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小萩さんのレビュー一覧

投稿者:小萩

12 件中 1 件~ 12 件を表示

やっぱり方言は奧が深い

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 作者の松本氏はあの「探偵ナイトスクープ」のプロデューサーで、番組内でこの「アホ・バカ」の分布を調査したことがきっかけでこの言葉の謎に取り組み始めます。学会発表までこなし、これまで謎の多かった(というかほとんど調べられていなかった)この「バカ・アホ」という言葉を調べ上げる経緯が記されています。
 私の実家の方では「フーケ」ですね。でも実際に使っているのはもうお年寄りばかりですが…。これは「ホウケ」の変化したものだそうです。古い言葉は地方(京都から遠い)の方言に残っているという説は知っていましたが、これほど同心円を描いて残っているというのは驚きでした。
 方言といえばこの本でも触れられていますが、やっぱり方言を考える時には今の行政単位よりも昔の藩の単位で考えなくてはならないこと。私は子供時代は父の仕事で長崎県内を転々としました。中学に入る時に諫早市に両親が家を建てたのでそこに住むようになったのですが、諫早はこれまで暮らした場所とは違いました。方言がわかるのです。なぜか。それは私の両親が佐賀県出身ということがポイントでした。諫早は一応諫早藩という小藩だったのですがこれは鍋島藩の支藩で、昔の国でいうと肥前の国なんですね。だからほとんど同じなのではなかったのでしょうか。諫早市の隣の大村市は結構言葉が違いますから(大村は大村藩。キリシタン大名で有名な大村純忠、ですね)。もしかしたら諫早氏は戦国時代に秀吉から(というか鍋島氏から)佐賀の地を追われたことも関係があるのかもしれません。
 ちなみに長崎県内でも長崎市内は天領でしたし、島原は島原の乱のあと、小豆島や大阪からたくさんの人が移住した(島原の乱で農民が死んでしまったため)ということですので結構言葉が違います。まぁ、よその人には全くわからない違いだとは思いますが…。
 きっと地方出身の方には楽しい一冊だと思います。

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紙の本愛情生活

2001/02/11 14:00

生まれながらの…

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 大学時代の友人と会い、5時間ほど店を変えながら喋り友人達を見送った後、書店をぶらぶらさまよっている時に見つけて購入。
 友人と会ったあとの高揚感とほんの少しの寂しい気持ちに「ぴたっ!」ときて、すぐさま手に取っていました。
 かのアラーキーこと荒木経惟の奥さんの陽子さんのエッセイ集。初めて彼女の文章を読みました。そして実をいうと、アラーキーが陽子さんを撮った写真をちゃんと見たのも初めてでした。これまでも雑誌等で、新婚旅行先の柳川で川下りの船の中でまどろむ陽子さんの写真くらいは見たことあったのですが。
 すでに陽子さんは1990年に亡くなっています。言葉をしみじみと噛みしめながらページをめくりました。気楽な調子で語られたものもあるし、かなり真面目な男と女の真理、といったメッセージが込められているもの(こんな読み方をされることは陽子さんにとっては本意ではないかもしれませんが)と様々。
 所々に掲載されているアラーキーの写真で見る陽子さんは、結婚前のものや、エッセイが書かれた当時のものまで様々ですが、「不機嫌そうな顔がいい」とアラーキーに言われただけあって、ちょっとつまらなそうな、てもちぶさたな表情がとても雰囲気があって素敵でした。招き猫の隣で笑っている写真の笑顔もとても幼く見え、かわいらしいです。
 私は写真を撮るのも撮られるのもそれほど興味がないので、こういういつも写真を撮られているという状況は想像を絶するものがありますが、天才と暮らす、ということはこういうことなのかとも感じました。陽子さんは生まれながらのモデルだったのでしょう。
 日頃、目にするアラーキーの「変なオヤジ」というイメージが吹っ飛びます。でもやっぱり変なオヤジなんだろうけど。あの猥雑な雰囲気も、猥雑な(決して悪い意味ではありません)写真も陽子さんあってのものだったのではないか…、なんて。

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ドラマティックな、そして深いスケートドラマ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 私が槙村作品にはまるきっかけとなった「白のファルーカ」。高校時代に熱中しました。これを読みたくて別冊マーガレットを毎月買ってました。ついでにフィギュアスケートにもはまりました。ちょうど、伊藤みどり選手が世界選手権で優勝したりしていたころで、今よりはフィギュアスケート自体が盛り上がっていた感じがします。

 スケートが好きな普通の少女樹里が大会中の事故で再起不能といわれた天才スケーター松木恵のパートナーに選ばれたことから、世界の舞台を目指していく、というストーリー。才能はあるが人間性に問題ありの恵と、技術はないが感受性豊かな樹里の二人が障害を乗り越えながら世界を目指す…。文句無しに面白い。

 脇のキャラクターがまたみんないい味だしてます。恵のライバルで実は恵の異母兄だった海棠、恵と樹里のコーチの筒井夫妻(この二人は「愛のアランフェス」にも登場)、樹里のおばあちゃん、恵の両親。いろいろな問題を抱えた人達が、お互いにエゴをぶつけ合う。それにしても驚くほど、主要キャラは家庭に恵まれていません。恵は松木家の長男(妾腹だったんだけど、本妻さんに子供がいなかったため幼い頃松木家へ入っています)として父親から「スケートなどやめて早く実業の世界へ入れ!」とつつかれる。しかも母は恵が子供の頃、海棠の母親の存在と恵の父親の心ない言葉に傷ついて現実世界から逃避してしまっている。樹里は一見のびのびすくすく育っているように見えるけど、フラメンコダンサーだった両親はスペインで交通事故死してしまって料亭を経営する祖母に育てられている(祖父はいない)。樹里の両親と一緒の事故で死んでしまったのが海棠の母親で…。

 ひとつだけ、気にかかっていること。第1巻の初めに恵が試合中に転倒して大怪我をします。その直前に樹里は(そのころ樹里は恵のおっかけでした)恵の控え室から海棠が出てくるのを目撃し「お兄さんかな」などと思ってます。この時点で、恵と海棠はまったく接点がないのですが後に海棠が恵に悪意を持つ人物として登場したとき私は「この人が恵のスケート靴に細工をしたに違いない!」と確信を得ました。が、最後までなぜこの時、海棠が恵の控え室から出てきたのか、という謎は明かされないままでした。後に樹里はこの時のことを思い出し二人は兄弟に違いない、という確信を得るのですが…。これは一度槙村さんに尋ねてみたいものです。

 二人が踊る「カルメン」「ロミオとジュリエット」「ファルーカ」、それぞれのダンスシーンが素晴らしい。特に「カルメン」は何パターンも描かれています。衣装もかわいい。実際のフィギュアスケートの試合でも派手なリフトがないためかアイスダンスはペアより地味で、日本人選手も活躍しないためテレビ放映もあまりないんですが、すごくいいです。スケートというよりダンス。これはバレエの国ロシアの独壇場という感じ(今、どうなのかはわかりません。1990年頃の記憶です)。

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紙の本着物をめぐる物語

2001/03/18 23:29

着物を着て暮らしたくなる

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 着物をテーマにした短編集。着物は高価なモノだけに、女の念がこもりやすいものなのでしょうか。ちょっとだけ、コワイお話が多いです。
 林真理子という作家はこういう短編の方が、はっと気の利いた作品が多いような気がします。もちろん長編もさすがのストーリーテイリングではありますが。やはりコピーライター出身だからでしょうか。各作品の扉にそのストーリーにふさわしい着物の意匠が印刷されていて、それがまたため息がでそうなモノばかり…。着物を着たくなります。一度でいいから歌舞伎座に着物で行きたい…。小紋が欲しい…。と贅沢な欲望がむくむくとわき上がってきます。

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10代の真剣な恋。そして成長物語

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 中学〜高校の頃、夢中だったのが「白のファルーカ」とこの「ボーイフレンド」でした。心臓に持病を持つ可奈子とバスケットの才能を持つ高刀。この二人が出会って、恋をして、というラブストーリーです。

 ずいぶん大人っぽいストーリー、と思い読んでいたことを思い出します。可奈子は病弱で2年だぶっていて、高校2年生だけど実は19歳。おとなしい性格も災いしてか、あんまり親しい友達もいない。そして、姉は自分のせいで交通事故にあって死んでしまった、という傷を抱えています。一方高刀は天才的なバスケットの才能を持ちながら、父親への反発からバスケットもやめて何となく高校生活を送っています。そこへ可奈子の幼なじみで死んだ姉の恋人だった荘が可奈子と高刀の通う高校へ体育教師として赴任してきたところでストーリーは動き始めます。

 可奈子と高刀はお互いにないところを補い合うことで、どんどん成長していきます。そして、やがて可奈子の心臓病が悪化、その一方で高刀のバスケット部は全国大会へ。高刀のライバルアキラ(可奈子が手術を受ける大病院の息子)との3角関係や、可奈子の「死」への恐怖などなどストーリーを盛り上げます。

 ただの闘病もの、スポーツものにならなかったのはこの「てんこ盛り」に秘訣があるのではないでしょうか。それは「家族」との関係。可奈子も高刀も家族に対して何らかの問題を抱えています。可奈子にとっては姉を死なせてしまったという負い目、高刀は父との葛藤。それらを乗り越えて、二人はこの恋愛の中でどんどん成長します。可奈子は「自分の足で立つ」ことを学ぶし、高刀は「他人との関わり方」を学ぶ。二人とも大きな何かが欠けていた、それを相手との関係の中で、「自分で」埋めていく。だから可奈子が手術をするとき、可奈子は高刀なしで立ち向かうし、同じ時高刀はバスケットの試合で自分と向かい合う。このシーンは感動しました。

 でも19歳と17歳、しかも高校生でこんな恋をしてしまったら、その後の人生しんどそう、などと余計な心配してしまいます。「ボーイフレンド」は文庫化もされてますし、最近何故か講談社からコミックスがまた発売されています。願わくは、惣領さんに「kiss」あたりに登場してもらって、その後の二人のストーリーを描いて欲しいです。別にこの二人じゃなくていいんだけど、10代で運命の恋に出会ってしまった二人の10年後、みたいな話をお願いします。

 足掛け4年くらいの連載で、絵柄が変わってくるのはよくあることですが、最初と最後では最後の方が5歳くらい若く見えます、可奈子さん。

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槙村さとるの原点

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 おそらく槙村さとるの出世作。78年から3年間、冬季限定で連載されたようです。約20年前の作品です。私は平成になった頃読みました。

 高校生の亜季実は北海道からスケートをするため上京。スランプ中の男子トップスケーター黒川と出会います。実は亜季実の父森山はかつてのトップスケーター。北海道にこもり亜季実にみっちりスケートを仕込んでいました。亜季実と黒川はやがてペアを組み、世界を目指しますが、亜季実が自分に依存してダメになってしまうと感じた黒川はイギリスへ留学します。再びシングルに戻った二人は、ある時別々の大会で「アランフェス協奏曲」をペアで滑るように滑り、お互いの存在を確認。スペインのアランフェスで再会し、もう一度ペアを組みます。亜季実の父がコーチとなり世界選手権へのトレーニングをし、お互いの愛も確かめ合う…。

 黒川さんがいい人すぎるのがちょっと…、という気もするし、亜季実のお父さんは北海道の山奥へこもる必要があったのか?、という疑問もないではありませんが、結構はまります。特に、亜季実が黒川に頼ってしまい駄目になりそうになる、という試練はなかなか。そこで、あっさり身を引いてしまうのが「黒川さん、かっこよすぎる」、と私が感じてしまうところなんですが。

 ここで、黒川の親友として「白のファルーカ」の筒美コーチが登場します。真紀子さんは黒川を好きだったんだけど最後は筒美さんとアイスダンスペアを組み、結婚します。

 亜季実は3回転ジャンプを跳んで、人々を驚かせています。「男子でも世界で数えるほどの選手しか跳べないのに」と。今や4回転ジャンプをする人もいるのに。人間の肉体はどんどん進化していくのだ、と実感。

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幕末の風景

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 黙阿弥の代表的作品の一つ、「三人吉三(さんにんきちざ)」を題材に、幕末の美学、のようなものが語られています。
 作者が現代の若者2人と一緒に幕末にタイムスリップし、彼らに舞台を観ながら説明していくという趣向。だからとてもわかりやすい本です。なぜ幕末に黙阿弥の描く世界(退廃的で、享楽的で、やぶれかぶれで、理不尽で…)が熱狂的に受け入れられたのか、までが語られています。

 折しも本書発売年の2月の歌舞伎座昼の部では「三人吉三」が通し上演ですされました。この本を一読してから、芝居をみるとより楽しめるのではないでしょうか。

 私はつらつら考えてみると、「三人吉三」は6〜7年前に一度観ているはず。覚えているのはお嬢吉三(このお芝居にはタイトル通り、お坊吉三、和尚吉三、お嬢吉三という3人の吉三が登場します)が和尚吉三の住む寺の欄間に隠れていて、そこから降りてくるシーンですねぇ。確か、あの時もお嬢は菊五郎だったと思うけど。
 ぜひ、三之助(新之助、辰之助、菊之助)の「三人吉三」を再度上演して欲しいです!

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しなやかなひと

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 ふと本屋で芸術関係の棚を眺めていたら、発見。
 片岡仁左衛門丈の生い立ちから、衰退していく関西歌舞伎のなかでの苦労、東京での下積みのような日々。そして内々に仁左衛門襲名が決定した直後の大病。奇跡的な復帰と、それを乗り越えての襲名までの記録です。特に闘病のくだりは涙なしには読めません。奥様の献身的な看病と優秀なお医者様、看護婦さん、そしてまわりのもろもろの方に一ファンとして感謝したい気持ちでいっぱいです。そしてすさまじいまでの精神力で病気に打ち勝ってくださった仁左衛門さまご自身にも。

 私が歌舞伎を見始めたのが、確か1991年の秋で、仁左衛門さまが倒れたのが1992年の年末。おそらくほとんどその当時は舞台でのお姿を拝見していないはずです。1992年の12月あたまに母と京都に旅行して、切符が取れたら南座にも行こうと言っていたのに、確か昼の部しか空いてなくて断念したんですよね。当時は今ほど歌舞伎にも仁左衛門様にも夢中ではなかったので、寺を観る方を優先させてしまったのだと思います。
 今思うと、あの時南座に行っておけば…とも悔やまれますが…。そして1994年1月の歌舞伎座。私は復帰後初舞台の「お祭り」観に行きました。

 「待ってました!」

 「待っていたとはありがてぇ」

 の掛け合い(この掛け合いは「お祭り」という踊りのお約束で、病気復帰と二重になっているわけです。もちろん「待ってました!」は客席から)にじ〜んときたのを覚えています。しかしその頃はまだ私の中ではそれほど特別な役者さんではなかったのですけど。
 仁左衛門および歌舞伎を愛する人には必読の1冊です。

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少女マンガがうつすもの

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 「コミック、とくに少女マンガの変化を追っていけば時代の価値観の変遷が浮かび上がってくるのではないか」と考えた著者がほぼ10年かけて書き上げた評論集。1998年出版です。

 各章のタイトルを抜き出してみると…「恋愛−恋愛という罠」「性描写−こほどかように」「成熟−オトナになった少女マンガ」「家族−明るい家庭のつくり方」「居場所−あなたのための場所」「時間−”閉じられた季節”の向こう側」「トランスジェンダー−女の両性具有、男の半陰陽」「レズビアン−女であることを愛せるか」「女性愛−時代は明るいレズビアン」「社会−お仕事!」「組織−女性総合職、逆転ホームラン」「生殖−生殖からの逃走、あるいは世界の再生」「生命−緑への意志」「進化−存在の変容へ」…と刺激的なテーマが選ばれています。

 かなり古い70年代はじめくらいの作品から現在(1998年時点)の作品まで幅広く取り上げられているため、読んだことがあるものは半分もないのですが。あと私はどうしても「花とゆめ」とやおい系にも縁がないため、そのあたりは「ふ〜んそんなものなのか」という感想になってしまうのですが。私のホームグラウンドといえばやはり「成熟−オトナになった少女マンガ」で論じられている槙村さとるの『おいしい関係』あたりです。この評論は確か何かの雑誌で読んだことがあって、可奈子さんへの詳しい描写がある(主人公の恋のライバルでありながら非常に深く描き込んである)ことがこれまでの少女マンガのセオリーからは大きく外れていること、という指摘に非常に感銘を受けたことを覚えています。これが書かれた時点ではまだ『おいしい関係』は連載中だったので、完結した時点での再評価を読んでみたいものです。あとは『イマジン』についても。

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紙の本虹のナターシャ 5巻セット

2001/03/18 23:49

ドラマティック!これぞ少女マンガ

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 原作林真理子、絵大和和紀という豪華な組み合わせで話題になった作品。宝塚でも上演されたそうです。文句無しにおもしろい。波瀾万丈、これぞ少女マンガ。

 太平洋戦争前夜の上海。ナターシャは食堂を営む日本人家族に育てられているものの本当は日本の呉竹男爵とロシアの歌姫の間に生まれた少女。上海に来ていた指揮者三条に出逢い、日本へ向かう。呉竹家では家族にいじめられ、唯一の味方で三条の婚約者でもあった姉の梅子とも三条を巡る三角関係でこじれてしまう。呉竹家を出たナターシャは流行歌手としてデビュー、一躍人気者に。そこへかの男装の麗人川島芳子が登場したり、幼なじみの武志が作曲家になったり、三条は音楽を捨て左翼の活動家になってしまうし(三条はいわゆる華族なのですが)。

 ナターシャは上海に逃げ、そこで三条とそしてロシア革命に巻き込まれ死んだはずの母と再会、アメリカへ渡り物語は終わります。

 「天使の果実」で原作付(原作伊集院静)の作品を大和さんが描いていて「原作付なんて、もったいない。ストーリーもおもしろいのに」とちょっと不満でしたが、この作品はわくわくしながら読めました。ただ最後ナターシャは二度と舞台に立つことはなかった、という終わり方でしたがやはり平和になってからもう一度舞台に立ってほしかったですね。

 ちなみにナターシャは上海育ちで、しかも武志と兄弟のように育てられたためか「男言葉を話す美少女」として登場します。大和作品に多いキャラクターですね。

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すてきなタケコさん

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 タケコこと北条猛子は七光物産の社長秘書。オフィスではカチッとしたスーツに黒ぶち眼鏡、しかしアフターファイブには変身して夜な夜なクラブで踊り明かす…。

 そんな、ミステリアスな彼女の恋人はこれまたミステリアスなしーちゃんこと海棠静。かれは東大大学院の数学科卒で職業は道路工事。ふらりと気が向けば1ヶ月も北海道に出かけたり…。

 二人の関係がコメディータッチで描かれていくオムニバス漫画。はじめは秘書室の後輩達にタケコさんが恋愛指南をする、という形式で「タケコさんって不思議、タケコさんの恋人ってどんな人?」と後輩達が勘ぐって終わる、というパターンでしたが、どんどんタケコさん自身の恋愛にシフトしていきます。

 このまま、二人の関係は「サザエさん状態で、永遠に続くのでは?」と思っていたところ、最後はシリアスなストーリー展開で幕を閉じます。

 しーちゃんはやっぱりただの道路工事のおにいちゃんなんかではなく、なんと大会社の社長の息子で、ワンマンな父親に反発してあんな生活を送っていたのでした。そのしーちゃんちの会社が企業乗っ取りに遭いそうになり、タケコ率いる七光物産と組んで立ち向かうのですが、そこには数々の困難が…。

 昼間はバリキャリのタケコさんがしーちゃんの前に出ると、けなげでかわいらしい女性になる、というその落差が新鮮。でも結末はちょっとありきたり、という感じもしないでもないです。このまま、サザエさん状態で延々連載を続けて欲しかったものです。

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紙の本くすだま日記

2001/01/28 23:30

20世紀最後の中野翠

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 中野翠のエッセイ集を年末もしくは新年に読んで、その1年を振り返る…という習慣がついてもう何年になるだろうか。同時期に発売される林真理子のエッセイと続けて読むと、同じ事件・出来事でも感じ方は人それぞれなんだなぁ、なんてしみじみすることもできる。
 今年の「くすだま日記」はサンデー毎日に連載されているものをまとめた13冊目にあたる。西鉄バスジャック事件や新潟少女監禁事件といった暗澹たる気持ちにさせられた事件の合間合間に中野翠が偏愛(という言葉が彼女ほどびったりくる人はあまりいないのでは?)する映画や落語や歌舞伎の話が登場して、ホントに日記だなと思う。
 奇をてらわない文章に、自由人としての彼女の強さと弱さが現れていて楽しい、と毎年思うのだが、この日記では現実のいや〜な感じがしみだしてきているのかいつものように楽しい気分にはあまりなれなかったのがちょっと残念。

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