに、いかにも必要な部分だけをサッと持ってきたという印象がある。気になるところではあるが、一般読者を対象としているのであればそれが適切なのだろう。私のような門外漢にも、一気に読めたのであるから。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本法隆寺 世界最古の木造建築

2001/05/12 20:06

法隆寺

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 修学旅行でおなじみの法隆寺。実際に目にした人は多くても、その内部の構造までは、なかなか見ることはできない。構造ばかりではなく、建築の仕方までを詳しく正確なイラストで見せてくれるこの本は、2000円という値段が高く感じられない数少ない本だと思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本ルポ貧困大国アメリカ 2

2010/08/22 00:08

ルポ貧困大国アメリカ2

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

軍事・経済両面の大国であり世界の中で最も豊かな国の一つだと思っていたアメリカ。「アメリカンドリーム」の言葉もあるように、夢が実現できる国というプラスのイメージを多くの人が抱いているのではないだろうか。もちろんベトナム戦争を始め、イラン戦争やアフガニスタン介入、銃犯罪の多さ等、ネガティブな報道に触れることも多いが、全てがバラ色というわけにはいかないのは、どこの国でも同じようなものだろう。
 「ルポ貧困大国アメリカ2」は、貧困というアメリカのマイナス面をリアルに浮かび上がらせたルポルタージュだ。前作からサブプライムローン問題やハリケーン被災者の救済問題、医療難民といったアメリカの抱える社会問題を、実際の被害者となっている低所得者層の人々の目線で報告し、貧困のもたらす様々な困窮を描いていた。当時のブッシュ政権はそうした弱者救済・福祉は切り捨て、戦争の拡大を推し進め、貧困層の更なる増大を招いていく。そして本作では、オバマ政権発足後のアメリカ社会を、教育と医療、刑務所問題等を中心にして、現在の貧困の様相をルポルタージュしている。アメリカの変革を願う多くの期待を背景に出発したオバマ政権だったと思うが、驚いたことに貧困問題がさらに加速していることが、本書を読むとよくわかる。特にリーマンショック以降の失業率の増加ということもあり、元々の貧困層に加え、中間層の人々に教育ローンや住宅ローン、医療保険が支払いきれなくなり破産する人々が増えているという。本来平均的な生活を送ることができる人々の層に、貧困が広がっているということらしい。一方、教育や医療、企業に有利な雇用形態といった貧困の直接的な原因となっている分野で莫大な利益を上げる企業は多くあるようで、つまりはそうした貧困が全て企業の利益に直接結びついているということだ。大企業が政治と堅く結びついて、本来は国の活力を生み出す原動力となるべき自国民から、絞り出すように利益をむさぼっている状況は、餌を全て食べ尽くしついには自らの尾に食らいついた蛇の姿を連想させる。自分の尾さえ食べ始めた、頭ばかり肥え太った蛇の姿。
 アメリカの貧困問題は、なりふり構わず利益を追い続ける資本主義経済の行き着く先を暗示するようで恐ろしい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本桜田門外ノ変 改版 上

2011/01/22 22:26

吉村昭の歴史小説

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 吉村昭氏の歴史小説の魅力は、可能な限り同時代、またはそれに近い資料を渉猟し、実地を歩き、時には遺族や子孫にまで話を聞く、そうした綿密な調査を土台としているところだと思う。そうした緻密さが、小説の中心人物や事物だけではなく、周辺の人物、時代にまで行き渡っているようだ。この点は司馬遼太郎の創作姿勢にも通じるし、遡れば森鴎外の歴史小説にも共通しているようだ。そうした綿密な調査の土台の上に、作家の想像力で人物を活かし時代を動かして紡ぐのが歴史小説であり、歴史の教科書やフィクションとしての時代小説とは異なった奥深さをたたえていると思う。
 氏の作品のもう一つのおもしろさは、中心の出来事よりもむしろ周辺の出来事に、より力点が置かれているところではないだろうか。この「桜田門外の変」にしても、タイトルでもある暗殺事件についてはむしろ淡々とした記述で、そこに至るまでの暗殺実行者の属していた水戸藩の状況や、事件後の情勢の変化に翻弄される主人公達の生をこそ、より克明に綴っている。同氏の作品「彰義隊」でも、上野戦争での彰義隊憤死後の、上野寛永寺貫首の運命の変転がより詳細に描かれていたのを興味深く読んだが、その点この「桜田門外の変」とよく似ている。歴史上の大事件は、それが大事件であるが故に歴史に残るのではなく、前後の時の流れがそれを大事件たらしめているという氏の史観が感じられる。主人公の起伏に満ちた人生が、時代の激動と重なり興味深い作品だ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本センセイの鞄

2008/08/28 17:50

センセイの鞄

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 37歳独身女性と高校時代の恩師である元国語教師との恋愛。30歳(以上でしょう、多分)もかけ離れた女性との恋を成就させるというお話なのだから、平凡な老人男性の側から見ればこれはもうファンタジー、おとぎ話の類なのではないでしょうか。それだからこそ、発表当時は中高年男性を中心に多く読まれ勇気を与えた、というような解説もありました。「俺だって、まだ終わってない」というところでしょうか。ただ、年齢差というファンタジー的な要素を除いてみると、どうでしょう。そういう視点で読んでみると、主人公男女の恋の形がとてもいい。奥床しくて、ほのぼのしていて、でも十分情熱的でもあり、知的であるかもしれない。居酒屋のカウンターで並んで飲む、飲み友達からスタートし、町を歩き、野山を歩き、海辺を歩く。季節を感じ、人の心の機微を感じながら、次第に密な時間を共有していく。これって恋愛の原点だな、という気がします。もうとっくにほとんど恋人同士だろう、という後半になって初めて「ツキコさん、デートいたしましょう」というセンセイのせりふも、男としてけじめをつけようとする姿勢が感じられて清々しいし、「ワタクシと、恋愛を前提としたおつきあいをして、いただけますでしょうか」というせりふも、センセイの逡巡や勇気を奮い起こす気持ちが伺え、とてもいい。これから恋をしようとする人には、是非読んでほしいと思われました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本朗読者

2010/11/24 22:06

朗読者

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 少し前に映画化もされ、高い評価を受けた作品だったこともあり、小説を読んでいなくてもその内容を知っている人は多いのではないか。原作と映像作品との距離が、かなり近いという数少ない映画でもあったと思う。
 15歳の少年が母親ほど年の違う女性と恋に落ちる。少年は当然のことながら性の虜となっていく。そんな2人の関係を軸に、物語は主人公の過去の回想として語られていく。逢い引きを重ねるたびに深まっていく少年の女性への思いと、肉体関係は続けながらも一定の距離をおくような女性ハンナの思いとの微妙なズレが、物語前半の大きなポイントだろう。2人の間にあるものを、少年は「愛」と感じたが、ハンナは果たしてどうだったのか。やがてハンナはそんな謎を残して姿を消してしまう。
 成長して法律を学ぶ学生となった主人公が、ナチ戦犯を裁く法廷でその被告人となったハンナと再会するところから、後半が始まる。被告人となった元恋人ハンナへの主人公の複雑な思いとともに、ハンナの謎ともとれる生き方の理由が裁判を通して明されていく。
 結局ハンナは少年を愛していたのだろうか。それはハンナが逢瀬を重ねるごとに少年に求めた物語の「朗読」のことを思えば、明らかなのではないだろうか。2人の肉体関係は、少年にとっては愛の証に他ならないが、ハンナにとってはその報酬に過ぎなかったのではないか。そう考えると、ハンナが自身の抱える大きな懊悩故に生き方を過ち、ナチ戦犯となってしまった罪よりも、一層重く残酷な罪のように感じられる。ハンナの最後の身の処し方が、それを象徴しているのではないだろうか。
 ドイツの人々の負の遺産に対する、世代によっても異なる複雑な思いとともに、人にとって大切なものは何なのかということを考えさせられる一冊だった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本風の歌を聴け

2009/10/28 22:38

風の歌を聴け

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 まだ村上春樹の名がそれほど広く知られていなかった時期、文芸雑誌の新人賞受賞作ということで読んでみました。当時は現代作家として、遠藤周作や大江健三郎を集中して読んでいた自分にとって、それ程名の知られていない若手作家の処女作ということもあり、その装丁も含めてなんだか薄っぺらな本だなと感じたことを覚えています。一読しての感想は「軽いな」の一言でした。人物や情景の描写、そのテーマ、そして分量、すべてが軽い。1冊の本が、文字通りあっという間に読めてしまいます。しかしその軽さの中に、何か光るものを感じたのでしょう、それ以来、村上氏のすべての作品を追いかけて読むようになり、今に至っています。
 この小説は大学生の「僕」と親友「鼠」を中心にした、小指の無い少女やおかしなDJ、中国人のバーテンダーといった、ユニークな人物たちとのささやかな交流を描いた一夏の物語です。それぞれに抱える悩みや鬱屈を、特徴的な短いセンテンスと軽妙な会話とでさらりと捉えています。そんなところが「軽い」という印象につながっているのだろうと思います。しかし今をときめく日本文学の旗手、村上春樹の作品です。その軽さの中には、実に巧妙な仕掛けがあります。そのあたりはたくさん出ている作品研究を読んでみると、この小説の面白さがさらに際立ってくると思います。
 
  
 

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

モンティニーの狼男爵

2002/05/30 22:30

モンティニーの狼男爵

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 フランス革命前後のフランスの片田舎を舞台とした、一風変わった恋愛小説。小さな領地を相続し、何の野心も夢もなく、それでも特に不満があるでもない。そんなさえない男爵が、政略結婚で妻にしたのが、これまたパッとしない平凡な娘。しかし一目で娘に恋をしてしまった彼の人生には、“同じように愛されたい”という大きな目標が。そんな素朴とも言える恋愛物語に狼男伝説が絡み、さらにはフランス革命という史実のスパイスが加わる。
 佐藤亜紀という博識な作者の、ユニークな想像力に感嘆してしまう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

20世紀言語学入門

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 詩や小説と言った文学、思想や社会学と言った人文科学に興味のある人であれば、それらに形を与える言語その物に惹かれた経験が一度はあるのではないだろうか。日頃から読書することの楽しみに通じていればなおのこと、私達にその恵みを与えてくれる「言語」の学には抗しがたい魅力がある。思想や哲学にしても、様々な思索は言語によってなされるところから、「現代の思想は、言語という基本要素をやっかい払いしうるどんな超越的立場もありはしない」という立場に立って、本書は20世紀の言語学の流れを概観している。
 民俗学や社会学等、様々な分野の学問が相互に影響しあって現代の言語学が形作られ、それがまた思想や哲学に還元されていく様は、知のダイナミズムを感じさせる。本書はそれを初心者にも理解できるように、ある時は単純化し、またある時は身近な比喩を用いてわかりやすく概説してくれる。これから本格的に学ぼうという人にとっても、格好の入門書になるのではないだろうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本Akira Part1 鉄雄

2002/06/04 17:28

AKIRA

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「童夢」「AKIRA」と、いわゆる超能力者を描いた大友作品。背景は現在、近未来と違ってはいるが、リアリティ溢れる絵柄に、引き込まれてもう何度も読んだ。ほぼ同時代の作品と言っていい「ガンダム」が広く長く受け入れられたことを思い出してみると、「超能力」という何か人間を超えたものへの憧れや渇望があった時代なのだろうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本漂流教室 1

2002/05/30 22:54

漂流教室

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 TVドラマをきっかけとして再読。中学生当時に読んで以来だが、中年となった今改めて読んでも、色褪せない名作であると感じた。せりふの大仰さについ笑ってしまうところは確かにある。しかしそんなことは小さなことと思わせるような、大きなテーマを含んだ物語だと思う。私は「あしたのジョー」「デビルマン」と並んでこの「漂流教室」は、漫画というサブカルチャーをメインに引きあげた、手塚治虫以後の、画期的な3大成果だと思っている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

創価学会解剖

2002/01/14 16:27

創価学会解剖

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「公称812万世帯」を会員に有する「日本最大の巨大教団」である創価学会。その全体像を可能な限り客観的にあぶり出す。組織は巨大になればなるほど、その全体像は組織の外にいる者にとって(時には内部の人に取ってさえ)、捉え難いものだろうから、これは労作といえるだろう。
 昭和初期、確実に軍国主義化していく世相を背景にして始まったという創価学会。その時々の時代の必要に応じて様々な活動を行ってきたことで、確実に会員を増やしていったその経緯が興味深い。右傾化する社会にあっては当局の弾圧に抗してまで、仏教の慈悲の精神に根ざした「絶対平和」を説き、戦後の混乱期には貧民救済を目指すという、公共の福祉や弱者に目を向けた活動をその中心に置くことで、単なる新興の宗教教団という以上の影響を社会に与え、多くの人々に受け入れられてきた。現在の巨大さを作る基礎がどのようなものだったかが、よく理解される。なるほど学会の目指したものが(例えそれが会員獲得の手段であったとしても)、一般の庶民、大衆の望むところと実に一致していたということだ。そのようにして成長・拡大していった学会の現在の姿。部外者にとってはその金権体質、権威主義、あるいは権力志向(と言っては失礼だろうか)ばかりが目立つように思われるその姿は、現在の私も含めた庶民の目には、どのように映っているだろうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

37 件中 1 件~ 15 件を表示