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先月(2017年8月)

まーしゃ@B◎◎KRACKさんのレビュー一覧

投稿者:まーしゃ@B◎◎KRACK

255 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本ふたりはともだち

2001/06/22 15:39

がまくんとかえるくん、ふしぎな関係。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 がまくんとかえるくんの、なかよし? 物語です。

 短いおはなしが4つ入った本です。字が読めるようになった子なら、自分で読むのも楽しいと思うし、兄弟やおかあさんおとうさんに読んであげても、喜んでもらえるかもしれません。字がまだ読めない子には、どうぞ読んであげてください。

 親友どうしのがまくんとかえるくんの、やさしいんだかいじわるなんだかわからない関係が、味わい深いお話だと思います。

 たとえば、「はるがきた」というお話。
 かえるくんは「はるがきたよー」とがまくんのおうちへ行くのですが、がまくんは「5月のなかばごろになったらもう1回おこしてくれたまえ」なんていって寝てます。それでもかえるくんは「それまで、ぼくさみしいよ」なんていって、カレンダーを5月にかえてがまくんをだまして、むりやり起こしちゃう。これって、友情なの(笑)?

 「すいえい」や「おてがみ」も、ちょっといじわるなかんじが、たまらない魅力。手紙をほしがっているともだちに手紙を書いてあげるのはわかるけど、わざわざかたつむりに郵便を頼まなくたって…(笑)。

 教科書的に「おともだちっていいよね」とひとくくりにできないところが、この本の上等さではないかなぁと思います。

 セピア調の絵とざらっとした紙のかんじもあわせて、お楽しみください。

【B◎◎KRACK】 No.88 2001/06/20発行

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ほんとに、わたしのせいじゃない?

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本はスウェーデンで生まれたシリーズの1冊です。前半は、男の子がひとり泣いていて、その子のクラスメイトたちが、ひとりひとりが前にでてきて、それぞれの言い分を語ります。

 いじめられていたらしい男の子に対して、クラスのみんなの「みてないから、ぼくは知らない」とか「おおぜいでやっていたから、ひとりじゃとめられなかった」という言い訳、責任のなすりあいが続きます。みんながいいたいのは、「しらない」「わたしのせいじゃない」ということだけ。

 後半は、大きな文字で「わたしのせいじゃない?」と書かれたページの後から、戦争や、原水爆実験、餓えた子どもが泣いている写真が続きます。文章は、ありません。

 この手の本にありがちな説教くささはありません。子どもだけでなく、大人にとっても、深く考えさせられる本です。

B◎◎KRACK No.18 2000/01/19発行

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ただの料理本ではありません。育児本としても読めます。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

とりたてて料理するのが好きなわけではないですけれど、どうせ毎日作
るのならおいしいものをつくりたい!

というわけで、カツ代本です。家庭料理といったら、カツ代さんでしょ
う。いろいろ試してみましたが、肉じゃがとから揚げは、この人に勝る
レシピはないです(きっぱり!)。この本を買ってからは、ここをネタ
にごはんをつくっているまーしゃです。

この本では、カツ代さんとケンタロウさんが、定番料理対決や食材対決
をしています。カツ代さんがおふくろの味系のお料理だとすると、ケン
タロウさんはこってり味系かな。どちらも家庭でふつうにつくれるお料
理ばかりです。

お二人のレシピを同時に味わえるのはもちろんありがたいのですけれ
ど、この本の楽しさはこの親子や小林家を垣間見ることができること。
すでに料理研究家として大忙しだったカツ代さんが、年子(!)の二人
の育児を同時にこなし、さらには、娘ではなく息子のケンタロウさんが
同じ料理研究家になっているということに、以前から興味をもっていた
ので、ふたりのやりとりやインタビューを楽しく読みました。

そういう意味で、育児本だったりもします。食べることって、大事だ
なぁ。

ちなみに本文中のイラストはケンタロウさん、スタイリングは板井典夫
さんが担当しています。おいしそうな写真がたくさんあります〜。実際
おいしいんですけど、これまで作った中で家族にも好評だったのは、
「ささみの香草揚げ」と「キャベツと明太子の焼きうどん」かな。毎日
今日はどれにしよう?と悩むのも楽しい〜。

おふたりのしあわせそうな笑顔にもそそられる1冊です。おいしいごは
んが食べられるって、しあわせだわ。

【B◎◎KRACK】 No.133 2002/05/22発行●ちょっと大きい本棚



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紙の本ぐりとぐらのあいうえお

2002/03/08 07:03

なかがわ節炸裂のあいうえお絵本

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 手のひらサイズの、ぐりとぐらのあいうえお絵本です。このサイズからしてかわいらしいのですが、読んでみると、なかがわ節炸裂のすごいなーという絵本です。

 たとえば…さ行。
「さくらの
 したで
 すまして
 せのび
 そっくりかえる」

で、満開の桜の下で、つーんとすましているぐりとぐらが描かれているのですね。「そ」で「そっくりかえる」、なんて思いつきますか?

 な行もすごい。
「なんとまあ
 にんじん
 ぬいたら
 ねっこのひげが
 のびほうだい」

ぐりが「ねっこのひげがのびほうだい」のにんじんをかかえている絵です。まーしゃ的には、爆笑。
 添えられたやまわきさんの絵のかわいらしさはもちろんですが、なかがわさんオリジナルのなんともいえないことば遊びをお楽しみください。ぜひ声にだしてお楽しみくださいませね。

【B◎◎KRACK】 No.121 2002/02/20発行

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紙の本おふろだいすき

2002/06/05 15:00

せまいお風呂がおふろが広くなる、広くなる…。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

狭いおふろでも広く感じることができる、おふろが楽しくなる絵本です。

「ぼく」が、いつものようにあひるの「プッカ」をつれておふろに入っ
ていると、おふろの底からかめが、ふたごのペンギンが、オットセイ
が、さらにはかばもくじらもでてくる絵本です。

はだかんぼのぼくは、びっくりしつつも、自分のからだをちゃんと洗い、
大きなかばのからだも洗ってあげます。くじらのシャワーで泡を流し、
みんなそろって肩までお湯につかり、数を数えていると、おかあさんの
呼ぶ声…。

ぼくとプッカでいっぱいの狭いおふろが、いつのまにかひろーく広がる
ようすが楽しい絵本。ただの空想物語に終わらないのは、松岡さんの話
の展開のうまさもさることながら、かばのからだを洗うシーンのリアル
さあってのことではないでしょうか。ぼくがつま先立ちしながら、一生
懸命ゴシゴシゴシゴシ洗っているシーンです。

「子どもの一生懸命さを描かせたら、世界一」(うなずいてくれますよ
ね?)の林明子さんが絵を描いているのですから、そのシーンの迫力も
おわかりいただけることでしょう。

表紙の、ぼくがちょっとこわごわとかばの首(?)を洗っているシーン
はぜひ表紙を開いて、裏表紙と一続きでご覧くださいね。

ほかほかにあたたまって、ぴかぴかになったぼくをみたら、読んでいる
ほうの気持ちもほかほかぴかぴかになりそうです。

【B◎◎KRACK】No.111 2001/12/05発行

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カッコいいせりふとフンイキのある絵。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 アーディゾーニ生誕百年を記念して生まれた新版のチム・シリーズです。エドワード・アーディゾーニは、イギリスの国民的イラストレーターで、2000年が生誕百年にあたりました。それを記念して生まれたのが、このシリーズ。全11巻です。
 アーディゾーニは絵本のほかに挿し絵の仕事も数多くしていますので、イギリスの子どもの本を読んだ方はけっこう目にされているのではないかと思います。子どものころ「この絵、好きだなぁ」と思っていた挿し絵画家の名を、おとなになってアーディゾーニだとを知って、ああやっぱり…とひとり納得したのを覚えています。繊細なン画で、フンイキがあって、ステキなんだよね。
 さて。お話は、海岸近くに住む船乗りになりたくてしかたがない男の子チムが船にもぐりこんで、りっぱに働くお話です。ただのりしているところをみつかったとき、船長さんに「おまえは、ただのりだから、そのぶんだけはたらかなければいかん。」と言われて仕事をするようになるのですが、船の仕事はとってもたいへん。後悔して泣きながら仕事をしていたチムですが、その仕事ぶりを認められ、船員たちはもちろん、船長にもかわいがられます。
 そんなある日、すごい嵐がやってきて船が座礁し、沈没しかかります。船員たちはみんなボートで逃げましたが、逃げ遅れたチムは船長さんが自分の船を捨てずにがんばっている姿をみつけるのです。「やあ、ぼうず、こっちへこい。なくんじゃない。いさましくしろよ。わしたちは、うみのもくずときえるんじゃ。なみだなんかはやくにたたんぞ。」…
 アーディゾーニの絵とお話がすてきなのはいうまでもないのですが、このあたりのセリフはほんとにカッコいい。我が家の長男(4歳)でも、このカッコよさがわかるのか、覚えて口ずさんでいます。「うみのもくずときえるんじゃ」なんてね(笑)。さすが瀬田さんですねえ。
 絵本としては少し長めのお話ですが、この船での冒険物語はチムと船長さんの船を愛する気持ちにひきつけられます。じっと聞き入ってくれると思います。紙の質も上質で、ページをめくるとき、指に気持ちいいです。この巻以外は、なかがわちひろさんが訳しています。
 新版発行されたこの機会に、初めてのかたもそうでないかたも、一度手にとってみてくださいね。付録の「チム通信<海の風>」も魅力のひとつですよ。

【B◎◎KRACK】 No.97 2001/08/29発行

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文庫手帳 2001

2001/02/21 16:44

手帳はこれと、決めてます。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 安野光雅さんの表紙の、ごくごくシンプルな手帳です。何がいいって、このサイズです! その名のとおり文庫サイズなのです。ですから、小さなバックにいれてもちっともかさばらないですし、安野さんのシックなイラストになごめます。10年分ずらっと並んでも、「全集っぽくてカッコイイ!」とひとり悦に入ってます(笑)。

 安野さんの表紙を見ていただきたいのですが、筑摩のホームページはもちろん、オンライン書店を数件みたのですが、画像を見つけることはできませんでした。残念…。…と、メルマガでは紹介したのですが、ああっ!いつのまにか、画像もあるじゃーん。これです、これ。ね、いいでしょ?

 これを使っていて困ること。仕事中に手帳を開いていると「本なんか読んで!」と勘違いされること、です。ちがうんだよ〜。

【B◎◎KRACK】No.62 2000/11/29発行

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紙の本3びきのくま

2001/02/19 16:02

「実はいる・岩のびっち」と「なすターシャ・ぺとローブナ」と「未シュートか」。

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 表紙のまぶしいみどりの色と重厚な絵のコントラストが印象的な絵本です。

 「ひとりのおんなのこが、もりへあそびにいきました。」道に迷ったおんなのこがみつけたのは、3びきのくまの家でした…。

 いろいろな人の絵で絵本化されている「3びきのくま」のお話です。バスネツォフの重厚な絵とお話のユカイ度が対象的で、ラストのくまの家から女の子が逃げ出すシーンは、思わず笑ってしまいます。女の子の走りっぷりも見事!

 このお話の魅力はなんといっても、くまのロシア的な名前の繰り返しにあるのではないでしょうか。おとうさんぐまのミハイル・イワノビッチ。おかあさんぐまのナスターシャ・ペトローブナ。こぐまのミシュートカ。この名前が、繰り返し繰り返しでてくるのです。子どもって、こういうのスキだから、すぐ覚えちゃいますよ。

 3のくりかえし、大中小のくりかえし、どれも昔話の基本です。この魅力にハマらない子どもはいないと思います。

【B◎◎KRACK】No.68 2001/01/24発行

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紙の本木はいいなあ

2001/02/19 15:45

やっぱり、木はいいなぁ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「木はいいなぁ」としみじみ思える絵本です。

 空を隠すようにたくさんはえている木。川べりにはえる木。谷底に、丘の上にはえる木。夏には木陰の下でお昼寝。秋になれば落ち葉たき。家そばに大きな木があれば、嵐がきても守ってくれる。

 木に登って遠くをながめたり、考えごとをしたり、ぶらんこをつけて遊んだり、海賊ごっこをしたりもできる。…

 木があるとこんなにすてきなんだよって、たくさん教えてくれます。環境にいいとか、緑に癒されるとか、そんなうわっつらのことではなくて実際に木に触れてみればわかる「すてきさ」が満載です。

 絵は青々とした緑がさわやかな水彩画。ただ、カラーの見開きのあとは、モノクロの見開き、という具合で、オールカラーではありません。でもそれだけに緑が映えます。

 やっぱり、さわってみなくちゃわからないことって、たくさんあるよね。

【B◎◎KRACK】No.71 2001/02/14発行

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紙の本かいじゅうたちのいるところ

2000/10/13 06:52

絵本なんて子どものもの…と思っているおとなに。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ある晩、マックスはおおかみのぬいぐるみをきて、いたずらしておおあばれ。とうとうおかあさんに夕ごはん抜きで、寝室に放り込まれてしまいます。すると、寝室は森にかわり、波が打ち寄せてきて、マックスの船を運んできました。その船に乗って、「1ねんと1にちこうかいすると、かいじゅうたちのいるところ」に着きました。

 怪獣の王様になって、またまたおおあばれするマックスですが、やがて「やさしいだれかさんのところ」へ帰りたくなります…。

 アメリカの代表的な絵本作家、センダックの作品です。「かいじゅう」の絵が「グロテスクなかんじがしてだめ」というかたもいらっしゃるかもしれませんが、子どもはけっこう楽しんでいるみたい。

 マックスが空想の世界に入っていくようすが、ページの余白がなくなっていくカタチで表現されていたり、自分とおなじように夕ごはん抜きで怪獣をを眠らせたあとにさみしくなったり、と読み込んでいくといろいろなことが隠されているかんじで、大人にとっては一種謎解きのようでおもしろいです。

 絵本なんて子どものもんだよなあ…と思っているかた、この本で奧の深ーい世界を体験してみてくだされ。

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紙の本おちゃのじかんにきたとら 改訂新版

2000/10/13 06:48

お茶のマナーを学ぶ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 明るい色彩の絵と太っ腹な親子が楽しい1冊です。

 ソフィーとおかあさんがお茶の時間にしようとしていると、玄関のベルがなりました。ドアをあけると、そこには大きなトラ! お茶によばれにきたのです。ソフィーもおかあさんも大歓迎です。

 テーブルにつくと、おかあさんはサンドイッチをすすめました。とらはひとくちでサンドイッチを全部のみこんでしまいました。でも、まだおなかがすいているみたい。ソフィーはパンをすすめました。そのパンもとらはぺろっと食べてしまいました。

 とらは、テーブルの上にあるビスケットやケーキを食べ、お茶も飲みほしてしまっても、まだ食べ物はないかなと台所をみまわすとら。ソフィーは、そんなとらをうっとりとながめたり、なでたりしています。

 結局、とらはおうちの食べ物という食べ物、全部をたいらげて、「すてきなおちゃのじかんをありがとう」と帰っていきました。おとうさんが帰ってきても食べるものがありません。どうしましょう?

 けっこうスゴイ事態になっているのに、ソフィーもおかあさんも動じず、とらが食べまくるようすを笑顔で見守っているという、不思議なおはなしです。とらもにやーと笑いながら(?)食べまくります。

 ソフィーやおかあさんの洋服がおしゃれで、とらの色も明るい黄色。全体にとても明るい色彩の絵本です。

 「お茶の時間は楽しくすごすものよ」ということなのでしょうか? でてくる人(&とら)が、愛嬌たっぷり&礼儀正しい絵本です。

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何歳でも、どういった楽しみ方でも、できる。上等の絵本って、こういう絵本のことをいいます。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人生ってこういうものかも、とおとなはしみじみできる1冊です。

「ぼく」のところに、おばあちゃんから電話がかかってきました。どう
やら「ひとりで遊びにおいで」と言われているようです。「おうちのま
えのみちをまっすぐ」くるように言われています。とにかく、まっすぐ
まっすぐ。

町の中の道をまっすぐいくと、田舎道。あれ? 「ぼく」は道を外れて
歩いていきます。「ぼく」にとっての「まっすぐ」は、道なりに行くこ
とではなくて、そのまま「まっすぐ」行くことのよう。とにかくまっす
ぐ進みます。…

おとなから見ると、道を外れてもまっすぐまっすぐ進む男の子に、何か
教えられるような1冊です。子どもは子どもで、ちょっとした冒険心を
満たされるように楽しんでくれます。

道を外れてまっすぐ行く男の子を待ち受けているのは、野いちごだった
り、小川だったり、ちょっとした山だったり、馬小屋だったりします。
自分なりに考えて工夫したり、自分で自分を励ましたり。おとなの目か
ら見ればいじらしいくらいがんばる男の子が、林明子さんの手で描かれ
ています。

けして高いところから子どもを見るのではなく、子どもの目線にそって
あたたかい目で描かれています。林さんの絵本を見ていつも思うのです
が、そこに確かに呼吸する子どもがいるんですよね。空気がある。だか
ら、ほんのちょっとした冒険でも、こちらは主人公の気持ちになっては
らはらしたり、がんばったりできる。

はらはらした後は、ちゃあんと受けとめてくれる人が待っています。お
いしいごちそうといっしょにね。

絵と文が分かちがたくいっしょになっている、ほんとうの意味での絵本
です。絵本というメディアを十二分に味わってください。

【B◎◎KRACK】 No.133 2002/05/22発行

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紙の本きょうはなんのひ?

2002/07/23 14:15

真実はどこに!?おそるべき絵本。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

読んだ後まで謎ときが続く1冊です。

絵は林明子さん。例によって、表紙からお話ははじまっています。三つ
編みの女の子まみこが、なにやらこっそりかくしています。学校へでか
けるとき、おかあさんにナゾのうたを残していきます。

「おかあさん、きょうはなんのひだか、しってるの? しーらないの、
しらないの、しらなきゃ かいだん 三だんめ」

こうして、おかあさんの謎ときがはじまるのでした…。

まみこがそっとかくした手紙を、開いた手紙の指示どおり次々みつけて
いくお話です。階段の三段目から居間のケーキの箱、玄関の傘立て、ま
みこのすきな絵本(『マドレーヌといぬ』!)、庭の池。そこここにか
くされた手紙を、ひとつひとつみつけていきます。そのおかあさんを
追って、家中が描かれているのですが、この描き方がハンパじゃない!

あまりにもフツーに、あまりにもあたりまえに描かれているので、見過
ごしてしまいがちなのですが、よーく見ると、人が暮らしている家とい
うのは、こんなにモノがあるものか、と驚嘆します。でも、ほんとにあ
たりまえに描かれている(しつこいようですが)ので、ぱっと見た限
り、何の変哲もない、人のにおいのする普通の家なのです。「何の変哲
もない」を描くためには、ここまで描き込まなければならないのです
ね…。

手紙の絵もきちんと描かれていて(1つ1つ折り皺も違う!)、この手
紙をならべてみるとタイトルの謎が解けるようになっています。

にしても、今日が何の日なのかは、まみこに言われるまでもなく、おと
うさんもおかあさんも知っていたのではないか? そこは、文章として
はふれていないのですが、答えは家の中に描かれているような気がしな
いでもない…。

文章全体の流れも、描かれている家も、すっきりとわかりやすいにもか
かわらず、読後には謎が謎を呼びます。そうして、なんどもくり返し読
んでしまう。

この深み、おそるべき絵本です。

【B◎◎KRACK】 No.137 2002/06/19発行

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紙の本おじさんのかさ

2002/07/23 14:09

かさを開いたときにいっしょに開いたものは。

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

雨は降っているけれど、心は晴れやかになる1冊です。

黒い帽子に黒いコート。口元にはりっぱなひげ。きちんとした身なりの
おじさんは、黒くて、細くて、ぴかぴかの、とってもりっぱな傘を持っ
ていました。でかけるときには、いつもこのかさを持っていきました。

でも、雨が降っても、この傘を開くことはありません。傘がぬれたり、
こわれたりしたらたいへん。だって、この傘は、おじさんの大事な傘な
のです。

ある日。公園でおじさんが休んでいると、雨が降ってきました。小さな
男の子と女の子が歌いながら、雨の中を帰っていきます。
「あめが ふったら ポンポロロン
 あめが ふったら ピッチャンチャン」
おじさんは、たちあがっていいました。
「ほんとかなぁ。」…

へんくつな頑固おじさんが、心を開くお話です。この本1冊、ほぼずっ
と、雨が降っているのですが、途中から画面がとても明るく、晴れやか
なふんいきになります。絵は、白地をいかした青がベースのどちらかと
いうと、暗いかんじ。それが、途中から絵のかんじが変わるわけでもな
いのに、晴れやかな、軽やかなページに変わってしまうんです。

どうしてかというと、やっぱり、おじさんが心をひらいたからなんです
ね。「雨が降っても傘は開かない」というへんくつおじさんが傘を開い
た瞬間から、世界は明るく見えてくるのです。傘のようすをおじさんの
心と考えながら読むと、なるほど、と思えるのでは?

難しいことを考えなくても、おじさんが傘を開いた瞬間、すぱっと目の
前に世界が開きます。佐野洋子マジック!です。

心持ち次第で、梅雨の過ごし方も変わるかも?の1冊です。

【B◎◎KRACK】 No.138 2002/06/26発行

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紙の本月の砂漠をさばさばと

2002/07/23 13:53

クールで、あたたかな、母子の日常。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ちょっとトボケたところのあるおかあさんと小3のさきちゃんが主人公
のお話です。タイトルは、おかあさんが歌った替え歌からきています。
♪さぁば〜さばとぉ〜さばの〜みそ煮がゆぅきーました〜♪

このおかあさんは作家さんなので、毎晩、寝る前にさきちゃんに即興で
お話を語ってくれるのですが、これがまたすっとんきょうなお話ばかり
だったりします。

何か特別な事件が起こるわけではありません。ただ淡々とすぎていく毎
日のなか、ほんのちょっとしたことが積み重なって、思い出にとなって
いくんだな、とほのぼのとします。でも、けして甘すぎない。特に、最
初の「くまの名前」で、けっこうガツーンときます。このあたりが、子
どもとおとなの違いか…というかんじかな。

おーなりさんの挿し絵が、このほのぼの親子を、よりほのぼのと描いて
います。とっても仲がよい親子なんだけど、友だち関係ではなく、ちゃ
んと「親と子」しているところがまたよいです。

けしてノスタルジックなわけでもなく、メルヘンなわけでもなく、現実
にクールでいて、あたたかく、明日からもまたがんばろう!という気持
ちになれる本です。

【B◎◎KRACK】 No.141 2002/07/17発行●ちょっと大きな本棚


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