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口車大王さんのレビュー一覧

投稿者:口車大王

6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本盟約 上

2000/08/03 08:37

古きよき時代の日英関係を背景にした、冒険活劇

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 本書冒頭、覚書より

 本書は、隻腕の鯨取り銛一甚助(もりいちじんすけ)の変転を描いた『勇魚(いさな)』をひき継ぐ物語である。紀州の鯨捕りの村、太地(たいじ)に生をうけ、将来を嘱望されながらも、片腕を失って絶望の淵にあった甚助は、紀州藩士・松平定頼との邂逅を機に、幕末日本が直面する巨大な歴史の変動の場に立ち会うことになった。井伊直弼、吉田松陰、坂本龍馬、中浜万次郎。世界へ目を転じはじめた幕末の群像。彼らとの出会いを経て、やがて一度捨てた海への思いを取り戻した甚助は、海の彼方に自らの夢を賭け、ヴァンクーヴァーへと去った……。
そしてここに、新たな物語が幕を開ける。勇猛な鯨取りの血をひく甚助の息子、ひとりの荒ぶる若者の物語が——


 覚書でもわかるように、本書は連作の第二部である。本書では、甚助の息子三郎が、日本海軍軍人として活躍する姿を通して、日露戦争を軸に、日本と英国の蜜月の時代であり、軍国主義に突入していく暗雲が漂い始める、19世紀末から20世紀初頭の日本を見事に描いている。

 1945年8月15日以後、それ以前のことは全て間違っているとされている現代日本において、日露戦争における日本海海戦と東郷平八郎の名は知っていても、そのころの日本の置かれた状況と背景について、いったいどれほどの現代日本人が知っているであろうか。善くも悪しくも、我々はこの時代の延長線上に生きているのである。ハワイ王国との関係等、歴史的に埋没してしまった事実も登場し、架空と史実がないまぜになって、我々の依って立つべき場所はどこにあるのか、国際的に自信をなくしてしまっている日本人に「元気」を与える、栄養ドリンクのような小説である。

 かた苦しいことを書いたが、そんな「へ理屈」を抜きにして、冒険活劇としても痛快な小説であり、一気に読んでしまう。できれば、前作の『勇魚(いさな)』から続けて読むと、面白さが倍増する。

 書店であまり見かけなかったのが不思議である。「C.W.ニコル」という名前から連想される「自然派」のイメージと遠いからであろうか。しかしカナダやイギリス、日本の江田島や佐世保の自然描写は秀逸で、自然派ニコル氏の片鱗は十分感じさせられる小説でもある。そしてこれは、村上博基氏の、美しい日本語訳によって完成する。

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紙の本入門テレビ放送装置 2

2000/08/03 08:30

基本は重要、マルチメディアの基礎

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 本書の改訂第2版が出版されたのは1986年である。それから14年も経って、年末にはデジタル放送が始まるというご時世。普通だったら、絶版になっているかもしれないそんな古い技術書、紹介してもしょうがないと思うでしょ。ところがぎっちょん、本書はテレビ放送の基礎原理について解説した、大変重要な書籍なのである。テレビ放送の基礎原理について解説した本は、本書以外にNHKから出ているくらいか。基礎原理を知っていることがいかに重要か、いくつか例をかいておこう。

 例えば、ヨーロッパ旅行に行って、アムステルダムでなかなかのエロビデオを見っけて、喜び勇んで買ってきたといたしましょう。自宅にて、心躍らせながらビデオデッキに件のエロビデオを入れて、さあ行くぞ!と思ったら。ああ、なんてこったい、ちゃんと映らないでわないか!そうです。日本とヨーロッパでは放送方式が異なるので、映らないのである。本書では、このそれぞれの放送方式について、詳しく解説してある。そこに書いてある数式で頭がくらくら来ても、どこの国がどの方式かという一覧表は、必ずしや役に立つであろう。あ、これはエロビデオを買ってくることを推奨しているわけでないので、そこのところよろしく。

 そして、さらに例えば、Adobe Photoshopなるソフトをお使いの読者諸兄も大勢いらっしゃると思う。Photoshopを使っていると、「ガンマ補正」という、なんかよくわからないけれど、ちゃんとあわさないととってもまずいような代物が登場する。これいったいどういう意味があって、どのように設定すればよいのか、Photoshopのマニュアルや解説本読んでも、どこにも書いていない。さあお立ち会い、困ったときの本書である。「ガンマ」とは何か、本書には明快に書いてある。そしてその値をどのように設定すればよいかも、書いてある。

 世の中エラソーなことをこいているギョーカイ関係者は多々おるが、こういう基本的なことをわかっている奴なんて、ほとんどいない。エラソーな能書きぶーたれられて、あったま来てしまったら、本書など読んで知識を仕込み、「あの、ガンマ補正値は、2.2でよろしいですよね?」などと、真綿でくるむように仕返しすべし。

 ただし、積分記号などに惑わされて頭がくらくらし、挫折しないように。わかるところだけ飛ばして読んでいればそれで吉なり。一発かましてやるには、是非一読を、というのが本書である。

 ところで、本書は2分冊なのであるが、ここには「2」しかない。「1」は絶版になってしまったのだろうか。やばい。

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紙の本不肖・宮嶋踊る大取材線

2000/08/03 09:52

「人の不幸は蜜の味」そして「裏話は楽しい」

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 えげつない言い方であるが、これが本書を貫いている一本線である。著者は週刊フライデーや週刊文春を中心に活躍するフリーカメラマンである。人に道に外れているようなカメラマン人生をオブラートに包み、軽妙に描写する著者には、脱帽である。そしてその臨場感は、本当にたいしたものである。「事件は編集部で起こってんのやあらへんで!現場で起こってまんのや!!」と帯にもあるが、まさに掛け値なし、「ほんとにそうですなぁ。」と、思わず納得させられてしまう。

 全部で30章からなるうち、私が最も気に入っているのは、第3章の「カメラマンは二度死ぬ」である。

 鉄道少年、すなわち「鉄ちゃん」だった著者が、高一の時に友人と鉄道写真を撮りに行ったときの話である。著者ほどのめり込まなかったが、やはり「鉄ちゃん」をやっていて、今は10両編成の電車ががんがん走っている川越線や、最近電化された八高線の荒川にかかる鉄橋を渡って、蒸気機関車の写真を撮りに行った経験のある私にとって、思わず、「うんうん、そうそう、あんなこと二度とできない。」と、自分の体験と重なって、その臨場感に引き込まれてしまう。鉄道写真を撮るのをやめた動機も著者と一緒で、ここまで立ち読みしていたが、思わず買い求めた次第である。

 それにしても、普段お気楽に手に取る週刊誌に掲載される写真の裏に、こんなにすごいドラマと執念があるとは。すごいのだけれど、軽妙なタッチでめちゃくちゃ面白い。「人の不幸は蜜の味」であり、「裏話は楽しい」のである。

 疲れたときの息抜きの「清涼剤」として、吉。

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紙の本中国人の卑劣日本人の拙劣

2004/02/11 22:42

中国人の卑劣日本人の拙劣

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 1980年代、中国人留学生と接する機会に恵まれた私は、当時すでに彼らの行動から「自分さえよければ」という自己中心的な考え方を見て取っていた。もちろん、人の良い中国人もいたわけであるが、後ろ足で砂を引っかけられるようなまねを随分されたものである。また、当の中国人達から中国の社会構造もいろいろ聞かされ、本当にえげつない国だと思ったものである。だから、この本を読んだときに「まあ、そうだろうな。」と特に驚きはしなかったが、当時から10年以上経ってさらに中国はえげつない社会になっていることを、目の当たりにさせられた。感情論ではなく事実を積み重ねて検証しているだけに、その真実味の迫力はすごい。中国でビジネスを考えている人、中国の未来は明るいなんて言う幻想を抱いている人は、一度は目を通すべき本であろう。

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紙の本西暦2000年問題の現場から

2000/08/03 08:22

「2000年問題なんて、もう終わったこと」ではない

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 1999年の夏ごろは、2000年1月1日を半年後に控えて、2000年問題はマスコミを賑わせていた。2000年1月1日から半年も過ぎて、2000年問題なんてなかったことのように、誰も何も言わない。そしてもうすべてが無事終わったことのようである。

 本当にそうなのだろうか。

 本書は、2000年問題は一過性のものではなく、コンピュータソフトウェアに内在する、言い換えればそれを作るソフトウェアエンジニアの、根本的な「モラル」の問題を見事に描き出している。具体的に、2000年問題が決して一過性のものではないことを、次に来る2038年問題を提示して、読者に突きつけている。2038年問題とは何か、本書を読んでいただきたいが、それと似たようなことが1999年8月に、GPSすなわちそれを応用したカーナビゲーションシステムで起きている。

 本書を読んで感心するのは、2000年問題を、日付の年の桁数が2桁であることにより直接引き起こされるプログラムの問題と、そこから派生して起きる問題を分けて考えるべきであると分析していることである。きわめて冷静にひとつひとつ分析し、2000年問題はいったい何が問題なのか明確にし、プログラミングを手直しする作業での問題点と、そこから派生して起きる問題点について、コンピュータの素人にもわかりやすく解説している。

 プログラムの手直しにおける問題点の分析では、日常、プログラミングの作業がどのように行われているか実に分かりやすく説明されており、ITだとかeコマースだだとかなんだかんだと、最新技術が出てきて世の中どんどん進歩しているように思われているが、実は前近代的な労働集約の泥臭い作業に支えられているという現実を突きつけている。2000年問題で、たまたまそれが顕在化しただけであることが、良くわかる。そして「まさか、こんなに長くプログラムが使われるとは思わなかった。」という考えと、「そのうち何とかなるだろう。」という安易な発想が交錯した結果であることも、よくわかる。

 考えてみれば、「スタートレック」が描き出す、現在よりずっと科学技術の発達したはずの24世紀においても、チーフオブライエンは工具箱を片手に「コンジット」の中を修理のために右往左往しているのである。そう、今から400年後も、工具箱はなくならないのである。

 2000年問題から派生する問題については、断水になるとか、食料を備蓄しなければならないとか、飛行機が墜落するとか、ミサイルが飛んでくるとか、随分言われたものである。しかし、考えてもみていただきたい。2000年問題は事前に何か起きることが予測されていることである。そんなものは私に言わせれば、「危機」でも何でもない。実際、関西地方においては、2000年問題はせっぱ詰まっても盛り上がらなかったという。そりゃそうであろう、4年前の1995年に、本当にすごい危機にあったのだから。そして、2000年問題くらいで飛行機が墜落しないことは、その数年前のNTTの回線ダウンを原因とする、航空管制システムの突然の機能不能で実証している。

 そういう、過去の事実と突き合わせて2000年問題の危険性を検証すべきであるのに、大半のマスコミはそういう分析をせず、直接的な問題と間接的な問題をないまぜにし、扇情的に危機を煽るものであった。まったくもって勉強不足であり、改めて本書の著者の、本質をするどく分析する能力が際立つ。2000年問題はもう終わったから、過去の「本」というわけではないのである。コンピュータシステムに潜む、根本的な問題を解説した、普遍的な本なのである。

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ケーブルがつながっていれば、動くと思っていませんか?

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 ケーブルなんて、つながっていればいい。

 全く、「通産省認定システムインテグレータ企業」という看板を出している企業が、LANに対してこんな認識であったりする。また工事業者も、めちゃくちゃな配線工事をやったりしているのである。したがって、しろうとさんがそう思っても当然である。

 ところが、LANの通信速度が向上し、10Mbpsだったものが100Mbpsになり、さらに1Gbpsというスピードになると、そうは簡単にはいかない。困ったことに100Mbpsのつもりでいても、最近の接続装置は通信できなければ勝手に10Mbpsに切り替えてしまう。すなわち、とりあえず動いてしまうから、「なんか100Mbpsにしたわりには遅いなぁ。」と思い込んでしまう。Windows95が登場して5年、パソコンLANが一気に普及するのに貢献したが、パソコンLANを支えるネットワークに対する知識と技能が追いつかなかった。ここに来てLAN配線のトラブルが、高速化と相まって一気に吹き出した。

 なぜこんなことになるのかというと、LAN配線工事に関する基本的なことを記述した解説書が、長く日本にはなかったのである。しかも、電源工事と電話工事には国家資格があるが、LAN配線工事には国家資格も何もないこと、皆さんご存知であろうか。すなわち、「だれでもできる」のである。それではLAN配線工事の品質が悪くなっても当然である。

 本書は、LAN配線工事業者にとってはバイブルのような本である。またしろうとであるユーザーにとっても、工事業者がちゃんと工事をしているか、確認するための指針を提示するものである。専門書であるから技術用語とかたくさん出てきて訳がわからないかもしれないが、工事業者の目につくところに、この本をさりげなく置いておくのである。効果はてきめんである!!本にはこういう使い方もある。

 本書の著者の肩書きを見ると、「英語修学士、技術文書の著述を得意とする」となっている。すなわち、LAN配線工事の専門家ではない。しかし、わかりやすく解説書を書くプロである。「専門家であれば、なんでもできる」と思われている、逆に「専門家でなければ、耳を傾けるに値しない。」と思われている日本ではあり得ないことである。すなわちこのような解説書を書くことはプレゼンテーションのひとつであるが、日本ではこのプレゼンテーションの重要性が理解されていない。アメリカが良くて日本がダメだとは言いたくないが、こればかりは残念ながらその通りである。

 身近にコンピュータネットワークシステムがあるのなら、必須の一冊である。

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